滋賀報知新(ニュース)平成15年1月8日(木)第13346号


「夢信じて挑戦したい」

不登校で悩んだ若者らのロックバンド

大津市堅田出身のジェリービーンズ
=「そのままのあなたでいい」と励まされ=

左から山崎雄介さん、山崎史朗さん、八田典之さん、宇野司さん
(湖西・大津市)
 大津市堅田出身のロックバンド、ジェリー・ビーンズが、東京でプロを目指して奮闘している。メンバーはベースの八田典之さん(20)、ドラムの山崎雄介さん(19)、ボーカルの山崎史朗さん(19)、ギターの宇野司さん(19)で、みんな新興住宅地で育った幼なじみ。実は四人とも小中学校時代に不登校で悩んだ経験をもつ。不登校への思い、そして同じように苦しむ児童・生徒、親へメッセージを語ってもらった。


----小中学校時代を振り返って。

 八田 学校にプレッシャーを感じ、登校する朝になると腹痛で苦しんだ。孤独の暗闇に迷い、いつ抜けだせるかと不安だった。一般的に不登校は悪い印象をもたれ、自分の殻に閉じこもる、そして外出にも尻込みしてしまう。悪循環だった。今になって振り返れば、やりたいこと(音楽)を見つけられたので、いい時間を持てたと前向きに考えている。

 山崎雄 両親や周囲が「そのままのあなたでいい」と人格を受け入れてくれ、根気よくつき合ってくれたから立ち直れた。音楽がきっかけと思われがちだが、基本的には周囲の支えがあったからだと思う。

 宇野 メンバーで励ましあったことも大きい。ギターを知り合いの人が教えてくれて、練習しているうちに面白くなった。地域のイベントにも出演するようになり、中学二年生の夏にバンドを結成することになった。そして、ちょうど三年前の正月、プロを目指して上京を決意した。

----自立することに不安はなかったか。

 山崎史 信念ある挑戦に対し、みんな温かく応援してくれた。不安というより、むしろ将来のことでワクワクしていた。今は生活費をアルバイトで稼ぎながら活動しているので、資金面では苦労しているが、好きなことをしているから辛いと思えない。理想の演奏スタイルを追いかけるので精一杯だ。

----昨年十一月、石部町で開かれた「不登校を考えるチャリティーコンサート」に出演した感想は。

 山崎史 不登校だった頃の自分に向き合った感覚だった。コンサートでは、来場した大人に子どもの気持ちを伝えようと、過去を思い出しながら懸命に歌った。一番の理解者は、身近にいる親であってほしい。子どもたちは人に会うのを避け、家に引きこもりがちなので、親と向き合う時間が多いからだ。

 八田 不登校の子どもたちには居場所がない。親の理解がなければ家庭の居場所もなくなってしまう。「学校に行かないといけない」という固定概念を一旦置いて、心から向き合ってほしいと訴えた。

----今後の抱負は。

 山崎雄 不登校という過去を隠さず、悩む児童、生徒を応援していきたい。仕事に関しては、今年は重要な年になると思う。高いハードルがあっても逃げ出さず、夢を信じて挑戦したい。


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スタンド整備で普及に期待

環境にやさしい天然ガス自動車

大津市内保有台数
=5年目標で8倍増=

大津市の国道1号線沿いオープンした天然ガススタンド
(湖西・大津市)
 地球環境にやさしい天然ガス自動車の県内初のガススタンドが、昨年十月に大津市、次いで十一月に草津市でもオープンし、今後の天然ガス自動車の普及に期待が寄せられている。低公害車への関心が深まる中、大津市内で導入を積極的に働きかけている同市企業局は、「現在のところ市内を走る天然ガス自動車は官公庁と民間企業を合わせて三十台だが、五年後には二百五十台に増やしたい」と、普及推進に向けて鼻息が荒い。


 天然ガスは、燃やしても硫黄酸化物や黒煙が発生せず、二酸化炭素の排出量も石油に比べて二│三割少ない。国は天然ガス自動車の普及のため、購入や改造に対して優遇措置を打ち出しているが、企業や一般の関心は薄い。

 大津市富士見台の国道1号線沿いオープンしたガススタンドは、県トラック協会と民間石油会社が国の補助を受け約一億円で建設し、ガスは大津市企業局が供給している。一日あたり利用するのは、官公庁の公用車など十五台前後にとどまり、一般の利用はほとんどない。

 普及しない原因の一つとして、これまでガススタンドなどのインフラが未整備だったため、実用性が低かったことが挙げられる。さらに、自動車購入の価格がガソリン車のおよそ二倍、改造する場合でも百二十万円程度(国、トラック協会が半額補助)必要なのも足踏みする要因だ。


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協議いよいよ本格化

甲西、石部町の合併問題

平成16年 10月めどに新市誕生
=生活圏、歴史文化のつながり深く=

昨年11月に開催された合併シンポジウム
(湖南・甲西町)
 平成十六年十月の合併を目指す甲西、石部町は、昨年十二月に法定合併協議会を設置し、合併の是非を含めて、行政サービスの比較、新しいまちの将来像について本格的な議論をスタートさせている。生活圏に対応した総合的・計画的な地域づくりを目指す、両町の合併を展望してみた。

 甲西、石部町が合併して新市が誕生した場合、面積七十平方キロメートル、人口約五万四千人、高齢化率一〇・五%(県平均一六・一%)、財政規模は平成十三年度歳出決算で百五十四億七千万円(甲賀郡合計四百九十二億四千万円)となる。また、一に近いほど財源に余裕があるとされる財政力指数は〇・七九四(平成十三年度)で、比較的高い指数を維持している。

 現在示されているスケジュールとしては、▽住民意向を分析するアンケート(二月)▽住民説明会(五、六月)▽公共施設の整理、財政計画の検討(八月)▽住民説明会(十月)▽協定項目の確認(十二月)│を経て、計画を知事、総務大臣に送付し、平成十六年三月に協定締結、十月に新市誕生の運びとなる。

 この一月には、合併の方式(対等、編入)や新市の名称、新しい役所の位置、財産の取り扱いの協議・調整に入り、大きな山場を迎える。特に合併方式や新市名称については、難航するとの指摘もある。昭和三十年代に両町合併が断念された経緯や、人口規模(石部町一万千八百人、甲西町四万四百人)の格差が大きいためだ。

今月から 新市名称協議など山場


 これに対して石部・甲西合併協議会事務局は、「当初から合併は対等合併という認識で進めている。これまでの合併関連の研究会でも、二町の首長が交代で会長を務め、予算も対等に折半してきた」と否定している。

 新名称についても、「協議会で今後、慎重に議論すること」と突っぱねる。ただし、「石部町」は東海道の石部宿で知られる歴史的な名称、一方で「甲西町」は歴史的には浅いものの、県内有数の工業団地があり、住民だけでなく企業にも浸透している。

 また合併するメリットについては、行財政基盤の充実のほか、▽共通課題に対して総合的に推進できる▽野洲川の自然・歴史資源を活かしたまちづくり▽区域が小さいため「住民の顔が見える行政サービス」ができる▽市制移行によるイメージアップ│などを挙げている。

 石部・甲西合併協議会長の西岡種夫石部町長は、同協議会設置にあたって「生活圏、経済圏などから醸し出された歴史文化や地域の風土など、共通するものも多く、合併すれば将来に展望が拓け、住民に最も理解が得られると信じ、これに勝る選択肢はないと確信している」と、両町の共通性を強調している。

 


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福祉・バイオであつ〜い研究

県工業技術総合センターをレポート

自由に操れる シャワーキャリー
=高温で増殖する微生物発見=

透過型電子顕微鏡で見た微生物
(湖南・栗東町)
 栗東市上砥山にある県工業技術総合センター(奥山博信所長)は、電子や機械、窯業などの広い分野の研究・技術開発を行なうほか、県内企業への技術移転や新製品に対する指導、産学官連携にも取り組んでいる。県が重点施策に掲げる福祉、バイオの分野で優れた研究を進めていると聞き、同センターを訪問した。

●車いすで快適お風呂


 従来のシャワーキャリー(水にぬれてもよい車いす)は、いすに簡単なキャスターがついた程度で、移動に不向きなものが多い。そこで開発されたのが、利用者本人が自由に操作、移動できる自走式シャワーキャリーだ。主に、デイサービスセンター、家庭の浴室、温泉やリゾート施設などで使われることを想定した。

 完成したモデル一号は、両脇についた操作ハンドルをチェーンで後輪に連結したもの。ハンドルは、いすの座面から上方四センチに抑え、乗り降りしやすいよう工夫した。

 また、方向転換やスリップなどの安全性を考え、後輪駆動を採用した。タイヤのゴム以外は塩ビプラスチックで仕上げ、コストダウンと耐水性の向上を目指す。今後はさらなる改良を加えるとともに、販売ルートの確保に向けて、調査研究を進めることにしている。

 担当した山下誠児主任技師は、「将来的には、野外で自由に遊べる子ども用の車いすも開発したい」と、未開拓分野である車いすの研究開発に意欲を燃やしている。

●医療・食品開発で活用


 成長産業として有望されるバイオ関連では、超好熱菌「IRCS│99│138」が発見され、工業技術への転用について検討されている。この微生物は、摂氏九十五度の高温、有酸素状態でも生育するのが特徴だ。同様の条件下で生育する微生物は、京都大学などが二、三例を発見しているのにとどまっている。

 この微生物は秋田県内の温泉から採取し、菌を種類別に分離し、培養・保存条件などを調べた。タンパク質を分解するかどうか特性を調べ、酵素反応による有用性の評価も行なった。すると、摂氏七十度で五〇%だった活性率が、九十│九十五度で一〇〇%近くに達し、活発に増殖することが分かった。

 産業への転用実験としては、この微生物を使って絹織物「浜ちりめん」の絹くず(タンパク質)の分解を行なった。それによると、摂氏九十五度で十六時間以上にわたって活性し続け、絹をアミノ酸とペプチドに分解した。この成果を活用すれば、調味料や医薬品を得ることができるという。

 研究にあたった白井伸明主任技師は、「今後のステップとして、微生物を使って有用な物質生産できるかどうか、企業と連携していきたい」と、産業界への技術移転を模索している。


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キャンパス核に新産業を!

今春開学の長浜バイオ大学

全国初の バイオサイエンス学部
=アジア視野に研究拠点構想=

急ピッチで建設が進む長浜バイオ大学
(湖北・長浜市)
 全国初のバイオサイエンス大学(四年制)が、今年四月に長浜市田村町に開学する。少子化で大学運営が難しい中、独自色を打ち出して注目を集めるだけでなく、産学連携の拠点としても期待がかかる。バイオ研究の国際競争で、日本が人材不足のため米国に大きく立ち後れる中、時代の要請に応えて設立される長浜バイオ大学をレポートした。


 開設準備を進めているのは、京都府を中心に予備校を展開している学校法人関西文理学園とタカラバイオ(本社・大津市)などでつくる設立準備財団。県と長浜市から三十六億七千万円が出資され、総事業費七十億七千万円が投じられた。

 同大学は、バイオサイエンス学部バイオサイエンス学科の一学部一学科で構成される。内容的には、▽農学部▽理学部▽薬学部▽医学部▽工学部│の各領域を網羅し、従来型の専門研究分野にとらわれない総合的な内容。タカラバイオが全面的にカリキュラムをバックアップし、バイオ産業をリードする技術者を養成する。

 定員は一学年二百人で収容定員八百人。一学年につき留学生四十人、社会人二十人を予定している。専門コースとしては、▽遺伝子生命科学▽分子生命科学▽細胞生命科学▽生命情報科学▽環境生命科学│の五つのコースを設ける。

 また、少数精鋭のクラス編成のもと、徹底した実験・実習を進めるため、国内外の第一線で活躍している研究者が教授陣を固める。学長の下西康嗣氏(大阪大名誉教授)を筆頭に、郷通子氏(名古屋大教授)、大島淳氏(宝酒造中央研究所)、池上晋氏(広島大教授)ら三十人が内定している。

 さらに特徴的なのは、アジア地域を視野に入れた研究拠点構想だ。現在のところ、中国の北京大学などの先端学術機能が集まる「中関村」、上海復旦大学などと学術研究交流の計画を進めている。

 このほか、バイオ関連の新産業創出を担う「サイエンスパーク構想」も大きなプロジェクトの一つ。これは同大が持つ情報、研究成果を技術移転することで、ベンチャー企業との産学交流、研究開発を行なうもの。七区画の分譲地が整備され、このうち三区画は中核企業に入ってもらい、残る四区画はバイオ大発のベンチャー企業の受け皿を目指している。

 一区画には宝酒造がすでに進出を決め、新たな事業展開に意欲を燃やす。このほかの進出企業は決まってないが、「大学の研究成果が蓄積されれば企業からの打診は増えるはず。京阪神・中京地域だけでなく、海外からの誘致も視野に入れたい」と、長浜市総務部大学整備推進担当の北川雅英副参事は熱く語る。


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