農の力で女性が元気になる“はれベジ”晴れやかファームで骨休み

■平成25年1月5日(土) 第16466号

=食・野菜・農業・自然の力を伝え生かす!!=

日焼け対策も万全に、自分たちが植えたルッコラを収穫する参加者ら

 「きっとおいしかったんやろうね」と、虫食いの葉を見て交わされる何ともかわいらしい会話―。農作業服もオシャレに着こなす若い女性の笑い声と笑顔が、五個荘竜田町にある株式会社晴れやかファームの田畑に広がる。特に都会で暮らす女性たちを農の力で元気にすると評判の“はれやかベジタブルプログラム”を取材した。

●未来の食と農業見つめて
 晴れやかファーム園長の毛利有宏代表取締役(43)は、元々非農家で、食物アレルギーのある娘のために畑を借りて家庭菜園をスタート。農作物を育てる楽しさを感じ始めた頃、農家から「農業は若い人がする仕事じゃない」と言われ、将来の食環境に危機感を募らせたという。


「意識の高い方が多い」と、女性参加者の熱心さに舌を巻く晴れやかファーム園長の毛利有宏さん

 これが人生の転機となり、服飾会社を退職して農家の道へ。新規参入が難しい農業の世界で独立できる場所を探し回り、たどり着いたのが、三方よしの理念が根付く東近江地域だった。
 大阪の自宅から三年間通い続け、五個荘竜田町の田畑を借り受けた。平成二十年には同社を設立、社名に“子どもたちの未来が晴れやかであるように”との願いを込めた。
 現在、農園は、津田農場も含めて露地畑約二ヘクタールと田んぼ一・二ヘクタール、ビニールハウス十棟。無農薬・無化学肥料栽培を実践し、独自の農業学校や就農体験受け入れといった新規就農者支援に力を入れる。


農作業の後はメインログハウスの中で、とれたてトウモロコシを使ったイタリアンブレッド作りに挑戦

 また、農園スタッフ常駐の直売店を京都の三条商店街に構え、ベジタブルパートナーシップ会員を募って新鮮野菜を直送するなど、食を軸に互いに支え合う新たな仕組みづくりも模索している。
 「消費者の顔が見える中で、ものづくりがしたい。そうすれば『あの人のために安全でおいしい物を』との思いを、種を落とすときの一粒にまで込められる」。初心を忘れず、消費者との直接交流をかたちにしている点が、毛利流農業の大きな特徴と言える。

●農の可能性
 消費者とともに食を守り、農業の持つ可能性を広げる取り組みの一つが、“はれやかベジタブルプログラム”(通称=はれベジ)。


命を紡ぐ食の力を参加者に伝えつつ、薬膳の勉強も深めている野菜ソムリエの森玲子さん

 これは、女性限定の企画で、自然の中での有機野菜づくりを通して、心をストレスや緊張から解放し、食によって育まれる健康の大切さを知り、未来の自分のために英気を養ってもらうのがねらい。
 指導するのは、同社スタッフで野菜ソムリエの森玲子さん(33)。会社員時代に食を疎かにして体調を崩した経験から食の勉強を深め、三年前に野菜ソムリエの資格を取得。「栄養価よりも農業の現場を知らなければ伝わらない」と考え、農の世界へ飛び込んだ。
 自らの体験と知識を生かし、平成二十二年から始めたはれベジ(四月から翌年一月までの間、毎月一回)では、農作業にミニミニ講座(春の薬膳・夏に向けた体づくり・冬に食べるべき物など)とイベント(お茶作り・羽二重餅でもちつき大会など)を組み合わせる。さらにオーガニックランチ(秋の和食薬膳・体ぽかぽかの美肌鍋など)付きで、フレンチランチの会や自分たちで栽培した無農薬丹波白大豆を使う手作り味噌の会などオプションも用意している。


体にやさしいサツマイモパンやカボチャの食パンなどが並ぶオーガニックランチ

●女性の元気応援
 今年度の参加者は、大阪や京都で暮らす二十、三十歳代が中心の計十七人。
 都築知子さん(34)=京都在住=は「通っている料理教室で、晴れやかファームの野菜が使われていたのをきっかけに、自分で野菜を植えたいと思い参加した。本当に気持ちがいい場所」と語る。
 オーガニックランチで味わった蒸し野菜の甘味が忘れられないという林かす美さん(24)=京都在住=は「夜中まで仕事をしているので、陽にあたることが少ない。早起きするのはおっくうだが、毎回来ると、自然の音やにおい、景色に癒される」と、ゆったりした時間と空間に身を委ねる。


山や畑といった自然に抱かれて小休憩中

 「とれたての野菜を生で味わう機会がない。ここは無農薬なので安心して、何でも生で味見している。特にスナップエンドウの生は、すっごくみずみずしくておいしかった。素材本来の味や良さを知ることができた」と、岩本真子さん(30)=京都在住=は目を輝かせる。
 仕事が忙しくてコンビニ食で済ませることが多いという鴻巣由季さん(26)=京都在住=は「オーガニックランチを食べると、思わず『ハァー』とため息が出る。まともなご飯を食べている幸福感も味わいつつ、食生活を見直すいい機会になっている」と、はれベジで栄養補給している。
 森さんが目指すのは、参加者自身がなりたい自分に必要な食を考え、選び出せるだけの意識と技能を身につけられる“はれベジ”。「農作業には、心身を健康にする効果がある。これからも食の力、野菜の力、農業の力を伝えていきたい」と、女性たちの元気を支える。


株式会社晴れやかファーム
 〒529―1421
 東近江市五個荘竜田町827
  電 話0748―48―6780
  FAX0748―48―6779
 ホームページ

  http://www.umaretateyasai.com


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