滋賀報知新(ニュース)平成14年5月2日(木)第13064号

大詰めの改善計画

栗東市の産廃処分場の硫化水素問題

合対委 水処理施設設置に一定理解か

=週明け一挙に動く!? =

県が初めて公表した沈砂池の位置図
(湖南・栗東市)
 栗東市小野の産業廃棄物処分場から硫化水素が発生し、浸透水が環境基準値を超えるダイオキシンが検出された問題で、処分場を管理しているRDエンジニアリング(佐野正社長)は三月末に県廃棄物対策課に対し改善計画を提出したため、地元住民らで組織する産廃処理問題合同対策委員会と県は四月二十三日に協議したが、住民側は北尾地区の法面後退などのため水処理施設と沈砂池の建設について一定の理解を示しつつある中で、改善工事着手が早い段階で開始される可能性も出てきた。
      

【石川政実】



 県は昨年十二月、RD社に対し(1)地下水汚染防止のための措置として、深堀穴の廃棄物を移動した上で、浸透水の流失防止対策を実施する(2)処分場内の汚濁水のおよび浸透水の水処理を行う(3)住宅が近接する北尾地区側の廃棄物が山のように積まれている法面を二十メートル後退させる(4)汚濁水の処理を行う沈砂池を設置する----四点の改善命令を出した。

 しかし同社は二月二十三日、県の改善命令のうち、(1)の掘削命令について、一部変更を求める不服審査を環境省に申し立てた。そして三月末に改善計画書((1)部分はなし)を県に提出。住民は一斉に反発を強めた。
県と合対委は四月二十三日、RDの改善計画について協議した。合対委からは(1)水処理施設は工事に伴って必要なために設置する(2)県はRDの不服申し立てについての考えを明らかにすること(3)地下水については、問題がないことがはっきりするまで処理をしない(4)工事中に、有害違法なものが存在しているかをきちんと調査検索する(5)有害違法なものが存在すれば、処分場外へ排出するか無害化処理をする(6)工事に伴って排出される廃棄物の置き場をはっきりさせる(7)沈砂池の工事に伴って強アルカリ排水の調査に着手する(8)ドラム缶の調査----との確認を求めた。

 県は、(2)については「改善命令はまだ有効。正当性を国に訴えていくとともに、RD社にも改めて指導していきたい」との考えを示した。(3)、(4)も県は、了承した。また(6)の工事に伴う廃棄物の置き場については、仮置きにするか量によっては敷地内の処分場拡張の法的手続きが必要になるとの認識を示した。(7)の強アルカリ排水の調査については「RD社が沈砂池の工事手順を出した段階で県も調査計画を提示したい」とした。(8)のドラム缶の調査については明言をさけた。またこの中で、県は初めてRD社が示した沈砂池の位置図(写真参照)を明らかにした。このように県と合対委は、一定理解の段階を迎えつつある。

 さらに同三十日には、合対委が日本環境学会副会長の坂巻幸雄氏、大阪市立大学大学院教授の畑明郎氏を招いて開催した学習会に、県も参加。RD社の改善計画では、地下水を汲み上げて水処理施設で処理するとしているが、二人の専門家は、地下水の汲み上げは汚染を広げかねないと指摘している。 

 一方、県では処分場に隣接する同市小野自治会、北尾地区の住民らがそれぞれRD社に要望を行っているが、同社の回答でこれら地元関係者の了解が得られれれば工事計画書を提出させ、梅雨時までに、北尾の法面後退を前提に、沈砂池、水処理施設の工事に着手したい意向だが、まだ予断は許されないところ。


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ミホ・ミュージアム春季特別展

「永春文庫 細川家の名宝」

=宮本武蔵の自筆墨画など公開 =

宮本武蔵の性格がうかがえる自筆墨画「鵜図」
(湖南・信楽町)
 肥後熊本五十万石の大名・細川家の優れた美術品を集めた「永春文庫 細川家の名宝展」が、信楽町桃谷のミホ・ミュージアムで開かれている。十九日まで。

 細川家の初代、藤孝(幽斎)をはじめ歴代当主は文武両道に秀で、数々の困難を乗り越えながら多くの美術品を集めた。今回公開される永春文庫(東京・目白)は、細川家の文化遺産の散逸を防ぐため、昭和二十五年、十六代護立氏によって設立され、南北朝時代から収集された美術品の宝庫として知られている。

 会場には、歴代伝わる名宝のほか、中国美術品や絵画、書、茶道具、工芸など約百九十点が陳列され、中世から近代に至る細川家の美意識が堪能できる。

 江戸前期の剣豪で細川家師範だった宮本武蔵直筆の紙本墨画「鵜図」(一六四〇―四五年)は、岩に気高くたたずむ鵜を描いたもの。大まかな筆使いで全体を形どり、くちばし、のどなどは神経細かく描写している。無駄な筆を一切排除し、緊張した画面からは、厳しくも神経細やかな武蔵の一面を感じさせる。

 この作品はもともと武蔵の高弟、熊本の寺尾家の蔵品だったが、理由あって細川家が所有するようになった。署名が自筆書状と一致するなど、武蔵の基準作となる貴重な作品であるとともに、代表作のひとつとされる。

 このほか特別展では、虎に向かう騎馬人物が写実的に表現された国宝・金銀錯狩猟文鏡(きんぎんさくしゅりょうもんきょう、中国戦国時代)、古今和歌集の恋歌を貝殻でデザインした国宝・時雨螺鈿鞍(しぐれらでんぐら、鎌倉時代)など国内外の美術遺産を鑑賞できる。入場は大人千円、高大生八百円、小中生三百円。問い合わせはミホ・ミュージアム(0748ー82ー3411)へ。


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首都機能移転

三重畿央を積極PR

=推進委員会総会で確認=

サントピア水口で開かれた総会
(湖南・水口町)
 三重・畿央地域首都機能移転甲賀・東近江推進委員会の総会が、このほどサントピア水口で開かれ、同地域の県議や首長、行政関係者ら六十人が出席した。総会では、議案として▽平成十三年度事業報告▽平成十三年度決算▽平成十四年度事業計画▽平成十四年度予算▽役員の選出―の六案が提出され、原案通り承認された。

 昨年度と同額の七百万円を計上した平成十四年度予算は、県が五百万円、甲賀・東近江の両地域が百万円づつ負担。事業計画では、候補に挙げられている「三重・畿央」「栃木・福島」「岐阜・愛知」からの選定が、五月いっぱいに行われる状況を踏まえ、▽広報・啓発資材の作成▽大会やシンポジウム等の開催▽総会等会議の開催―が盛り込まれた。

 また、県企画部の担当職員が、国会における審議の状況を報告。それによると、全国会議員を対象にしたアンケートを実施するかどうかで、国会議員の数をバックに実施に持ちこみたい「三重・畿央」「岐阜・愛知」地域の議員(賛成派)と、高い評価を基に特別委での決着を図りたい「栃木・福島」地域の議員(反対派)が激しくぶつかっていると話した。

 さらにアンケート内容についても、記名の有無、選択肢に東京都を含めるか、アンケート結果の取り扱いはどうするか、についても論議が分かれていると説明した。

 首都機能移転候補地の選定時期については、アンケート実施前に、これまでの経緯を説明した資料を全国会議員に配布した上、質問を受け付けるなど一定期間をおくため、五月以降にずれ込む可能性があるとされている。


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ファンタジーの世界紹介

甲西で「絵本ポスター展」

=国内外の作品20点ずらり =

遊び心いっぱいの展示作品
(湖南・甲西町)
 甲西町立図書館は、国が今年から四月二十三日を「子ども読書の日」に定めたことを記念し、「絵本ポスター展」を同館二階の展示コーナーで開いている。今月五日まで。

 すべての子どもが、あらゆる機会とあらゆる場所で自主的に読書活動できるような「読書環境の整備」を理念とする、「子どもの読書活動の推進に関する法律」が昨年十二月に公布、施行された。同館は、子どもだけでなく大人も楽しめる絵本の魅力を知ってもらおうと、国内外の作家のポスター、絵本の複製原画など二十点を紹介している。

 長新太氏の代表作、「キャベツくん」(第四回絵本にっぽん大賞、文研出版)は、淡い黄、緑などメルヘンチックなタッチで人気が高い。様々な擬音語がちりばめられ、大人でも知らず知らずのうちに絵本の世界に引きずり込まれる。

 会場にはこのほか、「とりかえっこ」(ポプラ社)の二俣英五郎氏、「14匹のあさごはん」(童心社)のいわむら・かずお氏など、著名作家の作品が並べられ、そのファンタジーの世界を紹介している。


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公立病院構想存続ピンチ!

甲西町の医療施設整備問題

民間病院新築申請で参入枠減

=先行き見えぬ状況に混乱招く =

公立病院構想で混迷する甲西町
(湖南・甲西町)
 甲西町内の民間病院が先月十九日、県にベッド数百九十九床の新築計画を申請したことで、同町の公立病院整備構想が瀬戸際に立たされている。申請が許可されれば、県保健医療計画が定める甲賀地域基準病床数(千二百二十六床)のうち、未整備枠は三十床を残すのみで、同町が目指す九十床規模の公立病院実現は事実上不可能になる。同町は、今年度一般会計で三次調査費二千百万円を計上したものの、先行きが全く見えない状況だ。

 今回の問題で表面化したのは、町と民間における調整不足。病院開設の許認可を担当する県医務薬務課は、「申請した民間病院の増床計画は以前から出ている話であって、まして今回のケースは町内の問題。町も民間も話し合いをきちんとすべきだった。公と民の医療体制の整理、機能分担をしなければならないはず」と、半ばあきれかえる。

 民間病院の計画によると、同じ福祉法人が運営する老人保健センター(菩提寺)隣りに延べ床面積一万千平方メートル、診療科目十二科を備えた総合病院を、地域の医療拠点として来年八月以降に竣工したい意向だ。

 この新築構想が浮上したのは、公立病院建設を求める住民要望が出始めた十年前と重なり、昨春から設計に取り組んだ。この間、病院側から町に対して調整の打診もあり、「こちらは事前に(医療計画の)話に乗ると言っていたが、町からは具体的に何もなかった」と明かす。

 一方、同町が本格的に事業に着手したのは、コンサルタントに調査分析を委託した平成十二年十二月から。今年二月の報告では具体的な構想にこぎ着け、総事業費五十億円、延べ床面積七千二百平方メートル、総合内科と総合外科、小児科を備える事業案が示された。

 同町の荒木勝美民生部長は、民間との調整不足を指摘され、「民間の計画は比較的早く立ち上げられるが、公立の計画は、議会を含め住民の意向もあるため、手続きを踏まえてながら何年もかかる。(話し合いの材料になる)たたき台がないと医療計画のすりあわせができなかった」と、やむえず対応が後手に回ったことを認める。

 また、今後の対応については「町議会と相談し、現段階での検討課題について考えないといけないだろう」と、先行きの見えない展開に頭を抱えている。   


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