名ばかりの県のホットライン

■平成24年3月1日(木) 第16202号

=国会で追及された自衛隊派遣要請遅れ=

個人情報保護のため電話番号は削除するなど原本を修正をしています

◇全県
 先月二十三日の国会の衆院予算委員会で、金子一義・元国土交通相(自民)は、同二日の大雪に伴う滋賀県の陸上自衛隊派遣要請が大幅に遅れたことを指摘し、国の出先機関の受け皿としての関西広域連合は不安だとの懸念を示した。この金子氏の発言に対し嘉田由紀子知事は「県の対応は適当で、事実関係を知ってから指摘してほしい」と反論。そこで県や高島市の対応を振り返ってみた。     【石川政実】
 県によると、西川喜代治・高島市長は先月二日午後二時四十分、自衛隊派遣要請を県にしてもらおうと、嘉田知事の私用の携帯電話にかけたが、嘉田知事から応答なし。そこで同市長は二時四十四分、小椋正清・県防災危機管理監の公用の携帯電話にかけるが、これも応答がなかった。この当時、嘉田知事と小椋管理監は、県庁で市町の首長や担当者を集めた“危機管理研修会”(一時から二時半頃まで)に出席していた。小椋管理監は司会を務めた。
 三時四十五分、自衛隊今津駐屯地から「高島市から派遣要請の相談を受けているが、県の見解はどうか」と県防災危機管理局に問い合わせの電話が入り、県は高島市の深刻な事態を初めて知った。県防災危機管理局は四時七分、高島市総合防災課長に事実確認をした。ようやく四時五十分、嘉田知事が高島市長に電話をかけ、小椋管理監に派遣要請を指示。五時四十分、県が自衛隊に災害派遣要請をする。自衛隊は三日午前九時に出動した。
 嘉田知事は「公務中で私用の携帯までチェックしていなかった。市から県の担当課に連絡してもらえれば、すぐに対応できた」と市を暗に批判。
 しかし西川市長は「自衛隊派遣要請はトップ同士の判断でないと無理との思いから、嘉田知事からよくかかってくる携帯電話番号(自らの携帯に登録済み)にかけたが、応答はなかった。そこで県が緊急時のため平成二十二年十月に設けた『県―市町危機管理情報伝達ホットライン』(図参照)を使って小椋管理監にかけたが、それも応答はなかった。ホットラインは、公務中でも電話をしたらすぐ出るのが当たり前」と無念さを隠さない。
 県のホットラインは、図のように、知事、副知事、防災危機管理監、市町長の緊急時の携帯や自宅の電話番号簿が明記されており、県が二十二年十月、各市町長に送付している。厳格な運用が義務づけられており、例えば電話番号簿に変更があれば、県防災危機管理局長に連絡するとなっている。だが、この三月現在で、図の米田副知事、田口副知事、瀬古政策監はすでに退職しており、小椋氏も管理監に昇格。また、市町では、守山市長や大津市長が変わっているが、県は一度もホットラインの電話番号を更新しておらず、県の危機管理のずさんさが市町からも指摘されている。


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