滋賀報知新聞(ニュース)平成13年1月6日(土)第12519号

八日市中心市街地活性化

人・物・情報が集まる

=昔のにぎわい取り戻せ!=

(湖東・八日市市)



 中心市街地活性化法(中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律)が平成十年に制定されたことから、八日市市では、中村功一市長から諮問を受けた「中心市街地商業等活性化基本計画策定委員会」(十七人)と、商工会議所をベースにしたMTO構想「中小小売商業高度化事業(タウン・マネージメント)構想策定委員会」(二十人)が検討を加えている。

 基本計画の委員長・小林圭介滋賀文化短大教授と副委員長・奥村晃一郎商工会議所会頭はじめ、MTO構想の委員長・織田直文滋賀文化短大教授と副委員長・田中敏彦商工会議所まちづくり委員長ら各委員が、市場町としての「昔のにぎわいを街中に取り戻したい」と、国に提出する計画づくりを進めている。両委員会とも調査・研究を行う下部組織の策定ワーキング部会を設置した。
中心市街地活性化法の目的
 空洞化の進行している中心市街地の活性化を図るため、地域の創意工夫を生かしつつ「市街地の整備」や「商業等の活性化」を柱とする総合的・一体的な対策を、関係省庁・地方公共団体・民間事業者等が連携して推進することにより、地域の振興と秩序ある整備を図り、国民生活の向上と国民経済の発展を図ることを目的としている。


 基本計画では、中心市街地活性化区域を、市内九商店街を巻き込んだ広範囲の「約八十ヘクタール」と設定し、総合発展計画「やさしさとたくましさあふれる緑園文化都市」への位置付けなど、将来の都市づくりの方向性を柱に検討している。

 一方、同計画に添って中小小売商業の高度化を推進するMTO(商工会議所)は、事業構想「MTO構想」や、商店街整備や中核的商業施設に関する事業計画「MTO計画」を策定し、同基本計画への組み入れを行った上で、国の認定を目指しMTO構想・計画づくりに取り組んでいる。

 区域設定(約八十ヘクタール)では、大通り商店街・本町商店街・ときわ通商店街南町・ときわ通仲之町商店街・中央商店街・八日市駅前商店街・栄町中野商店街・みどりの街商店街・大通り商栄会の市内大小九商店街にすっぽり網をかぶせた。

 東は緑町〜東本町交差点、西は近江鉄道、南は国道421号、北は駅前グリーンロードに囲まれた同市の中心地となる。この区域内の整備目標を、東近江地域の中核都市にふさわしい商業地の形成を図り、人・物・情報が交流するコミュニティに置いた。商業活性化につながる土地区画整理、市街地再開発、道路・公園・駐車場など公共施設の整備も行う。

活性化への基本計画(案)
 区域内の各商店街ヒヤリングに基づく現況と問題点を把握した上で、活性化に向けての課題をまとめ、基本方針(案)の検討に入った。
 もともと同法では「国が基本方針を作成する」としているが、市がまとめた案が承認されるかが重要なポイントになる。承認されると国や県の助言を得ながら、市は施策実施のための「基本計画」を策定する手順だ。

 市の基本計画に添ってTMOは事業構想(MTO構想)を策定し、商店街整備や中核商業施設などに関する事業計画(MTO計画)をまとめた上で、国の認定を受ける。
 活性化計画が認められると通産省、建設省、自治省、農林水産省、運輸省、郵政省など十一省庁から支援を受け事業に取りかかる。その土台となる基本方針(案)は次の骨子から成る。

既存商店街の商業力の向上
 ▽顧客確保のため、様々な情報発信(インターネット・商店街マップ・街角情報版など)の充実
 ▽消費者に対するサービス(ポイントカードの普及・宅配サービスなど)の充実
 ▽来店する最も弱者に対応した商業空間の充実
 ▽高齢者及び老齢単身世帯に対するサービスの充実
 ▽多様化する消費者ニーズの対応を念頭に置きつつ、商店街としての業態の隔たりを是正し、近隣対応型の商店街にしていくには、八日市の名に由来する「市(生鮮三品など)の機能充実

【高齢者及び老齢単身世帯への対応】
 ▽行政と市民ボランティアの活動にとどまらず、商店街で対応できる役割を模索し、様々な形で行う交流の確保
 ▽整備済・未整備にかかわらず、すべての道路における高低差、歩きやすさなどをチェックし、人にやさしい歩行空間の創出
 ▽生活空間としての公園確保はもとより、街なかの休憩所となる広場の確保

【様々な環境の向上による生活空間の再生】
 ▽空き地などの有効利用(公園・広場など)を図りつつ、都市計画道路等の計画的整備に合わせた生活道路の確保
 ▽地震・火災、病気など緊急時に、救急車両が通行可能な道路を確保し、安全で安心した生活環境を下支えする施設の確保

【中心市街地内の都市基盤の充実と市内各地域とのネットワークの向上】
 ▽都市計画道路の整備だけに着目せず、歩行空間の計画的確保を図る上での整備促進
 ▽全体のネットワーク構築とともに、外縁部でも将来的に増加すると考えられる高齢者の行動範囲を広げるための公共交通の運行

【中心市街地に訪れる人々への対応】
 ▽商業者の新たな業種転換としての観光対応
 ▽中心市街地の案内板や市内マップの設置と施設PR
 ▽一体となった街並整備の段階的機能導入の推進

【市民サービス機能の充実】
 ▽自動車アクセスにも対応できる駐車場の確保
 ▽地域高齢者が利用しやすい施設改善を中心とした機能の充実


大通り商店街振興組合(66店舗) 大正時代から朝市が自然発生的に出現してきた近世の「八日市場」。かっての八風街道、金屋大通りに面した商店街。風物時代館、ひょうたん博物館によって、駅前と大凧会館をつなぐ「博物館プロムナード化」を提案。筏川を生かした街づくり目指す。

本町商店街振興組合(27店舗) 八日市駅前と金屋大通りを結ぶ御代参街道沿いの商店街。戦前戦後を通じ一番のにぎわいをみせてきた。御代参街道にふさわしいカラー舗装、店舗改装、アーケードを提案。高齢者対応の段差のない街、通りたくなる街道など、市場街の復興を目指す。

ときわ通商店街南町(15店舗)・ときわ通り仲之町商店街(8店舗) 本町商店街と大通り商店街を結び、大凧通りを挟んで二ブロックに分かれる。戦前から卸売店が多く魚市場があった。両商店街とも、駐車場の整備や空き店舗対策が課題。市神神社とタイアップし、中高年齢ファン目指す。

中央商店街(15店舗) かっての「八日市場」に位置する商店街で、二つの地元銀行が立地。八日市市の業務商業の中心的な位置を占める。複数の商店街と連接しているが、距離も短く店舗数も少ない。周辺商店街との連携ある事業展開ほか、個々店舗の魅力アップにかける。

八日市駅前近代化協同組合(31店舗) 八日市駅から大凧通りに至る商店街。土地区画整理に合わせ新たなコンセプトを基に、大型スーパーと一体となり発足した商店街。イベントなどでヨーロッパ風の美しさを提案。学生や市民を巻き込んだ振興策を練る。本町商店街などの連携も。

栄町中野商店街(10店舗) 国道421号に接する御代参街道沿いの商店街。まちなみ景観整備とともにマップ作成、(歩き)ツアー、商店街の持つ良さのPRなど魅力アップを提案。薫り高い歴史文化を生かし、御代参街道のイメージがわく、観光型商店街づくりを目指す。

みどりの街商店街(28店舗) 行政ニュータウン周辺に自然発生した商店街。大型店や銀行、業務商業施設が混在している。西友・テニーを核とした商業施設が集積し、業務店舗が多いことから車客対応型が特徴。独自性強い各店舗の連携と、駅前に流れた若者が集う商店街づくりがカギ。

大通り商栄会(8店舗) 大通り商店街と中央商店街を結ぶ金屋大通りに面した商店街。筏川の回復、遊歩道の整備、対面通行、電柱の地下埋設など金屋大通りの道路拡副を提案。イベント広場や店舗集中、路地開発などで、自分たちが住んで楽しい(おもしろい)町づくりを目指す。


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環境か?それとも開発か?…

大阪五輪で 揺れる伊庭内湖

自然団体ら「生態系破壊は明か」
=能登川町「世界アピールの好機」=

ボート会場の計画図

(湖東・能登川町)



 大同川が琵琶湖へと流れ込む一歩手前、広く穏やかな流れに水鳥たちが羽を休める能登川町、伊庭内湖。その光景とは裏腹にいま同湖は、二〇〇八年大阪オリンピック実現の際のボート会場建設をめぐる、賛否の声に揺れている。

 十一月に能登川町役場でも縦覧が行われた県内三会場の計画図よると、伊庭内湖には全長二千二百二十メートル、全幅百六十二メートルの「琵琶湖レガッタコース」と一万席の観客席が建設されることになっている。

 コース建設では水田が長さ四百メートル、最大幅で百五十メートルにわたって削り取られ、ヨシ群落の一部が消失するが、環境への影響について予測評価書では▽護岸工事などにおいては、汚濁防止膜等によって水質の影響を最小限に抑える▽底泥については除去により水質改善に寄与でき、生息域拡大の観点から有効▽動植物や生態系への影響は、繁殖期の工事の一時停止で回避できる▽ヨシなど水性植物の消失がある場合は代替、復元措置を講じなどとし、あくまで「スポーツと環境との共生」をアピールする。

 また、杉田久太郎能登川町長をはじめとする町議会も「当町をアピールする絶好の機会ととらえ、積極的に誘致運動を展開したい」と大歓迎で、影響についても「しゅんせつ工事により水質は今よりも良くなり、減少していた魚たちも返ってくる。湖岸もすべてを破壊するわけではない」と主張する。

 ところが、伊庭内湖のヨシ群落が県の定める「琵琶湖のヨシ群落の保全に関する条例」において「保全地域」の指定を受けていることや、オオマルバノホロシなど貴重な水生植物二種が確認されているにもかかわらず環境影響予測評価書に記述がないことなどから、環境保護団体でつくる「びわ湖自然環境ネットワーク」が大阪市に対し計画の見直しを申し入れるよう県に要望書を提出。日本野鳥の会京都支部なども「魚も多く、それを餌とするカンムリカイツブリやカワウなど多くの水鳥も飛来している。建設によりその生態系が脅かされるのは明か」と計画変更を訴えている。

 一方、当の町民の反応はといえば、「未決定の計画」との認識からか賛否の声はほとんど聞かれず、まだまだ関心は低い。
 このような状況を打開し、「住民にもっと内湖の素晴しさを知ってもらい、オリンピック問題に関心を持ってもらおう」と、日本野鳥の会京都支部・滋賀ブロックは昨年十二月十日「市民参加探鳥会」を開き、事の重大さを訴えた。
 当日は小雨降る悪天候にもかかわらず、総勢九十六人が参加したが、残念ながらその四分の三が県外からで、町内参加者は数人にとどまった。

 今回の問題に関して参加者にインタービューしたところ、熱烈な招致活動を繰り広げる大阪市在住の五十代の夫婦は「花博も美しく整備されてたが、所詮、人の植えた木に鳥は寄り付かない。オリンピックには当然、来て欲しくない」と歓迎せず。野洲町から参加の二十代の女性も「どこで開催しようと必ず起こる問題。オリンピックが問題なのかも」とオリンピックの在り方自体に疑問を投げかけた。

 主催者の一人、能登川町在住の石井秀憲さんは、まだまだ関心の低い住民の態度を「大阪には来ないと思っているのでしょう」と分析しながらも、「決まってからでは遅い。これから定期的に探鳥会を開いて住民に訴えていきたい」と意気込む。
 賛成の波に乗るのか、それとも反対の風を起こすのか…。住民の胸中はいずれ明かになる。


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告示まで間近

蒲生、日野町長選

日野 奥野町長が3期目指す
=蒲生 山中助役が後継名乗り=

(湖東・広域)



 びわこ空港建設計画の予定地を抱える蒲生・日野両町の町長選挙が、一、二月にそれぞれ行なわれる。国松善次知事が昨年十一月、計画の事実上の一時凍結である「環境アセスメント着手見送り」を表明し、空港計画を推進してきた両町では衝撃が走った。先行きが見えない今、新たな町政のかじ取り役を担うのは誰か―。蒲生、日野町長選の動向をまとみてみた。

山中壽勇・蒲生町助役

【蒲生町】
 蒲生町長選は一月二十三日告示、同二十八日に投開票される。二月十一日に任期満了を迎える安井一嗣町長を補佐してきた山中壽勇助役(64)が、長年の行政手腕を買われて出馬を決めた。出遅れたスタートを取り戻すため、町内で支持固めに奔走する。

 本命とされる山中氏は、空港問題について「県の動向を見極めながら、今後の町政方針を進めていくしかない」と慎重な姿勢を示し、今後の行政課題では「将来の町政指針を示す総合発展計画(平成十四年度―二十三年度)の策定や市町村合併」挙げ、決意を固めている。

 一方、空港計画の白紙撤回を訴えてきた共産党は、昭和四十八年から二十八年ぶりの選挙戦を目指し、告示直前まで若手層中心に人選を進める。なお、同町の有権者(平成十二年十二月二日現在)は、男性五千百四十四人、女性五千四百七十六人で、計一万六百二十人。

奥野弘三・日野町長

【日野町】
 日野町長選は二月二十日告示、同二十五日に投開票される。現職の奥野弘三町長(74)は昨年十二月の議会で「三期に向けて決意を新たにしている」と、続投を目指す意向を表明。びわこ空港計画についても、反対派の地権者集落、野出区から条件つきながらも環境アセスの町長一任をもらったことで、「町内の全関係集落から同意をもらい、環境が整った。これからも期待に応えたい」と、積極推進の姿勢を新たに示した。

 奥野町長は平成五年に初当選し、今期で二期目。これまで日野東部地区広域営農団地農道など幹線道路の整備や、各地区の公民館を新築することで生涯学習の拠点づくり、ドイツ文化をテーマにした農業公園「ブルーメの丘」誘致による町内観光の活性化など、奥野カラーを発揮してきた。

 空港以外の今後の課題については、少子高齢化や市町村合併、幹線道路(空港アクセス道路など)、下水道の整備への取り組みを掲げている。
 このほかの主な動きでは、「民主町政をつくる会」(代表=対中芳喜・町議会議員)が、空港計画を見直した住民本位のまちづくりを進めようと、幅の広い人選を進めている。

 また、地元の県議会議員、浦田一郎氏(69)を求める声が上がっているが、同氏は「これからの町政は若い人に担ってもらう方が良い」と態度を保留している。しかし、周囲から根強く支持する声があるため、まだまだ流動的だ。
 なお、同町の有権者数(平成十二年十二月二日現在)は、男性八千五百七十五人、女性九千三百六十一人の計一万七千九百三十六人となっている。


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名神が近くなる!

竜王町道「山之上・岡屋線」

今夏の開通に向けて工事が大詰め
=バイパス的役割、観光振興に期待=

名神高速・竜王ICへのバイパス的役割が期待される町道山之上〜岡屋線(右奧が果樹園休憩場)

(湖東・竜王町)



 国道477号線と名神高速道路・竜王インターを結ぶ町道「山之上―岡屋線」(総延長一・八キロ)の建設工事が、今夏の開通を目指して大詰めを迎えている。

 これまで蒲生町方面から国道477号線を通って名神高速・竜王インターへ向かうのに、甲西町方面へ大きく迂回する「時間のロス」が指摘されていただけに、バイパス道路として期待がもたれる。

 工事は平成二年七月にスタートし、総事業費は約十一億五千万円。現在のところ、平成八年に完成した山之上工区(一・〇二キロ)の供用はすでに始まっており、残すは岡屋工区の〇・七五キロのみ。

 同町建設計画課は、「町道山之上〜岡屋線が完成すれば、国道477号線から名神高速道路・竜王インターチェンジへのバイパス的な役割だけなく、農業公園アグリパーク竜王や沿線の山之上の観光果樹園などの活性化、さらに町内の交通量の緩和に役立つのでは」と、開通後の効果を説明する。

 観光の柱である農業公園アグリパーク竜王や、山之上の丘陵地に広がる観光果樹園(三十七園)へ訪れる行楽客は、京阪神方面からが大半で、名神高速道路・竜王インターからのアクセス向上が、観光促進を図る上で不可欠といえる。

 開通を控えた町道山之上〜岡屋線沿いには、山之上生産組合が果樹園の振興を目的に、観光バスが駐車できる休憩場をすでに整備しており、開通後はこれまで以上にアグリパーク竜王との連携が深まりそうだ。


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