滋賀報知新聞(ニュース)平成12年1月2日(

事業開始から1年余り…

「心のオアシス」を求める青少年たち

〜能登川中学校の相談室より〜

  中学生を中心とする不登校や問題行動に対処して、文部省が平成十年十月に全国一斉に実施した「『心のオアシス相談員』派遣事業」。思春期の子どもたちが抱える悩みや不安、ストレスを、話を聞いてあげることで解消していくことを目的に、スクールカウンセラー配置校と三学級以下の小規模校を除く県下八十五校の公立中学校に相談員が配置された。事業開始から一年余り、能登川中学校の現場から話を伺い、その利用状況と利用する青少年たちの心理、相談室の果たす役割について探ってみた。


「私はいわば近所のおばちゃん」と語る宇田さん

生徒たちが求めているのは
“第三者の大人の存在”

 同校で相談員を務めるのは宇田好美さん(45)。教職経験者で、二年前に同校の臨時養護教諭として採用されたことをきっかけに同校の相談員となった。相談室には同事業の勤務条件のもと週三回、一回半日程度勤務し、生徒たちの良き話し相手を務めている。

 取材に訪れた日、昼休みのチャイムと同時に数人の生徒が相談室に駆け込んできた。「いらっしゃい」。宇田さんがいつもの事とばかりに迎え入れる。生徒たちは、ソファーにドンッと腰を下ろして「フーッ」と一息ついたあと、笑顔で話し始めた。こんな様子で、一日平均七人の生徒が相談室を訪れる。

 宇田さんは自らの立場を「いわば"近所のおばちゃん"のようなもの」と話す。中には、学校のどこにも居場所を見つけられない一

人の生徒が相談室を独占してしまうという深刻な例もあったというが、ほとんどの生徒が他愛も無い会話を交す程度で、相談といっても大抵は答が出ていて、それに相槌を打ってほしくてやってくる。彼らにとって相談室はふらりと立ち寄る"近所の家"のような場所になっているという。
 「そう感じるようになったのも、生徒たちと関わるようになってから」と宇田さん。臨床心理士のように専門的知識があって悩みを解決するのではない、ただ話を聞くだけの役割に、当初は「どれだけ役に立てるものなのか」不安があった。しかし訪れる生徒と話をするうち「彼ら求めているのは、担任でもない、親でもない、友達でもない"第三者の大人の存在"ではないかと考えるようになった」という。

 そんな相談室の役割を宇田さんは、地域社会の一部と考えている。「以前は地域の人たちみんなで子どもを育てているような、そんな雰囲気があったけれど、今はそういった関係がほとんど無くなってしまった。子どもたちの成長を一歩離れた立場から見つめ、支えてきた"近所のおばちゃん・おじちゃん"的存在が、今の生徒たちには欠けてしまっているんです。私は、丁度そうした立場に充てはまっているのではないか」と。
 友達のこと、先生のこと、親のこと、思いついた言葉を口にしては、教室に帰っていく生徒たち。その後ろ姿をそっと見守る宇田さんの笑顔。そこには、地域社会の変化で奪われてしまった子どもたちの心許せる場所"心のオアシス"がかいま見えた。


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野球に!デザインに!光る八日市南高

〜全国を舞台に輝く生徒たち〜

 一学年三クラスという県内でも最小規模の県立八日市南高校(本池武校長)が今、スポーツにデザインに大活躍している。

 スポーツ分野での活躍といえば、何といっても野球部。数年前の部員数三人という時代を経て、昨年は「秋季近畿地区野球滋賀大会」で決勝戦、強豪八幡商業高校を10-4の大差で破って見事優勝し、その圧勝ぶりは県下の注目を一挙に集めた。
 部員数二十一人。小さいながらも大きな戦跡を残した彼等ナインにとって、憧れの舞台・夏の甲子園への出場はもはや夢では無い。

監督の一言:高望みはしない。夏はベスト8に入れるよう頑張って欲しい。

八日市南高ナイン紹介(計21人)

学年、以降、ポジション(内=内野、外=外野、投=投手、捕=捕手)、出身中学校、次の大会に向けての意気込み・目標
小沼  史 2・内・能登川 夏までに攻守ともバランスのとれた選手に
橋本 大督 2・外・八幡西 自らの能力を高めること、チームで活躍
久田 貴之 2・外・青野  初心に返り冬に走り込み、夏には良い選手に
古川 武司 2・投・八幡東 近畿の悔しさをバネに、夏は笑えるように
吉田 直樹 2・内・彦根東 辛くても頑張る。一生懸命やるだけ
北川 善浩 2・投・八幡東 自分に負けず、一生懸命やる
中江 興平 2・捕・八幡  良いバッターになるよう頑張る
藤関  司 2・内・湖東  チームに貢献できるよう、一生懸命頑張る
村田 真司 2・内・竜王  冬にパワーを付けて、ホームランを打つ
毛利 匡一 2・外・八幡東 夏まで走り込み、甲子園で通用するチームに
山田 雅巳 2・内・玉園  これまでの努力を無駄にせず、一生懸命に
大久保良治 1・捕・野洲北 この夏活躍できるよう、冬の練習を頑張る
萩野 泰也 1・外・能登川 チームに貢献できる選手になる
川島 修一 1・内・朝桜  夏に一つでも勝てるよう頑張る
石崎 仁也 1・内・八幡東 春の大会に背番号を貰えるよう頑張る
太田 佳治 1・内・八幡東 チームのテーマ通り、一心不乱で進むだけ
北田 有希 1・外・豊日  出来るだけ長く2年生と試合ができるように
水田 圭二 1・外・彦根東 今まで以上に練習に励み、春のベンチ入りを
毛利 好宏 1・投・八幡東 体を鍛え、上のレベル目指して頑張る
山田 勇二 1・内・豊日  チームの役に立てるよう頑張る
山本 将士 1・外・愛知  大会でベンチ入りできるよう頑張る



実体験で感じたことを
そのまま作品化

 一方同校はデザインの分野でも昨年、全国を舞台に快挙を成し遂げた。「第六回全国高等学校デザイン選手権」の決勝大会で、緑地デザイン科三年生の深川唯さん・野瀬佳奈さん・北川和葉さんの三人が共同設計した作品『地球という大きな部屋のインテリアデザイン臨時増刊号』が見事優勝。これまでも何度か決勝に進みながらも逃してきた日本一の座を、彼女たちは三年間の集大成としてついに実力で頂点に立った。

 今年度の大会には、全国から二百十六作品が寄せられ、うち十二点が決勝大会へ。地球をひとつの部屋と考えて四年目となった今回の作品は、

優勝旗とともに(左から)北川さん、野瀬さん、深川さん

環境を考える上で原点となる「自然とは何か」をテーマに人間と自然との関係のありかたをデザイン。同校の里山整備活動という実体験のもと「手付かずの自然を本当の"自然"と考え放置してしまえば、森は荒廃してしまう。人の手によって守ることのできる稀少な生物もあり、自然と人間の共存こそが豊かな自然への第一歩ではないだろうか」と訴えた。最終審査の公開プレゼンテーションでは、審査員全員が彼女たちの世界に引き込まれ、終了後はこれまでに例のない、意見・質問の全く出ない"納得"の大きな拍手が贈られた。

 同校の活躍について本池武校長は「全国でも数少ないデザイン科は基礎からコツコツとやってきた。今回の成果は先生の指導と生徒の努力、そして八日市駅前のロータリー設計など地域からのさまざまな教材提供のおかげだと実感しています。また、野球についても『小さな学校だからこそスポーツに力を』と取り組み、その期待に生徒たちが応えて付いてきてくれた。また、本校の特色、スポーツ、農業、デザインの相乗効果がうまくでてきたのではないかと思います」と語る。
 多彩な分野が共存、成果を上げている八日市南高校。今後の活躍にますます期待が高まる。


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1人ひとりの適性いかした進路へ

特色ある滋賀文化短大の就職指導

小規模校ならではのキメ細かさ
昨年は9割以上の高い就職率

  九一・七%。この数字は、昨年度の滋賀文化短期大学(小林圭介学長)の就職率だ。不況で企業が採用をひかえる中、規模の小さい短期大学ならではの徹底した個別指導で、九割以上の高い就職率を保っている。

豊富な資料に基づき適切なアドバイス


 
 情報処理士や秘書士の資格を生かして一般企業に進む生活文化学科、福祉分野で人材が求められる人間福祉学科を抱える同大は、就職課とゼミ・演習担当教員が緊密に連携をとりながら、一回生の九月から就職活動のバックアップしている。

 「学生のことを知らないのでは、何も指導できません」と話すのは、太田奨・就職課長。学生が気軽に就職課に出入りして相談や情報収集ができるよう、家庭的な雰囲気づくりに努めている。

 また、上田実男・同課就職係長は「今までほしい物はたいてい手に入れてきた若者たちが、人生で一番最初に突き当たる壁が就職。私たちはサポーターに徹しながら、最後は学生自身で決めれるよう指導したい」と、親身なアドバイスを心がける。

一人ひとりの希望、適性にあった個別指導



 同短大生の就職活動のスタートは早い。全体的な状況を把握する九月の総合ガイダンスを皮切りに、十二月からは「学力」「面接」「専門知識」をバランスよく身につける就職講座が開設される。内容的には、▽一般常識▽公務員▽面接▽小論文ーが用意され、二回生の直前期にもコンパクトにまとめた講座が開かれる。

企業の人事担当者が行う
本番さながらの模擬面接

 特に役立つとされるのが模擬面接。企業の人事担当者や福祉施設の施設長を直接招き、本番さながらの面接を行う。学生にとって初めて体験する面接も、事前に場慣れしているのと、そうでないのとでは結果は大きく変わってくる。

 就職課によると十二月現在の内定状況は、昨年より上回っているという。「就職超氷河期」と評された出口が見えない不況といえども、そろそろ薄日が差し込んできたようだ。



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