滋賀報知新(ニュース)平成14年4月2日(火)第13029号

甘い県の指導が傷深める

不正問題が続く八身福祉会

現状は「福祉の場でない」と痛烈批判
=理事長辞任 旧体質改善へトップ交代=

(湖東・八日市市)
 次々と不正問題が発覚する社会福祉法人「八身福祉会」(八日市市林田町)は、先月三十日に行われた理事会の席上で、県内の福祉施設を運営する経験者が理事就任するなど、旧体質への脱却を主眼とした新体制をスタートさせた。松下修治理事長が急きょ退任し、これまでの不正が見過ごされ、多くの問題に発展したのは県の責任(指導の甘さ)と痛烈に批判している。

 十四年度の事業を決める定例理事会を前に、松下理事長は「私一人の力には限界がある」として、理事長辞任を決意するとともに県下の福祉関係者に協力を求めた。同福祉会設立者の本多伊久雄理事の介入が目に余るとして、これまでの運営実態では「働く仲間のないがしろが続く」と憂慮してのことだ。

 松下理事長は退任決意に際し、八身福祉会の再建と安定運営に他の理事ともに最善の努力を傾注してきたが、理事会機能の無力さを痛感したとして、施設開設者の本多氏が実権を握る施設運営に対する県の指導の甘さ「疑問点」を次のように指摘する。

 県推薦で新理事長に就任した今井一夫・滋賀県手をつなぐ育成会長(愛知川町)の任期は、現理事長残任期間の六月二十五日までと設定した上で、理事会開催会場を施設外(ホテルなど)に指定してきたことから、本来の管理監督者であるべき姿ではないと、本多氏や一部支持者(職員、通所者など)を擁護する県の態度を逃げ腰と批判する。

 本多氏の不正に関しては、調査する十二分に足りる資料を提出し、県も「早急な改善が必要」との判断を示しながらも着手することなく、昨年七月の県指導で配分した繰越し工賃で、一体「誰が得したか」を知りながら放置している点など、県の指導方針に疑問を投げかけている。

 このほか、本多氏所有の乗用車保管場所(車庫)が、八日市市の制止を無視し無断で無認可作業所「八身ワークキャンパス」の一角に建設されたことについて、報告を受けた県は、認可法人二施設「八身ワークショップ」と「八身共同印刷」の問題でないとして責任逃れをした、と県の対応をただしている。

 退任の松下理事長は、これまでの一年を振り返り「こんなにまで八身が腐り切っているとは思わなかった。県に対し適切な指導を求めてきたが、臭いものにはフタをする県の姿勢に変わりなく、微力を痛感させられた。私の辞任で働く仲間の施設が取り戻せたら」と、身をていしての辞任劇を語る。

 新しく就任した今井理事長は、八身の施設現状を「福祉の場でない」と嘆く。施設は、働く仲間あってこそ存在するもので、一個人の独断に迷わされることなく、安心して生活する空間を提供することを第一に考えるべきではないかと、旧態依然とした理事会の運営協議にもメスを入れる。

 福祉現場は公平さが保たれなければならない。お金の魔力に取りつかれた金権体質を一掃し、「誰のための生活空間だ」ということを念頭に、保護者や施設の先生の協力を得ながら、監督指導の県や市と手を携え改革に取り組み、人格が尊重される施設を取り戻したい、と今後の運営方針を示している。

 今回の理事会では、本多理事が構想を描く経営首脳陣とは別に、思いもよらぬ理事就任が採択され、十人のうち八人までが働く仲間を重視する反本多派を占めた。施設体質改善へ今後、県と市から各一人の二人が毎日、施設内に常駐し改善指導に乗り出すことも決まっている。

 平成九年四月に法人認可を受けた八身福祉会は、障害者通所授産施設の「八身ワークショップ」(知的障害者三十人)と「八身共同印刷」(身体障害三十人)ほか、無認可の「八身ワークキャンパス」(精神障害を含む約三十人)を運営している。これまで設立者の本多氏が運営実権を独占し、こと金銭問題に関しては一切を取り仕切っていたため、不正の傷が深まっていったという。認可二施設には、国と市から年に措置費(補助金)約一億円が支払われ、無認可施設に県と市から年間約二千五百万円が支給されている。


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風野工房ギャラリー

春一番展

=ものづくり仲間 6人の力作=

6人の作品に魅入る来訪者。同メンバーの作品は、1年をかけて順次紹介されていく。
(湖東・永源寺町)
 築百十年の趣を生かし、優しげな芸術作品を展示する「春一番展」が、永源寺町相谷の風野工房ギャラリーで開かれている。六日まで。

 ギャラリー初の大規模な企画展で、木工の安部俊夫氏と近藤有治氏、陶芸の稲塚岳博氏と竹村嘉造氏、金工の古道末吉氏、染織の野田浩二氏の作品・約百五十点が展示されている。いずれの作品も自然を愛する共存的意識が感じられ、室内の木調などと見事に調和。柔らかな曲線や繊細な細工が素晴らしい。

 主催は、同工房に暮らす染織家・野田浩二さん。詩情豊かな自然と心の故郷に惹かれて移り住み、八年前から同町住民として活動している。同展の出展者は作品づくりで知り合った友人たちで、近江八幡市・永源寺町・日野町・甲賀町と仲間の輪も広がる。

 今後、約一年間をかけて同メンバーの芸術紹介を行う計画で、次回は「器と染布展」を予定している。

 開催時間は午前十時から午後六時まで。入場無料。問い合わせは同工房の野田さん(0748―27―2049)。


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日野町個人情報保護懇話会提言

町保有の全公文書が対象

=書類関係含むのは県内4市町のみ=

(湖東・日野町)
 日野町個人情報保護懇話会はこのほど、個人情報保護のあり方について提言をまとめ、奥野弘三町長に提出した。同町の情報公開条例制定に伴なって個人情報保護の必要性が指摘されてきたことから、昨年八月から同懇話会が制度実現に向けて検討してきた。同町は今後、国の個人情報保護法案の審議を見据えながら、条例を策定したいとしている。

 個人情報保護条例は、町が管理する個人情報の開示、訂正、削除などを請求する町民の権利を保障する制度。県内においては三十八市町村(平成十三年四月一日現在)で整備されているものの、このうち三十四市町村の開示対象は電子計算機の管理情報で、書類まで含むのは四市町(長浜、草津、石部、甲賀)にとどまる。

 同懇話会の提言では、開示対象に列挙するのは、電子計算機の情報を含む全ての公文書(文書、図面、写真、フィルム、磁器テープ)。対象外は、▽法令・各大臣の指示などで非公開▽第三者の権利利益を害する▽政策協議に支障がある▽監査・検査・試験の事務・事業に関する情報▽評価・診断・判定に関する個人情報▽人の生命・身体・健康・財産、公共の秩序に支障がある―となっている。

 開示請求の手続きとしては、本人・代理人・遺族であることを確認した上で、請求を受けた日から町は十五日以内に開示するかどうか決定し、請求者に通知する。期間内に決定できない正当な理由がある場合は、さらに十五日延長される。

 また、開示した情報で誤りがあれば訂正、収集制限事項に違反して収集されたと認められれば削除、収集目的や外部提供の制限事項に反する場合は利用停止を請求できる。これらの請求に対し、町は三十日以内に応じるかどうかを決定し、通知しなければならない。ただし、決定できない正当な理由があれば、さらに三十日まで延長される。

 町の開示・訂正・削除・利用停止の決定に不服があった場合の救済機関としては、第三者で構成する個人情報保護審査会の設置を盛り込み、不服申し立ての公平な審査に当たるとしている。


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竜王町

絵本作家・近藤薫美子さん講演

「生きるとは支え合うこと」
=自然環境から学ぶ子育て論=

絵本づくりと子育てについて語る近藤さん
(湖東・竜王町)
 竜王町立図書館の「としょかんまつり」で先月三十一日、絵本作家の近藤薫美子さん(安土町)が「いのち いっぱい 絵本にのせて」をテーマに講演し、自然環境から感じた子育て論を熱く語った。

 草花や昆虫、小動物をよく題材にする近藤さんが、いつも感動するのは命と命の「関わり」。創作のためタヌキの死骸を観察した時は、「虫があっという間に寄ってきて、すぐに白骨になった。虫たちが音をたてて、ものすごい勢いで分解しているのを感じた」と、命のやりとりに目を見張ったという。

 子どもが生命の尊さを理解する格好の学習は、自然との関わりとし、「虫に残酷なイタズラをする時期もあるが、そのことが命を粗末にしていることが分かる時期が来る」と強調。さらに、生き物はそれぞれ支えあって、自然環境を成り立たせていると付け加えた。

 また、教育界で叫ばれる「生きる力」に関しては、「自分で何でもできる、というのが大人になることではない。自分ではできないことを知り、そして他人と欠点を補い合い、協力して生活していくことを知るのが、本当の意味で生きるということ」としめくくった。


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342人に人事異動発令

近江八幡市

徴税強化に「納税課」新設
=派遣職員の問題は持ち越し =

(湖東・近江八幡市)
 近江八幡市はきのう1日、総勢342人の人事異動を発令し、これまでの係から課に昇格した「納税課」を新設し、東近江地域の広域行政を担当する部長・次長級を置いたほか、PFI方式で移転改築に着手する新市民病院建設整備課に中堅職員2人を増員した。

 また、公益法人へ派遣同意が問題となっていた部長級の人事については、先月29日なって追加内示を行い、公益法人から市長部局に戻した。市では、自己申告制度を取り入れ、職員本人の意見や希望も聞き入れる方針を打ち出していることから結果的に本人の意向に沿う異動内容になったが、制度上の問題解決は今後の課題とした。1課が新設されたことにより市長部局の組織は5部1室29課になった。 

 新たに東近江地域の広域行政担当を設けたことは、懸案となっているゴミ焼却場など、今後、広域で施設運営していくことが前提となっている行政課題に専念していくことや合併問題とのからみなど、近江八幡市にとっては避けて通れない緊急課題の解決のスピードアップを図るねらいがある。また、新市民病院に中堅職員を増員したことは、今年度から建設計画が本格化するにともない全国の先例となる成果を上げるため職員の体制強化が目的。このほか、一つの許認可を得るためにたらい回しされる市民の不便性の改善や業務の効率化をめざし、許認可事務の一極集中化の体制づくりを学ぶためその先進地で姉妹都市でもあるグラウンドラビッツ市に3か月程度課長級を派遣する。日野川改修事業の促進では河川課に「国・県事業調整担当参事」の新ポストを設置した。課長級以上の人事異動は次の通り(敬称略)。

【部長級】
▽総務部長兼職員課長・須田智廣▽滋賀県へ復帰(総務部長)吉田敏雄▽総務部理事・企画・広域行政担当(滋賀県より派遣)上山哲夫▽総務部付公益法人派遣・人権センター事務局長・矢野義男▽総務部理事(選管事務局長)・西順次

【次長級】
▽コンプライアンス・マネージャー(滋賀県より派遣)岡治利和 ▽滋賀県へ復帰(コンプライアンス・マネージャー)森誠▽総務部次長・広域行政担当・成田博▽市民環境部次長兼第2クリーンセンター長・村田一幸▽健康福祉部次長兼福祉課長・井狩かつ子▽産業経済部次長兼農政課長・三崎昇▽産業経済部次長を併任・辻澤武男▽文化振興事業団事務局次長兼文化会館長・寺岡速▽市民病院薬剤部長兼薬務課長・池田彰

【課長級】
▽(併)総務部納税課参事・村川幸四郎▽総務部付課長公共用地担当・谷善行▽総務部付課長・東森清蔵▽秘書広報課長・児玉章宏▽企画課長・立岡功次▽パートナーシップ推進課長・西川秀夫▽納税課長・岡田一▽環境課長・松浦貞明▽高齢福祉・介護課参事・村井幸之進▽福祉課参事・佐藤茂樹▽児童家庭課長兼心身障害児通園センター所長・西川秀一 ▽在宅介護支援センターおうみはちまん所長を兼任・甲斐恵子▽ 農政課参事・田中栄祐▽田園整備課長・大林喜宏▽労政課長兼勤労青少年ホーム館長・藤木俊郎▽道路交通課参事兼新病院建設整備課参事・水原弥一▽河川課参事・西村芳男▽都市整備課長・竹内國廣▽住宅課参事・村田幹男 ▽住宅課参事・鎌田豊▽人権、同和施策課長・平野幸男▽事業調整課長・永福慶一▽桐原会館長兼堀上、大森、住吉児童館長・高木史郎▽末広会館参事・松宮行男▽会計課長・北川冨美子
[文化振興事業団]▽事務局参事兼資料館事務長・窓岡弘道▽事務局兼かわらミュージアム館長・菊井了
[市教委]▽教委総務課長・大更芳三郎▽文化振興課長・青木紀夫▽学校教育課参事兼保健係長・日岡昇▽県教育委員会へ復帰・新垣善博
[市民病院]▽整形外科部長・田村裕二▽産婦人科部長・金共子▽調剤課長・小野敏明▽医薬品情報課長・鷹羽頼勝▽中央検査科技師長・千菊秀昭▽病理検査課技師長・中島順次▽管理栄養科技師長・東森佳子

安土町も34人異動
合併担当を配置


 安土町も1日、主監級2人を含む総勢34人の人事異動を発令した。今回の異動では、議会事務局長を主監級に昇格し、総務課に参事級の合併担当を配置した。3町合併をにらんだ必要最小限の小規模に抑えた。
参事級以上の異動は次の通り(敬称略)。

【主監級】▽議会事務局長・佐子忠正▽民生主監・熊木喜一

【課長級】▽地域振興課長・内田昭教

【参事級】▽税務課参事・野田外二▽総務課合併担当参事・山梶善蔵▽学校給食センター所長・玉木凡▽スポーツ振興室長・森井一夫▽地域振興課参事・井上幸一▽保健センター所長兼健康づくりセンター所長・安田正美


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