彦根市「用地取得」確約の一筆「強制収用」懸念高まる国体主会場整備

■平成30年9月6日(木) 第18213号

=地元自治体の交渉姿勢に批判の声=

県市長会議では、「強制収用」の知事発言に「国体に水を差す」と懸念の声が相次いだ(大津市)=先月29日

 【全県】 滋賀国体・全国障害者スポーツ大会(2024年)の主会場整備(彦根市)をめぐっては、2017年度末で終えるはずの用地取得が難航し、三日月大造知事が強制収用を視野に発言するなど、抜き差しならない状況に陥っている。このような中、地元自治体の彦根市が主会場選定の際、当初から懸念のあった用地取得について「整備スケジュールに決して遅れが生じないよう対処する」と確約した一筆を県に提出し誘致にこぎつけた経緯から、「彦根市がもっとしっかり用地交渉すべきだった」と批判する声が上がっている。(高山周治)

 主会場となる「彦根総合運動公園(仮称)」の整備計画は、約200億円を投じて、既存の県立彦根総合運動場(同市松原町)の敷地を拡張し、第1種と第3種の陸上競技場、庭球場、野球場を備えた運動公園に再整備するもの。
 敷地拡張を前提にした構想については、主会場選定の段階から懸念されていた。このため国体滋賀県開催準備委員会(会長=当時の嘉田由紀子知事)は、同運動場を含む3つの候補地から絞り込む直前の2014年3月、彦根市に見通しを照会した。
 これに対して同市は文書で、「民有地の取得について、主会場の整備のスケジュールに決して遅れが生じないよう、県と協力して対処することを確約する」と回答。これを受けて同委員会は同年5月、主会場を彦根市に決めた。
 用地取得が必要な民有地は約6・1ヘクタールで、地権者は49人。交渉は翌年の2015年1月から始まり、市内在住の地権者は彦根市、市外在住者は県があたり、同意が困難な場合は県・市両者が足を運んだ。


 この結果、8月30日現在で取得済みの民地は約4・6ヘクタールにとどまり、まだ地権者9人から同意を得られていない。用地取得は昨年度末で終わる予定だったため、今年度からの地盤対策工事に遅れが生じている。
 これについて保守系県議は「市町の要望で県の公共工事を実施する場合、地元自治体が中心になって用地取得するのが一般的。彦根市には積極的に誘致した経緯がある。もっとしっかり交渉対応すればこうはならなかった」と批判している。
 これについて県の国体全国障害者スポーツ大会準備室の担当者は「結果は伴っていないが、彦根市もがんばってくれている。ぎりぎり(11月―12月)まで任意買収できるよう努める」と弁明している。


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