隆盛から半世紀余り シャリ感のある懐かしの味
◇東近江
明治時代から栽培が始まり、昭和三十年代まで地域の特産として知られた「角井スイカ」の再興に取り組んでいる農事組合法人・アクティブファーム百済寺は、昭和十年過ぎから三十年代まで角井スイカの隆盛を極めた品種「富研(ふけん)号」を売り出す。
角井スイカは、愛東地区東北部で生産されていた今で言うブランド品で、大玉で味がよいことでその名が広く知られていたが、他の産地に押され次第に作られなくなった。
同法人では、角井スイカの隆盛を担った代表品種の栽培をめざしていたところ、昭和十一年(一九三六)に富研号を開発したスイカとメロンを専門に扱う奈良県の萩原農場で復刻されていることを知り、種子を譲り受け、発芽と接ぎ木による育苗を滋賀県農業技術振興センターに依頼。五月下旬に四十株を定植し大切に育てている。
富研号は、戦後、低迷していたスイカ業界を救った品種で、二十六年にはスイカで初めて農林種苗名称に登録されるなど、当時、絶賛のスイカだった。今では少なくなった皮の模様が薄い無地皮で、甘くてシャリ感があるのが特徴。
同法人代表の山本友彦さん(57)は「先人たちが栽培していた富研号が、関係者の温かい支援で角井スイカの地に復活することは大変うれしく思う。昔の角井スイカの味を提供出来ることに感謝したい。天候にも恵まれ順調に育っており、収穫が楽しみ」と話している。
販売は、例年と同じ東近江市百済寺本町の農業倉庫横の直売所で、今月下旬から始める予定。これまでのおいしい大玉品種「紅大」(約千五百個見込み)との併売で、富研号は百個余りの販売数になる見込み。







