滋賀報知新(ニュース)平成14年9月28日(土)第13234号

「淡海に生きて―私の90年」

元八日市市長の山田正次郎さん

名神反対運動から地方自治の道へ
=武村元蔵相らの思い出書き下ろす=

山田正次郎さん
(湖東・八日市市)
 元八日市市長の山田正次郎さん(89)は、これまで歩んできた激動の人生を振り返る回想記「淡海に生きて─私の90年」をこのほど刊行した。

 大正二年三月、八日市市林田町に農家の長男として生まれた山田さんは、少年時代と二度にわたる中国での戦争体験、捕虜生活などに触れ、昭和二十一年七月の帰還からは、多くの公職を持つことになった山田さんの第二の人生を振り返っている。

 回想記(二百四十三ページ)によると、地方自治に目覚めたのは、名神高速道路反対運動から得た政治交渉の貴重な体験だった、と書かれている。その後、小学校統合を検討する教育委員、野菜栽培を促進する農協野菜部会長、開発への農地転用を審議する農業委員などを経て、政治の世界に身を投じることとなる。

 これを決定付けたのが、武村正義元大蔵大臣との出会いである。八日市市長選、知事選での参謀役を務め、見事当選に導いた熱心さと、これまでの実績が買われ、その後継者(八日市市長)として市政を二期八年間担当した。信念「何が市民にとって大切か」が山田さんの誠実さを物語っている。

 市長時代の一番の思い出は、新庁舎に昭和天皇をお迎えしたことと振り返っている。新庁舎完成は五十二年二月、天皇行幸は五十六年十月のことであった。さらに春の叙勲(五十八年)で勲五等瑞宝賞を受章し、偶然にも宮中での席が天皇の正面だったことに感激したという。

 これまでに就いた公職は全部で九十五にものぼり、四十組の仲人も務めた。九十歳を超えた今では、英霊にこたえる会と体育協会の名誉会長にとどまる。大正、昭和、平成という激動の中で地域の発展に尽くしてきた山田さんは、滋賀の持つ古い歴史と明るい未来が感じられる「ふるさと淡海を愛する」とつづる。

 発刊にあたって武村元蔵相は、この書を通して「山田さんの志の高さや信念の強さをうかがい知ることができ、ふるさとの環境が人をつくるということを再認識させられた」とのコメントを寄せている。回想記に関する問い合わせは、山田さん(TEL22―5940)へ。


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第20回蒲生野万葉まつり

歴史と文化が薫る

=歌あり、味あり、ロマン満喫=

船岡山から登る月の下で能楽会も開かれた蒲生野万葉まつり
(湖東・八日市市)
 万葉の歌の舞台となった蒲生野の八日市市野口町と糠塚町にまたがる万葉の森・船岡山一帯で、二十三日午後から「第二十回蒲生野万葉まつり」が開かれ、参加者らはいにしえの歴史と文化のロマンに浸りながらゆかりの地からの新たな文化の創造と発信を楽しんだ。

 「万葉の文化にふれる」「万葉を味わう」「和の調べを楽しむ」の三つのテーマで構成されたまつりでは、昨年度の蒲生野短歌会「蒲生野大賞」作品の歌碑除幕式、あかね合唱団や八日市ばやし保存会による発表、今年度蒲生の短歌会の選者で歌人の中野照子さんによる万葉の時代も今も変わることがない“愛”をテーマにした歌についての講演、村田利子市議と中村功一市長による額田王と大海人皇子の相聞歌など市内名士による近江ゆかりの歌を集めた万葉集朗詠などが繰り広げられた。

 また、戸高弘子さんのオカリナ・コカリナ演奏、女性デュオ“月下美人”によるアコースティックコンサートのやさしい調べが、秋の夜の深まりを感じさせる会場を包み、まつりの雰囲気を盛り上げた。

 そしてクライマックスは、かがり火に浮かびあがる特設能舞台での能楽会。観世流能楽師の田茂井廣道さんらが、能の楽しみ方や普段は絶対に見ることができない衣装の着つけなどについて詳しく解説したあと、少年の亡霊が好きな太鼓(天鼓)の音にひかれて舞を踊る「天鼓」を上演し、観客を船岡山から昇る月とともに幽玄の世界に導いた。

 会場では、市物産振興会、地元自治会・生産組合・婦人会、八日市南高校などによる万葉ゆかりの地ならではの物産販売や蒲生野弁当の販売、茶道団体による野点なども開かれ、食欲の秋を満喫した。また、観光ボランティアによる無料案内も好評だった。

 なお、今年度の蒲生野短歌会には全国から四百五十四首(二百三十人、県外九十五人、県内百三十五人、市内二十八人)の歌が寄せられ、蒲生野大賞に彦根市の寺村享子さんの作品のほか、紫野賞、標野賞、特選、佳作、入選など七十点が選ばれた。

 主な入賞者は次の皆さん。
 ▽蒲生野大賞 「蒲生野を君と並びて歩み行く朝露青くわれを清くす」寺村享子(彦根市)
 ▽紫野賞 吉村紀子(守山市)
 ▽標野賞 小野和子(彦根市)
 ▽特選 木瀬昭子(日野町)丸山世紀子(神戸市)小谷敏夫(余呉町)横田昭夫(八日市市)吉岡泰三(新潟市)吉田芳子(長浜市)島崎佳子(大津市)


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姉妹都市へ派遣

中学生使節団きょう出発

能登中生13人テーバー町へ
=視野を広く、成長楽しみに=

緊張と期待のなか、テーバー町へ派遣される中学生使節団の結団式
(湖東・能登川町)
 能登川町役場で二十五日、姉妹都市カナダ・アルバータ州テーバー町へ派遣される中学生使節団の「テーバー町派遣結団式」が行われた。

 次代を担う子どもたちの育成と相互の友好親善を目的に、平成十年から実施している中学生使節団派遣事業の一環で、昨年は米国同時多発テロの発生により渡米を中止し、今回は四回目の派遣となる。団員は能登川中学校の二年生六人と三年生七人、引率の教諭三人等を含めた計十七人で、二十七日から十月七日までの十一日間、ホームステイによる生活体験や中学生との交流を行う。

 結団式では、団員代表の宮澤明日香さん(三年生)が「チャレンジ精神を持って、何事にも取り組んでいきたい」と決意を述べ、続く十二人がそれぞれに自己紹介と想いを発表。出発を間近に緊張しつつも、団員としての意識や仲間の結束を強めていた。

 町長代理として田井中清幸助役は「文化や生活習慣の違いなど驚くこともあるでしょう。様々な角度から物事を考えられる人になって欲しい。一回りも二回りも大きく元気に帰ってきて下さい」と激励し、団長の佐々木均さん(同中教諭)へ親書を託した。

 最後に、田附弘子教育長が「家族や関係者の協力・支えがあっての実現です。緊張や喜び、不安がいっぱいでしょうが、楽しくそして元気に頑張って欲しい。成長した姿を楽しみに待っています」と温かく見送った。


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長命寺川沿いに

紫式部の歌碑

=北津田町の百々神社 =

整備された参道沿いに建立されている紫式部の歌碑

(湖東・近江八幡市)
 ぜんそく封じの神社としても知られる近江八幡市北津田町の百々神社(深井武臣宮司)の新しい参道に建立された紫式部の歌碑が秋の陽光に日差しに照らされている。

 長命寺川にかかる渡合橋の掛け替え工事に伴い、整備された参道脇に3年前建立されたもので高さ約1メートル40センチ幅約50センチの厚み約30センチの御影石に「おいつしま 島守る神や いさむらん 波もさわがぬ 童部の浦」と草書体で刻まれている。

 「童部の浦」とは今の島学区の地域を指したものと考えられ、この地の平和で静かな暮らしぶりを詠ったものと解釈されている。

 同神社は、昔、島地域に入る行商人たちが清水で一息入れた聖域として崇められ、道祖神信仰でも多くの人の信仰を集めた鎮守の神として知られている。


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仕事に慣れても人には狎(な)れるな!

川端市長が職員集めて訓示

規則作っても再発防げず
=市職員逮捕の不祥事 =

職員を前に訓示する川端市長(23日市文化会館で)
(湖東・近江八幡市)
 2年前の沖島浄化センター改良工事に絡み、その設計価格を市内の指名競争入札業者に教えたとして競売入札妨害の疑いで市職員が逮捕された不祥事を受けて川端五兵衞市長は24日午後5時半から職員を市文化会館小ホールに集め、市長訓示を行った。会場には、出先機関からの参加も含め全体の約半数に当たる500人が参加した。

 川端市長は「自己を抑制して公共のために尽くすのが我々の役割であり、自己の是正に深い理解度と継続的な取り組みが必要だ。市職員倫理規定を作った内容をどこまで理解していたか、その個人の力量が問われている」と欠如していた公僕としての意識を指摘。「みなさんは市民からいつも注視される立場に居ることを忘れてはならない。失った市政への信頼は、半年や1年では取り戻せない。その間は辛い思いを耐え、スピードと集中力で組織を改革し、市民の信頼の回復に努めて欲しい」と30分間余り訓示した。

 市では、市民に対してはホットテレビの字幕スーパーでお詫びを流し、市のホームページでも謝罪文を掲載した。また、市広報紙でも同様の謝罪文を掲載し、再発防止に努めることにしている。

 今回の職員の逮捕容疑は、設計価格を教え、業者が有利に落札出来るような情報を事前にもらって応札し、工事を受注したことによるものだが、捜査の進展いかんではさらに重罪の贈収賄事件に発展する可能性もある。

 下水道課の工事設計価格をなぜ、逮捕された田園整備課の職員が聞き出したのか、また誰が教えたのか、そして、その見返りとして何があったのか、なかったのか、さらに他にはないのか、今後の捜査が注目される。ただ、多額な事業予算を持つ事業課や工事業者の決定権を有する部署には、以前から職員と知り合いの業者との癒着話しがささやかれている。今回の逮捕はその1例に過ぎず、市の体質に問題があるのではないか、と話す関係者もいる。

 川端市長が就任以来、市政への信頼回復を目指し、職員倫理規定やコンプライアンスマネージャー条例を制定し、不正防止に取り組んできた4年間の努力が水泡になったことは否めない。川端市長は市民へのお詫び文の中で「誠に痛恨の極みで返す返すも無念であります」と責任を果たせなかった落胆ぶりを表現している。規則を作っても守れないのは、個人の資質にもよるが、誰が担当してもそうした問題が起きない業務体制の見直しが早急に望まれる。


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