滋賀報知新聞(ニュース)平成12年8月24日(木)第12368号

小・中学校で激増の暴力行為

県教委の昨年度児童生徒問題行動調査から

中学校で急増する「対教師暴力」

=「いじめ」も全国平均上回る=


ますます重要になってきた体験学習
(写真はフローティングスクール)

(全 県)
 県教育委員会はこのほど、昨年度の児童生徒の問題行動調査結果を発表した。それによれば、公立の小・中・高校が学校内外で起こした暴力行為は計五百二十五件と、前年度の計二百六十八件に比べ倍増するなど「深刻な状況」にあることがわかった。
【暴力行為】
 暴力行為の発生件数の内訳は、小学校三十六件(前年度比四・五倍)、中学校三百八十八件(同二・五倍)、高校百一件(五・六%減)と小、中校で激増している。暴力行為の調査は、中、高については昭和五十八年度から、小学校については平成九年度から実施され、調査方法が平成九年度から変更されているため単純な比較はできないが、小・中学校においては過去最悪、高校については三番目に多い件数だ。

 形態別(学校内・外)では、小学校は机などを投げる「器物損壊」二十一件(七倍)、「生徒間暴力」十一件(二・八倍)、「対教師暴力」二件(二倍)、「対人暴力」二件(前年度零件)、中学校は「生徒間暴力」百九十七件(三倍)、「対教師暴力」百十八件(二・六倍)、「器物損壊」六十七件(二倍)、「対人暴力」六件(二五%減)、高校は「生徒間暴力」六十八件(一〇・五%減)、「対教師暴力」(一七・六%減)、「器物損壊」十二件(二倍)、「対人暴力」七件(同一二・五%減)となっており、とくに中学校で「対教師暴力」「生徒間暴力」が激増しているのが目を引く。

【いじめ】
 いじめの発生件数の内訳は、小学校が六十三件(一〇・五%増)、中学校が八十五件(二六・九%増)、高校が十八件(二八・六%増)と小、中、高とも急増している。

【不登校】
 年間三十日以上欠席した長期欠席者のうち、不登校児童生徒は、小学校五百六十一人(二・三%減)、中学校千二百七十七件(〇・八%増)とほぼ横ばい状況。しかし不登校児童生徒の在籍比率は、小学校が〇・六四%(全国平均〇・三五%)、中学校二・六五%(同二・四五%)といずれも全国平均を上回っている。不登校状態が継続している理由としては、小、中学校とも「不安などの情緒混乱」「複合」が多く、次いで「無気力」の順。

 県教育委員会では「暴力行為の発生に際しては、一刻も早く関係者会議を開き、PTA、児童相談所など関係機関と連携を取り、早期の対応に努めていきたい」と話している。


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柳生博氏を迎えて

=今津町で講演会 =

(湖西・今津町)
 今津県事務所は九月九日午前十時から、今津東コミュニティセンターで湖西ナチュラリストスクール「講演会」を開催する。

  同県事務所では、湖西地域の自然あふれたフィールドを活用して、アウトドアの初歩的な知識や技術を学んでもらおうと「湖西自然体験学校 湖西ナチュラリストスクール」を開いているが、その中で、受講生以外の人にも参加できる同講座を開催する。先着百人まで。参加無料。

 講師は柳生博氏で、テーマは「森と暮らす、森に学ぶ」。同氏は、NHK「生きもの地球紀行」で世界中の自然や生物と出会いを重ねてきた。十三歳の一人旅での八ヶ岳との出会いから、森での暮らしや学び、そして子育て孫育て論まで展開する。

 問い合わは、県今津県事務所総務課・湖西ナチュラリストスクール係(TEL0740―22―2155・FAX0740―22―4771)へ。


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八日市市の小学生「缶・ビン体験隊」

資源の大切さ実感

=リサイクル工場など見学=


能登川町清掃センターを見学する子どもたち

(湖東・八日市市)
 回収された資源はどのようにリサイクルされるか学ぶ八日市市の「缶・ビン 探検隊」がこのほど開かれ、同市内の小学生十六人が参加した。

 この取り組みは、消費された製品がどのように処理され、リサイクルされていくか学ぶことにより、資源の大切さや環境への負荷軽減のための行政施策を理解してもらおうと、八日市市やまちをきれいにする同市民運動推進協議会などが実施した。

 探検隊では、まずはじめに能登川町清掃センターで不燃物の分別作業の流れを、続いて昭和アルミ缶彦根工場で実際にアルミ缶がリサイクルされる様子を見学した。参加した児童は、上映されたビデオの内容や係員の説明をメモにとるなど、熱心に耳を傾けていた。

 八日市南小四年の堀江光くんは「あまりごみを出さないようにしようと思った」と、ごみの多さとリサイクルの大変さを実感していた。


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実物大のひな形解体

観音正寺で「湯入れ式」

=完成は3年後の予定 =


総白檀の千手観音となる原寸ひな形

(湖東・安土町)
 聖徳太子によって建てられた西国第三十二番札所・観音正寺(安土町、岡村潤應住職)でこのほど、新たに建立する本尊「千手観音座像」のひな形を分解する儀式『湯入れ式』が行われた。

 完成時と同寸のひな形の湯入れは前代未聞とのことで、訪れた信徒ら約二百五十人が珍しそうに見守った。

 同山は、一九九三年五月の火災で本堂と国の重要文化財だった本尊の千手千眼十一面観音立像を消失し、本堂と共に本尊の再建を行っている。新しい本尊は千手観音座像(高さ約六メートル、幅約三メートル)で、材料は香木の白檀を使用。産地のインドでも輸出禁止品の木だが、同政府の厚意で特別に二十三トンを入手することが出来た。

 湯入れ式は、本尊制作に至る行程の一つで、設計図にあたる寄せ木造りの接着剤を溶かす作業。ひな形は普通、実物の五分の一または十分の一を造り、湯入れで解体した後に本彫刻に入るが、新たな入手が困難な白檀を無駄にしないために赤松の部材数千点で実物大を制作した。なお、発案と制作は京都の大仏師・松本明慶氏。

 完成は三年後の予定で、本堂の落慶は平成十六年の春頃。岡村住職は「白檀には浄化する意味もあり、世の中の悪い流れを浄めるような本尊になると嬉しい」と話している。


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「同和行政」をなくす市民の夕べ

もう地区懇には効果がない!
自由な意見交換の場が必要

=先進地の事例と取り組み紹介=


400人余りが集まった
「みんなで考える市民の夕べ」

(湖東・近江八幡市)
 同和対策事業を支えてきた最後の時限立法「地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律」が、二年後に終了するのを受け、その後は、一般施策の中で取り組み、これまでの同和行政の終結を訴える「もういらない同和・みんなで考える市民の夕べ」が十九日午後七時から県立女性センター大ホールで開かれた。

 国民融合滋賀支部や市教職員組合、日本共産党近江八幡市委員会など十五団体でつくる実行委員会(蒲生儀右衛門代表)が主催。会場には四百人余りが集まった。

 開会あいさつに続いて、同和問題について近江八幡市と県内の状況と経過について報告が行われ、同市の場合は、部落差別に主眼においた同和漬けになっており、地区懇談会の住民研修によってはもう啓発の効果がなくなっている。

 いつまでも「同和」を問題にしなくてもよいように自由な意見交換こそ大切。今を一つの転換期ととらえ、新しい二十一世紀のドアーが開けるようにみんなで考えていくことが重要であることを強調した。

 また、県内の情勢報告では、教育集会所を取り壊し、地元自治会が運営管理する草の根ハウスを建設した自治体の例など、同和対策から一般施策に切り替えた取り組みを紹介し、同和という枠組ではなく、どの地域も同じテーブルでのまちづくりを進めていく必要性を訴えた。

 続いて、市の政策から「同和」という文字をなくし、市民みんなが同じ人権を尊重する意識形成を育てていくことに成果を上げた岡山県津山市の市議・末永弘之氏を講師に招き「市民の側から『同和』をどう終わらせたか」の講演に耳を傾けた。

 同委員会では、同和行政の終結を市民運動として盛り上げ、同和対策は終結し、残された課題は、福祉水準の向上を図りながら解決していくべきとの姿勢を示している。


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