最古級の大型構造船部材出土

■平成27年12月13日(日) 第17371号

=長浜市の塩津港遺跡発掘調査=

踏板に転用された船(構造船)材(写真提供=県文化財保護協会)

◇長浜
 公益財団法人県文化財保護協会の塩津港遺跡(長浜市)の発掘調査で、最古級の大型構造船部材が出土するとともに、古代塩津港の街並みが判明した。
 これは、国土交通省近畿整備局滋賀国道事務所と県教育委員会からの依頼で、同協会が国道8号塩津バイパス工事に伴う塩津港遺跡の発掘調査を平成二十四年度から実施しているもの。
 これまでの調査で、古代末から中世にかけての塩津港の様子が明らかとなりつつあり、この七月には十二世紀頃に琵琶湖を埋め立てて造った他に例を見ない本格的な港であると発表した。
 今回の調査区からは、港の町並みの様子をうかがい知ることのできる遺構や遺物が見つかり、また、側溝に架けられた踏板(ふみいた)は、当時の船の部材を転用したもので、その部材は最古級の構造船の部材であることがわかった。
 荷物を運び入れるため「道路」は港にとって重要な設備だが、塩津港でのこれまでの調査では鎌倉時代以前の道路は見つかっていなかった。


塩津の船イメージ復元模型

 しかし今回の調査では、さらに古い平安時代後期に造られた幅三・七メートルの本格的な道が見つかった。
 道路は南北方向で長さ約十メートルにわたって検出された。道路の両側の護岸に五十センチ大の石材を積み上げ、路面には直径三センチ程度の玉砂利を固く充填(じゅうてん)している。側溝は幅五十センチ、深さは六十センチあり、石垣や菱垣(ひがき)、横板などで護岸している。
 側溝に架けられた踏板には釘穴が彫られ「縫い釘(ぬいくぎ)」が打たれた跡があった。細部の観察の結果、これは板を組み合わせて作った船、すなわち「構造船」の部材の一部と考えられることがわかった。廃船の後、踏み板に転用されたものとみられるという。
 同協会では「古代から中世にかけての実物船の出土資料が日本ではほとんど残っていない。十二世紀の構造船の部材と考えられ、最古級の出土例となる。これまでの通説を覆し、平安時代後期(十二世紀)には本格的な『板作りの構造船』が登場していたことを示すもの」としている。


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