滋賀報知新聞(ニュース)平成12年1月4日()第12102号

21世紀の活力は空港

びわこ空港計画の問題点探るフォーラム

東近江のまちづくり考える

(湖東・広域)
 びわこ空港計画の問題点を探る経済文化フォーラム(東近江地域の行政・民間推進団体などが主催)が、昨年十月に八日市駅前アピア四階のアピアホールで開かれ、地域活性化に向けた空港の必要性について意見が交わされた。

 成田空港地域共生代表委員を務める山本雄二郎氏(高千穂商科大教授)をコーディネーターに、中村功一氏(八日市市長)、西川豊子氏(滋賀AEの会会長)、廣瀬竹造氏(JAグリーン近江組合長)、田中敏彦氏(山彦社長)、金井萬造氏(地域計画建築研究所社長)の五氏が「東近江のまちづくりとびわこ空港」をテーマに討論した。地元での開催に三百人が参加し、関心の高さを示した。


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地域の積極姿勢が重要

時間を区切った対話を

山本雄二郎・高千穂商科大学商学部教授の基調講演


講演する山本氏

 現在の状況を一言でいってしまうと、「大空港時代」と言ってもいい。極端に言えば、下駄履きで飛行機に乗れる時代にきている。

 しかし、いくら飛行機があっても、空港がなければどうにもならない。戦後、地方空港が急速に整備されたことで、全国的に高速交通体系が張り巡らされ、地方が飛躍できた。身近な所に空港があるか、ないかの差は、先に行けば行くほど大きくなるだろう。

 最近地方空港について批判がある。びわこ空港については、地域を支えるという観点から見て十分な議論しないといけない。閉塞感が漂っているとすれば、どこかで突破口を見い出さないと解決しない。それと重要な条件を上げるとすれば、地域の積極的な姿勢だ。国内に限って地方空港を整備して良くなった例があるとすれば、地域が力を合わせて真剣に取り組んだという所になる。

 一番まずいのは「イヤだからイヤだ」「つくりたいからつくる」となると、相手は取り付く島もない。絶対にやるとなると、成田空港のように力対力の対立になってしまう。
 びわこ空港についても、知事が「説得型」から「対話型」と言われたが、いいことだと思う。ただし、対話もいいが、これをいつまでも続けるわけにはいかない。ある程度時間的な目途をつけることも重要だ。さらに、参画する人は責任を持って対応し、納得いくやり方でやらないとだめだ。


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会場での質問

●八日市市内に住む友人が航空騒音について不安を抱いています

山本 八日市市内ですと騒音対策地区には入りません。一切音がしないのではありませんが、今のジェット機はプロペラ機よりも格段に静かになっています。

●テレビの映像が乱れるなど、身近な生活への影響はないのですか?

山本 テレビの映像が乱れることはありえます。周辺の住む方がテレビを見れるよう、有線にするなどして対策を進めていくはずです。

●こう着状態を打開するため、地元住民は何をすれば良いでしょうか?

山本 流血惨事となった成田空港でさえ、地元住民と対話が持てました。そこまで深刻になっていないびわこ空港なら、必ず対話が成り立ちます。説得しようとするのではなく、一息入れてから実施してはどうでしょうか。


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びわこ空港計画の問題点を探るフォーラム(1)

空の玄関から広がる
県・東近江の可能性

パネリスト
山本雄二郎氏(高千穂商科大教授)コーディネーター
中村功一氏(八日市市長)、
西川豊子氏(滋賀AEの会会長)、
廣瀬竹造氏(JAグリーン近江組合長)、
田中敏彦氏(山彦社長)、
金井萬造氏(地域計画建築研究所社長)の五氏

空港を軸とした県・東近江地域の

将来像が熱く語られた


 山本 びわこ湖空港問題について何に一番関心あるか、何が課題になっているのか、ご自由に発言してもらいたい。

 中村 近江の国は昔から道の国といわれ、様々な街道によって発展してきた。もう一つは鉄道交通だ。JR琵琶湖線、北陸線などあるが、そうした鉄道文化によって今日の滋賀県がある。二十一世紀は人、物、情報が交流する時代だといわれ、空港はぜひ必要な交通基盤だと考えている。

 西川 私は今まで新幹線や高速道路を使って、全国各地の催しに参加し、二十―三十年前にはとても考えられない行動範囲を動いてきた。これからは空の時代だと言われながら、滋賀県は全国で最も航空機が利用しにくい県と言われている。

 廣瀬 広域農協として平成六年十月に九つの農協が合併した。東近江地域も二市七町が一本化して、二十一世紀の滋賀県の中核都市を形成する時期がきたと思う。中山間地と呼ばれるところは少子高齢化、就職機会の関係で過疎の方向に進む一方、JR沿線においては住宅が増加傾向にある。調和のとれた東近江をつくるには、互いに垣根を払った大きなまちづくりをする必要がある。

 田中 これからは地域間競争がますます激化してくる。顧客満足を捉えられない企業が消えていくように、地域住民のニーズを実現できない市町村は、魅力ない自治体としてそっぽを向かれてしまう。この地域にある企業・商店が、地域の優劣によって影響を受けるということになると、我々も企業人として地域のことは知らないとか、自分の企業だけ強かったらいいんだという風にはいかない。これからの八日市、東近江の地域経済の活性化を考えると、難しいものがある。

 金井 やはり空港をどう使うのかということをはっきりしていかないと、話しは進まない。空港は地域づくりの基盤なので、東近江のすばらしい自然環境を生かして観光客をどうして集めるか、どのようにして産業を活性化させていくか、ということを考えないといけない。
 また、この地域は近畿の東の玄関ということだけでなく、中部圏と関西圏を結び付けて、さらに高度化していく機能が果たせる地域だ。そう意味で需要を創造していく空港と考えれば、お互いにどんな役割を果たせばよいのか分かってくる。

 中村 大津・湖南地域には県全体人口の四四パーセントにあたる五十九万人が偏在し、人口的、面積的に飽和状態になっている。それに比べて東近江地域は、人口、経済、文化などの集積の状況は小さいが、名神高速道路と第二名神高速道路を自動車専用道路で結ぼうとする構想がある。このトライアングルの地域に空港を設置されるということになると、非常に発展の可能性が出てくると思う。また、かねてから構想されているびわこ京阪奈線の鉄道構想も決して夢の構想ではない。これらは、空港整備によってより現実的になると信じている。

 廣瀬 これからのまちづくりは、地震など災害に対する備えが非常に重要ではないかと思う。この東近江は県で随一の農業地域だ。びわこ空港に防災倉庫を設けて豊富な農産物を備蓄するとともに、平常はターミナル倉庫として活用すると、農業振興に役立つ。

 西川 びわこ空港は「環境こだわり空港」と言われていることから、大きな日本語で書いた案内板を設置するなど、障害者や高齢者の方たちにもやさしい施設になることを期待している。また、空港の一角が、地域の特産品をつくっている女性の方に開放されたらいい。さらに、地域情報をネットワーク化して発信すると、女性団体の交流が活発になり、まちづくりに大きな力を発揮するだろう。

 田中 空港ができてすぐ、八日市の商店街が活性化していくかというと、難しい面がある。しかし、空港をつくるという前提で考えていかないと、これからのまちづくりには不安を感じる。


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びわこ空港計画の問題点を探るフォーラム(2)

早期解決のカギは
地域住民の意見集約


八日市のアピアホールで開かれた
経済文化フォーラム

 山本 色々な積み重ねがあって、地域の将来像が築き上げられていくと思う。それと、びわこ空港問題を賛成、反対と言う前に住民の意見をどう集約するかが大事だ。

 金井 東近江の空港都市計画は確かにハード中心の計画だが、それに経済、婦人団体などが肉付けした方向で発言すると、だいぶ住民の意識は変わると思う。そうすれば、反対されている方も、地域が発展するのであれば、我慢しようか、妥協しようかとなる。「賛成」「反対」「それ以外は拒否」ではなく、その間は本当にないのか知恵を集める状況が出てくれば、今まで考えられなかったような歩みよりの線が出てくるだろう。

 中村 公共事業を進めていると、色々な問題が出て来る。建物を整備するので土地をお分けくださいというだけでなく、大事なことはその公共的な事業が地域にとってどんな意味があるのかということ。そしてその地域全体のまちづくりを一緒になって考えましょうという、対話型がぜひ必要だ。

 金井 今の状況を客観的に見た場合、「賛成」「反対」という最終結論を早く出して、拒否的な態度で気勢を上げているように感じている。話し合いという以上は、同じテーブルにつくということだから、お互いに思っていることを十分主張し合うことが大事だと思う。その場は真剣勝負なので、話し合いに対して一定の方向には責任を取っていくという姿勢がない限り、無原則に話し合いをしても答えは見えてこない。

 西川 十年前に女性団体の中で空港問題の学習会を持った経験があるが、今はそういう活動は開いていない。今からでも自主グループで勉強して、話し合いできる土壌づくりをしていきたい。


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