滋賀報知新(ニュース)平成14年1月4日(金)第12929号

太鼓が結ぶ

次代の地域文化

=3町の和太鼓5グループ=

(湖東・広域)
 バチが踊り、千変万化に鳴り響く― 生命の力と比喩される鼓動には、誰をも迎える奥深さと勇気・希望を感じる情熱がある。和太鼓芸能に火を付けた御諏訪太鼓から五十余年、ここ東近江地域にも十八を数えるグループが活動し、伝統芸能の継承や地域振興、教育等に尽力している。このようななか、合併後のあり方を模索する安土・五個荘・能登川町の和太鼓グループを紹介してみた。

 御諏訪太鼓の結成から「組太鼓」の流れが起こり、複数の人間による太鼓演奏が始まった。御諏訪太鼓は、長野県諏訪大社の太々神楽が源で、軍楽・諏訪太鼓二十一人衆(甲越信戦緑に記載)として武田信玄が編成、川中島の合戦で士気を鼓舞したという。その流れを汲み、現在の複式複打法組太鼓方式(オーケストラ形式)が完成した。

 全国のグループのほとんどが同方式を採用し、一流どころの指導者を迎えてトレーニングを展開。民俗芸能の伝承、地域活性化、学校教育の一環と目的や動機は様々だが、みな「町興しに役立てられれば」と熱を入れ、現在、全日本太鼓連盟の調べでは加盟外団体を含めて約五千グループが存在する。

 三町内の各グループも同様に、一致団結で地域振興を図る。昨年デビューしたばかりの安土町「あづち信長出陣太鼓」、五個荘町の「てんびん太鼓郷音」とちびっ子の「てんびん太鼓飛鼓」、能登川町の「のと川水車太鼓」と「淡海達磨太鼓」の五グループがあり、情景豊かな演奏を目指して特訓に汗を流す。

 このようななか、“太鼓が結ぶ次代の地域文化”として合併議論が波及し、昨年一月に「東近江創作和太鼓フェスティバル」が開かれた。五個荘町主催の「フェスティバル」でも招待グループ演奏が行われ、将来的には三町合同演奏会も夢ではないかも―と話している。



あづち信長出陣太鼓

 昨年8月にデビューしたばかりの和太鼓グループ「あづち信長出陣太鼓」は、郷土色豊かなまちづくりへの取り組みとして平成12年9月に結成。町観光協会が主となって取り組み、栗東町(現・栗東市)で「雷太鼓」を主宰する中川仁太郎氏を指導者に迎えた。
 仲間は22人。中学2年生から60歳代の女性までが一丸となって中川さんの厳しい指導と激励をバネに頑張っている。演奏曲は、静・動を表したメインテーマ「天下布鼓」と「太鼓ばやし」、師のテーマ雷神をアレンジした「夢(む)」の3曲で、環境に優しいリサイクル太鼓を使用。現在、文芸セミナリヨで特訓を行い、4日開催の新春夢談議で今年初の舞台を踏む。


てんびん太鼓郷音

 異年齢集団の活性化を促進する世代間交流として平成11年7月に結成した「てんびん太鼓郷音」。師は、勇ましさと舞踊の優雅さを融合させたプロ集団「舞太鼓あすか組」の飛鳥大五郎氏で、週三回、世界を舞台にする師の指導に汗を流す。
 現在、女性を中心とした25人で活動し、直径一メートルをこす大太鼓や長胴太鼓、桶胴太鼓、締太鼓などを織り交ぜ、盛観かつ上品な演奏を目指している。
 演奏曲は、14分にも及ぶメインテーマ「てんびん太鼓」と「深山」「にぎわい」の3曲。チーム名の郷音は、日本や世界各地で活躍する五個荘町縁の人たちに、故郷の音として届けたいとの願いが込められている。


てんびん太鼓飛鼓

 生涯学習講座を利用した小学生のみの和太鼓グループ「てんびん太鼓飛鼓(ぴこ)」。教育のまちづくりを目指して町がバックアップし、平成12年11月の和太鼓交流イベントで初舞台を踏んだ。
 メンバーは25人で、町内の各種イベントに出演。鉢巻と法被姿でステージに上がり、「きぬがさ」「にぎわい」の二曲を元気良く披露する。
 指導者は、飛鳥氏の元で特訓する郷音の仲間たちがで、自らの腕磨きにも重要な意味があるとしながらも、教えることの難しさを実感。手の動きや姿勢を美しく、感動を与えられるチーム作りを目指したいと話している。


能登川水車太鼓

 能登川町商工会女性部で構成する「能登川水車太鼓」は、平成10年9月に立ち上がり、翌11年2月の町商工祭りでデビューを飾った。
 地域経済の活性化を願い、少しでも地域社会に貢献できれば―との想いで結成したグループで、県内外へ能登川町をアピールしようと町のシンボル・水車の名を付けている。
 披露する曲目は「八丈水車」「豊年太鼓」「太鼓ばやし」の3曲で、斜め打ちの独自スタイルを持ち、一致団結を合い言葉に七人の仲間で活動する。
 叩き終えた時の感想はみな一様に爽快感と満足感。事務局は「お客さんの視線を浴びているときの緊張感が快感に変わったのはいつの頃でしょう。徐々に部員数も増え、輝ける21世紀に向けて響かせたい」と話している。


淡海達磨太鼓

 有志で創る「淡海達磨太鼓」は、能登川町の郷土玩具・淡海達磨の伝承と地域間交流を目的に結成した和太鼓集団で、平成10年9月から能登川町中央公民館で練習を展開。福祉施設への訪問をはじめ県内各地のイベント等に出演するなど、昨年一年間で二十数回の舞台を踏んだ。
 メンバーは同町民のほか、彦根市、八日市市、愛知川町の太鼓愛好家計13人で、和太鼓・民舞研究会「鼓舞志」の指導員・関目昭彦氏(近江八幡市在住)を師に迎えている。
 演奏曲は「清流」「豊年太鼓」「太鼓ばやし」で、現在4曲目の「屋台ばやし」を作成中。体の奥底から沸き上がる創作曲にしたいと話している。今月20日には、自由参加と演奏マスターの1日体験入門を開催する。


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読み語りは心癒す力

竜王町のサークル「ぽえむ」

地域から学校教育に参画
=絵本で想像、集中力育む=

竜王西小で朝、昼休みに開かれる「ぽえむ」のお話し会
(湖東・竜王町)
 文部科学省は「地域で子どもを育てる実践活動」として子どもへの読み聞かせや朝の読書運動などの推進を挙げ、各地の学校や図書館ではボランティアの読み聞かせの取り組みが進められている。竜王西小学校でも絵本を読む会「ぽえむ」(大橋裕子代表)が結成され、絵本に関心のある二十三人が、読み語りや地元に伝わる民話を紹介するなどして奮闘している。同会が活動する教室を訪問した。


 絵本を読む会「ぽえむ」は、学校教育に教職員のみが関わるのではなく、地域の人にも積極的に関わってもらおうと、同小が昨年九月にPTAを中心に募って結成。メンバーらは、目を輝かせて夢中になる子どもらに絵本の世界を紹介しようと、学校の朝休み、昼休みを利用して同小に通う。

 絵本の魅力については様々な声が上がるが、高槻市を拠点に全国各地で絵本劇場の行脚を続ける清野友義さんは「心を治癒する力」を指摘する。ある時、アトピーで苦しむ息子に絵本を読んでやると、体中をかきむしっていた手がぴたりと止まったという。

 同会の依頼で公演した清野さんは、一方的に絵本を読んでやる「読み聞かせ」でなく、子どもとともに楽しむ「読み語り」を強調。「人は言葉によって生きる。やさしい言葉を日々かけてやるかどうかが重要」と、ポイントを語っている。

 同会の日々の活動でも、子どもたちの心境の変化が見てとれるようだ。昼休みの障害児学級教室。校内放送で「ぽえむ」の絵本読み語りがあることを知った子どもらが、がやがやと元気良くやって来る。メンバーらは、ジーンズでつくったおそろいのエプロンを身につけ、絵本劇場の開幕に備える。

 「始まり、始まり」。絵本の周りに集まった子どもたちは、水を打ったようにシーンと静まり返る。話し手から送られる言葉の一語一語を聞き逃すまいと、息を呑んだように集中しているのだ。一回のお話し会でだいたい四話程度が披露され、大人でもいつ間にかファンタジーの世界に引き込まれる。
子どもたちから集中力がなくなり、教室での立ち歩きで授業が成立しない学校崩壊が社会問題になって久しいが、「ぽえむ」のお話し会は全く別世界だ。大人たちは今、日常生活でどれだけ子どもたちの目線に立ち、心に響く言葉をかけているのか問われているように思えた。


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個性が輝く図書館

二市九町にある図書館

=ピックアップ=

(湖東・広域)
 東近江地域から愛知郡にかけての地域を関係者は「図書館銀座」と呼ぶ。ここ数年、この地域に個性ある公立図書館の建設が次々に進められた。外観は町並みや周辺景観との調和を考慮したデザインが取り入れられ、管内施設も自然採光やくつろぎのスペースを多く確保、また、地域の歴史や文化など、地域性を強調した運営が、図書館それぞれの魅力、個性となっている。
 市町村合併やインターネットの普及により、これからは図書館は「まちの図書館」から機能が拡大され「世界の図書館」になる。当然、各図書館によりはっきりとした個性や地域性が求められる時代になった。
 そこで、建設計画中の蒲生町、役場内に充実した図書サロンをもつ愛東町を除く、二市九町にある図書館の現時点での個性的な施設やサービスなどをピックアップしてみよう。


八日市市立図書館

◯風倒木(2階) 本リサイクルショップ、コーヒーコーナー、自然環境を考えるコーナー、生活を豊かにする絵画・写真・書などの作品額1か月無料貸し出しのサービス

八日市市金屋2丁目6-25(TEL0748-24-1515)


近江八幡市立図書館

◯くらしのコーナー 趣味や生活に密着した書籍集める
◯あきんどの里資料室(1階) 近江商人、八幡山城、豊臣秀次関連資料
◯八幡山城展示室(2階)
◯授乳室(1階)

近江八幡市宮内町100(TEL0748-32-4090)


竜王町立図書館

◯ティーンズコーナー 本に親しむきっかけづくり、何を書いてもよい「つれづれノート」
◯貸出専用袋
◯学校図書館とのオンライン化

竜王町綾戸1021(TEL0748-57-8080)


日野町立図書館

◯金曜日午後9時まで開館
◯学校図書館とのオンライン化
◯ホームページ開設(1月から、東近江地域初)
◯2期工事(H14年度着工、15年度オープン)

日野町松尾1655(TEL0748-53-1644)


安土町立図書館

◯金曜日午後8時まで開館
◯安土文庫 キリシタンや城郭史などの歴史学者・助野健太郎氏寄贈書、織田信長や安土城関連資料
◯今日の新刊コーナー 毎日入れ替え

安土町上豊浦1(TEL0748-46-6479)


能登川町立図書館

◯博物館・埋蔵文化センターと併設(県内初)
◯宗祇法師コーナー 連歌投句ポスト
◯絵画・写真・麻織タペストリー3週間無料貸し出しのサービス

能登川町山路2225(TEL0748-42-7007)


五個荘町立図書館

◯新刊情報の充実による予約件数増 新刊案内コーナー、情報紙、オフトーク通信
◯分類番号によらない独自の関連書籍の書棚分け 色別のシールで分類
◯郷土作家・近江商人コーナー

五個荘町竜田548(TEL0748-48-2030)


永源寺町立図書館

◯関連コーナー 地域(木地師・農林業・植物など)、環境(自然・公害など)、国別(歴史と地理)など
◯インターネットコーナー
◯貸出専用袋
◯季節や出来事などテーマを決めて各書棚で本紹介のレイアウト

永源寺町山上830-1(TEL0748-27-8050)


愛知川町立図書館

◯びんてまりの館・やすらぎ公園と併設
◯滞在型 屋内外にいす、机、展示スペース多数
◯住民参加型 情報や資料など持ち込み(字別コーナー、中山道や宿場コーナー、まちのこしカード、新聞チラシコーナーなど)

愛知川町市1673(TEL0749-42-4114)


湖東町立図書館

◯日本一の木造図書館
◯西堀榮三郎記念探検の殿堂と隣接 西堀榮三郎記念日本の探検家コーナー

湖東町横溝1967(TEL0749-45-2300)


秦荘町立図書館

◯文化ホールやサークル室との複合施設 役場、保健センター、学校などとも隣接し複合利用できる
◯火曜日午後開館
◯秦荘紬はじめ繊維や機織り関連資料充実

秦荘町安孫子822(TEL0749-37-4345)


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