滋賀報知新(ニュース)平成14年6月12日(水)第13111号

論議をつくし、悔いのない合併

中村功一八日市市長が語る

=1市3町 or 2市5町 =

インタビューに答える中村市長(市長室で)
(湖東・八日市市)
 1市3町の合併協議会に1市2町が加わった枠組みが生まれるのかどうかを判断する住民アンケートが7月に行われる。各市町は、アンケート調査に先立ち、新たな枠組みの住民説明会を今月中に開き終えることになっている。八日市市では市内8地区公民館で説明会を開催するが、中村功一八日市市長に合併の枠組みの判断について聞いた。


 1市3町と2市5町との合併の違いはどこにあるのか----

 1市3町は内陸部に位置し、風土的に共通するものがある。JR沿線の近江八幡市や安土町は、信長や秀次、朝鮮人街道など(全国的にも知られた)歴史のあるまちで、観光素材を見ても全国発信できるものがあり、性格的なまちの違いがあるように思う。愛東、湖東町は同じ内陸部にあり、愛知川の新橋建設などで行政レベルでのつながりも深まっており、いずれは一緒にという考えはあった。

 それは2市5町の枠組は簡単ではないということか----

 具体的な議論をしないうちから近江八幡市とは次回にという早計な考えはない。新しい枠組みは白紙で問いかけていきたい。2市5町には将来「東近江は1つ」につながるという大きな魅力があり、市内にも八幡と(今から)一緒に進めるべきという意見もある。2市5町でも当然のことながらメリットもある。4月から1市3町の法定協議会を立ちあげ、合併論議をスタートさせたところだが、2市5町になることも考えて、基礎部分から検討をはじめ、(2市5町になった場合)議論になりそうな項目は残すようにしている。1市2町がこれに合わせてもらうということでなければ、期限内に間に合わないが、決して肝心な部分を先に決めてしまおうということではない。

 現在、市役所では1市3町合併協議会と2市5町の合併研究会が共存しているが----

 合併についての事務局を2つも抱えているところは(県内に)なく、行政運営上の重荷になっていることは確かで、早く解決し、すっきりした法定協議会に専念していくことが必要でしょう。

 日野町内で中村市長の発言に異議を唱え、合併の見直しを求める動きがあるが----

 法定協議会の設置は、議会議決を得られた上で進めているので、そうした動きがあっても日野町と議会の判断を信じ、静かに見守っていきたい。合併を目指しているが、今後500〜600もある合併協議項目をまとめていく中で、対立が生まれれば合併にならないので、協議の過程を見極めていくことが大切だと考えている。また、それぞれの市町が理想を持ちながら合併を進めていくことが重要だと受け止めている。

 八日市市では8地区の公民館で住民説明会が行われるが----

 2市5町の枠組みについては、5月末からの市政研修会の場でも住民代表の方々に説明しているが、今度の住民説明会では、7月に実施されるアンケート調査への協力をお願いする必要がある。これまでの経過説明が主になるだろうが、もう一度枠組みの問いかけについて説明したいと思っている。

 湖東、愛東町は、まだ愛知郡内ですっきりしないところがあるが----

 郡内はすっきり整理できていない雰囲気ものこっているが、真剣な話し合いをしたうえで、相当な意志を持って、参入の申し出をされたのであろうから、その思いを大切にしたい。合併の話以前から共に行政課題に取り組んできた経過もある。

 2市5町の研究会を設けた理由はなにか----

 1市3町の協議会がスタートした中で、1市2町に参入してもらった研究会を設置したことについては評価してもらいたい。市長は何を考えているかという指摘もあろうが、法定協議会が出来ればそれでよいという訳にはいかない。十分な論議をつくし、悔いのない合併の判断が求められる。

(聞き手・畑 多喜男)


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白壁や板塀の趣のある町並みなど

三波さん 切り絵作品展

=16日まで 八日市市立図書館=

展示されている作品と三波さん
(湖東・八日市市)
 八日市市立図書館二階の風倒木ギャラリーで、市内東沖野五丁目に住む切り絵作家の三波捷昭(さんなみ・かつあき)さん(61)のはじめての作品展が十六日まで開かれている。

 御代参街道沿いや八幡堀、五個荘や日野の近江商人ゆかりの屋敷が並ぶ町並みなどの風景の他、人、動物、花、アニメキャラクターなど約五十点、途中作品を入れ替えて紹介する。

 黒い画用紙とカッターナイフで作り上げる切り絵の作品は、緻密な作業で作り上げる光と陰、明と暗、白と黒の世界に違いないが、見る人にとっては身近な風景やものとして、頭の中にその映像がくっきりと浮かび上がってくる。

 定年後に一念発起して独学ではじめてわずか一年あまりとは思えない作品の数々に驚かされる。普段は八日市市シルバーセンターを拠点に活動を続けている三波さんだが、公民館などで教室も開いていると言うから、その生まれもった才能に感心させられてしまう。

 近隣の町から作品依頼されることもあり、「歴史ある町並みを、作品の中で大切に残していけたら」と作品づくりへの思いを語る。

 切り絵教室や作品購入などについては、八日市市シルバーセンター(TEL0748―24―3741・3746)へ。


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モノ・環境を愛する親子展

日本の伝統美「刺し子展」

=92歳、一針一針心を込めて=

近江商人屋敷外村繁家で開催中の「刺し子展」
(湖東・五個荘町)
 五個荘町金堂にある近江商人屋敷外村繁家で、刺し子の魅力を伝える亀田由江さん(92、栗東市在住)の作品展『日本の伝統美「刺し子展」』が開かれている。

 また、由江さんの息女で亀田靖江さん(66)の『草木染展』も旧外村宇兵衛家で始まり、モノ・環境を大切にする親子展が人気を呼んでいる。

 一針一針刺し縫いする刺し子は、日本の伝統美として愛され、その生活の知恵は近江商人とも結びつきが深い。展示会場の商人屋敷は豪商・外村家の本宅で、同地区にある屋敷宅には刺し子の一反風呂敷が多く残されている。

 刺し子は、木綿が普及するまでの麻布を強く丈夫にするための知恵で、消防服や柔道・剣道の稽古着にも使われたほか、装飾品として数多くの美しい模様が生まれていった。これらは、現代人が忘れつつある「物の大切さ」や人間の「優しさ、強さ」を思い起こさせてくれる素晴らしい技術だ。

 由江さんが刺し子と出会ったのは八十五歳の時という。体調を崩した由江さんは趣味の手芸も遠のき、沈鬱の毎日を過ごしていたが、気分転換にと訪れた飛騨高山で刺し子の美しさに感動。早速、母の手織木綿染布団を刺し子として甦らせ、現在では図柄・色彩ともに芸術の域に至っている。

 展示に寄せて由江さんは「八十五の手習いとして始めた刺し子。現在も、介護を受けながら一針一針心を込めて刺し続けています。針目の揃わない作品ですが、皆様に見て頂けて大変うれしい」と話している。

人に優しい天然染料

靖江さんの『草木染展』

=ザクロ染など珍しい作品も=



旧外村宇兵衛家では靖江さんの「草木染展」を開催
 一方、旧外村宇兵衛家では、息女の亀田靖江さん(66)の『草木染展』が開かれている。

 草木染めは、植物などの天然染料だけで染める人体や環境に優しい染色方法で、台所から出る野菜や果実、剪定した枝葉などを材料に誰でも気軽に楽しめることから、近年人気のアートとなり、自宅で教室を開く靖江さんも草津市や八日市市、五個荘町等の公民館で草木染め講師を努めている。

 屋敷内には百二十九点もの作品が展示され、ポピュラーな藍染め・泥染めから、珍しいコーヒー染め・ハーブ染め・ザクロ染めなどが並ぶ。これら恵みの色はまさに一期一会で、植物本来の隠れた色素成分に驚く。

 その魅力について靖江さんは「同じ植物でも季節によって違った色に染まる。また、特別な時期にしか染められない物も数多くあり、一年を通して様々な色との出会いがある」としている。

 両展とも会期は六月三十日まで。月曜休館。入館料は、近江商人屋敷外村繁家・外村宇兵衛家・あきんど大正館の三館共通で大人四百円、子ども百五十円。問い合わせは町観光協会(0748―48―2100)へ。

 なお、町公民館では、亀田靖江さんを講師とした「草木染め講座」を第三木曜日に開講している。詳しくは(0748―48―2737)まで。


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満天の星に負けじと舞い上がる

ホタルの光の演出に参加者うっとり

=竜王町で第2回稲作体験=

ゲンジボタルの光に誘われ手を伸ばす子どもら
(湖東・竜王町)
 先月十九日に行われた「ホタルの舞う田の稲作体験」の田植えに続き、第二回稲作体験として苗とホタルの観察会が竜王町で開かれ、地元の小・中学生の親子約九十人が参加した。

 この体験は、東近江地域振興局が提唱する「東近江・水のふるさとまるごと体験事業」の一環で、東近江農業管理センターの主催で、竜王町の稲作経営者研究会や農業委員会が協力して実施しているもの。

 前回、同町須恵の水田に手植えされたニホンバレは、減農薬・減化学肥料で栽培されている。参加者は、順調に生育している苗を地元の自然環境を知り尽くしている富長 議さんや県職員のほか、農業委員の解説を聞きながら観察していた。

 また、富長さんは「小さいころは、菜種のからでほうきを作ってもらい、“ほっほっホタル来い、こっちの水は甘いぞ”と歌いながらよく捕まえた。ホタルは卵を産むと死んでしまうので見つけたら持って帰らないでほしい。そうすれば、また来年たくさんのホタルと出会える」とホタルの生息地や特徴、観察方法などを語った。

 辺りが暗くなった午後七時四十分に、参加者は同町山中に移動し、清らかな水と緑が残る川原でゲンジボタルを観察した。満天の星に負けじと、ホタルたちはほのかな光を力いっぱい放ち、幻想的な世界を演出。参加者は「わーきれい」と歓声を上げ、親は「昔はどこでもよく見れたのになあ」と子どもの頃を思い返していた。

 初めてホタルを見た竜王西小五年の河野翔太くん(10)は、三匹のホタルを手に取り「学習会でオスは木の近くで、メスは草むらにいると聞いたので、きっと手にいるのはメスかな」、同小五年の林輝くん(10)も手の中のホタルを見つめながら「ホタルの光が明かりのようになって、字が読めたりできるのはすごい」と神秘的なホタルのとりこになっていた。観察会の帰り道、小さな女の子は「ホタルさん元気でね」と声をかけ、来年の再会を約束していた。


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県内倒産 負債総額31億円

5月 帝国データバンク調べ

件数増とともに大型化進む
=12件発生 建設業以外にも波及=

(全 県)
 民間信用調査機関の帝国データバンク調べによると、五月中に県内で負債一千万円以上を抱え倒産した企業は、十二件で総額三十一億三千万円に上っていることが分かった。

 森嶋漬物(彦根市)の九億八千万円はじめ、西澤製材(日野町)六億一千三百万円、今井技建(野洲町)六億円、石居繊維産業(長浜市)二億二千万円、山川オート(野洲町)二億一千万円、田中電気工事(草津市)一億円など、件数とともに大型化している上、業種にばらつきがみられる。

 先月に比べ件数で一件の減少をみたものの、負債額では七割以上の約十三億円と激増している。五―十億円が三件、一―五億円五件、五千万円以下四件が発生し、一件当たりの負債額も二億六千万円(前月一億四千万円)と二倍近くに達している。

 倒産原因は、景気変動要因(市況の悪化に伴う販売不振や受注の減少)が十一件と全体の九割以上を占め、企業内要因(放漫経営・経営計画の失敗)一件、その他(代表者の死去など)に起因するものはなかった。

 不況のあおりを受け景気変動型が増加し、企業弱体化が表面化してきている。負債の中でも金融債務に苦しんでいるのが特徴で、増加する借入金がジリ貧の売上高と同等に膨らんでいるケースが目立つ。

 業種別では、建設業、繊維、木材・家具、電気・機械で各二件が発生し、他業種での倒産はなかった。過去最多となった昨年(五十八件)に続き、建設業界でのペースはとどまることなく、公共工事が減少をみせる中で、民需の回復がない限り厳しい情勢が続く。

 日銀京都支店がこのほど発表した県内の経済概況によると、輸出減少テンポに緩やかな回復がみられるものの、設備投資や住宅投資に落ち込みが続いているほか、厳しい雇用・所得環境から個人消費も引き続き悪化を示している。

 このような状況下で、昨年十二月から四か月連続して一桁台を維持してきた倒産件数も、前月(四月)から再び二桁台に乗った。経済情勢は決して好転しているわけではなく、破たんが表面化していないだけとし、長引く景気低迷から売上不振、受注の低迷で体力以上の金融債務を抱える企業の破たんは続くとみている。


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