寝たきり患者の生活行動回復 関心高まるNICD看護技術

■平成30年8月23日(木) 第18201号

=県内は東近江敬愛病院が唯一実践 研修費の負担が普及の足かせに=

県議会議員の視察で行われた施術体験

 【東近江】 健康寿命延伸の取り組みが全国的に広がる中、寝たきり患者の食事摂取や意思表示などの日常生活行動の回復を支援する看護技術「意識障害・廃用症候群(寝たきり)患者の生活行動回復看護(NICD)」への関心が静かに高まっている。

 この看護技術は、紙屋克子・筑波大学名誉教授が2009年、寝たきり患者が日常生活行動を取り戻し、在宅医療を受けられるよう考案したもので、日本ヒューマンナーシング研究学会が、日本脳神経看護研究学会の協力のもと普及を目指している。
 県内でNICDを実践するのは、東近江敬愛病院(東近江市八日市東本町)のみ。同病院では、17年度にプロジェクトチームが立ち上げられ、病院支援のもと看護師3人が学会認定資格を取得した。
 他府県からも患者と家族を受け入れており、在宅復帰率は78%に上るという。1―3カ月の入院で本人の日常生活行動を回復させ、家族にも看護技術を習得してもらい、在宅復帰後は現状維持または回復継続ができるよう指導している。
 具体的には、顔面マッサージや口腔ケア、微振動によるリラクゼーションなどを施すことで、口から食物を摂取できるようになったり、意思表示が困難だった患者が目のまばたきや手の「グー」「チョキ」「パー」で意思を伝えられるようになったり、パソコンで事務作業できるまで回復している。
 期待の大きいNICDだが、この一方で診療報酬に結びつかないため、一般的に病院から資格取得の援助が期待できないのが現状だ。
 このため、個人の費用負担が普及の足かせとなっており、公的な研修費補助を求める声が上がっている。
 同院で実施された県議会議員の視察では、回復事例の紹介や施術体験が行われた。地元選出の加藤誠一県議(東近江市日野町愛荘町選挙区)は、「看護のイメージが変わった。在宅介護の質向上のため、NICDの普及は今後重要」と話していた。


関連記事

powered by weblio




同日のニュース