食わず嫌いはもったいない!CoCo壱番屋「鹿カレー」

■平成22年5月22日(土) 第15653号

=県内2店舗で販売中=

鹿カレーを味わう藤澤町長

◇東近江・日野町
 カレー専門の全国チェーン“カレーハウスCoCo壱番屋”(本社=愛知県一宮市)の近江八幡サウスモール店と東近江五個荘店で、十七日から地産地消の新メニュー「近江日野産 鹿カレー」(一食八百八十円)が登場した。

 県内生息のニホンジカは、平成十九年の約二万六千頭から毎年三〇%ずつ増加し、平成二十四年度には四万四千頭と適正生息数八千百頭を大きく上回る見込み。農林被害額も年間四千万円にのぼる。
 総面積のうち約三割が山林の日野町でも、農作物などを食い荒らす獣害に頭を悩ませており、シカと車の接触事故も珍しくない。
 被害拡大を防ぐため、日野町猟友会は昨年度二百四十八頭を捕獲。今年度、猟期期間外の有害駆除を倍の二百頭に増やし、計三百五十頭の捕獲を目指す。
 ヨーロッパで高級食材の鹿肉も、食べる習慣のない日本では捕獲後ほとんど廃棄処理されているのが現状。猟師の捕獲費用ねん出のためにも鹿肉の有効利用が有害駆除の大きな推進力になると、同町では、昨年十月開設の食肉処理施設「獣美恵堂(ジビエドウ)」(同町松尾)を核に、鹿肉の販路拡大に力を注いでいる。


店舗前にのぼり旗を立てPRする岡島代表取締役(近江八幡サウスモール店で)

 こういった取り組みを知り、県内でCoCo壱番屋を十店舗経営する株式会社アドバンス・岡島洋介代表取締役は「鹿に罪はなく、鹿肉の地産地消を図ることが地域貢献にもつながる」と、昨年十一月頃からメニュー化の検討に入った。
 獣臭を抑えつつ風味を残し、肉質が固くならないよう下処理するのは至難の技。日野町役場農林課をはじめ鹿肉を熟知する東近江農業農村振興事務所・松井賢一副主幹に協力を仰ぎ、圧力鍋での加熱時間や臭みを消す調味料の配合など試作を繰り返し、商品化に成功。
 最大の課題だった鹿肉の品質管理に関しては、供給側の日野町猟友会が万全の体制を整えたことで解決し、買い付け用に冷凍機能付き運搬車もそろえた。
 一食に使う鹿もも肉は百二十グラム。高タンパク質・低脂肪・低カロリーに加え、女性に不足しがちな鉄分も豊富で健康食材として注目されていることを知れば、鹿カレーに引かれる人も多いはず。
 発売初日に近江八幡サウスモール店を訪れた藤澤直広・日野町長は「豚や牛にも引けを取らず、ヘルシーでおいしくいただけるのがすばらしい。カレーを販売する店と食べる人、農家を含めた地域のためになる『三方よし』の取り組みであり、鹿肉の利用拡大につながれば」と期待を寄せる。
 岡島代表取締役は「鹿カレーを通して、大変な思いを地域の方がされていることも知ってほしい」と、六月下旬から多賀SA下り店でも販売する予定。


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