湖北の精神風土の特質に迫る

■平成28年11月14日(月) 

=新刊「奥琵琶湖『観音の里』の歴史」=

畿内に近接し、日本海からの大陸文化の経由地として一定の文化的な役割を果たした湖北に注目した新刊

◇長浜
 なぜ湖北には優れた観音像が多く残っているのか――。そんな疑問に答える新刊「奥琵琶湖『観音の里』の歴史」(本体二千円)=写真=が彩流社(東京都)から出版された。
 著者は、比較思想、比較文学、日本思想史が専門の大東俊一氏(人間総合科学大学大学院教授)。同氏は同書を完成させ、今年六月に死去した。主な著書に「日本人の聖地のかたち―熊野・京都・東北」など。
 そもそも同氏が湖北の地に関心を持ったのは、畿内に近接し、日本海からの大陸文化の経由地としての文化的な役割に着目したため。史料を集めながらも数年が経とうとしていたが、昨年六月、末期のすい臓がんが見つかり、肝臓への転移もあり、執筆を決意した。
 本書では、渡来人による大陸の先進文化、古代氏族による在来信仰、式内社と古墳に対する信仰、伊吹・己高山を中心とした仏教文化や山岳信仰、中世以降の仏像の奉祀、そして現在も湖北に残る行事「オコナイ」などから検討し、湖北の精神風土の特質に迫る。


関連記事

powered by weblio




同日のニュース