滋賀報知新(ニュース)平成14年12月30日(月)

★今年上半期の滋賀報知重大ニュース


自治会のオンブズ結成へ

大津市の比叡平と堅田の住民合流して準備会

風穴開けた加藤さんの逆転勝訴
=歪む滋賀の地域コミュニティー13=

大津市内で開かれた結成準備会(向かって右から2人目が岡田さん、5人目が加藤さん)
(湖西・大津市)1/17
 「広報紙を配るのに、自治会報償金などいらへん。お金が絡むから、いやらしくなる。ボランティアですべきや」「自治会は地域コミュニティーとして必要やけれど、もっと民主的に運営せんといかんわ」「警察は、自治会のお金が横領されている疑いがあっても、民事不介入か、横領の額が小さいからか知らんけど、あんまり積極的でないのはちょっとおかしい」----正月気分がまだ抜けきらない十二日、大津市内のピアザ淡海では、全国でも初めてといえる“自治会をチェックする”市民オンブズパーソンの結成準備会が開かれ、カンカンガクガクの議論が交わされていた。       【石川政実】


 準備会に集まったのは、大津市比叡平の「比叡平を明るくする会」(代表=加藤英子さん)とその支援グループ、同市今堅田二丁目自治会場外馬券売場建設反対委員会のメンバーら約十人。自治会問題に立ち上がった市民たちである。

 その一人に、自治会問題で逆転勝訴を勝ち取った主婦の加藤英子さんがいる。自治会の会員資格を取り消されるなど名誉を傷つけられたとして、加藤さんが自治会長を相手に慰謝料二百万円を求めた訴訟の控訴審が昨年十二月七日、大阪高裁であった。

 根本真裁判長は、加藤さんが敗訴した一審判決(大津地裁)を取り消し、「自治会の会則や慣例にもない」と会員資格を取り消した会長に慰謝料十万円と訴訟費用の十分の一の支払いを言い渡した。

 根本裁判長は会長による会員資格の取り消しを「自治会会則や慣例にもない」と認定。さらに会長が自治会から除名する文書を配布したことに対し「自治連合会の経理に疑問を抱き、ただそうとする加藤さんに対し、嫌悪の措置に出た疑いも払拭できない」とした上で、慰謝料十万円の支払いを命じた。

 そもそも、ことの発端は市が交付している自治会報償金にまつわる経理問題だった。平成十一年四月十二日、加藤さんは自治会の総会に組長として出席し、自治会長が会長を兼ねていた上部団体の比叡平学区自治連合会の決算を質問したところ、自治会長らはその場で回答をしなかった。加藤さんは解明を求めて、会費支払いと徴収を三カ月間保留したところ、七月一日付けで組長を解任するとともに、自治会からも除名するとした文書が周囲に配布された。

 加藤さんは一昨年一月十一日、自治会長によって名誉を傷つけられたとして大津地裁に提訴。しかし大津地裁は昨年四月十三日、訴えを棄却した。このため同日に大阪高裁に控訴し、加藤さんの逆転勝訴となった。大阪高裁の判決は、『地縁による任意団体』としての自治会の性格を考えれば除名の慣例はないと踏み込んでおり、自治会問題に風穴を開ける逆転勝訴だった。

 準備会に参加した今堅田二丁目自治会の場外馬券売場建設反対委員会副委員長の岡田真悟さんらも、反対運動に取り組む過程で、市から交付されている自治会報償金が長年にわたり自治会会計に計上されていないことを知り、現在も事実究明を続けている。

 加藤さんと岡田さんは「自治会を民主的なものに変えるためにも、ネットワークを広げながら、自治会のオンブズパーソンを出来るだけ早く立ちあげたい」と話している。

 なお、今堅田二丁目自治会場外馬券売場建設反対委員会のホームページは、http://www.learnjoy.com/hantai/


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いまだに残る無期限の迷惑料!?

県の湖南中部浄化センターの公園管理委託など

「痛み」を県民に強いる割には
=不十分な各事業の見直し =

湖南中部浄化センター
(全 県)2/21
 県が十五日発表した平成十四年度当初予算案は、一般会計が五千六百四十八億九千万円(前年度当初比二・五%減)と、昭和三十四年度に次ぐ下げ幅となった。予算編成時に一般会計で「五百億円」の財源不足に直面し、歳出では各部局要求総額から二百三十億円を削減するなど事業の厳しい見直しを行った。しかし県議の一部からは「見直しは不十分」との声があがっている。そのひとつが琵琶湖流域下水道処理施設における「迷惑料」などの存在である。 【石川政実】


 県には、同下水道処理施設として、「湖南中部」(草津市)、「湖西」(大津市)、「高島」(今津町)、「東北部」(彦根市)の四つの浄化センターがある。この中で最も処理能力が大きい矢橋町の湖南中部浄化センターは、琵琶湖を埋め立てて人工島をつくったもので、昭和四十八年に工事に着手され、同六十一年に竣工した。平成十三年度では、大津市、草津市を始めとする六市十三町で供用しており、現在十九万立方メートル/日の処理能力となっている。

浄化センターの設置で汚水が大量に流入してくるため、周辺四自治会で構成する矢橋帰帆島対策協議会(当時は反対期成同盟会)は昭和四十八年、県、草津市などと覚書を交わした。覚書には▽迷惑料として一時金の地域振興費や継続的意味合いを持つ協力金▽浄化センター内に公園などを設け、地元から職員を採用する||など約五十二項目の地元要望が盛り込まれた。

 このうち地域振興費は、県が昭和四十八、四十九年度にかけて三億二千万円を同対策協議会に支払った。にもかかわらず県は昭和五十八年から現在まで、同浄化センターに設けられたテニスコート、プール、グランドゴルフ、ゲートボール、芝生広場などの施設の維持管理業務の委託(表参照)を、県下水道公社を通じ対策協議会に行っている。いわば公社は無期限で随意契約を結んだ格好となっている。

 県議の一人は「過去の経緯もあり覚書は尊重されるべきだが、しかし無期限に迷惑料等を支払い続けるのが妥当か再考の余地がある。また公園の維持管理の委託事業は、年間一億円近い支出になっているが、施設収入は三千万円程度であり、費用対効果の面からも検討すべきだろう」と指摘している。確かに県には、まだまだチェックすべき事業が数多くありそうだ。


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無許可で伏流水取水?

信楽町だけでない河川法抵触の疑い

「井戸」の実態は「伏流水」!?
=河川保全区域に集中する浄水施設 =

写真は、栗東市の出庭水源地
(湖南・信楽町)3/21
 信楽町の水道水から有害物質フェノール類が検出されたことに関連し、同町が無許可で一級河川の大戸川から県の許可を得ずに取水していた問題は、県民に大きな衝撃を与えた。同町のズサンな水道事業に対し、住民の行政不信はピークに達している。さらに滋賀報知新聞社の調べで、他の市町でも河川法に抵触する疑いもある「伏流水」の取水が行われていることが分かった。        【石川政実】


 信楽町は昭和六十年、井戸二か所から地下水を採取するして、大戸川に隣接する牧浄水場(同町牧)の許可を申請した。ところが同町は、同六十四年までに、牧浄水場の井戸から、大戸川の川床下に取水パイプ二本を敷設し、一日最大二千トンを取水していた。この場合は、河川法第二十三条(流水の占用の許可)、同二十四条(土地の占用の許可)、二十六条第一項(工作物の新築等の許可)、五十五条第一項(河川保全区域における行為の制限)の許可が必要だが、同町では無許可で取水していた。

  信楽町のようなケースは稀だが、それでも河川保全区域内で地下水を採取する名目で河川の伏流水を取水している県内の市町村は、枚挙にいとまがない。例えば、一級河川の野洲川の堤防沿いにある栗東市の上水道出庭水源地もその一つ。出庭水源地は、深さ七メートルの浅井戸と百三十メートルの深井戸二本から一日一万トンを取水している。深井戸は確かに地下水だが、浅井戸は野洲川の伏流水を取水していると見られる。

 ちなみに野洲川の河川保全区域は、区間によって堤防から三十メートル以内、十八メートル以内など定められている。出庭の区間は堤防から十八メートル以内と定められているが、ほぼこの範囲内に同水源地がある。 

 同市水道課の担当者は「すでに昭和三十五年に水道事業の認可を得ており、同三十九年に改正された河川法の許可を当時とらなかった。ただ平成十二年十一月に厚生労働省から(水道法に基づく)水道事業の変更認可を得たが、国土交通省の河川法の許可を取っているかわからない」としている。

 野洲川沿いには、土山町や水口町のように水利権を取得しているところばかりでなく、河川法の許可を取っていないと見られる取水施設もある。例えば甲賀町では昭和四十年ごろから野洲川沿いの岩室地先の井戸を水道水源としている。ちなみにこの付近の河川保全区域は、野洲川堤防から三十メートル以内。

 同町の水道課担当者は「堤防からの詳しい距離について今は即答できないが、河川法の許可は取っていないと思う」と説明している。いずれにせよ同河川の伏流水を取水している可能性がある。甲南町も一級河川杉谷川の市の瀬地先にある浅井戸について河川法の許可を取っていない疑いがある。これらは、氷山の一角に過ぎない。

 白倉正浩・国土交通省水政課水利調整室水利企画係長は「一般論としては、河川の表流水だけでなく、伏流水も公水であり、水利許可の対象になる。もちろん河川ごとに現地調査をして判断すべきものだが、一級河川などの保全区域内に設けられている井戸は、河川の伏流水を取水しているケースが多いと見られる」と話している。県土木交通部河港課も信楽町の事件を教訓に、伏流水の取水実態をキッチリと調査すべき時期にきているようだ。

 


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「市長は私財投ぜよ」の声も

栗東市の産廃処分場の硫化水素問題

RD社 先月29日に改善計画書提出
=やり場のない住民の怒り噴出 =

(湖南・栗東町)4/4
 栗東市小野の産業廃棄物処分場から硫化水素が発生し、浸透水から環境基準値を超えるダイオキシンが検出された問題で、処分場を管理しているRDエンジニアリング(佐野正社長)は先月二十九日、県廃棄物対策課に改善計画書を提出した。これを受け県はこの五日、地元住民らで組織する産廃処理問題合同対策委員会と協議を行う予定だが、RD社が環境省に対し県の改善命令の一部変更を求める不服審査を申し立てているだけに、住民側の不信感は根強く、「市長は私財をなげうつべきだ」の声も出始めている。                 【石川政実】


 県は昨年十二月二十六日、RD社に対し(1)地下水汚染防止のための措置として、深掘穴の廃棄物を移動したうえで、浸透水の流失防止対策を実施する(2)処分場内の汚濁水および浸透水の水処理を行う(3)住宅が近接する北尾地区側の法すそを二十メートル以上後退させる(4)汚濁水の処理を行う沈砂池を設置するー四点の改善命令を出した。

 しかし同社は二月二十三日、県の改善命令のうち、(1)の掘削命令について▽悪臭発生など環境悪化が懸念される▽経営が悪化しており財源がないーなどの理由から、一部変更を求める不服審査を環境省に申し立てた。これを受けて県と住民組織の合同対策委員会とが先月二十五日、協議を行ったが、住民の怒りが噴出した。

 住民らは「RD社が不服申し立てをしてから二十日あとまで県が全く知らなかったのは不自然だ。業者から甘く見られたのか。なぜ県はき然と業者に正当性を主張しないのか」と詰め寄ったが、県は「三月末にRD社改善計画書を県に提出する予定であり、できるものから改善命令に着手させたい」と答えるにとどまった。

 住民らは「改善命令は四点セットになっているものであり、改善命令のできるものからやるというのはおかしい。処分場の有害物を掘削して取り除かない限り、住民の健康は保障されない」「有毒ガスの影響から北尾地区で体調悪化を訴える住民が出ている。もし深刻な健康被害が出たら誰が責任をとるのだ」と一斉に反発を強めた。結局、県と住民側は、RD社の改善計画書提出を待って話し合うことになった。
一方、RD社は先月二十九日、県に改善計画書を提出した。水処理施設や沈砂池の設置計画はすでに提出しているため、今回は北尾地区の法面の後退について具体案を示した模様だ。

 合同対策委員の一人は「環境省の不服審査は長ければ一年近くかかると聞いているが、県は環境省に早期の判断を求めるべきだ。RD社は掘削を行わない理由に経済的理由を挙げているが、処分場の三分の一が親戚の猪飼峯隆・栗東市長の所有地であることからも、市長の道義的責任は免れない。RD社に金がないなら猪飼市長が私財をなげうつべきだ。また『全国に先駆けた解決を図る』と大ミエを切った国松善次知事には、ぜひとも公約を果たしてもらいたい」と怒りを隠せない表情だった。


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市長 に7800万円返還求める

大津市児童クラブ用地で住民監査請求へ

摩訶不思議な公社の先行取得白日に
=歪む滋賀の地域コミュニティー (17)=

(湖西・大津市)4/25
  大津市と自治会幹部との癒着問題を追及している市民らは一両日中にも、山田豊三郎大津市長に対し、市が昨年十月に「市立志賀児童クラブ」の新築移転のため市土地開発公社から買い取った同市錦織二丁目の用地購入費七千八百万円は不当な公金の支出であるとして、市への返還を求める住民監査請求を行う模様だ。

(石川政実)



 平成十二年七月三日、滋賀学区社会福祉協議会の柳田勉会長名の要望書が山田市長に手渡された。柳田氏を始め、当時、同学区自治連合会長で市自治連合会副会長だった青木浄氏、地元市議の北林肇氏が同席した。この要望書は、滋賀学区になんらかの社会福祉施設が必要とし、青木氏が所有していた土地千八百九十三平方メートル(当事は農地)を建設希望地に指定した内容だった。

 市福祉企画課は同月末に社会福祉施設用地取得事業として九月補正予算に計上することを決定した。また同月十一日には、青木氏がこの農地を「資材置き場」に転用の届け出をして、地目が農地から雑種地に変更された。 

 同年八月十日、市の三役による九月補正のヒヤリングで、先行取得することになり、同月三十日に開かれた公社の理事会で、十二年度補正予算として用地先行取得費が議決された。要望書が出て、わずか二カ月余りで用地の先行取得が決まるという前代未聞の荒技だった。

 この当時、福祉保健部長であった佐藤賢助役は「大野哲前助役(当時、公社副理事長)から、あの土地をなんとかならんかと話しがあった。好ましいことではないが、(自治連幹部や市議から)土地を買って欲しいとの話しがあって、後から利用計画を出すことはある」と弁明した。 

 さらに不思議なのは昨年三月二十八日、公社と青木氏とで行われた用地売買契約の締結である。契約締結と同時に大津法務局で所有権移転登記申請を行い、これをもって、公社は同日に青木氏に契約金額二億円弱を一括支払いしたのだ。

 通常、市は用地を直接取得する場合、公有財産管理規則に基づき(1)土地所有者と売買契約を結ぶ(2)法務局に所有権移転登記の申請(3)一週間前後で法務局が補正し所有権移転登記が完了後、担当課が登記簿謄本を添付して出納室に支出命令書を提出(4)出納室が書類をチェックして支払うーという手順を踏むが、公社はこれらを一日でしたのだ。

 同年十月十五日、市は公社から千八九十三平方メートルのうち、七百五十五平方メートルを買い取った。工事費三千四百六十万円を投じて、十二月から今年三月まで、鉄骨平屋建ての児童クラブの建設工事を行った。しかし残る用地は、予定していた民間による身体障害者授産施設のメドが立たず、公社が所有したままだ。

 市民らはこの一両日中にも、山田市長に対し、市が公社から買い取った用地代七千八百万円は不当な公金の支出として市に返還を求める住民監査請求を行う模様だ。監査請求の内容は▽市が土地を具体的に指定した要望書を受理したのは不適切▽まず“土地取得が先ずありき”で、後から土地利用計画が出された▽要望書が提出されて、一カ月で公社による先行取得を三役で決めたのはきわめて異例▽青木氏と公社が売買契約を行い同日で支払ったのは会計法にも抵触の恐れ▽このように公社の先行取得は不適切であり、その一部を市が購入したことは不当な公金支出||とするものだ。異例ずくめの同公社の先行取得問題が、いよいよ白日のもとにさらされる。 


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