【寄稿】参議院議員 小鑓 隆史

■平成30年8月30日(木) 第18207号

=国政刻刻 南下する38度線=

    小鑓氏

 米中首脳会談を契機に東アジア情勢に大きな変化が起きている。拉致被害者の地村さんは昨年のインタビューで「今は、制裁、圧力の局面だが、必ず対話局面に転換するだろうと予測した」が、そのとおりになった(平成30年6月7日付朝日新聞〈米朝対話と拉致問題〉 オピニオン&フォーラム)。仮に、朝鮮半島が統一された場合、中国の影響が半島全体に及ぶことが予想され(因みに、北朝鮮と中国は1961年に中朝友好協力相互援助条約を結んでいる)、韓国というバッファーエリア(緩衝地帯)がなくなると、現在の朝鮮半島における米中前線は38度線から対馬海峡へと南下することとなり、わが国の安全保障政策は大幅な変更を余儀なくされる。冷戦とは、文字通り戦争が冷えた状態であり、冷戦が緩和され世界が多極化されると、局地戦争が始まる可能性が高まる。このところ、地震や豪雨災害が多発し、ともすれば、わが国を取り巻く安全保障状況が見落としされがちになっていますが、国会議員にはバランスの取れた政治感覚が求められています。6月15日には「経済財政運営と改革の基本方針2018」が閣議決定され、概算要求を取りまとめた上、秋の臨時国会に向けて平成31年度予算編成がスタートすることとなります。AIやIoTに代表される情報科学技術の飛躍的な進歩は、「社会のOSが変わる」とも言われています。一方で、生産年齢人口の漸次的減少は外国人労働者に頼らざるを得なく、外国人材の新たな活用方針が決定されたところであります。政権与党には、グローバル化とデタント、防衛ラインの変化という複雑な外交と内政の舵取りが問われることになります。こういった国内外共に極めて難しい局面で、9月には自民党総裁選挙が行われることとなりますが、現在の政治状況では、自民党総裁=内閣総理大臣となり、総理大臣を選ぶことになる自民党員には大きな責務が課せられているといっても過言ではありません。




関連記事

powered by weblio




同日のニュース