滋賀報知新聞(ニュース)平成12年9月9日(土)第12386号


「ことばの教室」設置請願

開会中の八日市市議会に提出

学習障害児の教育体制充実へ
=LD専門教師の個別指導求む=


請願に踏み切った上野(左)、門野両代表

(湖東・八日市市)
 「八日市市ことばの教室」設置を求める会(上野強、門野正二両代表)は六日、開会中の同市九月定例議会での採択を目指し、五千人以上の署名を添え「ことばの教室設置及び学習障害児(LD児)教育システムの充実に関する請願書」を同議会に提出した。

 請願は、言語障害児(発達、発音、吃音など)だけでなく、言葉を通して人とのコミュニケーションに問題を抱える子供(LD児)に、義務教育の間だけでも個々に応じた指導が受けられる「ことばの教室の設置」を求めている。

 さらに、学習や行動面に様々な問題症状を示すことから、専門知識を持った先生の設置や相談窓口の開設など、一貫した指導が受けられるシステムづくりほか、学校や地域に対しLD(学習障害)への認識を深める情報交換なども合わせて要望している。

 同市では現在、子どもセンターひばり(ことばの教室)で言語障害を主とした相談を受け付けているが、、この種の学習障害についても大きな教育課題としてクローズアップしてきた。すでに県下では八日市を除く六市と栗東・水口・甲西・野洲・新旭の五町に設置され、最近でも伊香郡(広域レベル)に開設されている。

 LD児は、学校や家庭で「落ち着きがない」「集団になじめない」など、原因がはっきりせず見過ごされ、きまった遊びや同じ質問を繰り返すほか、言葉の読み書きや数の計算が苦手など日常的なつまずきを持つといわれている。

 診断の際には「知能的に大きな遅れがなく」「学力の習得や行動面にいくつかの発達的な特有の問題症状がみられ」「環境的な要因ではなく、子ども自信の脳の働きに関する原因と推定される」と定義付けている。

 中枢神経系の機能障害とみられ、学習に不利とされる視聴覚障害や情緒障害、知能テストで測定される知能障害(精神遅滞)とは別の状態で、子ども自身が本来的に持つ学習力の発達の片寄りから生まれ、家庭環境や教育環境が直接原因となって起こるものではない。

 従って、その障害が軽微であればあるほど周囲の理解も得られにくく、LD児は学校や家庭の現場で苦労を強いられている。世間一般でも、その認識は浅く「親のしつけが悪い」「わがままな子供」などと批判されてきた。特に学校では、隠れた障害に気付く児童は少なく、それが基で「いじめ」や「登校拒否」につながるケースも多々みられる。

 ほとんどの場合、幼稚園に行く頃になって運動協応、言語発達、集団行動などに不適応が現われ、はじめてLD児ではないかとの疑いを持つという。三歳児検診でも発見されるが、おかしいな?と気付いたら専門機関で診断を受け、その後の対応(個人プログラム・ケア・学校との連携など)への指導が必要とされている。

 データによると、就学後に目立つのは算数の遅れ、劣等感やひがみ、過度の反抗や攻撃性、登校拒否、非行、怠学にみられ、中学になると家庭内暴力などの不適応行動が現われ、解決もさらに困難になる。また出現率では、特殊学級や養護学校の約一%に対し、LD児は二―五%といわれ、五対一の割合で男性が圧倒的に多い。

 知恵遅れとみられる六○%近くが普通学級にいる現状で、部分的な遅れのためだけに苦しむLD児への対応が大きな教育問題として浮かび上がり、障害児が通う特別学級でなく、普通学級にいながら通級指導が受けられる援助学級「ことばの教室」の必要性に迫られてきた。

 両代表は「子供の弱い部分が認められる専門の先生の常設こそ、その子に合った個別指導や治療で力を付けさせるのではないか」と訴え、早期発見と初期治療ほか「勉強をしながらの療育」を求めている。


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うわさと怪文書に揺れる五個荘町

町営住宅用地取得に思わぬ波紋

=行政「あくまで条件がそろっただけ」=


議会開会前日に急きょ開かれた地元説明会

(湖東・五個荘町)
 五個荘町では、九月定例議会(七日開会)で上程された「町営住宅新築用地取得事業」について、「オウム対策ではないのか」「産廃で埋め立てられた土地ではないのか」とのうわさが広まるとともに、「町長の金儲けだ」といった怪文書が小串勲町長を除く全役職員をはじめ町内区長宅にまで送り付けられ、波紋を呼んでいる。

 小串町長をはじめ行政側は「『オウムの進出はないか』との八日市署からの問い合わせは受けたが、来たという情報は無く、また、土壌についてもボーリング調査済み(九月四日付け)。金儲けとの怪文書も事実無根で、悪質なひぼう中傷」と憤慨している。

 問題となっている用地は、大字山本の宅地および雑種地で、関西土地開発所有の約九千平方メートル。同地をめぐっては、平成八年ごろ、建設業者による正規でない造成工事および無許可の埋め立てで県が行政指導を行い、翌九年には、安土町石寺に汚泥を不法に投棄し、期間内撤去の行政指導を受けた名古屋市の産廃処理業者が、搬出に間に合わない一部を同地に仮搬入、悪臭による住民の苦情で再び県の立ち入り調査が行われるなど、トラブルの種となっていた。

 地域住民からは東部に公共施設が無いこともあり、同地について「町行政による有効利用を」との声も上がっていたが、当時の財政状況では困難であったため、トラブル防止の監視体制を取るにとどまった。

 平成十一年、県から「同地への有料老人ホーム建設の申請があった」との報告を受けた同町は、すでに二つの老人ホームを抱えている現状と、現在の経済社会における経営不振および倒産の危険性、これまでの経緯を考え合わせた上で「いつまでも放置しておくわけにはいかない」と本格的な取得に乗り出すが、二度の交渉断念。今年八月、県に相談に訪れたところ紹介されたのが、土地取得から設計・施工に至る二分の一が助成されるという建設省の制度「公営住宅等供給促進緊急助成事業」(平成十〜十四年)の今年度の二次募集(十一月)だった。

 町行政は今回の波紋に関し「先送りされていた金堂団地建て替えの件もあり、ここにきてすべての条件が揃っただけ。これまでの同地をめぐるトラブルや『一日も早く』と急きょ組み込んだこともあって、様々な憶測やうわさが広まったのでは」と説明している。

 怪文書により急きょ議会前日に開かれた地元説明会、議会初日に行われた一般質問での議員二人による問いただし(再討議の末、即日可決)など、揺れに揺れた五個荘町だが、すべては建設省の事業決定(十一月)前提のことであり、白紙撤回の可能性も今だ残されている。

 いずれにせよ、これまで振り回されてきた地域住民にとっては「行政が入ってもらえるというだけで一安心」(説明会で)というのが本音であり、一日も早い住民の安心確保が望まれる。怪文書は小串町長個人に対する中傷も含まれており、すでに名誉棄損で八日市署へ告発している。


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長野遺跡の土器に触って

=本物で身近な歴史学ぶ=


本物の出土品から地域の歴史を学ぶ児童
(愛知川小学校の6年生の授業で)

(湖東・愛知川町)
 愛知川町立愛知川小学校(富田善五郎校長)で、学区内にある長野遺跡から出土した本物の土器を使った授業が六日行われ、六年生六十人が歴史ロマンへの興味のとびらを開いた。

 埋蔵文化財保護の観点から埋蔵文化の活用が課題となっていることから、小学校での町内の歴史の授業で、身近な地域の埋蔵物を学習資料として取り上げ、そこから地域の歴史を理解していこうと、今回、町教委と県文化財保護協会の協力で、はじめての授業が行われた。

 四時間目(四十五分間)の授業はまず、町教委文化財担当の三井義勝さんと県立安土城考古博物館主任技師の鈴木康二さんから長野遺跡の時代背景(奈良時代中期、西暦七五○年ごろ)や当時の人々の生活についてコンピュータによるスライドで学んだ。

 このあと、筒状や器状の土器を実際にさわってみて、手触りや色の違いなどを観察しスケッチをとった。筒状のものが網に付けるおもりであると知った児童は、当時の人達が愛知川や宇曽川で漁をして、奈良の都では食べられないおいしい新鮮な魚を食べていたのではないかと想像を巡らせた。

 また、土器の観察では、色の違い、製造場所、用途などの質問が飛び出し、土器には黒っぽいのは高温で焼かれた薄くて硬い「須恵器」と低温で焼いた茶色っぽい「土師(すえ)器」があること、須恵器の表面には漆(うるし)が塗られていることなどを知ることができた。

 児童ははじめて触れる本物の出土品に興味津々で、「ざらざらしていた」と普段自分たちが使っている食器などとは違ったはじめての感触に、「一千二百五十年も前の人達が使っていたものを触るなんて」と感動を抑え切れない様子で、「歴史に興味が湧いてきた」と感想を話してくれた。


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愛のキャッチボール、ビンゴなど

ぶどうまつりと救急広場

=きょう 愛東町の道の駅で=

(湖東・愛東町)
 道の駅・あいとうマーガレットステーション(愛東町妹)で九日午後、「第三回あいとうぶどうまつり」(町ぶどう生産出荷組合主催)と、「救急広場in愛の田園(まち)」(愛知郡広域行政組合消防本部主催)の二つのイベントが開催される。

 味覚の秋もいよいよ本番となり、同町でも特産品の一つ、ブドウの出荷が始まった。そこで、生産農家が手塩にかけて育てた自慢のブドウを一人でも多くの人達に味わってもらおうと、PRイベントとして「あいとうぶどうまつり」を開催する。

 午後二時からイベント広場で、ベーリーAの試食販売(一袋一千円)が行われるほか、六メートルの距離から投げたブドウを口でキャッチするカップルで参加の「ぶどう愛のキャッチボール」は、三個投げて二個成功でブドウ一房、一個成功でもジェラート券一枚がプレゼントされる。また、午後三時四十分からは「ぶどうビンゴゲーム」も開かれ、見事ビンゴが成立すると、六人にベーリーA一袋、五人にジェラート券が当たる。いずれも参加無料。

 一方、九日は「救急の日」でもあることから、救急・防災についての意識を高めてもらおうと、「救急広場」が開催される。
 午後一時半から、応急手当教室、パフォーマンスショー、救急ビンゴゲーム大会のほか、消防車や地震体験車、豪雨体験車などによる体験コーナーが午後四時まで繰り広げられる。


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建設省「蘇る水100選」に八幡堀

水環境の回復と修景に評価

実を結ぶ水質浄化はこれから
=下水道利用率の向上が課題=


建設省の「蘇る水100選」を受章した八幡堀

(湖東・近江八幡市)
 近江八幡市の八幡堀(八幡川)がこのほど、建設大臣賞の「蘇る水100選」に選ばれ、二十七日同省で表彰を受ける。

 「蘇る水100選」は、建設省が近代下水道制度100年記念行事として水環境の保全回復に大きな役割を果たしている全国の下水道事業の中から特に優れた事業例を表彰するもので、同市の受賞は「下水道整備の推進により水環境を保全し又は回復させた部門」の対象にピックアップされ、全国四十三件の中の一件に選ばれた。

 八幡堀の復活は、下水道整備事業の進展よりも市街地に豊かな水環境を取り戻す市民運動の成果によるところが大きく、今回の表彰理由にも「近江八幡市のシンボルといえる『八幡堀(川)』を埋め立ての危機から救い、住民の熱意とともに下水道事業等の各種事業を実施し、水質の改善とともに、護岸の修景等も行い静かなせせらぎを復活させた」と評価している。

 八幡堀の復活に向けて官民が一丸となって取り組んだ結果、それまで悪臭が漂い 、汚水がよどんでいた川面が一変。その後、護岸の修復や市民ボランティアによる除草作業などにより昔の情緒が蘇り、今では市の観光名所の一つになっている。

 八幡堀復活の市民運動ととも水質改善に向けた県政の取り組みも平行して進められ、西の湖に近い河口域では湖底に堆積したヘドロの除去や水質検査施設の設置など、水環境悪化の防止と改善対策が講じられている。

 その結果、視覚的には美しく蘇った八幡堀。BODなど汚染度を表す化学的数値を減少傾向に導き、水質悪化をくい止める大きな成果を生んだものの、顕著な浄化までには至っていないのが現状。今後は、農薬や泥を含む農繁期の水田用水の流入防止や周辺地域の下水道利用率の向上に委ねられている。 

 今回の受章について、当時、市民運動に熱心に関わった一人だった川端五兵衞市長も「八幡堀保存修景の市民運動は、当市のまちづくりの出発点でもあり、その完成度は今後の下水の普及率にかかっています。今回の受賞を機に、市民と共にその向上に励みたいと思います」と次の課題を提示している。

 八幡堀周辺の下水道普及率は五三%(県平均三三・四%)でそのうち実際に下水道を利用している世帯は約七三%。この七三%という数字を「ここまで伸びた」と評価すべきか「まだ七三%」と判断するか分かれるところだが、町屋といわれる間口が狭く奥行きのある古い家屋の構造が、下水管の引き込み工事をやっかいなものにしているうえ、世帯住民の高齢化が目立ち、水洗化はしたいが新たな設備投資はできないという問題が、下水道普及率を鈍化させる要因の一つになっている。


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