木造ビル可能な新建材「CLT」

■平成28年11月3日(木) 第17644号

=林業再生の起爆剤に!=

三東工業社が甲賀市信楽町で建設中の自社社屋

◇全県
 林業再生や環境循環、優れた強度の観点から、コンクリートに代わる中高層建築資材として木材パネル「CLT(直交集成板)」が注目されている。県内でも総合建設業の三東工業社(栗東市)が県産材を有効利用し、県内初のCLT建築となる自社社屋の建設に九月着工、来年一月に竣工させる運びだ。【高山周治】

三東工業社、県産材で自社社屋
県「CLT等普及促進会議」で後押し


 CLTは、板の繊維方向を直交するように重ねて接着したパネルで、一九九五年頃からオーストリアを中心に発展し、現在では欧米を中心に十階建ての集合住宅や大型商業施設で使用されている。
 日本政府も成長戦略で普及に力を入れており、今年四月にCLTの設計基準を建築基準法で定めた。これにより、高さ六十メートル以下の建物であれば、大臣認定を受けずに建てられるようになった。


欧米では中高層ビル、大型商業施設で使用されている。写真はオーストリア・ウィーンの大規模ショッピングモール(写真提供・日本CLT協会)

 県では、三日月大造知事が八月、「CLTで地方創生を実現する首長連合」(共同代表=尾崎正直・高知県知事、太田昇・岡山県真庭市長、十八道府県・二十六市町村)に参加するほか、関係団体とともに「県CLT等普及促進会議」を設置し、情報収集と推進に向けた議論を進めている。
 三東工業社の社屋で使用されたCLTは県産材一〇〇%で、厚さ三センチのパネルを五枚重ねたもの。建物は、床面積百十平方メートル、高さ四メートルの平屋建てで、アーチ型の連続壁など優れたデザイン性や、木質の美しさと温かさが実感できる設計となっている。
 同社営業部技術課長の吉田晴彦氏は、CLT建築の特徴として、伐採と植林の好循環による林業再生と良好な森林環境への貢献のほか、優れた耐震性と耐火性をあげる。
 「木材なので、一般的に耐震・耐火性が弱いと誤解されがちだが、そんなことはない。コンクリートに比べて軽量、かつ厚みのある面で建物を支えるため耐震性が高く、阪神淡路大震災級の震動台実験でもビクともしなかった。また、多孔質材料で厚みがあるので、優れた断熱性を発揮する」と太鼓判を押している。


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