滋賀報知新(ニュース)平成14年10月31日(木)第13272号

福島智氏が基調講演

「コミュニケーションは大切な営み」

=地域社会と共に歩める生活を!=

福島智氏
(湖西・大津市)
 大津市で開かれた「アジア太平洋障害者の十年」政府間会合で、先端科学を応用したコミュニケーション技術の開発に挑む全盲ろうの研究者、福島智氏39(東大助教授)が基調講演した。講演では、障害の有無を超えたコミュニケーションの重要性について語った。発言要旨は次の通り。

 私は九歳で失明し、十八歳で全盲から盲ろうになり、大きな衝撃を受けた。それはまるで、太陽の光が届かない暗黒と真空の無重力の宇宙空間に放り出されたような感覚だった。

 このように孤独と絶望の状態にあったが、その暗黒と静寂の牢獄から解放された時はきた。第一の段階はコミュニケーションの獲得。母によって指点字が発見され、再び他者とのコミュニケーションを取り戻すことによって、生きる意志と勇気がよみがえった。

 第二の段階は指点字を用いて実際にコミュニケーションをとる相手、身近な他者に恵まれたこと。第三の段階は、コミュニケーションの自由を保障してくれる通訳を安定的に受けられる状態になった。

 これらの体験を通じ、障害者の自立と社会参加にとって大切なポイントは三つあると考える。第一は、生きる意欲と勇気を持てる教育やリハビリ。第二は、家族の自助的取り組みや市民の意識改革。第三は、障害者の支援者、団体を安定的に支える、社会の法制度的な枠組みだ。

 なぜ障害者の生活を社会は支援しなければならないのか。その答えは、国際障害者年行動計画の序文にある。「ある社会がその構成員のいくらかの人々を閉め出すような場合、それは貧しくもろい社会なのである」。社会が少数派である例えば障害者を差別し、排除するなら、そうした社会は外見はともかく、本質的には貧しい社会だ。

 アジア太平洋地域の障害者が望むものは、同情や哀れみでなく、市民としての当然の権利と義務、自由と責任。また、単なる慈善や施しでなく、適切な教育やリハビリテーションを受ける機会と働ける場所だ。一生過ごせる収容施設でなく、地域で家族や友人と共に生活することだ。


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湖南に吹く世代交代の嵐

栗東市長選を振り返る(記者座談会)

明暗わけた 選対本部の差
=来春の県議選一転して無風か=

当選した国松氏
(湖南・栗東市)
 市制施行初の栗東市長選は二十七日投開票され、司法書士の新人国松正一氏(55)=無所属=が、前市助役の高田徳次氏(62)=無所属(自由、保守推薦)=、共産党支部役員の馬場宏三氏(63)の二新人を破り、初当選した。そこで市長選を記者座談会で振り返りながら、今後の市政を展望してみた。
                  

【石川政実、高山周治】

 ●どんでん返しの謎

 A 二十四日付け市民ニュースで「高田氏優勢」と予想したが、見事にはずれてしまった。だけど他紙も高田優勢と見るところがほとんどだったよ。

 B それは言い訳にすぎない。始末書ものだ(笑)。

 A あるメディアが中旬に実施した世論調査では、投票率を正確にあてていたばかりか、得票数予想も開票結果とほぼ同じだった。ただトップが高田氏、二番が国松氏だけ違っていただけに、本当は逆だったのではとの疑念がいまも消えない。この情報が選挙事務所などから漏えいし、一人歩きしたきらいがある。高田陣営を幻惑する情報操作だったかもしれない。

 B それはないだろう。ところで告示から三、四日後に国松陣営の三浦治雄県議が個人演説会場に姿を見せなかったため、高田陣営は「公明党対策のため大阪や東京に走ったのでは」と“空白の半日”の情報収集に追われたが、真相は結局、つかみきれなかった。ただ今回、公明党は自主投票だったが、かなりの部分が国松氏に流れたフシがある。岩永峯一・自民党県連会長も水面下で動いたのかもしれない。やはり、どの段階かで大逆転の“どんでん返し”が行われたと見るのが自然だろう。

 ● 高田陣営、後援会のツメできず

 A それと選対本部の差がハッキリと出た。個人演説会場の動員は国松、高田陣営とも互角だったが、国松陣営の夜の選対会議には、当日の高田陣営の動員数がリアルタイムに報告されるなど、情報はすべて筒抜けだった。逆に高田陣営は、国松陣営の動員数すら十分に把握できなかった。とくに国松陣営には、二度の知事選などを仕切ってきた三浦県議の存在が大きかった。高田陣営は、三浦県議の役割を市議らが担ったが、的確な戦略が打ち出せなかった。それは全自治会の六〜七割の推薦を取り付けたにもかかわらず、後援会会員は四千人どまりだったことを見ても明らかだ。ところで馬場氏は、意外に伸び悩んだね。

 B RD問題に取り組んでいる住民らは、猪飼峯隆市長の後継者である高田氏の当選は絶対に阻止するという思いから、本来は馬場氏に回る票を国松氏に向けた面もあったはずだ。

 ●始まるか三浦院政

 A 選挙戦術もさることながら、やはりRD問題の早期解決や、新幹線新駅費用負担問題、巨額の借金を抱える財政運営、行財政改革など山積する問題に取り組むには、民間人の新しい発想にゆだねようとする市民の思いが吹き出たことが大きかった。ただ東京都知事の石原慎太郎氏を尊敬し、大衆迎合主義にくみしないとする国松氏だけに、大衆蔑視の選民政治に陥らないか、三浦県議が院政をしくのか、冷静に見守る必要がある。

 B 来年一月の守山市長選、二月の草津市長選は、いずれも現職に中堅、若手の有力新人が挑む構図だが、栗東市長選での国松氏の当選で、都市型の二新人には世代交代の新しい風が吹くことは必至と見られる。また来春の県議選(栗東市選挙区)は、一転して現職二人の無風選挙になる公算が大だ。


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新築移転構想の

マスタープラン

=甲賀病院が発表=

(湖南・甲賀広域)
 甲賀郡七町で運営する公立甲賀病院(水口町鹿深・冨永芳徳院長)はこのほど、新築移転構想のマスタープランを発表した。新築移転については、平成九年四月から七町でつくる運営調査会で八回にわたって議論され、同十年六月の町長会で決まった。

 それによると、構造・規模は鉄筋コンクリート造り、地上九階建てで、延べ床面積四万二千六百平方メートル。建設事業費は二百八十一億七千万円で、借金にあたる企業債二百四十六億円、自己資金三十五億三千七百万円で賄う。

 ベッド数は現在より七十一床増やした五百三十八床で、救急医療や介護医療、高度専門医療を手厚くした。内訳をみると、ICU・CCU十六床、緩和ケア病床十五床、開放型病床五十床、回復型リハビリ病床五十床、一般病床二百四十三床、療養病床百五十床、人間ドッグ五床など。

 着工年は未定。また、建設予定地については正式決定していないが、平成十年六月の運営調査会で、甲賀看護専門学校(水口町北内貴)隣接地が候補地として挙がっている。同病院は「今回の案はたたき台で、具体的な内容は今後審議する」としている。


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甲西町議・菅沼氏が出馬意欲

来年4月の県議会議員選挙

青木善政県議も3選へ
=2候補並び揺れる地元=

菅沼利隆氏
(湖南・甲西町)
 甲西町議会の菅沼利隆町議57(同町菩提寺)は、来年四月の県議会議員選挙に向けて出馬の意欲を燃やしている。十月二日には同町を地盤とする現職、青木善政県議69(同町柑子袋)も三選目への意向を後援会に伝えており、候補者二人が並んだ同町では支援をめぐって揺れている。               

【高山周治】


 菅沼町議は先月九月中旬、同町議会の全員協議会で「ゼロから出発する気持ちで県議選に立候補したい。支援をお願いしたい」と表明した。平成十一年に行なわれた前回の選挙では出馬を断念し、再選を目指す青木県議の支援に回っただけに、並々ならぬ覚悟がある。

 そこで気になるのが、同じ地盤(甲西、石部町)をまっ二つに割る現職との関係だ。これについて菅沼氏本人は「青木氏とケンカする気はない。同じ地盤から出るので、バッティングするのはしょうがない」と、ぶ然とした表情で話す。

 同氏に近い同町議会の仲西一郎町議(同町菩提寺)は、今回の経緯について「菅沼氏は県議会出馬への意欲を以前から持ち続けてきたが、いつまでたっても出る状況にならなかった。もう一期待って次は菅沼氏になるという保障もないため、出馬への決心を固めた」と打ち明ける。

 自民系の菅沼氏にとって、同党の組織票に頼るところも大きい。もともと同党は県議会甲賀郡区(定数五)で三議席を占めていたが、現職が引退したり、死去したこともあって、前回の選挙では現職と新人の二人を立てるにとどまった。

 ちなみに現在の勢力地図を見ると、自民二議席(中嶋武嗣県議、家森茂樹県議)、県民ネットワーク二議席(高井八良県議、青木善政県議)、共産一議席(桐山ヒサ子県議)となっている。

 自民党甲西支部長の遠山勝町議(同町菩提寺)は、「甲賀郡における自民の議席を三つに回復するのは悲願だ。菅沼氏が出馬するなら当選してほしい。しかし甲西町では、民主党県連副代表・奥村展三氏をバックにした青木氏の存在は大きく、町内の票を一本化にまとめるのは難しい。あくまで現職二人を当選させるのが優先課題だ。今年中には支部幹事会を開き、党から公認をもらうかどうか決めたい」と、微妙な情勢を説明する。

 また、菅沼、青木両氏から出馬のあいさつを受けた井ノ口伍堂(同町北山台)区長会会長は、「甲西町内から出た候補者を、片方だけ推薦することはありえない。ただし、地域の各区長がいずれの候補につくかは、それぞれ地域の事情があるので拘束できない。区長会としては十二月に方針を決めたい」としている。



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アジア太平洋障害者会合

湖国で「今後10年」採択

=自助団体支援、教育普及など=

開会式に出席するキム事務局長(中央)、国松知事(左)
(全 県)
 「アジア太平洋障害者の十年」最終年ハイレベル政府間会合が、二十五日から二十八日までの四日間、大津市内で開催された。国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)の主催。会合には、三十カ国の政府、NGO(非政府組織)、国際団体の約三百八十人が出席し、過去十年間に各国で進められた施策の評価、今後十年の活動について議論、採択した。

 開会式では、キム・ハクスESCAP事務局長が、「施設の整備など物理的な面である程度進んだが、十分な教育へのアクセスは欠如しており、貧困のリスクとなっている。これは障害者の権利とニーズに配慮しないと達成できない」と人権施策の必要性を強調した。

 国松善次知事は、「テロ、紛争によって多くの人が障害を負う事態に直面している今日、人間の尊厳を再び問いかけることで全ての生命が保障され、心の豊かさを大切にしつつ、夢が実現できる社会をつくっていかなければならない」と、障害者施策にかける意気込みを語った。

 会議では、各国で取り組んだ施策を、立法と情報、施設、教育、雇用など十二領域に分けて報告。これに続いて、今後十年の行動目標を示した「びわこミレニアムフレームワーク」を議論、採択した。内容的には、障害者自助団体の支援、全ての障害児・青年が初等教育過程を完全に修了することなどを盛り込んだ。


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