滋賀報知新(ニュース)平成14年1月5日(土)第12930号

3市町長選挙の行方を探る!

=近江八幡市・八日市市・永源寺町の水面下=

(湖東・広域)
 東近江地域でことし、近江八幡、八日市、永源寺の3市町長の選挙が行われる。
八日市市を軸に永源寺町も加わって進められている市町村合併問題や自民党が勢いづく政治地図の塗り替えが、選挙戦に影響するものと見られている。

 さて、どんな選挙戦が予想されるのか、その前哨戦の前触れを探ってみた。


近江八幡市
川端五兵衞市長

 今年十二月十二日に任期満了を迎える川端五兵衞近江八幡市長(64)は、次期選挙への出馬についての本紙インタビューに「途中で何の課題解決に向けた提示もしないままに去ることは、後ろ向きに逃げ出していることにもつながる。当初計画を軌道に乗せる責任がある」と答え、二選を目指すとも受け取れる発言をしている。

 企業人から市長に就任した川端市長は、持ち前の企業理念を発揮し、初当選から三年の間に県下では初の、全国では二番目のPFI手法を導入した市民病院の移転改築計画を軌道にのせ、環境面においては津田内湖干拓地の復元をめざすなど他市町より一歩進んだ施策を実行してきた。

 昨年の衆議院補選や参議選で連勝を果たした自民党にとっては、この勝算ムードに乗って市政も一気に自民党色に染め上げたいところ。

 そのカギを握るのは、冨士谷英正県議。衆院補選で小西理氏を当選に導いた実績は、手腕の評価につながっている。現在、自民党近江八幡市連絡協議会会長も務め、保守のトップの座を堅持する冨士谷氏が何も動かないことはない。自立するか新たな候補者を擁立するか注目される。
  

八日市市
中村功一市長

 任期満了に伴い今年十一月に行われる八日市市長選は、任期中に市町村合併問題への決着が待ち受け、市とともに地域の将来を委ねる節目の選挙となる。それだけに選出された市長の責任は重大だ。財政が苦しい中で市民ニーズを的確にとらえ、着実に事業を推進する市長が望まれる。

 市長選は過去十三回行われ、このうち半数以上の七回が無投票に終っている。一部に「ようかいちポリシー塾」(Y塾長)を開き、無投票回避に向けた動きも見られるが、立候補決意までには至らず、今のところは流動的だ。

 一方、中島敏県議(53)が「意欲を燃やしている」と側近はほのめかす。次の県議選に勝利(四期目)すれば、議長席など重要ポストが目の前に届き、苦しい判断に迫られている。自民党八日市支部長として、さきがけを破り国政選挙で自民勝利に導いた実績は大きく、河本英典県連会長の信任も厚い。

 現職の中村功一市長(68)は、計画中の事業に「意欲的を持って取り組みたい」と口にし、引き続き市政を担当する構えをみせている。懸案だった道路も目に見えて動き、市民活動総合拠点センター建設、コミュニティーバス導入計画、新エネルギー構想、中心市街地活性化など、二期目に打ち出した事業推進への意欲は高く、三期目に向けた市長選では現職の強味をフルに発揮することになる。

 中村市長は、昭和二十六年に県立神愛高校(現八日市高)卒業後、県庁入り。農林部長や議会事務局長、政策監などを務めた。

 三年四月に望田宇三郎前市長の後継者として助役に迎えられ、六年十一月には八代目の市長に無投票当選した。二期目も無投票。


永源寺町
久田元一郎町長


 第二ダム建設の問題を抱える永源寺町長選は今年四月に行われる。久田元一郎町長(65)は、本紙取材に対して続投の意志を示しており、有力視されるダム建設反対派議員が立てば選挙戦突入は確実と見られる。合併議論が進むなか、新たな町政の舵取りは誰になるのか―。

 現職の久田町長は、取材に対し「地元での合併懇話会や法定協議会設置運動の中で表明すれば、自身の選挙運動となる可能性が高い。また、蛇砂川改修(和南川カット)問題を済ませてからにしたい思いがある」と話し、行政権を握る山上地区との緊張関係を匂わせた。

 前回の選挙戦では、山上地区から議長経験のある加藤昭三元町議が出馬し、加藤氏が千六百五十一票、久田氏が二千七百四十三票で当選。二期目の取り組みとして、特別養護老人ホームを含めた福祉ゾーン整備や図書館建設などを行った。

 しかし、ダム白紙撤回から「計画容認」に翻った姿勢に対し、久田氏を擁立した有力者から批判の声が噴出。今回、東部地域をはじめ各種環境団体らと共に新たな候補者擁立へと動き始めており、前々回選挙で同士討ち(さきがけ)を回避した谷田市郎議員の名が浮上している。

 谷田議員も久田氏を推した一人であるが、前回選挙では出馬の意向を表明。結局「町長与党の中で解決していきたい」と後退し、対抗馬の加藤陣営についた経緯がある。このほか、飯尾文右衛門町議(市原野)、元県議を祖父にする大津警察署副署長(蛭谷)の名も上がっている。



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地方分権で進む都市間競争に勝つ

波打ち際の詩情あふれるまち

=「コア・コンピタンス」の視点=

(湖東・近江八幡市)
 それぞれの都市や地域で守り育てられてきた個性的な異文化が融合しあう場所こそに新しいまちづくりが醸成するにふさわしい環境がある。

 一企業人から市政のトップに立った川端五兵衞・近江八幡市長(64)が、新年度に向けて考察した「波打ち際の詩情あふれるまちづくり論」の基本概念である。

 昨年、新病院建設に全国で2番目のPFI手法を導入したり、津田内湖干拓地の内湖復元の指針をいち早く示すなど市政に「新しい風」を吹き込んでいる川端市長が、地方都市の将来計画を考える上で重要と位置づける指標でもある。

 その中で、企業間競争を勝ち抜くための経営手法「コア・コンピタンス」が、地方分権の潮流が生みだす都市間競争に有効な手だてとなりうると主張する。その聞き慣れない「コア・コンピタンス」とは何なのか、それが新しいまちづくりや将来像になぜ求められるのか、川端市長は論述する。


 「波打ち際の詩情あふれるまち、おうみはちまん」を、これからもより良質なかたちで維持発展させるには、行政にも市民にも新しい物の見方や考え方が必要となろう。以下、私見ではあるが思いつくままにふれてみよう。

 都市間競争が激しくなる中で、一つの地方都市がそれなりの存在意義を保つためには、「コア・コンピタンス」が不可欠と考える。コア・コンピタンスとは、経営用語で、消費者に対して他社には提供出来ないサービス(客の利益)をもたらすことの出来る、圧倒的に有利な企業独自の究極的な能力のことである。経済界では、その職種を問わず企業間競争を勝ち抜くためにこのコア・コンピタンス経営を目指すことが、新しい潮流となりつつある。

 行政に於いても、公平・公正・平等が求められる基本的な行政サービスは必要最低限の条件であることは当然であるが、これを超えたところの市民サービスとしてのコア・コンピタンスこそ、今後の都市間競争の手だてとなるのではないかと考える。

 例えば、市民課の窓口で住民票の交付を申請したところ、担当者は礼儀正しく、さわやかな笑顔でしかもスピーディに発行をしてくれた、としよう。誠に素晴らしいことではあるが、これは、コア・コンピタンス、つまり、圧倒的な差違を生ずるだけの機能とはならない。他の自治体にも、すぐに追従を許すからである。

 さて、アメリカの姉妹都市グランドラピッズ市には、市庁舎からほど遠いビルの一角にオフィスを構えるデベロップメントセンターがある。このセンターの売り文句は、ワンストップ・パーミッティング(その場で一度に集中許可)で、ここは市の開発許可を担当する全ての部門から派遣された約20名の職員で構成されている。

 従って、グランドラピッズ市内で工場や住宅の建設などの開発許可を得ようとする場合、この事務所に立ち寄りさえすれば、申請に関する全ての手続きが一度に可能となる。これまでのように、行内をあちらの課こちらの課とタライ廻しにさせられたり、書類不備や出し忘れもなくなった。その結果、これまで許可が下りるまで11ヶ月かかったのが、僅か2週間に短縮されたのである。参考までに、我が国では、平均6ヶ月前後かかるのが普通である。

 現在、グランドラピッズ市は、企業進出のし易い都市のランキングに於て全米で常に10位以内に入り、このセンター設置以来、市の人口、企業数ともに飛躍的に伸び、市の活性化は目を見張るばかりである。昨年5月、市制150周年記念式典に招かれ、この事実に直面した私は久し振りに味わう新鮮な驚きと共に、グランドラピッズ市のコア・コンピタンスの一端を垣間見た思いであった。

 市のコミッショナー(市議会議員)の一人は、「このセンターの設立には多くの業務改善と長い準備期間を要した」と語った。私は、このことはセンターが単に各部局の出先機関ではなく、センターに集めた各部局の個々の業務を事前に見直し、スキルや技術を最高の品質にまで高めると同時にネットワーク化することにより、全く新しい機能として再生させたものであると理解した。

 こんなこともあり、当市とグランドラピッズ市との間で、平成14年度から職員の相互派遣研修を開始する運びとなった。両市のコア・コンピタンスの強化に寄与するものと期待している。また、市民病院に於いても、医師、薬剤師、看護婦などの職員を対象にミシガン大学付属病院との間で相互派遣の契約が成立し、こちらはもうクリティカルパスや日帰り手術、E・B・Mやドラッグインフォメーションのあり方など患者中心の医療を目指し、これまでとは質の違う医療サービスを市民に提供出来るように、個々の技能や性能を高めると共に、それらを統合し、病院全体としてのコア・コンピタンスの創造をするため進めているプログラムの一つである。

 このような行政のコア・コンピタンスの他に、まち全体についても、コア・コンピタンスの存在を明らかにしなければならないと考える。

 例えば、市民のパーソナリティについてである。自主独立の気概心、進取の気象、ボランティア精神、ホスピタリティ、環境保全への取り組み、我がまちに対する愛情などは、すべからくいいまちの基準に数えられるファクターであり、日常学習の積み重ねによりコア・コンピタンスの構成のための大きなウェイトを占めるものとなろう。

 童謡「春の小川」に唱われる岸辺のスミレやレンゲの花、そして初夏ともなれば、ホタルが舞い、メダカがスイスイと泳ぐ、こんな風景はみんなの憧れである。そして、だれもこんな小川を作るのに反対はしないだろう。

 しかしである、自然のままの小川の管理ほど煩わしいものはない。炎天下、蜂の巣や蛇に悩まされながら土手の草刈り、寒い季節の泥土げ、上流からやってくるゴミすくい…。作業は、年中エンドレスである。

 これに対して、三方をコンクリートで塗り固められたいわゆる三面張りの排水溝の管理は、実に簡単である。と言うより放っておけば良いのである。しかし、そこにはホタルもメダカも居ないのである。つまり、ホタルとメダカとスミレの花は「自然との煩わしい付き合い」の代償なのだ。どちらを選択するかは、住民の意思にかかっている。

 滋賀県の近隣景観形成協定地区57ヶ所の内4分の1強の5ヶ所が当市にある。この他にも地域ぐるみで身近な環境保全に身を挺して取り組んでいる市民は数多く、ビオトープヘの関心も日毎に高まっている。このことは、自然環境に対する市民のパーソナリティを表現するものとして、コア・コンピタンスの一角をなすものとして数えられて然るべきものと考える。このように自然環境もまたその対象の一つである。

 いまや自然は、あって当たり前のものでもなければ、目減りしないものでもなくなった。近代化の美名の元に、自然に対して加えられた損壊は、何時の間にか自然の持つ回復力の閾地(いきち)に近づき、或いは超え、自然は想像以上に傷つき易くひ弱になった。監視し管理保全しなければ、瞬く間に破壊される危険性をはらんでいるのだ。したがって、残念なことではあるが良質な自然環境を取り戻す為に、時には人為的に自然の再生に取り組む覚悟さえ必要となって来た。

 これ程までに、貴重になった自然環境、ここにもコア・コンピタンスの芽が潜んでいるといっても過言ではあるまい。このような例を挙げるまでもなく、コア・コンピタンスとなり得る素材は、まちのあらゆるところにその対象を見つけることが出来る。

 ところで、市民への「サービスの向上」を目指し認証を受けたISO9001も2年目の終盤を迎え、いよいよ「継続的改善」のためのバージョン・アップに全庁挙げて挑戦している。この作業が仕事の「質の向上」を目指すものであることは云う迄もない。

 これに対して、コア・コンピタンスを核とする組織運営の真のねらいは、市の将来を可能な限り予測し、現状を見直すと共に再生のための戦略を練り直し組織を「生れ変わらせる」ことと定義づけられている。

 当市の将来計画を進める上で、コア・コンピタンスの存在の有無は、これから本格化する都市間競争を左右する大きな要素と考えるがどうだろう。


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地球温暖化防止へ地域から発信

八日市市 新エネルギービジョン 

環境に優しいライフスタイル推進
=負荷の少ないシステムづくり検討=

太陽エネルギー利用の京セラ実験施設
(湖東・八日市市)
 八日市市は、環境基本計画(十二年十二月策定)に基づき、新エネルギービジョンの策定作業を進めている。導入の目標、方針、プロジェクトなど、将来にわたる取り組みを探ぐり、市の環境像をエネルギー利用の側面から達成しようとの構想だ。新エネルギーは、資源の有効利用に止まらず、リサイクル活用、地球温暖化防止などに通じる根本的解決を視点に置いたものとして、ますます重要になってくる。

 地球温暖化防止へ環境負荷の少ない循環型社会構築への「新エネルギービジョン」は、市民・事業者・市のパートナーシップのもと健全で恵み豊かな環境を維持するとともに、環境へ負荷の少ない持続的発展が可能な循環型社会を築こうと、昨年夏に八日市市が打ち出した。

 石油などの化石エネルギーの消費に伴って排出される二酸化炭素などは、地球温暖化の主な原因といわれ、人類の生存基盤に深刻な影響を及ぼすことが懸念されていることから、九年十二月の地球温暖化防止京都会議で二酸化炭素などの温室効果ガスの削減目標六%が合意されている。

 これを受け同市は、市役所地球温暖化対策率先行動計画の策定とともに、本年度から住宅用太陽光発電装置の設置に補助を出している。環境に優しいライフスタイルを推進することで、温室効果ガスの削減に努め、自然エネルギーを街づくりに生かすことにした。

 環境に対する負荷が大きい石油などの化石エネルギーではなく、市内に広く賦存し、人間の営みに調和した環境に対する負荷の少ない自然エネルギー(太陽光・風力・水力)、リサイクルエネルギー(廃棄物発電・バイオマス・廃食油再生燃料)、従来型エネルギー(燃料電池・クリーンエネルギー自動車)を利用したエネルギーシステムの導入について、総合的かつ計画的に地球環境問題やエネルギー安定供給に貢献できるビジョン策定を求めている。

 諮問を受けた新エネルギービジョン策定委員会は、五回の会合を進める中で同市における太陽光・太陽熱・風力・水力・バイオマスなどの利用方法、システムなどの計画的な導入や市民参加について協議検討するとともに、同推進市民会議からの意見反映や先進地研修などを終え、二月までには中村功一市長に答申することにしている。

 市内に導入されている新エネルギーで最もなじみの深いものは、屋根の上に乗せられた太陽熱温水器で、最近では太陽光発電システムやハイブリッドカーも見掛けるようになってきた。

 太陽光発電システムを製造する京セラ工場周辺の街路灯ほか、公共施設では河辺いきものの森(街路灯)、布引運動公園や八日市署、中央公民館前の時計に太陽エネルギーを目にすることができる。

 太陽光発電の導入には、国のNEF(新エネルギー財団)が行う「住宅用太陽光発電導入基盤整備事業」で、一kW当たり十二万円(上限百二十万円)の補助が受けられる。このほか国の補助とは別に、市は一kW六万円(同三十万円)を独自に補助している。市民が住宅に太陽光発電システム(五kW)を導入しようとした場合、国と市から一kW当たり十八万円が補助される。

 県内では長浜・守山・野洲・蒲生の二市二町が実施しているが、国の助成に限らず交付しているのは八日市市だけ。一般家庭で五kWを導入した場合に、設置費用が四百二十五万円かかる。他の二市二町の補助額は六十万円で、八日市市では九十万円が助かる。

 木質バイオマスエネルギーが、河辺いきものの森研修センターの暖房用二次燃焼付き薪ストーブに導入され、園内で伐採された竹を陶器を焼く時の燃料にしたり、竹炭づくりに活用されている。

 また、家庭から出る廃食油を回収し、精製した上でディーゼルエンジンの燃料として使われている。軽油に比べ、二酸化炭素の排出量が一〇%少ないことや、すすの発生も三分の一から六分の一程度に抑えられるほか、有害な二酸化硫素の発生が少ないことが特徴となる。年間二千八百リットルが精製され公用車に活用されている。


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建築廃材のゼロエミッション

土田建材が循環システム構築

防湿・防臭効果などを調査研究
=ISO14001取得めざす=

リサイクルシステム調査団が注目する有機性資源循環システムのバッチ式炭化装置
(湖東・五個荘町)
 資源の枯渇が叫ばれてから久しく、その予想は一層現実味を帯びてきた。また、廃棄型社会に対する自然界からの警告は「環境ホルモン」「ダイオキシン」等の形で降り注ぎ、生殖機能低下等の細胞影響として脅かされている。私たちの手で解決する方法はないものか―、いま、日本や世界各国でリサイクル活動が取り組まれ、企業間では次代の新産業「環境ビジネス」に着手している。同分野に挑戦する企業を紹介した。

 昨年五月から建築廃材の再商品化に取り組む土田建材(土田喜一社長、五個荘町小幡)では、竹や木材繊維を炭化させ、室内の調湿作用や防臭効果等を調査する商品化研究事業を進めている。

 焼却施設や埋め立て地の逼迫を背景に「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」が施行され、同社でも建築廃材のゼロエミッションを図る同事業を展開。まだ研究段階だが、有機性廃棄物を完全炭化させた床下調湿炭「ガイア炭」や、脱臭・浄水・除湿に効果を発揮する竹炭製作のほか、川合技研(愛知県)との共同開発による「ソフト・カーボン・ニット」(乱電流調整素材)加工も行っている。
 これらの取り組みに対し、広島県中国産業活性化センター率いる「循環型社会構築に向けた有機性廃棄物のリサイクルシステム調査団」が注目。昨年八月に先進事例としての視察を受けた。

 同視察は、東レエンジニアリング(株)が主催する半官半民の炭化装置視察で、大学教授らが有機性資源循環システムのバッチ式炭化装置を見学。用途や市場性、エネルギー収支量などを説明し、国際的な環境管理システム規格「ISO14001」の認証を取得したいと話した。

 なお、昨年十月末現在でのISO14001認証取得事業所は二百事業所となっており、千事業所当たりの取得率は全国で最も高くなっている。

 事業担当の廣瀬節雄専務取締役は「竹炭は、水道水のカルキ臭や不純物を取り除くほか、防湿・防臭にも優れている。これらの効果を調査するため一部の病院に協力を願って実証データを集めており、効果の信頼性を高めたい」と話している。


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在宅勤務の「SOHOタウン」構想

津田内湖干拓地の新都市づくり案

ブローバンドネットと自然環境
=県立大環境科学部の研究報告=

干拓される前の津田内湖(1955年頃・八幡山から写す
(湖東・近江八幡市)
 太古の昔から受け継がれている琵琶湖の自然環境を戻そうと、近江八幡市の津田内湖干拓地を元の内湖に復元する模索を県、県立大環境科学部、市の三者が来年度から合同で取り組む。

 市内では、すでに青年会議所が中心となった「津田内湖を考える市民会議」が設立されたり、県立大学環境科学部の研究グループが現地調査に取り組むなど、官、学、民の活動が始まっている。

 そうした中で同大学環境科学部の柴田いづみ教授が、まとめた「学生の提案から市民運動へ−津田内湖再現を目指して」の報告書の中で「津田内湖SOHOタウン計画」を一つの構想案として発表している。

 内湖復元が現実のものとなった時、周辺をどういうまちにするのか、地域計画づくりが求められる。柴田教授の構想案は、そうした課題に一石を投じる指針となるべきものもしれない。

 柴田教授のいう「SOHOタウン」とは、Small Office Home officeの頭文字をとったもので、インターネット網を活用して在宅勤務をする人々が住むまちのことを意味している。

 つまり、日本にも近い将来、コンピュータネットワークを利用することによって自宅に居ながら仕事ができる本格的な時代を迎えると言われている。事実、アメリカでは、三人に一人が在宅勤務する時代となっており、このSOHOを義務付けている州もあるという。

 急速なインターネットの普及がもたらした高度情報化社会の恩恵である。こうした情報インフラの社会的資産を活かした街の新しい建設構想が「津田内湖SOHOタウン計画」に結び付く。

 柴田教授はこう説く。「津田内湖は琵琶湖と山に囲まれ、とても自然が豊かなところである。津田内湖自身も農地なので自然的環境をもっているといえるだろう。そこでこの自然豊かな地形を活かし、農業とSOHOの融合を図ろうとするものである」とし、予めインターネットケーブルを敷設した住宅街を造って、在宅勤務する人々に農業も楽しめる潤いのある生活環境を提供し、SOHOタウンと自然の共存を図ろうとするものである。

 ただし、柴田教授も指摘するようにSOHOタウンに移り住む人を呼び寄せるには、企業自身が、会社以外でも仕事が出来る体制づくりとその促進に取り組み、積極的に導入していく必要がある。現在、少なからずそうした流れは、生まれつつある。

 「SOHOタウン」は、大都市のムダの部分が省けることから、必要最小限の都市インフラしか必要なくなるという。農地を最大限に残して活用し、内湖が持つ水環境の保全機能も回復させ、在宅勤務時代の到来を受け止める新しい姿の街が自然と共存しながら形成できると分析している。

 毎日の通勤が必要なくなれば、人々はより生活環境に恵まれたところに移り住むと考えられる。同時に豊かな自然環境も求めるだろう。

 ゆったりした生活時間が送れる環境で仕事をしたいという個人傾向はすでにある。特に農業との関わりを大切にする例が少なくない。琵琶湖で釣りをしたり、泳いだり、キャンプもできて仕事も出来る新都市「津田内湖SOHOタウン」の可能性は検討に値する。


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