滋賀報知新聞(ニュース)平成16年5月5日(水)第13786号


悩みの実態と対処法探る

八日市の子ども調査研究

身近な大人とのかかわりが大切
=コミュニケーション能力高める=

(湖東・八日市市)
 八日市市教育研究所は、平成十五年度の調査研究「子ども(小学生・中学生)の悩み、保護者の悩み、教職員の悩みの実態を探り、悩みに対処するための力や支援を考える」で取り組んだアンケート結果を小冊子「八日市の子ども」(A4判、七十三ページ)にまとめ、このほど教職員や関係各機関に配布し、教育の基礎資料として役立ててもらうことにした。昨年七月に市内の小学五年児童と中学二年生徒、保護者、教職員を対象に、自分・自分の子供・自分の児童生徒をどうとらえているか、悩みの実態、悩みに関連する力、悩みを見つけた時の支援、悩みへの対処方策などについてアンケート調査を行った。

 子供の良さについて、児童生徒・保護者・教師の三者とも「明るく楽しく生活できる」「仲良く協力し助け合える」「命を大切にする」ところを挙げている。一方「規則正しい生活ができる」「強い気持ちで最後までやる」「自分から考え真面目にやる」ところを課題とし、特に、子供は「悪いところを直すところ」、教師の「マナー・決まりを守るところ」が上位だった。

 悩みの実態では、児童が「友達や先生」「学習や進路」、保護者は「学習や進路」ほか「思春期の子供へのかかわり方」に悩み、教師は「児童生徒」「職務」「自分の体調・性格・家庭」について七、八割が悩みを持っている。

 悩みに対処する力として「家庭・学校の満足感」が高く、関連することに「嫌なことを拒否する力」「自己を表現する力」「怒りをおさめる力」「してほしいことを頼む力」を求め、子供には、相手の気持ちを思いながら自分の気持ちを伝えていく力こそ、悩みに対処する必要な力になっている。

 これらの調査から、悩みや不安に対処する力をつける方策として▽子供に自尊感情を育み、自分の良さを認めていく▽子供のコミュニケーション能力「伝え合う力」を高める▽身近な大人のかかわりを大切にする▽ストレス・マネージメントの力を養う―の四点に集約した。

 自己肯定感を高めるには、体験学習や感動体験が必要とし、感動に関しては学校ぐるみの読書習慣化を提起している。伝え合う力(表現力)を国語力アップに求めているほか、総合的な学習や学級指導での取り組みも打ち出した。

 大人とのかかわりでは、保護者や教師の「子供の良き相談相手としての自覚」が重要として、悩みを打ち明け共に考える環境が、保護者・教師はもちろんのこと、専門家の支援を含め不可欠とした。

 一方で、子供が教師に望むこととして「もっとか構ってほしい」「しっかり怒ってほしい」「話を聞いてほしい」「生徒のことを考えてほしい」「悩みを聞いてほしい」などの声が多い。年齢が上がるにつれ、かかわりを避けたがる傾向にあるが、見守り、耳を傾け、手を差し伸べられる心の姿勢と関係を築く必要性を求めている。

 このアンケート結果から、教育研究所は「友達関係の悩みや思春期の大変さが小学五年ごろに表面化してくると同時に、自己肯定感や自己表現力の大切さが実証された。悩みに対する保護者や教師を含めた大人の役割も見え、自信を持って子供の育成に取り組むことが必要」とまとめている。


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コンセプトについて熱心に議論する参加者

=河辺いきものの森ネイチャーセンターで=

市民の手によるビオトープづくりがすすめられている駅前広場
(湖東・八日市市)
 市民の手による駅前広場整備が、三月に誕生したばかりの近江鉄道「河辺の森」駅ですすめられている。興味のある人なら誰でも参加できる。

 現在、造成されている広場を、約一年かけてみんなで生きものが住み、駅利用者の心なごませる「ビオトープ」にしようというもので、四月から、現地見学会、ワークショップによるコンセプト決定を行い、今後、整備計画づくりや、参加者による施工にも着手する。

 このほど、河辺いきものの森ネイチャーセンターで開かれたワークショップには市民ら十六人が参加。広場のコンセプトについて熱心な話し合いが行われ、三班からそれぞれ発表された「唱歌を口ずさむ広場」「またおいで なつかしの風景」「WELCOME GARDEN」の案をもとに調整した結果、「唱歌を口ずさむなつかしの原風景」に決まった。

 このコンセプトに沿って、今後、具体的な広場整備がすすめられて行く。次回は、二十二日午前九時に河辺いきものの森ネイチャーセンター前に集合して、駅前広場の斜面部分の土留め作業を行う予定。

 活動に関する問い合わせは、河辺いきものの森・ネイチャーセンター(八日市市建部北町 TEL0748―20―5211)へ。


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行政の文化化と終の栖の相関

=川端市政の新まちづくりオピニオン=

インタビューに答える川端市長(市長室で)
(湖東・近江八幡市)
 近江八幡市に今年度から全国でも例のない「文化政策部」が創設された。文化行政に関わる各部局の担当係を集中させ、将来に向けてのまちづくりに、これまでに培われてきた「地域文化」の視点を大切にした施策を積極的に盛り込んでいこう、というねらいがある。ハード面の整備で利便性が高まり、人を集めて発展していく「まち」から自然景観や生活環境を重視、地域の詩情を大切にしていく「文化化元年」と位置づけている。さて、行政の文化化とは何なのか、今後のまちづくりにどんな視点が必要なのか。川端五兵衞市長に聞いた。

「文化政策部」はどんな仕事をするのか----

 従来、行政の仕事は理にかない、決められたことをきちんとすれば100満点がとれたのです。そのために就任以来、ISO9001、14001の認証取得やコンプライアンスマネージャーの設置、情報公開条例の制定などに取り組み、100点ではないにしても仕事をきちんとやるという仕組み作りの点ではメドがついてきたと思います。しかし、それで市民の皆さんに満足していただいているかと言えばそうじゃないんです。血の通った行政を行うには人の情感にかなう面が必要であって、それは文化であると思ったのです。つまり、理にかなうことを文明とすれば、情にかなう文化が必要なんです。最近、国は「文化芸術振興基本法」を制定し、その中で「公共建物等の建築にあたっては周囲の自然環境、地域の歴史及び文化との調和を保つよう努めるものとする」としています。今まさに行政の文化化が必要なのです。従来、文化行政と言えば、教育委員会の仕事とされていたのですが、建設、福祉などすべての分野において横断的に文化政策を進めるため、企画部と文化振興課など教育委員会の一部とで文化政策部を設置したのです。

なぜ、今それが、必要なのか----

 地方分権の時代と言われますが、これは、これまでの国の補助金行政から地方の自主運営に委ねられることを意味すると思います。受け身的な行政運営でなく地方の独自の政策能力が求められているのです。ある研究所の人口動態予測によると2030年には、近江八幡の人口は6万6千人に減少するとしています。その一方で、他市はハード面の整備によって人口が増えるとしていますが、あくまでもこの推測のデーターが、過去の実績に基づき将来もその延長線上にあるという想定であることに注意しなければなりません。21世紀は、これまでのように道路交通網の整備や工場誘致など外的ファクターに頼る、また、それらを基盤にしたまちづくりを進める状況にはありません。今後の新たなまちづくりの方向づけによってガラリと変わると云っても過言ではないでしょう。工場や企業の有無で、居住地が自動的に決まってしまうのではなく、個人の趣味や価値観、地域の安全性、歴史風土の質などで住むまちが選ばれる時代が始まっていると思います。なかでも生活の利便性だけでなく、その土地の自然環境や歴史風土は重要な価値判断になるでしょう。人間の情感を大切にするまち、そんなまちが求められるのではないでしょうか。それには行政が文化を大切にする幅広い認識と政策能力を持つことがさらに必要になります。

「情報化」と「環境」
先人に学ぶ知恵


「文化化元年」と唱われてますが----

 江戸文化の隆盛は、1804年から1830年までの文化・文政期に始まっています。後世に名を残した著名な文化人が数多く輩出され、江戸の様々な文化様式が蓄積した化政文化が生まれたとも言われています。ちょうど200年後の今、文化を見直し、市民が担い手となる行政文化のスタートとする年にしたいのです。それを文化化元年と唱っています。キーワードは「環境」と「情報化」です。2030年には、パソコン・光ファイバー網を使って自宅で仕事が出来る在宅勤務やSOHO(末尾注釈)が大きく進むと言われています。20世紀は勤務地への単身赴任する時代であったのが、2030年には家族ぐるみの移動の時代、つまり、勤務地がどこであってもかまわない、住む場所が選ばれる時代になると思います。ハード面の整備によって栄えるまちではなく、人の情感や心のゆとりのあるまち、そして倫理観が大切にされる時代が求められてくるように思います。化政文化は江戸を中心に栄えましたが、平成文化とも言いましょうか、これからの文化は地方からの発信です。まさに東京一極を廃し、地方分権の時代にふさわしい新しい文化の時代の始まりの年なのです。今住んでいるまちを本当に愛することができる、死に甲斐のあるまち「終の栖(ついのすみか)」が求められる時代であると思います。

「文化」に行政がどう関わるのか----

 例えば、橋を1本架けるにしても、地域の歴史風土、場所との景観などの固有の環境を活かしたものが本物の橋として人々の心に受け入れられます。 日常を文化的視野で見ることも大事なんです。それは都市のアイデンティティーにつながります。例えば、八幡堀を再生するにしても、いつ頃の石垣か、歴史は、昔の生活との関連など考察することが必要です。それらしきものを用意すればよいと言うものではありません。半分でもいいから「本物」に近づける努力が必要です。文化行政は「気合い」が入った行政と言ってます。ハートとソフト、そしてウエット(熱意)な心がなければなりません。きちんとした行政が前提になってこそ文化化が始まります。

例えばどんなことか----

 現在、市民の方や学識者に検討を行っていただいている景観条例の制定などがそれです。また、西の湖の名勝指定も同じ視点に立つことが出来ます。ヨシ原が広がる円山周辺を名勝に北の庄沢や八幡堀を重要文化的景観の保護地域にして第3者の評価を得る。「特別区」として国にその価値を認めてもらうことです。自然環境や景観の評価グレードを挙げることができれば、自然環境がこれ以上荒らされたり、水郷の文化が衰退しないよう一定の歯止めがかけられることになります。それにはヨシ焼きをする人、清掃作業に取り組む人など、地域の協力も求めなければなりません。名勝の指定は受けて終わるのではなく、守っていく取り組みが大切です。古地図にある昔の西の湖に戻す検討も必要だと思います。地域の歴史文化の発見、再生、保存、そして先人のエトス(道徳的な慣習、気質、気風)にふれ精神伝承が可能な風土を培い、アイデンティティーの確立と共に、後世につなげ、例え、今後の社会にどのような変化が訪れても決して消えない確固たるものにすることです。

(聞き手・畑 多喜男)

 SOHO・自宅や自宅周辺のオフィスで情報技術を活用して仕事を行うこと
(現代用語の基礎知識より)


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糸から布へ

民具の復元・体験

=琵琶湖博物館=

(湖南・草津市)
 県立琵琶湖博物館の第三回資料展「糸を紡いで布を織る―民具の復元・再現・体験―」が、六月十日まで同館企画展示室で開かれている。

 滋賀県は麻・絹・綿などの織物産地でもあり、様々な織りが伝え継がれる。同館では、暮らしの中の機織りを振り返ってみようと、収蔵資料から二百点を出品し、なりわいの中で生まれた近江の糸づくり、布づくりを紹介している。

 また、中世の絵図「七十一番職人歌合」から復元した地機(じばた)や、収蔵資料を基に復元した地機も展示される。

 観覧料は大人六百円、高大生四百円、小中生二百五十円。開館時間は午前九時半から午後五時まで。月曜休館。問い合わせは琵琶湖博物館(077―568―4811)へ。


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県内景況は大幅に改善

企業訪問やモニター調査結果

雇用状況さらに安定感増す
=消費回復も上向きに転じる=

(全 県)
 県は、県内景況を把握する企業訪問調査と、並行して行った個人消費モニター調査の両結果をこのほどまとめた。前回調査に比べ企業での業況は大幅に改善しているとともに、消費モニターでも景気は総体的に上向きに転じたとの判断を示していることが分かった。

 企業六百九社(うち大企業八十五社)への訪問ヒヤリング調査ほか、販売やサービス、雇用関連など各業種に従事する六十五人を対象にしたモニター調査から県内景況を把握し、今後の県行政に反映させたいと、今年一―三月(モニターは三月一日の前後一週間)に行われ、企業サイドと個人消費サイドの両面から結果をまとめている。

 今回調査の県内企業をみると、全体のDI指数(好転・上昇・過剰の企業割合から悪化・低下・不足の企業割合を差し引いた値)は、前回調査(昨年十―十二月)に比べて、業況(マイナス一二・二)のマイナス幅だけが二・〇ポイント拡大し、悪化したにとどまっている。

 それ以外の売上(マイナス八・七)でマイナス幅が一・三ポイント、経常利益(マイナス一三・二)でも〇・六ポイント縮小し、それぞれ大幅に改善している。雇用の水準DIはマイナス五・九と、マイナス幅は〇・九ポイント拡大し不足感がやや強まっている。

 業種別では、製造業が生産・売上の各DIで改善し、経常利益・業況で悪化してたが、建設業は売上・経常利益・業況とも改善している。卸売業は売上・業況が悪化したものの経常利益で改善した。小売業は売上・経常利益・業況とも悪化、サービス業では売上・経常利益・業況とも改善している。

 来期(四―六月)については、企業業績の復調や株価の回復などで、売上・経常利益・業況の各DIがプラス数値に転じる一方、雇用水準では不足感が過剰感を上回るものの横ばいの見通し。

 直面する経営上の問題として、前回調査と同様に「需要の停滞」をあげる企業が最も多く、次いで「単価の低下・上昇難」「ニーズの変化」「大企業や大型店の進出による競争の激化」「請負価格の低下・上昇難」が上位を占め、「取引条件の悪化」「人件費の増加」「生産設備・店舗の老朽化」などと続く。

 一方、消費動向モニター調査では、全体で「(ややも含め)悪い」が二〇%、「(同)良い」が二九%と上回り、「どちらとも言えない」が五一%と前回に比べ増えた。業種別は、販売関連で「悪い」が「良い」の一・六倍、サービスが同率に近い割合を示す中で、雇用関連では、「悪い」〇%に対し「良い」が四三%にのぼり、「どちらとも言えない」は五七%に膨らんでいる。

 三か月後の景気の見通しについて、「良くなる」が「悪くなる」の三倍以上に達し、「どちらとも言えない」が三八%に減っている。全体の景気水準DI(プラス八・二)は前回より一二・四ポイント改善し、十四年の調査開始以来、初めてプラス数値となった。来期は各業種ですべて改善する見通し。 

 


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