滋賀報知新(ニュース)平成15年1月3日(金)第13342号


まちづくり全員集合!!

アイデア豊富な蒲生町平林区

=住民に取り組み成果を還元=

区民の活動拠点「燦燦ハウス」
(湖東・蒲生町)
 合併問題や地方分権の波がにわかに押し寄せ、行政のスリム化が図られようとする中、地域課題の解決や将来像の形成に住民が主体的に参画していくことが求められている。蒲生町の東北に位置する平林区は、戸数三十七戸、人口百四十五人と小規模な農村集落ではあるが、二十二年前からまちづくりを考える委員会を区内に立ち上げ、区民参加型のまちづくりを展開している。
 

 全員参加のまちづくりを目指す平林区では、ソフト面を担当する「明るいまちづくり委員会(昭和五十五年設置)」とハード面を担当する「二十一世紀ビジョン作成委員会(平成四年設置)」を設けている。

 これまでの取り組みで、旧会議所の老朽化によりソーラー発電装備付き草の根ハウス「燦燦(さんさん)ハウス」の建設(同八年)や、人と環境にやさしいまちづくりを目指して行った「エコライフ村宣言」(同九年)が成果を上げている。

 太陽がサンサンと降り注ぐようにと区民のアイデアで名づけられた草の根ハウスには、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との共同研究という形で、太陽光により十キロワットの発電が可能な太陽電池パネルが取り付けられている。区民の提案で実現したこの太陽光発電所は、集会所の電力をすべてまかない、余剰分は電力会社へ売電されている。

 小松喜与次区長(63)は、「NEDOの補助を得るため、何度もヒアリングを受けたが、区という自治単位が認めてもらえず苦労した。公民館の太陽光発電所設置はまだ少なく、区民らはやればできるのだという気持ちを強め、省エネルギーや環境問題に区全体が強く関心を抱くようになった」と当時を振り返る。

 太陽光発電所が始動した翌九年には、“エコライフ村”宣言を行い、中学生以上を対象にエコライフに関する意識調査を実施した。その結果、地球温暖化への関心が高いことが分かり、取り組みの手始めとして炭酸ガスを吸収するケナフの栽培を全戸で始めた。身近な生活から無駄をなくそうと、区のシンボルマーク入り買い物袋の製作や電気・ゴミの節約術を解説した手作りの広報紙の配布など、日常生活の意識改革にも力を入れた。

 今年度は、「文化・環境・ふれあい」を目標に掲げ、区内の小学生十一人が燦燦ハウスで寝食を共にする二泊三日の宿泊通学“おとまりっこ”や、ひょうたん・しめ縄作り、平林のむかし話を聞く会など地域住民の知識や技術を生かした交流イベントを月一度行う“燦燦ハウスに集まろう”を展開している。

 燦燦ハウスでの事業サポート役が高齢者になったことで、異世代間の交流も深まり、今の集落自治を担うべき世代がこれまで以上にまちづくり事業に関心を示すようになったという。

 しかし、住民の思い描くまちづくりの実現にはまだハードルが高い。新たな事業をするにも費用の捻出が難しく、町や県の補助制度が設けられていない事業などは区民の自己負担が避けられない。また、まちづくり委員会を区内に設けても、公平性を保つため一年ごとに役員改選を行うなど継続性に欠ける傾向にある。小松区長は「息の長い活動を展開するためには、ボランティアなど地域の中での人材育成や体制づくり、次世代を担う子どもたちに愛されるまちづくりが必要」と語る。

 平林区のアイデアを取り入れる柔軟性と実行力、全員が参加する団結力の背景には、区民がまちづくり事業に参加した喜びや成果を味わえる工夫がされていることが挙げられる。システム表示盤が取り付けられている太陽光発電所は、区民がいつでも発電電力の数値を確認でき、ケナフの生育を通して環境保全に貢献している実感が持てる。高い目標と他の地域には見られない先進的な事業に取り組み、その成果が住民に還元できるシステムづくりが、成功の秘訣になっている。


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魅力いっぱい、お宝いっぱい

今も息づく御代参街道

=歩いて出会い、止まって発見=

御代参街道の魅力が満載のイラストマップ「御代参街道 ぶらぶら帖――八日市の巻――」
(湖東・愛知川町)
 中山道愛知川宿と東海道土山宿、約三十六キロを結んで、皇族や仏師、武士、商人らの往来で発展した御代参街道。琵琶湖と太平洋を結ぶ八風街道(現国道421号)と交差する八日市には人々が集い、市場町として栄えた。

 つい最近まで、八日市市内に住む人でも「八日市へ行こう」と本町商店街をはじめとする駅前の商店街に来て、商店街は大勢の買い物客でにぎわい、活気があった――。

 そう振り返ってくれたのは、イラストマップ「御代参街道 ぶらぶら帖――八日市の巻――」の作成に携わった、八日市市役所女性グループ「アゼリア」の山本登美子さんと村田淳子さん。歴史ある街道の魅力を挙げてもらうと……。

 観光化されていない分、町並みは不統一でも、開業当時の古いもの、ショッピングセンターにはきっと並んでいない女の子たちから密かな人気を集めている懐かしいもの、現代風に変わり行く新しいものなど、不思議なものやおもしろい発見がいっぱい。人には話したくないお宝が見つかるかも。

 町角で出会う人が自分達の住む地域や街道に誇りをもって話を聞かせてくれ、路地に入るとまた別の世界が広がり、時空を越えた出会いが次から次へと待ち構え、ちょっとしたテーマパークにも負けないくらいワクワクさせてくれる。

 中でも、市神神社周辺、レンガのえんとつとまれ、薬師寺、おばあちゃんとの会話も楽しい市辺屋、バタン床机(しょうぎ)が残る麩三商店、手づくりアメの辻嘉商店などがおすすめとか……。

 とにかく、ちょっと思いついたら、気楽に、ぶらぶら歩けば、きっと興味引かれる何かが見つかる。


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低コスト・短期間で

中小企業の悩み解決!!

竜王町商工会 ISO14001認証取得
=専門知識持つ職員が徹底指導=

啓発活動のために用意された冊子やカード
(湖東・竜王町)
 環境ホルモンや地球温暖化など深刻化する環境問題を解決する一手段として、住民にライフスタイルの転換が求められているのと同じように、企業にも環境に配慮した経営が求められている。竜王町商工会(森嶋治雄会長)は全国の商工会では初めて独自に国際規格「ISO14001」の認証を取得し、会員事業所の経営指導以外に新たにISO認証取得の支援体制を整えた。


 同商工会は、認証取得費用を通常の約十分の一に抑え、低コストを実現した。中小企業では関心は高いものの、認証取得に向けてコンサルタントを委託する費用が高額であることから断念する場合が多い。

 この点を、同商工会は、特定非営利活動法人「木野環境」(京都市左京区)の協力を得ることでクリアできた。木野環境は、京都精華大学の黒沢正一助教授と学生が、「小さな組織、中小企業にもISO14001を」を合言葉に平成十二年に立ち上げたもので、中小企業のみを対象に社内規則の環境版ともいえる環境マネジメントシステム(EMS)の構築に向けたコンサルティングを低価格で実践している。

 膨大な量の資料を作成しなければならないEMS構築は、黒沢助教授が開発したマニュアルを基に、企業の現地調査を行いながら約五カ月と短期間で作成される。EMSが完成すると、企業は三カ月のシステム運用期間を経て、認証機関による二度の審査後、合格すれば晴れて認証取得となる。

 ISO14001は、水の排出量や電気消費量、ガソリン使用量の削減など目に見える効果だけではなく、事務の効率化を進める上で職場内外のコミュニケーションが図れているかまで厳しくチャックされる。従業員六人が一丸となって取り組んだ同商工会では、「ISOを取得する」という共通目標を掲げることで以前よりも意思疎通がスムーズになったという。

 同商工会の沖良治事務次長は、日本連合性認定協会(JAB)が認定する環境審査員補の試験に合格し、資格申請中で来春には取得する見込みだ。さらに、環境審査員に同行し実務経験を積むと環境審査員へと昇格できる。沖事務次長は「資格を取ったことで、ISO認証取得のノウハウをしっかりと身につけることができた。企業と審査員双方の考えが理解できる合法的立場で、加盟店の取得に向けた支援をする際に専門的な指導が行える」と先頭を走る。

 既に県内外から認証取得の問い合わせを受けており、今後、約三百五十の加盟事業所を対象に、環境レポートをまとめている地元企業・ダイハツの見学会やISO取得に関する講習会、ポスター・環境方針カードなどの配布による啓発活動に力を入れていく。

 ISO14001の認証有効期間は三年で、取得はほんの始まりにすぎず、環境負荷の低減を図るため継続的改善が要求される。取得が最終目標でないことを肝に銘じ、美しい地球を守るため少しでも多くの企業が認証取得に名乗りをあげることが期待される。

 


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可燃ゴミの適正処理で公害防止へ

日野清掃センター

=19年春の稼動目指す=

(湖東・日野町)
 東近江地域一市七町(八日市・蒲生・日野・竜王・永源寺・五個荘・能登川・安土)で構成の中部清掃組合(管理者・奥野弘三日野町長)は、焼却処理を行う「日野清掃センター」の新築移転計画を進めている。年々増える可燃ゴミに加え、プラスチック類の混入など、焼却施設に対するダイオキシンなど排出規制も厳しくなり、高熱処理が求められ公害防止の面からも、古い現施設での対応が困難となった。このため、同センターの取り付け道路進入口(国道307号沿い)近くに新施設を建設し、平成十九年春の稼動を目指している。

 
 一市七町が昭和四十六年五月に発足させた同組合は現在、焼却施設として「日野清掃センター」、粗大ゴミ処理の「能登川清掃センター」、最終処分を行う「安土最終処分場」、ペットボトル減容処理の「能登川リサイクルセンター」で、管内から排出されるゴミの処分を行っている。

 このうち焼却処理を行う「日野清掃センター」については、昭和五十六年三月の竣工以来、二十年余りの稼動年数が経過し、焼却炉の老朽化も激しく、また最近のゴミ質の変化、特にプラスティック類や紙類のなどの混入量の増加により発熱量が高くなり、可燃ゴミの公害防止面での適正処理が困難となってきた。

 ゴミ排出量も平成二十七年には、平成九年の一・六倍に達する見込みで、また、焼却施設に対するダイオキシンなどの排出規制も年々厳しくなり、環境面での安全性を確保する意味においても、最新の処理技術を導入した新施設の必要性に迫られていた。また、環境への負荷を低く抑えるだけでなく、エネルギー有効利用の観点から、ゴミ焼却時に発生する熱を利用した施設の併設も検討されている。

 建設予定地は、国道307号から現施設への取り付け道路入り口付近(日野町北脇)の一・五ヘクタールで、ゴミ処理施設(五千七百平方メートル)やリサイクル施設(五百五十平方メートル)、ストックヤード(百七十五平方メートル)ほか、小型車五十台や大型車が停められる駐車場(七百平方メートル)などを設ける。

 現在の処理能力は一日百五十トン(焼却炉三基)だが、新施設では、一日六十トンの焼却炉三基を兼ね備え、一日百八十トンの焼却施設を想定し、キルン式ガス化解容方式、流動床ガス化解容方式、ガス改質方式の基本三仕様から、今後の整備計画を決める。早ければ、今年二月の同組合定例議会で計画案が示される見込み。

 このほか将来的に、施設隣接地にエネルギー環境を考慮した余熱利用施設として、特に中高年層の健康づくりの拠点となる健康増進施設(温泉・温水プール)などの設置を検討し、詳細計画を平成十六年度以降に策定することにしている。

 公害防止計画では、国が示す排ガス基準ほか、処理後発生物質(溶解スラグ・溶解飛灰・その他固形物)、生活排水の放流水質、騒音、振動、悪臭に配慮し、発生の焼却灰廃棄物処理については、安土最終処分場で埋立処理を行う。

 今後の事業スケジュールは、今年三月末までに整備計画を策定すると同時に、十五年度いっぱいをかけ環境影響評価を行い、十六年度に造成工事を済ませ、十七年と十八年の二年をかけて建設し、十九年春の供用開始を目指す。

 現在、環境影響評価の準備書作成に向け審査会を開き、大気環境(大気質・悪臭・騒音・振動)、水環境(水象・水質・水底質)、土壌環境(地形・地質・地盤・土壌)、生物・自然環境(動物・植物・生態系)、環境負荷(廃棄物・温室効果ガス)ほか、景観や歴史的遺産についての調査が進められている。


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