滋賀報知新(ニュース)平成14年1月2日(水)号外

どうする将来のまちづくり
避けて通れない市町村合併
=「東近江は一つ」=

(湖東・広域)
 国は、「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律」(地方分権一括法)を施行し、平成合併の大号令を発した。滋賀県も、地域別懇話会を持ち合併パターンを基本に推進要綱を作成して、県民に判断を求め、アンケート調査でも六割が「合併は必要」と答え前向きだ。東近江地域の各市町や団体代表者が協議した懇話会では、広域行政に取り組む「東近江は一つ」との意見が大勢を占めたが、地域懇話会の結論が現在に生かされていない。

 東近江は、五個荘・能登川・安土三町の「東近江地域三町合併協議会」が先行し、八日市・蒲生・日野・永源寺の一市三町の「東近江東部地域行政研究会」と「一市三町議会合併問題懇話会」で協議を進めているが、残る近江八幡市と竜王町は結論に達していない。合併問題に一番詳しいはずの行政や議会が独断専行を決め、東近江での足並みを乱す結果となった。

 この枠組みの中で各市町は、住民への説明会を開くなどして理解を求めているが、果たして「納得する結論」が得られるか疑問だ。東近江行政トップの意見がまとまらない中で、合併問題に民主導の判断が下せるか。限られた情報提供に住民は合併問題を論じる余地もない。

 五個荘・能登川・安土三町は、地方自治法「市町村の合併の特例に関する法律」(合併特例法)に基づく合併協議会(法定協議会)を設立し、法期限となる平成十七年三月末よりも一年早い十六年度末の合併に向け準備を進めている。

 一方、八日市・蒲生・日野・永源寺の一市三町も、本年度末までに法定協議会の設立を目指し協議に入った。ここへ愛東町議会は、請願「八日市市を中心とした圏域との合併」を昨年十二月議会で採択し、交流が深い湖東町も共同歩調への動きが活発化するとみられる。

 愛東・湖東両町は、愛知郡合併等研究会の中で検討を加えてきたほか、彦根市を中心とする湖東地域市町村合併研究会への参加要請を受けている。一市三町も愛東・湖東を巻き込んだ合併パターンも視野に入れているが、愛知郡の調整が進まない限り参入要請はできない。中村功一八日市市長も「郡内の整理が優先する」と慎重な構えだ。

市町村合併の意義

 住民への行政サービスをより充実した自治の仕組みを考えることである。市町村合併を通じて、行政サービスの充実に加え、選択の幅の広い、多様な機能をもつまちの形成とともに、広域的な視点から地域の個性化を図り、機能分担することにより地域全体として効果的、経済的な地域社会が作られていくことも期待できる。改正後の「市町村合併の特例に関する法律」(合併特例法)に基づき議論されている市町村合併は、市町村や住民の自主性、主体性のもとに進められるものであるとともに、自治体の規模の拡大や経営効率化の視点だけでなく、住民の視点で行政サービスの維持、向上を図るために選択される手段であり、自らの問題として地域の将来を描き、それを達成するための手段として位置づけることができる。

市町村合併の効果

 県民意識調査(平成十年)や市町村合併に関する意向調査(十二年)の結果から、一般的に合併効果は次のことが考えられる。

 【行政サービスの高度化・多様化への対応】住民のニーズが高度化、多様化する中で様々なニーズにこたえていく時に、現在の市町村による対応が難しいというケースが出てきている。合併により規模が大きくなれば、専門職の配置など、多様なニーズに応えていく専門的な行政を展開することが可能となる。

 【広域的な観点にたった重点的な基盤整備の推進やまちづくりの展開】合併後の予算規模に見合った重点的な投資による大規模プロジェクトの実施や広域的な視点から、スポーツ施設や文化施設等の公共施設を効率的に配置することができ、隣接地域の中で類似施設の重複を回避していくことが可能になる。

 【行財政の効率化】合併によるスケールメリットを生かし、少ない経費でより高い水準の行政サービスが可能になるなど、中長期的な視点で行財政の効率化を図ることができる。

 【住民の利便性の向上】住民の生活圏が拡大していることに対応し、体育施設、文化施設など施設利用が合併により広範囲に可能になることを含め、住民生活の利便性が高まる。

 【政策形成能力の向上】市町村の行財政能力は、職員一人ひとりの個人の能力がいくら高くても、行政あるいは地域の政策を考えると限界があり、組織力が必要となる。市町村合併を通じ、組織力を拡充するとともに組織の活性化を図ることにより様々な政策、行政課題に対応し得る政策形成能力の向上を図ることが可能となる。


【明治の大合併】
 近代的な地方自治制度を導入するため明治政府は、市政町村制公布(二十一年四月)に伴う内務大臣訓令(同年六月)を発し、全国一斉に町村合併を推進した。戸籍管理や小学校事務ができる規模として三百―五百戸を標準に行われた。その結果、全国の町村数は七万一千三百十四か(二十一年末)から一万五千八百二十(二十二年)にまで減少し、滋賀県でも千六百七十五から百九十五になった。明治の大合併により前の町村の多くは、現在の大字、小字名として残っている。

【昭和の大合併】
 町村合併促進法(二十八年)と新市町村建設促進法(三十一年)の制定に基ずき、新制中学が合理的に運営できる人口規模を念頭に、全国一律に人口約八千人を基準に町村の合併が進められた。九千八百六十八(二十八年)から三千九百七十五(三十一年)になり、滋賀県では百六十から六十六に、四十三年には、現在と同じ五十市町村となった。

【その後の動き】
 都市化の進展やモータリゼーションの進行で日常生活圏が拡大したことから、昭和四十年に「市町村の合併の特例に関する法律―合併特例法―」(十年間の期限立法)が施行された。その後も十年間づつ延長され、今回は平成十七年三月末に切れる。これまで全国で百五十二件(うち平成に入って十四件)の自主合併が行われ、県内では大津市と堅田・瀬田町(昭和四十二年)、彦根市と稲枝町(同四十三年)が合併している。


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先進技術が生きる多品種少量生産

時代を先取りするベンチャー企業

創業20年・年間売り上げ20億円達成へ
=湖東町の「オリエントマイクロウェーブ」=

社の心臓部を担う設計開発
(湖東・湖東町)
 今から十八年前、自宅の小屋で産声をあげた小さな町工場がいま、年間十八億円(当期予想)を売り上げるベンチャー企業に成長。培った高度な特殊技術が時代をリードする通信産業界に活用され、他社の追随を許さない地位を築いている。

 世界に広まったパソコンの創世記を彷彿させるようなこの会社は湖東町の田園の中にある「オリエントマイクロウェーブ」。高度な知識と技術を持ち合わせた起業人が、社長業をこなせると会社が大きく成長するベンチャー企業の典型的な実例といえる。


 大学院卒業後、十五年間勤めた大手電気メーカーから小型同軸コネクター分野で世界トップの座にあった米国オムニスペクトラ社にヘッドハンティングされた同町出身の加藤喜康氏(58)が創業者で、現在、社員七十三人を抱える社長を務める。

 創業は、加藤社長がちょうど四十歳の時だった。

 「当時、オムニスペクトラの技術を継承した高周波用の小型同軸コネクターを扱っていたので、国内でも高い性能が認められました」と創業当時の船出を話す加藤社長。一九八三年の九月決算で四八○万円だった売り上げを次年度には一億円にも急伸させた。

 八七年には、オムニスペクトラ社の株式を買い取って合弁会社を解消。社名を「オリエントマイクロウェーブ」に改称して独立、新たに船出した。

 その一年後には、取引の多い関東地域に初めての営業所を開設。事業は軌道に乗って品質管理に続いて製造部門も近江八幡市に移転させた。その間、ハンダ付けの特殊工程が三菱重工から承認されるなど、大手メーカーと対等な立場で取引できる技術力も身につけ、アッテネーターやパワーデバイダー、フィルターなど高周波電子回路に使われる多くのマイクロ波用コンポーネントも独自開発した。

 「製品は、H2ロケットなどの航空宇宙や軍用にも使われています。私どもの会社は、隙間産業なんです。どんな難しい物でも大量生産すれば、(人件費の安い)中国や東南アジアに生産拠点が移るでしょうが、高度な技術が要求され、量が流れない物は国内でないと対応できません。中には一個だけという注文も珍しくありません。急に仕様変更を求めるお客の要望に臨機応変に素早く対応できるということが、大切です」と加藤社長は成功の秘密を語る。

 高い技術力と信用で負かされる競合企業もなく順風満帆で歩んできたが、壁もあったという。

 「売り上げが五〜十億円を迷走する時期がありました。行き止まりを感じましたね。今の会社に欠けていることは何かと経営思想について勉強しました。技術でもノウハウでもなく、働く人の心がさらに立派にならないと会社は良くならないと気づきました」。

 そこで人の心が優れた製品を生む「人格の向上」、会社経営の立場で仕事をする「創業の精神」、自分の手で会社をよくしていく「継続する意欲」の三項目の社是を掲げた。同町横溝に四年前に完成した新社屋では、地域の人々や小学生の見学会も開いている。

 物流や情報通信の手段が発達している今「お客さんの膝元で話しが出来ないと言うことはあるが、生産コストが低く、土地や建物の採算面でも湖東町にいるメリットは大きいです。二年後の創業二十年には売上げ二十億円を目指したい」と意気込む加藤社長。

 四季を通じて自宅の農業にも汗を流し、優れた技術力と経営理念で最先端の産業界を渡り歩く企業人に、二十一世紀を豊かに生きる羨望のまなざしが注がれている。


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滋賀学園高校 陸上部

目指すは「都大路」

精神面を鍛え明日にかける滋賀学園高校陸上部員
(湖東・八日市市)
 滋賀学園高等学校(清田剛校長)運動クラブの活躍に目を見張るものがある。知・徳・体の教育を目指す学校法人滋賀学園(森美和子理事長)は、女子専門校だった高校を男女共学にし、名前も「滋賀学園」に変えた。二年前のことだが、生徒に規律正しい生活を求め、運動クラブの強化に乗り出した。

 野球、サッカー、卓球などに力を入れる中で、陸上部にも東海大学出身の大河亨監督(34)を迎え入れた。近畿インターハイ五千メートルやジュニア選抜競歩大会での優勝をはじめ、国体や近畿大会で上位健闘の選手を育てた。県高校駅伝では二年連続の三位だったが、昨年は前回より四分以上もタイムを縮め、優勝候補の一角に名を連ねていた。

 二年という短い期間で輝かしい選手を育てた大河先生は、技術面よりメンタル的な指導を重視しているという。選手にタイムを強要することなく「自分に目標を持て」と、規律正しい生活の中から「ヤル気を引き出すことが重要ではないか」と。そこで各選手が今年にかける目標を語ってくれた。

円陣を組み部員のヤル気を引き出す大河享監督
快挙となった昨年の成績

第52回滋賀県高校駅伝
男子3位 (2時間17分15秒)
1区 ダニエル・ムリュウ(1位)
2区 古川 優二(2位)
3区 浦上 康弘(3位)
4区 高田 弘幸(1位)
5区 高橋 慎治(2位)
6区 福永 貴之(2位)
7区 木下 裕也(3位)

ジュニア選抜競歩大会
5000M
優勝(22分31秒73)
貝谷 和哉

近畿インターハイ
競歩5000M

優勝(22分56秒08)
四谷 悟志
5位 (26分26秒28)
貝谷 和哉

今年の目標を語る各部員

【高田弘幸】(3年・田上中)目標の都大路は逃したが、これまでの経験を生かし、関東の大学で箱根駅伝を目指し努力。

【西川圭】(3年・稲枝中)甘いところを補う自己管理に努め、自分にとってプラスになるよう一つ一つの行動をチェック。

【貝谷和哉】(2年・豊岡南中)インターハイ・国体の二冠。高校記録を出し名を残す。感謝の気持ちを忘れず頑張る。

【浦上康弘】(2年・能登川中)県高校駅伝に優勝し、都大路で全国の強豪と勝負。新3年生としてチームを引っ張る。

【福永貴之】(2年・能登川中)インターハイ五〇〇〇M出場と都大路での全国優勝。エース区間を走りチームに貢献。

【田辺史人】(2年・竜王中)インターハイ三〇〇〇Mに出場すること。駅伝でも都大路で入賞するぞ。

【四谷悟志】(2年・八幡西中)昨年悔しい思いをしたインターハイと国体での優勝。すべて優勝する気で頑張る。

【木下裕也】(2年・水口中)日にレースが二本ある時にも自身が持てるスタミナを付け、都大路で勝負する。

【中尾友哉】(2年・水口中)競歩で、県予選、近畿予選を通り、インターハイで勝負すること。

【近藤隆司】(2年・水口中)今年は必ず全国高校駅伝に出場し、全国の舞台で勝負できるよう頑張る。

【中島知保】(2年・聖徳中)課題を乗り越え、個人もチームも走力を上げ都大路を走りきる。

【井堀智之】(2年・玉園中)積極性を高め、選手の立場になって何がしてほしいか判断し、チームを大きくみていく。

【園田純子】(2年・竜王中)選手のサポートを去年以上にできるよう努力したい。

【ダニエル・ムリュウ】(1年・ケニア留学生)僕の目標は、今年の五〇〇〇Mを13分50秒で走ること。頑張ります。

【ジョン・カリウキ】(1年・ケニア留学生)今年の僕の目標は五〇〇〇Mで13分30秒で走ること。昨年は13分48秒。

【宮本健太】(1年・能登川中)駅伝メンバーに入り県、近畿、全国を走る。人間性と心の向上が目標。

【高橋慎治】(1年・能登川中)県駅伝での優勝。昨年は悔しくて泣いたが、今年は笑えるようにしたい。

【村井祐治】(1年・朝桜中)昨年行けなかった都大路へ行き、チームに貢献できる走りをしたい。

【小杉明範】(1年・秦荘中)今年の目標は、都大路に出場し、自分に足りないものを見付けて帰る。

【古川優二】(1年・彦根東中)今年こそは絶対に都大路に行き、全国に滋賀学の強さを見せつける。

【仁科孝浩】(1年・双葉中)昨年の悔しい思いをバネに今年は必ず駅伝メンバーに入って都大路に行く。

【保正祐樹】(1年・竹野中)県高校駅伝で必ず優勝できるよう、練習にメリハリを付け頑張る。

【杉本愛】(1年・甲賀中)強気を持ってレースに臨み、三〇〇〇Mを9分台で走る。目指すは都大路。

【平川弥生】(1年・明富中)フォームを直し、大きな大会への夢(目標)を持ち、毎日の練習を大切に。


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今、五色百人一首がおもしろい

=男子も女子も、大人も子どもも一緒に熱中=

五色百人一首の競技に盛り上がる子どもたちと井上教諭(左)
(湖東・永源寺町)
 「花の色は 移りにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに」「忍ぶれど 色に出にけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまで」――。

 ご存じ、小倉百人一首の小野小町と平兼盛の歌である。正月の娯楽として親しまれてきた百人一首も、テレビゲームなどの登場で楽しむ家庭も少なくなっているようだ。ところが今、子どもたちの間ではちょっとした「百人一首」ブームが起きようとしている。

 永源寺町立市原小学校三年生の教室に、担任の井上孝平教諭の歌を読み上げる声と、十三人の子どもたちの楽しそうな歓声が響く。TOSS(教育技術法則化運動)五色百人一首協会滋賀支部の支部長を務める井上教諭の指導で、子どもたちは競技(ゲーム)として「五色百人一首」に取り組み、めきめきその腕を上げている。

 日本の伝統文化である百人一首を子どもたちが容易に親しめるようにと、取り札を二十首ずつ、青、黄、緑、ピンク、オレンジの五つの色にグループ分けし、考案されたのがこの「五色百人一首」。

 子どもたちは色ごとに歌を覚えることができるほか、取り札の裏には詠み札と同じ歌が書かれてその場で確認ができる、競技の準備や試合の時間も短く、色による得手・不得手の個人差がどの子にも勝つチャンスを与え、男の子も女の子も一緒に多人数で楽しむことができるなど、競技としての魅力とともに、子どもたちのコミュニケーションの手段として、また、遊びながら日本の古典文化にふれることができるという点も注目され、全国で取り組む学校や愛好者の数が年々増えてきた。

 市原小三年のクラスでは、授業が早く終わった少しの時間などもうまく活用して取り組んでいる。また、子どもたちは家に帰ってからからも家族と一緒に楽しんでおり、昨年まで井上教諭が受け持っていた現在六年生の子どもたちと同様、家族や地域に愛好の輪が広がってきている。

 近々第三回県大会も開かれる予定で、子どもたちはこの冬休み、自分の実力にさらに磨きをかけるため、練習に打ち込んでいるにちがいない。

 五色百人一首のおもしろさや活動については、TOSS五色百人一首協会滋賀県支部のホームページ(http://www.biwa.ne.jp/~kohei/index.htm)でもくわしく知ることができる。


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