滋賀報知新聞(ニュース)平成16年2月26日(木)第13727号


県、高濃度ダイオキシンにも平然!?

栗東市産廃処分場周辺の地下水調査結果

県「浮遊物が、高い数値の原因」と強弁
=宮田教授「廃棄物の可能性大」と警鐘=

RD産廃処分場跡地
(湖南・栗東市)
 栗東市小野にあるRDエンジニアリング社の産業廃棄物処分場問題で、国松善次知事が二十二日、現地を訪れ、同社に出した改善命令の進ちょく状況を視察し、地元住民とも懇談した。住民側からは「地下水から環境基準の十四倍の高濃度のダイオキシン類が出ている」などといった指摘があり、原因究明や汚染廃棄物の完全撤去を求める意見が相次いだ。住民らが県廃棄物対策課に不信感を抱ているのがダイオキシン問題への対応の鈍さである。                

【石川政実】



 産廃処分場周辺井戸を定期的に検査している県は昨年十二月二十三日、処分場の西側にあるNo3名づけられた井戸で昨年九月に採取した地下水から、鉛、フッ素、ヒ素、総水銀およびダイオキシン類が、国の環境基準値を大幅に超えて検出されたことを公表した。とくにダイオキシン類は環境基準の十四倍(一リットル当たり一四ピコグラム毒性等量)が検出された。

 調査結果について県廃棄物対策課の小林泉参事は「地下水の濁り部分(浮遊物=SS)の濃度が一リットル当たり三三〇〇ミリグラムと異常に高かったことが影響している。このためSSを取り除いて測れば、そう高い数値にならないと考えている。採水の過程で土壌成分が混入した。土壌成分には、火山や山火事などの自然由来のダイオキシンが含まれ、これが高い数値の要因になっている可能性もある。今回は異常に高いSSの地下水の分析結果であり、正確に状況を把握するため、この三月にもモニタリング調査をする。栗東市の調査データーとも突き合わせて、ダイオキシン問題に結論を出したい」と話している。つまり環境基準の十四倍のダイオキシン類が検出されても、それはSSのせいであり、もう少し長期的にモリタリングを行うというものだ。

 ダイオキシンの第一人者である宮田英明・摂南大学薬学部教授は本紙取材に対し「地下水のダイオキシン濃度は一般的に極めて低く、環境省が公表した平成十二年度における全国千四百九十七か所の調査結果の最大汚染濃度は、一リットル当たり〇・八九ピコグラム毒性等量であり、全地点とも環境基準を超過していない。その平均値は同当たり〇・〇九七ピコグラム毒性等量である。したがって地下水で環境基準(一・〇ピコグラム同)の十四倍の汚染濃度は特異である。表層五センチから下方向の土壌汚染濃度は急減し、三十センチ以下になると極めて低くなる。今回の調査は、採水水深が十五メートルであり、土壌がSSとして三三〇〇ミリグラム混入したとしてもダイオキシン汚染濃度にはほとんど影響を与えない。やはり廃棄物の埋め立て物からの浸出水が地下深く浸透して、各種物質による汚染をもたらしている可能性が強く、早急に原因を究明し、対策を行う必要がある」と県の見解とは真っ向から対立している。

 住民組織の一つである産廃処理を考える会の高谷清代表は「他の井戸ではSSが少ないのに、この井戸(No3)ではいつも多いことが問題で、これは県の言うように土壌ではなく、廃棄物であることが考えられる。その廃棄物にダイオキシンが多く含まれ、地下水に流れているということである。県はろ過して測ると言っているが、地下水中のダイオキシンはSSを含めて測ることになっており、県のやり方は国の測定方法に違反するものであり、有害物隠しとなる」と怒りを露わにしていた。


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教育現場のそばに猟場

猟銃弾が飛び込んだ甲西高トレーニングルーム

学校・PTA 禁止区域拡大求む怒りの要望
=町 5月以降にも県へ変更を届出=

現在の銃猟禁止区域(太枠内)
(湖南・甲西町)
 本来なら安全な場であるはずの学校で、生徒の生命が危険にさらされた-。県立甲西高校(脇阪駿校長)の構内に飛び込んできた一発の猟銃弾は、関係者のみならず付近の住民にも衝撃を与えた。幸い生徒にはケガはなかったものの、同校の東側一帯は禁止区域から外れており、保護者からは「このままでは今後もいつ同じ事件が発生するか不安」と、憤りの声が上がっている。


 銃猟禁止区域とは鉄砲による狩猟が禁止されている区域で、山地や河川に面して住宅が密集している場合、生活環境を守るためにその地域をすっぽり包むように設定される。ちなみに甲西、石部町内では、同校西側の野洲川エリアのほか、菩提寺、岩根、三雲、平松、石部の計六区域が定められている。

 同校を含む禁止区域は、地図上の太枠で示すように、国道1号線沿いの大日本インキ工業滋賀工場から甲西高校外周道路までの南側ラインから、野洲川を挟んで主要地方道路野洲甲西線までの北側ラインに至る広さ百五十五ヘクタールの区域だ。問題の甲西高校については禁止区域になっているが、同校東側は外れて危険な状態だ。

 鳥獣保護法では、狩猟が禁止されている狩猟禁止区域外でも、「狩猟者は市街地または、その他人家が多い場所および衆人群集の場所において、銃丸の達するおそれのある人畜・建物・汽車・電車・船舶建に向かって銃猟することはできない」と、注意するよう定める。今回はこれに違反する。
縦2センチ、横3センチのだ円形の弾痕跡

 県自然保護課は、「建物に向けて発砲した悪質な違反。通常では考えられない」と驚く。しかし、これに対して学校関係者は、「狩猟者の注意力に頼った結果が、今回の事件につながった。銃猟禁止区域を広げることが抜本的な解決策だ」と訴える。

 このため脇阪校長は、「PTAと学校が、今後このような危険なことがないように、銃猟禁止区域の拡大を町に要望した。近くに猟場があること自体が危険」と、語気を強める。週末夕方に発生した事件後、同校は、休日空けの十六日に全校生徒に事情を説明し、保護者にも文書を配布した。
 要望を受けた甲西町は、次の狩猟期間(十一月十五日│翌年二月十五日)に間に合うよう、禁止区域見直しを実施する。まず、地元の住民と同町猟友会との協議に入り、五月以降には県へ変更を届け出る。

 銃猟禁止区域の変更について奥村義範甲西町農林課長は、「このような事件が起こったので、河川敷の公園も含めて禁止区域を拡大したい」としている

 同事件は、十三日午後四時二十分ごろ、野洲川に面した同校の敷地北側のトレーニングルーム内に、猟銃の弾丸が飛び込んできたもの。弾丸は、北東方面から南西に向かって斜めにスレート壁(厚さ七ミリ)の高さ二・五メートルの位置を貫通し、さらに室内奥の壁にぶつかった。室内には陸上部員五人がいたが、弾が頭上を飛び越えたためケガはなかった。


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栗東の産廃処分場への改善命令

国松知事「履行期間延長はない」

=佐野RD社長「実施は総合的判断」=

住民懇談会で県方針を説明する国松知事
(湖南・栗東市)
 栗東市小野のRDエンジニアリング社の産廃処分場問題で、国松善次知事は二十一日、改善命令の履行について「(RD社が)履行期間を延長してくれといわれても、基本的にはさせない」と、処分場近くで開かれた住民懇談会で明言した。

 国がこのほど、県のRD社に対する改善命令の一つ「処分場内の深堀穴のごみの移動」を適切と認めたものの、履行期間は来年三月までと迫っており、同社が確実に実行するかどうか住民間で不安が広がっているためだ。

 同社が計画の深さ二十メートルを越えて掘削して廃棄物を埋めた深堀穴は、処分場の北東部にあり、北尾団地の目の前に迫る。地下水に流れ出ている高濃度のダイオキシンや総水銀などの原因物質があるとみられる。現在は、処分場ののり面後退工事が実施されているところだ。

 今回、国が妥当と判断した改善命令は、深堀箇所をあらためて掘り起こし、違法な廃棄物を場外へ撤去したうえで、地下水汚染を防ぐために底部にシートなどを施すもの。来春の履行期限から逆算すれば、早急に計画を県へ提出しなければ間に合わない。

 RD社の佐野正社長は、「計画策定にあたって予算と技術、日程を検討している。実施について総合的に判断していきたい」と、工事の見通しを立てている状況としている。

 また、同社への対応について県は、「RD社の不服申し立てが国に棄却されて、もとの土俵に戻った。あくまで改善命令にしたがって、工事計画の提出を待つ」とし、地元の栗東市は「RD社が計画を県へ提出することになるが、今の段階では両者の交渉を見守りたい」と、注視している状況だ。

 懇談会では住民から、「県のRD社への姿勢が弱い。改善命令をきちんとやらせなければ、県の監督責任が問われる」「県はボーリング調査をして、どのくらい許可量をオーバーして埋めているか調べるべき」など、厳しい意見が相次いでいた。

(高山周治)


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雇用能力開発機構「いこいの村びわ湖」

経営悪化で6月末営業停止

=大津市と施設譲渡の協議継続=

「いこいの村びわ湖」(大津市)
(湖西・大津市)
 勤労者の保養、会議研修の施設として親しまれてきた「いこいの村びわ湖」(大津市山上町)が、六月三十日で営業を停止することが決まった。施設の譲渡問題については、設置者の雇用・能力開発機構と土地所有者の大津市が、六月末をめどに協議を継続する。

 勤労者福祉施設廃止を打ち出した国の方針に沿って、雇用・能力開発機構は平成十四年十月、存続を前提に大津市に対して百万五千円で譲渡する意向を打診した。これを受けて同市は専門家の意見を聞きながら検討してきたが、経営再建の見通しが得られなかった。

 このため、経営を委託している県との契約期限が六月に迫っているほか、今後の経営の見通しがたっていないため、営業停止を判断した。職員数は正職員二十人、パート二十三人、契約三人の計四十六人で、再就職については最大限の努力をしていきたいとしている。

 昭和五十五年に開設された同施設は、鉄筋コンクリート四階建てで、客室二十五室を備える。長引く景気低迷や、民間・公共の宿泊施設との競争激化で宿泊客が減少したため、売り上げは昭和六十二年のピークから減少に転じ、平成十四年度末で累積損失が約三億二千万円に達した。


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県腎臓病患者福祉協会が学習会

「透析を遅らせるために」

=29日13時からピアザ淡海で開催=

(湖西・大津市)
 滋賀県腎臓病患者福祉協会(上田友久会長)は、二十九日午後一時から「透析導入数の抑制を考える学習会」(県・県医師会・県栄養士会後援)を大津市におの浜一丁目のピアザ淡海大会議室で開催する。

 生活環境の変化によって、糖尿病や高血圧から腎不全に至り、透析療法を受ける患者は年々増え続け、現在二十三万人に及ぶと言われていることから、患者が腎不全に陥らない予防策のほか、治療法への理解を深めてもらおうと開く。

 今回の腎臓病患者保存期学習会には木村玄次郎・名古屋市立大腎臓内科教授を講師に招き、講演「透析を遅らせるために」から今後の透析導入数の抑制について考える。入場無料で自由参加。

 詳しくは同福祉協会(電話077-521-0313)へ。

 


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