所有者不明地を公共利用へ 今国会に特措法案提出

■平成30年4月5日(木) 第18081号

=県内の不明土地0・3% 県、法案成立待って体制整備へ=

 【全県】 相続登記がなされず所有者がわからない「所有者不明土地」問題。この有効活用を図る特別措置法案が先月9日に今国会に提出されたため、県では今夏にも法案が成立すると見込んで検討を始めることになった。また特措法案の動きに呼応し、2月定例県議会でも、国会および政府に対し、「所有者不明土地の所有者探索の円滑化と利用促進のための措置を求める」意見書が可決されている。(石川政実)

 所有者不明土地をめぐっては、災害復旧やまちづくりに支障が出る事例が発生している。民間の有識者会議が昨年発表した推計では、2016年時点の面積は九州の面積を上回る約410万ヘクタールにのぼる。
 では、滋賀県の所有者不明土地はどの程度あるのか、その目安になるのが県内の各市町で実施されている「地籍調査」である。この調査は国土調査法に基づく事業で、宅地や山林の面積や境界、所有者などを測量して確定させるもの。
 16年度の県内18市町の「地籍調査」のうち、一筆地調査を実施した土地は614ヘクタール(9817筆)だが、そのうち不動産登記簿で所有者の所在が確認できない土地の割合は11・9%(1167筆)。この土地の所有者を検索した結果、最終的に所在が不明で連絡がとれない土地の割合は0・3%(31筆)だった。
 地籍調査や所有者不明土地の問題に詳しい九里学県議は「今後も、人口減少・高齢化に伴う土地利用ニーズの低下などから、所有者不明土地は増加の一途をたどるとみられる。所有者不明土地の把握は喫緊(きっきん)の課題だが、そのためには進んでいない各市町の地籍調査の進捗率(しんちょくりつ)を上げる必要がある。地籍調査の予算措置をせず、調査を休止中の栗東市などは早急に対応すべきだ」と指摘する。
 ちなみに特措法案は、事業を計画する市町やNPO、企業などが都道府県知事に土地利用を申請し、公益性が認められた場合に利用権(上限10年間)を設定する仕組みである。
 県土木交通部用地対策室の大久保徳孝室長は「法案が今国会に提出されたので大きな枠組みは承知しているが、具体的な手続きなどの詳細については法案成立後(今夏と予想される)に国土交通省から示されることになっているので、それをみて体制を整備したい」と話していた。


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