★2004年重大ニュース・下半期

滋賀報知新聞(ニュース)平成16年12月31日(金)


07-22  ゆったり療育できる空間

栗東市が障害児地域活動施設

保護者会「栗東元気玉クラブ」に運営委託
=県内初の自治体による放課後活動施設建設=

栗東市高野に建設された障害児地域活動施設


 湖南・栗東市)
 栗東市内で初めての障害児地域活動施設が、このほど同市高野に開設された。障害をもつ就学児童・生徒の放課後活動の場を同市が建設し、保護者会でつくる栗東元気玉クラブに施設管理、運営を委託する公設民営方式。同様の施設は自治体が民家を借り上げて実施するケースが一般的だが、新たに施設を建設するのは県内では初めて。

 同市が、家庭と学校以外に活動場所をもつのが難しい障害をもつ児童・生徒に、放課後の余暇時間を楽しく過ごすとともに、遊びを通じて友人や周囲の人たちとの関わりを学び、健やかな成長につなげてもらおうと、昨年二月から建設を進めてきた。

 総工事費約二千万円を投じた施設(定員十五人)は、木造平屋建てで、建築面積百五平方メートル。バリアフリーに配慮した施設内には、活動場所であるプレイルーム、多目的トイレ、事務室兼調理室などを備える。

 草津養護学校に在籍する児童、生徒が多く、現在、十二人が学校での授業を終えたあとNPOの送迎で通う。専任の指導員二人のほか、学生や主婦ら有償ボランティアが、遊びなどを通じて有意義な時間を過ごしている。運営費用については、保護者からの保育費と栗東市・県の補助費でまかなう。

 これまで栗東市の障害児活動の拠点施設はなく、草津市の保護者会とともに草津市内の民家を借りて、放課後における活動を実施してきた。ところが、曜日によっては人数が多くて手狭になるため、ほかの公共施設へ移動しなければならないこともあった。

 今回、新しい拠点施設ができることで、指導員は「子どもによって障害の違いがあるので、指導員が個別対応しなければならない場合もある。以前は曜日によって通う人数の増減があって、手狭な民家から公共施設へと活動場所を変えないといけなかったが、これからは一カ所で落ち着いて活動できるのでうれしい」と話している。


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08-19  県の原発防災計画見直しを
美浜原発3号機事故契機に

国の指針か県民の生命か、

=どちらが大事なの?=

(全 県)
 福井県美浜町の関西電力美浜原発3号機の蒸気漏れで十一人の作業員が死傷した問題によって、原発の信頼が大きく揺らいでいる。滋賀県の「原発防災計画」では、例え大事故になっても原発から半径十キロより以遠は人的被害が及ばないとして県民の避難などの対策を考えていないが、今回の事故を契機に防災計画の見直しを求める声が強まっている。                   【石川政実】
地図は、冬場で北西の風が強い場合を想定。資料提供=原発を知るシガ連絡会

 ●50分後に県にFAX

 九日午後三時二十八分、美浜原発3号機で異常を知らせる警報が鳴り、原子炉が自動停止した。同三時三十分、福井県原子力安全対策課に美浜原発から事故の連絡が入った。四時十七分、関電滋賀支店から滋賀県総合防災課にFAXで第一報が入る。そこには『負傷者数名火傷の模様』などメモ程度の内容が記されていたに過ぎず、県総合防災課は、関電に電話で確認。これと前後して、同課は新聞社やテレビ局らの対応に追われ、ようやく五時五分になって、県内の各市町村、消防本部、県警などに連絡したという。なんと原子炉が自動停止してから約五十分後に、県は事故を知らされたのだ。

 ●避難考えない防災計画

 滋賀県北部と隣接する福井県には、美浜原発など六か所・十五基の原発が設置されている。このうち、滋賀県内の余呉町、西浅井町、マキノ町、今津町の四町と接する敦賀市および美浜町には、四か所・七基の原子炉がある。美浜原発や敦賀原発と滋賀県境との距離は、十数キロに過ぎない。

 このため滋賀県では平成十三年三月、原発防災計画を策定した。これは、「福井県の原発で想定できる最大・最悪の事故が起きても県民に人的被害がない」という県原子力防災懇話会の提言を前提にして、大事故に際しての住民の避難や、ヨウ素剤の配備などの防災対策を不要としている。その根拠にしているのは、国の原子力防災指針。同指針では、昭和五十四年の米国スリーマイル島級の原発事故を想定した場合、人体被害が及ぶ可能性のある範囲(EPZ)の目安として、原子力施設から八〜十キロと規定しているためだ。

 しかし市民団体の“原発を知るシガ連絡会”(代表=更家周子氏)の池田進・事務局長は「国の原子力防災指針は、スリーマイル島級の事故を念頭においたものに過ぎず、昭和六十一年の旧ソ連のチェルノブイリ級の大事故が起こらないとは断言できない。つまり原発から十キロ以遠は人的被害がないというのは、科学的根拠がないのだ。県はスリーマイル島級以上を想定して、避難、退避などの防災対策を進める必要がある。同時に、近畿の水瓶(がめ)の琵琶湖が放射能で汚染された場合の対策も検討しておくべきだ」と指摘している。

 ●大半の県議、見直し賛成

 昨年四月の県議選挙直前に、市民団体の“市民運動ネットワーク滋賀”(代表=大橋松行氏)が同立候補予定者全員と国松善次知事を対象にアンケート調査を実施したところ、県の原発防災計画を人体被害が及ぶことを想定したものに見直すことについて、当選県議四十七人のうち、回答した四十四人の内訳は、「賛成」二十八人、「どちらとも言えない」十一人、「反対」なし、「無回答」五人と、大半が「賛成」だった。また国松知事は、一人だけ「反対」と回答している。県は、今回の美浜原発事故を契機に、県民の生命を守る観点から、防災計画の見直しを迫られそうだ。


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10-21  大津祭の“からくり”も脱帽
大津市国保料で住民監査請求

剰余金10億円でなぜ上げる

=所得割8%で算定し減額を=

“からくり”で知られる大津祭の曵山(写真は、びわ湖大津観光連盟提供)
(湖西・大津市)
 昨年度の大津市国民健康保険事業特別会計で十億六千五百万円の剰余金が出ているのに、今年度に保険料を引き上げたのは不当として、同市の会社社長田中敏雄さん(63)はさきごろ、保険料の減額を求める住民監査請求を大津市監査委員に提出した。この十日に行われた「大津祭」の曵山巡行の見どころは人形などが動く“からくり”にあるが、同市でも毎年、国保特別会計決算で十億円前後の剰余金がありながら、わざと繰越金を三億円前後に低く見込んで、保険料を引き上げるといった“からくり”疑惑が浮上している。                    

【石川政実】

 ●4万円余分に徴収?

 請求書によると、大津市は昨年度の国保特別会計の剰余金(歳入から歳出を引いた差額)からの繰越金を三億七千万円と見込んだため、五月の市国民健康保険運営協議会では今年度の所得割保険料率(医療分)を〇・二%上げて八・八%と算出した。市は六月に保険料を改定し徴収を始めている。当然、繰越金が大きくなれば、保険料が低く抑えられることになる。ところが市が五月の運営協議会に提出した昨年度の同特別会計決算見込みは、剰余金が十億八百万円で、さらに七月初めに市が公表した昨年度決算概要でも、剰余金は十億六千五百万円になっていた。

 田中さんは「剰余金の正確な見込みを知りながら、市や運営協議会は繰越金をわざと低く三億七千万円に設定、高い保険料を算定した。剰余金を全額、繰越金に回せば、所得割は八・〇%となり値上げの必要はなかった」としている。ちなみに今年度の保険料(医療分)は、所得割が八・八%、被保険者均等割が一人につき三万円、世帯別平等割が二万三千四百円で、最高限度額が五十三万円。これを所得割八%で単純試算すると、均等割が二万六千九百円、世帯別平等割が二万九百円となる。

 例えば三十九歳の世帯主のAさんと、三十八歳の奥さん(専業主婦)のBさん、十歳の息子のC君の三人家族の場合、Aさんの給与収入が五百万円、奥さんが「収入なし」と仮定すると、世帯主Aさんが支払う保険料は、所得割が八・〇%ならば、現行に比べ“約三万七千円”も安くなる。家族構成や年齢が増えれば、さらに額はアップする。

 ●大津市は毎年アップ

 国保保険料(医療分)の推移は▽十三年度当初時点における十二年度決算の繰越金見込みが約二億五千万円(十二年度決算=実際の剰余金九億千百万円)→十三年度所得割七・七%▽十四年度当初での十三年度決算の繰越金見込み三億円(十三年度決算=同十一億五千万円)→十四年度七・九%▽十五年度当初での十四年度決算の見込み三億円(十四年度決算=同八億九千五百万円)→十五年度八・六%と、決算では剰余金が各年度とも十億円前後なのに、繰越金は二億五千〜三億円と低く見込まれている。

 ●議会承認でいじれない

 同市保険年金課の山田和昭課長補佐は「五月の運営協議会では、剰余金が十億円以上なのは分かっていたが、二月市議会で当初予算として、繰越金見込みが三億円で承認がされており、変更はできない。また二月(剰余金見込み三億七千万円)と五月(同十億八百万円)の運営協議会で剰余金の見込みが大きく違ったのは、歳出で予定していたインフルエンザ代四億円が不要になり、歳入で国の特別調整交付金の特別事情分が約二億五千万円入ったためだ。毎年、繰越金を三億円前後に低く設定しているのでない。たまたま同額になったものだ。なお昨年度決算の剰余金のうち、(繰越金三億七千万円を除く)残りの約六億円は、収入役が保管し、新年度の支払いなどに運用している」と説明。

 しかし田中さんは「前年度の剰余金の多くを繰越金に回せば、保険料を上げる必要はなかった。六億円の剰余金が収入役口座に保管されているなら、一般会計に一時流用する目的外使用の疑いもある」と反論している。ともあれ“からくり”は、大津祭だけにしてもらいたいものだ。


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11-11   新幹線新駅・建設費用の負担前向き

合併特例債 歳入増につながる活用

=防災 避難場所の安全性を再点検=

記者会見に臨む谷畑市長(8日、湖南市役所)
(湖南・栗東市)
 谷畑英吾・湖南市長は八日、同市役所で就任記者会見を行った。このなかで新幹線びわこ栗東駅の周辺自治体の建設費負担について、山田亘宏守山市長と山崎甚右衛門野洲市長が反発するなか、「市民の納得できる範囲で責任を果したい」と前向きな姿勢を示した。このほか、財政改革は商工業振興による歳入増、防災面では避難所の安全点検や、自主防災組織の強化を図りたいとした。

 ----財政改革については

 歳出を削減するとともに、職員のコスト意識を徹底させる。また広報誌など通じて市民にも厳しい財政状況を正確に伝え、行政サービスと財源の関係を知ってもらいたい。

 歳入では、市民に税負担を強いるのではなく、企業活動を活発化させることで、税収や雇用など社会的利潤を求める。

 ----合併特例債の運用は

 特例債といっても借金なので、その場しのぎの使い方を避け、後世に負担を先送りしないよう責任もって運用する。具体的には、歳入増加や市民の生命・財産保護につながる基盤づくりに重点をおく。

 ----新幹線新駅の負担は

 県と地元・栗東市の大きな建設費負担を前提に、湖南市も同市に隣接しているので市民の納得できる範囲で責任を果す。ただし、市民に理解してもらうためには、現在の情報は不十分であり、栗東市はもっと納得できる資料を出すべきだ。
 (野洲市、守山市の首長が負担に対して反発する発言をしているが、)それぞれ自治体の事情もあり、その時の情勢で判断していくものだ。湖南市は設置促進協議会の一員なので、その中で主張すべきことはする。

 ----防災面については

 新潟県中越地震や度重なる台風による水害で、避難場所の安全性をしっかり確保することを再認識した。このため、安全性の再点検を行うとともに、避難場所を知らない住民へ周知徹底したい。このほか、地域の自主防災力を高めるため消防署との連携強化、団地内の道路事情の改善にも取り組む。


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12-16  県は平成20年度に財政破たん!?
衝撃的な“裏”ならぬ、“浦”レポート

行政経営改革室『仏作って魂入れず』 

=相次ぐ改革手法導入で職員に負担感=

(全 県)
 九日に開かれた十二月定例県会の一般質問で、八日市選出の二人の県議が揃って、“裏”レポートならぬ、“浦”レポートを取り上げた。これは平成十四年九月から二年間、県の行政経営改革ディレクターを務めた浦茂樹氏(57)のレポートのことである。民間人の立場から県の行政経営改革に取り組むため伊藤忠から派遣された同氏が、県庁を去るにあたっての置き土産だ。人事、政策評価、組織など多岐に及ぶ衝撃的なレポートの一部を紹介してみた。

【石川政実】


 滋賀県の経営改革の方向性については「県では目標管理や政策評価、ベンチマークなどさまざまな改革の手法が導入されているものの、これらの諸方法を実施することが目的化してしまい、職員に負担感ややらされ感を生み出し、閉塞感を増幅させている」との懸念を示した。
 財政構造改革では「県が現在、策定作業を行っている財政構造改革プログラムの改訂版は、平成十九年度までの収支不足見通しをもとに、歳入不足額を事務事業の削減と基金の取り崩し、起債により穴埋めする方向で検討されているが、この案では十九年度末に基金が底をつくばかりか、起債残高が増嵩し平成二十年度には財政破たんをきたし、財政再建団体に転落する。この実態を職員や県民に公開すべきだ」と警鐘を鳴らした。

 人事制度については「滋賀県では部局長のポストがあたかも上がりのポストとしてとらえられている風潮がある。定年一年前に部局長のポストに就き、一年で定年退職を迎えるような論功行賞的な人事が少なからず行われているが、このような人事は職員全体のモラルの低下を招く」と
大嵐に見舞われている滋賀県丸(写真は県庁)
指摘。

 組織上の課題では「現在の滋賀県庁は中央集権型ピラミッド構造となっており、加えて庁内分権が十分進んでいないために、政策判断や合意形成に多大な時間と労力を費やする結果になっている。また、組織のフラット化や意志決定の迅速化を図るためにグループ制を導入しているが、従来の係をグループに置き換えただけのグループ制にとどまっている」と問題提起した。

 政策評価制度については「内部管理の視点から二次評価が欠けている。ちなみに行政経営改革室で、十六年度の事務事業調書をベースに、約四百五十件の個別事業の二次評価を行ったところ、はからずも約四〇%の事務事業が廃止すべきであるという結果を得た」としている。

 行政経営改革室のあり方では「行政経営改革ディレクターとして勤務した二年間の間に、組織変更により指揮命令系統が三回にわたり変わったばかりか、二度の定期異動で約十人の室員がほとんど入れ替わった。その結果。行政改革経営室は『仏作って魂入れず』の状態になっており、見えざる手によって改革にブレーキをかけられている感を持たざるを得なかった。行政経営改革を実のあるものにするには、行政経営改革室を知事の直属組織として位置付けるべきである」と指摘した。

 職員の意識改革においては「歓送迎会シーズンや忘年会、新年会シーズンあるいは九月の庁内旅行の時期に、本庁舎のまわりに宴会送迎や旅行のためのバスが列をなす光景は、県民の視点からすると異常だ」と反省を求めている。

 国松善次知事に対しては「未曾有の大嵐に見舞われつつある滋賀丸を指揮し、目的地に無事横付けすることが滋賀丸船長である知事の責務である。帆は倒れ、乗組員や乗客にけがも覚悟してもらわねばならない。また必要であれば積み荷を捨てることも決断せねばならぬかもしれない。名船長の指揮で滋賀丸が大嵐を乗り切り、目的地に無事入港することを願う」と万感の思いで結んでいる。まさに国松知事の強いリーダーシップが求められるところだ。


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