滋賀報知新聞(ニュース)平成16年1月28日第13702号


動き出した翦風号

中川代表の設計図を基に

蘇らせる会いよいよ製作に着手
=7月めどにボランティアで復元=

(湖東・八日市市)
 八日市市の「翦風号を蘇らせる会」(中川三治郎代表、二十一人)は、九十年前の大正三年十月二十二日に八日市・沖野ケ原から飛び立った翦風号の設計図を基に、いよいよ復元に向けた製作に着手することにした。

 中川代表が秘蔵する当時の設計図のコピーを参考にしながら、これまで五分の一(中川さん所有)や十分の一(西村文夫さん作成)などの模型が作られているが、今回は実物大の復元となり、作成される設計図の正確さも要求されるという。

 その上、復元計画では、材料購入などすべてをボランティアで取り組み、製作費など三百万円を募金(一口五千円)で賄いたいとして、現在は募金活動に奔走する毎日が続く。

 今後は、集まった寄付金の中から、材料となる木や竹などを購入し、すべて手づくりで各部品の製作に取りかかり、徐々に組み立てていくことにしている。蘇らせる会は、七月中をメドに完成させ、市制記念日(八月十五日)を中心に開かれる平和記念展への出展を目指す。

 また、日本初の民間飛行場の発祥から八日市飛行場の終えんに至るまで、中川代表が約二万点に及ぶ関係資料を所蔵していることから、復元機を柱とした「翦風号展」(十月二十二日)の開催と同時に、これら資料の展示も計画している。

 中川代表が収集した資料の圧巻は、文芸春秋関連・文春ネスコの「日本全国保存兵器ガイド」(寺田近雄著、昨年十二月発行)でも紹介されている。国内の公設、私設、自衛隊の資料館が多い中で、県内では、中川氏の「八日市航空史料保存会」と陸上自衛隊の二駐屯地にとどまっている。

 日本軍事史研究家で著者の寺田氏は、中川氏を「日本軍航空関係の収集家で、コレクションの主のものは陸軍機の部品だが、希少性の高い貴重なものが多い」と紹介している。

 特に珍しいものでは、京都の国際航空製の木製輸送機「キ一〇五」の木枠・垂直尾翼リブ、窓枠・出入口扉。昭和十七年に開発され、終戦間近に八日市に運ばれた完成機八機の中の最後の一機で、乗員四十人、または軽戦車一両が積める。

 さらに、プロペラや車輪、フラップ、エンジン架、海軍艦上偵察機「彩雲」の座席、ダイナモ、マグネット、通信機、計器類、偵察用の航空写真機ほか、空襲の際にB―29爆撃機やグラマン戦闘機から投下された爆弾、焼夷弾なども数多く保管されている。

 このほか、当時の飛行機の写真を掲載した航空第三大隊発行の絵葉書、八日市飛行第三連隊の帝国軍用飛行機(原色版)、空中写真、正門や格納庫、兵舎などを写した絵葉書の複刻版も手掛けている。

 翦風号に関しては、荻田常三郎の翦風号が墜落炎上したことから、設計図をもとに復元した第二翦風号の絵葉書も複製している。正面・横・後ろから見た骨格の組み立て、翼の骨格、正面と背面からの全景、ガソリン注入やエンジン試運転中の光景、宙返りや着陸の瞬間を写した写真が目を引く。

 詳しくは、同市東本町一三―九、中川三治郎さん(TEL24―1857)へ問い合わせる。


メインメニュー|全 県| 湖東・湖北| 湖南・湖西| 中央政界特報| 社説
今週の運勢| お誕生・他| 今日の首長| 取締情報| リンク| E-Mail

TOP インデックスへ

手づくり装置で浄化実験

八日市市 清水川改修委員会

住民の知恵とパワーを結集
=地域の自然素材を活用して=

子どもたちも手伝って設置された実験装置
(湖東・八日市市)
 八日市市内を延命山沿いに流れる清水(しず)川をきれいだったころの姿に戻そうと取り組んでいる地元組織「清水川改修委員会」が、清水川の隣を流れる筏(いかだ)川を使って手づくりの水質浄化実験を行っている。

 清水会館前で二十五日行われた実験装置設置には、委員会のメンバーや地域の子どもたちも参加して実験装置を組み立てた。

 今回作製された実験装置は、幅○・九メートル、長さ五メートル、深さ約○・五メートルのコンパネ製水槽をジグザグに仕切り、上部側に延命山沿いの道路拡幅工事で出た岩石を、中央部から下部側に延命山から切り出した竹を河辺いきものの森で焼いて竹炭にしたものを網の袋に入れて投入、ポンプアップした筏川の水を上部から流して浄化するというもの。先進地の視察を重ねた上での、すべて地元のものを活用した手づくり装置。

 今回はしばらく様子を見た上で、採取した水を八日市衛生プラント組合(柴原南町)で検査してもらい、筏川本流の水質との違いを調べる。また、装置を地域の人たちにも公開して実験の意義を伝えるとともに、三月には実験結果の発表会を開くほか、夏にも水質検査を実施して、季節による本流の水質の違いと実験装置を通過した水の水質の違いも調べることにしている。

 この実験結果を踏まえて、実際には中野大川と清水川の高低差を利用したコンクリート製の水路(岩石と竹炭使用、約二十メートル)を設置して、清水川の水を浄化する計画。

 参加者らは流れ落ちる水を見ながら、実験の成功に期待を膨らませていた。


メインメニュー|全 県| 湖東・湖北| 湖南・湖西| 中央政界特報| 社説
今週の運勢| お誕生・他| 今日の首長| 取締情報| リンク| E-Mail

TOP インデックスへ

宗祇さんの故郷で

第7回「新春連句大会」

連歌でまちづくり
=天位に吉田さん、清谷さん=

7回目を迎えた宗祇法師顕彰会の「新春連句大会」
(湖東・能登川町)
 宗祇法師顕彰会主催の恒例「新春連句大会」がこのほど、能登川町躰光寺の勤労者会館で開かれ、正月中に練ってきた自信作を投句。参加者全員が選者となり、天・地・人・秀位の各四点八作品を選んだ。

 連句大会は、能登川町を出身地とする連歌師・宗祇法師を顕彰し、同師の史蹟調査や連歌の町民普及をめざす大会で、年末に提示したお題の前句「若者に 仕事あふれる 春の夢」(清谷惠宏さん作)と、「心に太陽 抱ける幸せ」(今堀彦三郎さん作)に続く七・七の句と五・七・五の付句を持ち寄って投句し、参加者全員が選者となって選ぶもの。

 七回目を迎えた今年は約四十人が参加し、このうち二十七人が投句した。会では、長谷川美雄会長と宇賀武副会長の挨拶に続いて、連句の作り方教室が開かれ、理事の坊農佐太郎氏が「今日も浮世の 晩鐘を聞く」を例題に某人・時節・天相・面影など八点のポイントを説明。天相については「晩鐘」の余韻をとらえ、付句に「飛ぶ鳥の 影もかすかに 雲ちぎれ」と詠んだ。

 このあと、起首から満尾まで約一カ月かかった三十六歌仙を連歌したほか、一人五句づつの選句で投句作品を選び、天・地・人・秀位の各優秀句を表彰した。

 優秀句と作者は次の通り(敬称略)

 〈前句〉若者に 仕事あふれる 春の夢
 天位「やっとつかんだ 我が行く道」(吉田武次)
 地位「運命背負う 人の世の途」(村田岩男)
 人位「覚めてがっくり リストラの身は」(園義男)
 秀位「苦杯を嘗めて 楽の種知る」(里田清夫)
 〈前句〉心に太陽 抱ける幸せ
 天位「めぐまれし 不思議の生命 輝かせ」(清谷惠宏)
 地位「初春に 笑顔揃いて 祝い箸」(村田ハル)
 人位「草萌ゆる 輝く未来 すぐそこに」(田井中次男)
 秀位「年重ね 家族の温し 雑煮祝ふ」(小島好)

 宗祇法師(飯尾宗祇=一四二一〜一五〇二年)は、和歌の西行法師、俳句の松尾芭蕉とともに日本三代歌人と称される室町時代の連歌師で、戦国の世へと争乱が増すなかで民衆に歌の楽しさを広めようと全国を行脚。和歌から俳諧への過渡期を開いたが、一五〇二年九月六日、箱根湯本(静岡県)で終焉を迎え、門人らに奉じられながら曹洞宗桃園山定輪寺(同裾野市)に葬られた。

 近年まで、出身地は紀伊説(和歌山県吉備町)と近江説(滋賀県能登川町)があったが、出生に関する唯一の記述「身産江東地(近江国東部で生まれ)」が見つかり、平成七年に故・金子金治郎広島大名誉教授が「宗祇の生家は近江守護大名佐々木六角家の重臣伊庭家」と発表、故郷の能登川町で宗祇法師顕彰会が誕生した。


メインメニュー|全 県| 湖東・湖北| 湖南・湖西| 中央政界特報| 社説
今週の運勢| お誕生・他| 今日の首長| 取締情報| リンク| E-Mail

TOP インデックスへ

女性の時代に向けて

感性と個性磨き自分流に生きる

=蒲生町で「女性のつどい」開催=

蒲生町内の女性ら約250人が聞き入った小倉さんの講演
(湖東・蒲生町)
 蒲生町内の女性が一堂に集う「第十九回蒲生町女性のつどい」が二十四日、同町あかね文化センター大ホールで開催され、パワーがみなぎりユーモアあふれる講師の話しに会場が熱気と笑いに包まれた。

 参加したのは、蒲生町女性団体連絡協議会に加盟している▽地域婦人会▽エルダー婦人会▽女性の会▽健康推進協議会▽消費生活研究会▽商工会女性部▽赤十字奉仕団▽のぞみ会▽長峰女性の会▽更生保護婦人会▽寿クラブ連合会女性部の計十一団体から総勢二百五十人。

 これは、男女共同参画社会づくりを目指し、目覚ましく移り行く社会環境の中で、地域福祉や少子高齢化、青少年の健全育成、環境問題、健康問題などについて男女がともに考え、女性が心身ともに豊かに暮らし、さらにパワーアップするきっかけづくりにと、同連絡協議会が毎年催しているもの。

 午後一時半から始まったつどいでは、佛教大学講師の小倉美津子さん(77)が、「女性の時代に向けて」と題して講演した。小倉さんは、高校教師を二十三年間、京都府教育委員会指導主事を六年間務めた後、佛教大学教育学部教授と京都大学講師を兼務するなど、教育畑を歩んできた。

 鮮やかな黄色のジャケットに身を包んだ小倉さんは、登場するやいなや舞台を歩き回りながら、明快な語り口調で次々と心の栄養となるようなメッセージを発信した。

 七十七歳との年齢を聞き会場からはどよめきが起こり、小倉さんは「老人の老は、明朗の朗を用いて朗人であると思う。服装にしても、年相応にしようと思えばいつでも壁色にしたらいいだけ。孫から服をほしがられるような洋服を着て、似合う似合わないよりも着慣れることが大切」と自己の固定概念を取り払うよう促した。

 また、男女共同参画について、「参加ではなく参画は、企画段階から男女が一緒に取り組むことを表し、女性も企画力を持たなくてはいけない。男性は六十歳になればゴールを迎えるが、女性はバトンタッチを受け逆にスタートを切る」と語り、心にあるアンテナを張り巡らせ鋭い感性と、積極的でなおかつそこはかとなく醸し出す気、苦労をバネにする力、個性を大切にする生き方を提案。

 「人生とは自分流に生きること」と参加者らを勇気付け、「家に帰れば親が子どもの人生のモデルである」と親の生きる姿そのものが教育であることを強調した。

 最後に、親を介護した経験を交えながら「自分のことだけしていると充実感がない。人のためにと思っていることはすべて自分のこととして返ってくる。高齢者にはやさしい言葉をかけ、利他の世界に生きてほしい」と締めくくった。

 参加者は「年相応の生き方をしなければと思い、気持ちの上で年老いていたことに気付いた。人生を楽しみ、小倉先生に負けないようがんばりたい」と感想を述べ、年を重ね生きていく上でのヒントを手に入れたようだった。


メインメニュー|全 県| 湖東・湖北| 湖南・湖西| 中央政界特報| 社説
今週の運勢| お誕生・他| 今日の首長| 取締情報| リンク| E-Mail

TOP インデックスへ

本堂の木造聖観音立像

急げ!! 住職と檀家役員が搬出

=蒲生町石塔寺で消防訓練=

本堂への延焼食い止める消火活動
(湖東・蒲生町)
 「午前九時、蒲生町石塔にある石塔寺から、参拝者のタバコの投げ捨てにより、本堂東側の雑木林から出火。重要文化財の安置されている本堂に延焼のおそれあり」との想定で、同町石塔寺(薬師行哲住職)で消防訓練が二十五日に実施された。

本堂から観音立像に見立てた箱を搬出する檀家役員ら
 この訓練は、文化財防火デー(二十六日)に合わせて、国民財産である貴重な文化財を火災から守り、関係機関と消防隊との緊密な連携、指揮統制、消防技術の向上を図り、地域住民に防火意識と文化財愛護の思想を啓発することを目的としている。

 午前九時から始まった訓練では、火災を発見した薬師住職が一一九番通報後、寺の檀家役員と住職が協力して、本堂に安置されている町指定・木造聖観音立像(平安時代作)一躯に見立てた箱を搬出した。

 本堂東側からあがる白煙を確認し、日野消防署消防隊と南出張所消防隊、蒲生町消防団が火災指令により駆け付けた。文化財搬出の際に転倒し負傷した檀家役員の救護にもあたり、本堂とその周囲の延焼防止を主眼に置いた的確な消火活動を展開、本堂への延焼を阻止し、雑木林の焼損も最小限に食い止め十三分後に鎮圧に至った。

 蒲生町内には、国指定重要文化財の建造物六件、工芸品一件、彫刻四件、国指定重要美術品の建造物一件、県指定文化財の史跡一件、建造物一件、町指定文化財の建造物四件、工芸品二件、彫刻三件、書跡一件が主に神社仏閣に保管されている。先人たちが守り伝えてきた身近な文化財は、地域住民の日頃からの防火活動と協力なくしては守りきれない。 

 


メインメニュー|全 県| 湖東・湖北| 湖南・湖西| 中央政界特報| 社説
今週の運勢| お誕生・他| 今日の首長| 取締情報| リンク| E-Mail

TOP インデックスへ