滋賀報知新聞(ニュース)平成17年1月4日(火)13992号


東近江市初の選挙

=2月に市長選 市議選は10月=



 (湖東・広域)
 二月十一日に新市「東近江市」が誕生する。五十日以内の執行が決められた市長選は、二月二十日告示、同二十七日投開票され、今月中旬に立候補予定者説明会が開かれる。一方、特例で十月末まで在任する市議選は、初回に限り選挙区を採用し、十月中に行われる見通し。編入協議が始まった能登川、蒲生との合併期日を十月三十一日に照準を合わしていることから、同時に行われる可能性もある。東近江市の有権者数(昨年十二月日現在)は六万二百七十二人(八日市三万四千五百十九人、永源寺五千九十五人、五個荘九千百五人、愛東四千三百九十二人、湖東七千百六十一人)。

市長選


 中村功一八日市市長は、出馬要請する四町長の同席を得て行った記者会見で「合併を進めてきた責任者の一人として、新市スタートのかじ取りをしっかり果たす責務がある」と決意を語り、とりわけ「能登川・蒲生両町との合併協議にも全力を尽くし取り組んでいきたい」との意向を示した。

 合併後の東近江市まちづくりの方向性について、これまでの合併協議の中で温めてきた新市に対する夢や思いを明らかにし、みなさんと相談しながら「将来に向けての展望が開けるよう努力したい」としている。

 新市では、市民と行政が一体となり、合併効果を最大限に引き出しながら「合併してよかった」と感じられることが重要とした上で、まちづくりの目標を「美しい元気都市・東近江」に掲げ、基本方針を「みんなで築く、地域の個性が光るまち」に置く。

 同席した合併四町の町長が、こぞって「地域の特性を生かし、東近江市全体のまちづくり」を望む中で、前田清子五個荘町長は「能登川町の参画に力を貸してほしい」と、これまで合併協議に汗を流した中村市長に望みを託す。

 一方の西沢久夫県議は、東近江後援会設立準備会で「六年間に学んだ経験を生かし政治生命を懸け新しいまちづくりに挑戦したい」と支持を訴えた上で、強いリーダーシップの発揮と市民の声を聞く情報公開などを柱にした「東近江市基本条例を制定する」との方向性を打ち出すが、能登川・蒲生との合併に否定的だ。

 また「合併特例債は必要不可欠の最小限にとどめ、点在する文化施設、病院は地域重視を念頭に考える。少子高齢化の解消へ子育て・教育に力を入れ、(合併の柱である財政効率面から)三年をめどに人件費カットに取り組む」とも。

 これらを含め「現職との違いを明らかにしていく」とした上で、能登川・蒲生両町の参入問題に関して「早急な結論は混乱を招く」と、法定期限内の合併に慎重論を唱えている。

 新人だから「ゼロからのスタートになる。ゼロから積み上げられるよう頑張っていきたい」と選挙戦に向けての支援を訴え、組織づくりを固めた上で「正月明けにも設立総会を開き、正式表明となる場を持ちたい」との意向を伝えた。

東近江市議選


 東近江市には、一市四町の議員が在任特例(合併後八か月間)で十月末まで新市の議員として残る。初の市議選は、選挙区制で争うこととなり、法定定数の三十議席を八日市十(現行二十)、永源寺三(十二)、五個荘四(十四)、湖東四(十四)、愛東三(十二)の二十四議席と決めた。

 議員一人当たりの人口は、八日市の四万五千五百人に対し四千五百人、永源寺(人口六千百人)は二千人、五個荘(一万二千人)が三千人、湖東(九千人)が二千二百人、愛東(五千八百人)は千九百人と、人口規模からして二倍以上の格差が生じている。

 ここに能登川、蒲生が編入されると、地方自治法で定められる定数三十四議席に近づく可能性は極めて高い。議員一人当たりの人口でみると、二万三千人の能登川(現行十八)が五議席で四千六百人、六議席だと三千八百人、一万四千七百人の蒲生(十六)は四議席で三千七百人、五議席では三千人と、それぞれどちらかに決まるものとみられる。

 県下の他市は、大津(人口二十九万九千人)三十八議席、彦根(十万九千人)二十八議席、長浜(六万二千人)二十議席、近江八幡市(六万八千人)二十四議席、草津(十一万八千人)二十四議席、守山(七万人)二十二人、栗東(五万九千人)二十議席。

 だが、新しく合併した甲賀市(九万三千人)は三十議席(現在八十二)、湖南市(五万五千人)が二十四議席(現在三十五)、野洲市(四万九千人)は二十四議席(現在三十二)と、合併直後の新市定数は、人口規模からして必然的に高い数字で推移している。


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合併にかける    
 まちづくりへの思い

=能登川・蒲生の両町長に聞く=

(湖東・広域)
 合併期限を間近に控えた昨年、まちの活路を広域合併に見い出した能登川町と蒲生町を含めた1市6町の任意協議会が実現した。そこに至るまでには多くの困難を乗り越えてきた住民、諸団体、行政機関の努力があり、来月十一日には一足先に「東近江市」が誕生する。編入という不安も抱えるが、新しいまちづくりにかける思いを両町長に語ってもらった。
合併実現に全力を注ぎ、協働で築かれる夢を伸ばしたいと話す宇賀武能登川町長(能登川町役場町長室で)

 合併を最大の争点に激戦を制した宇賀武能登川町長。東近江市の誕生から編入というブランクについて「不安に思う住民のお気持ちは十分に理解しております。その不安を拭い、確かな未来へつなぐ施策づくりが課せられた使命であり、町長にと信任いただいた恩返しだと考える。法定期限まであと少し、これが最後のチャンス」と話し、将来へ続く“いしずえ”にしたいと思いは強い。

 現在、特別会計を含めて百九十一億円の負債があり、住民一人当たり八十二万円の借金を抱える。人件費カットなどで歳出削減を図るが「税収アップは難しく、近い将来に財政破綻も懸念される。いまの二倍、三倍という住民負担を願っても単独は厳しい」と、広域合併による行財政改革を訴え、任意の協議会から法定、合併実現へと全力を注ぐ。

 同時に、新しいまちづくりへの提言を願う「住民アンケート」を実施し、その結果を区長会を通して全戸に配布した。これは、新市の「まちづくり計画」に能登川町民の声を反映できるよう、必要とされる事項を調査したもの。また、一月中頃からは住民説明会も開かれ、五十区ある各行政区と小学校区の取り扱い、導入を検討している福祉循環バスの東近江市での位置づけ等を合わせて、編入合併のメリット・デメリット等を説明する。

 これからのまちづくりについて、宇賀町長は「能登川町と蒲生町、東近江市の住民十一万七千人の幸せづくりのため、それぞれのまちの機能を有機的にネットワーク化することが大切。町独自の施策をいかに活用し、東近江市の発展につなげていくか、住民と行政の協働によって築かれる夢を伸ばしたい」と話した。

合併へのラストチャンスに全力を傾注すると語る山中壽勇蒲生町長(蒲生町役場町長室で)

 住民の意向を反映したアンケート結果を尊重して「東近江市への編入合併」を選択した山中壽勇蒲生町長。「町民の不安を払拭し、合併成就が与えられた役割だと考えている。合併へのラストチャンスに全力を傾注したい」と残された任期に全力投球する。

 同町は、現行の行政運営でいくと、平成二十一年度には赤字が約二十億円に膨れ上がると試算している。山中町長は、「単独では財政的にも苦しい。サービス低下を招かず現状を維持していこうとすると、合併は避けては通れない」と就任以来、一貫して合併の必要性を訴えている。

 財政支援が受けられる法定期限内の合併を目指して一市六町で立ち上がった任意協議会の動向を、蒲生町民は見守っている。町が抱える懸案事項の解決に向け、他市町の協力が得られるかどうかがカギ。

 将来のまちづくりについて、山中町長は、医療従事者による訪問看護・在宅介護支援にも力を入れている「蒲生町病院の改築」と生涯学習拠点としての機能を兼ね備えた「図書館建設」、木村地先にインター用地を確保している「名神名阪連絡道路事業の促進」、地域自治意識の高まりを促した「わがまち夢プラン事業の継続」の四事業を最重要課題に挙げる。

 「東近江地域は二極化しているが、能登川・蒲生町が加わることをきっかけに東近江が一つになれば、将来的には県都に匹敵する都市になれる。まずは、新しいまちづくりの中で、地域全体がよくなるという大きな夢を描けることを信じている」と語り、人件費削減など行財政改革を進めながら将来を見据え残された編入合併に期待を寄せる。


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待望の新庁舎完成

消防・防災機能を一新

=愛知郡広域行政組合域内二分も体制変えず=

(湖東・愛知川町)
 愛知郡広域行政組合消防本部の新庁舎が完成間近となった。現在の庁舎(秦荘町香之庄)の老朽化に伴い、一昨年十二月から一年一か月をかけて、湖東町小八木地先、宇曽川沿いの旧愛知郡清掃センター跡地に建設がすすめられて来た。十八日にはしゅん工式が行われ、完成を祝う。
 現庁舎は昭和五十一年七月建設で二十八年を経過し、施設の老朽化が目立つことから、郡内の消防・救急業務の設備・機能の充実と、防災拠点としての整備を目的に、新築移転が図られる。
 新庁舎は、約一万四千六百八十平方メートルの敷地内に、鉄筋コンクリート造三階建の庁舎棟、同五階建の主訓練棟、同二階建の副訓練棟、鉄骨造平屋建のガレージ棟のほか、補助棟、屋外倉庫などの施設があり、近畿地区で配備されている最大クラスの防災ヘリに対応可能なヘリポートも備わる。
 庁舎棟はオール電化システムを採用し、非常用自家発電設備で非常時にも備える。一階は防災学習にも利用できるエントランス、仮眠室、ロッカーなどがあり、ガレージ棟とつながる。車庫は天井高を上げ、車両を出すことによって屋内訓練場として、また、大規模災害時の災害活動拠点として活用できる。二階は消防本部と消防署の事務室、指令室、会議室(作戦室)など、中枢機関を集中させた。三階は広域行政組合事務所と大会議室。
 二月十一日には東近江市が誕生し、湖東・愛東の両町が東近江市となって愛知郡から離れることになるが、愛知川・秦荘・湖東・愛東の愛知郡四町は平成十五年六月に締結した覚書で、新市の合併の日に愛知郡広域行政組合に引き続き加入し、愛知郡広域行政組合の施設全般の計画整備と消防・水道・清掃・火葬・休日診療の事業運営を、従来通り進めることになっている。
 愛知郡の広域行政組合でありながら、新庁舎、水道事業所、ごみリバースセンターなどの施設が東近江市の所在になってしまうが、住民にとっては、新庁舎の完成で、サービスと安全の向上、組合の維持発展に期待がかかる。


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忘れられない あの感動!!

北村さん手作り

=ニュートン式反射望遠鏡=

ニュートン式反射望遠鏡を手作りした北村誓さん(日野町十禅師の自宅で)
(湖東・日野町)
 肉眼で見えないからこそ見たくなる宇宙。時間も空間も物もない無から生まれた未知なる世界に想像力を膨らませ、宇宙に存在する物を少しでも覗き見ることができたときのワクワク感は年代を越えて感動を与えるもの。

 日野町十禅師の北村誓さん(72)は、平成十四年四月から十一月まで約八カ月かけて、素人とは思えないほど精密なニュートン式反射望遠鏡を独力で完成させ、現在は星空観察会などで子どもたちを星や月の世界へと誘い、宇宙に対する好奇心をかき立てている。
蒲生町マックスクラブとNPO法人蒲生野考現倶楽部との共催事業「ドリームハウス作りと秋の星空観察会」で、北村さんが作った望遠鏡で月を観望する子どもたち(蒲生町木村のあかね古墳公園で)

 物理学が専門教科で小・中・高校で三十八年間にわたり教鞭をとった北村さんは、元日野町教育長でもあり、県内の科学クラブ育成にも力を入れてきた。

 約二十年前、高校教師時代に生徒らと望遠鏡を初めて手作りした。遠くの木の葉脈まで見えた感動が忘れられず、退職後にようやく自分の時間が持てるようになったことから、より精密なものを作りたいとニュートン式反射望遠鏡づくりを始めた。

 北村さんは、自ら設計図を書き、誤差が許されず望遠鏡の命とも言える凹面鏡(直径二十センチ)の研磨に取り掛かった。そして外観部分は、中学教師時代の教え子である蒲生町市子松井の松崎彰二さんの高い加工技術で、アルミニウム棒の支柱六本に、六つのリングを組み合わせた鏡筒が、一ミリの狂いもなく設計図通り完成した。

 「半信半疑で作っていたので、夜に初めて月が見えたときは感動した」と語る北村さんのニュートン式反射望遠鏡は、月のクレーターや土星の輪、星雲、星団なども観察できる。将来は、自宅敷地内にニュートン式反射望遠鏡が据え付けられるようなドームを作りたいと考えており、百五十億年前の星の光を今感じている神秘を子どもたちに伝えていく。


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「便利な田舎街をつくる」提言
安土まちづくり研究会

経済的自立の自立に向け

=自然や歴史を活かしたまちに=

(湖東・安土町)
 21世紀の安土のまちづくりを具体的にどう進めるのか。町商工会が核となった「安土まちづくり研究会」が、1昨年の11月に組織され、「歴史・文化を活かしたまちづくり部会」と「自然・環境を活かしたまちづくり部会」の2グループに別れて安土が目指すべきまちの将来像について議論を深めてきた。

 まず、参加者の共通認識の土俵をつくるために、全員参加(約30人)の勉強会から始め、参加者の意向に沿って意見交換や会議形式で10数回のまちづくりワークショップを開催してきた。

 これまでの議論では、「安土で食べていける仕事はあるのか」と「安土の財産は何か、それをどのように活かすのか。他に無いオンリーワンのものは何か」をテーマに話し合いを進めた。

 歴史部会では、従来の安土城跡や信長だけでなく観音寺城跡や佐々木文化も含めた貴重な歴史資産を活かした正確な史実に基づくまちづくりが必要であるとの観点から専門家も参加した安土城下町研究会の活動推進、住民参加による各地区固有の歴史再発見、ネットワーク化を目指したパスポートの作成などを検討し、具体的な活動に取り組んでいる。
 自然部会では、西の湖美術館構想の重要性を再認識すると共に、「便利な田舎づくり」の提言が行われ、交通が便利で自然あふれる「田舎」、安全安心の農作物が生産される「田舎」、都会人があこがれる「田舎」を目指した安土らしさの視点から、ほんまもんの豊かな暮らしを追求。持続可能な循環型の暮らしづくりへの取り組みや地産地消のマーケット、職人ネットワーク、クラインガルテン(市民農園)、田舎家で体験農業の民泊など「田舎」をめざす実践の模索が始められた。

 また、やすらぎの町ともてなしの人づくり、ゆっくり流れる時間の癒しや、なつかしさがつのる駅前、車が遠慮して走る道など逆転の発想からの提案や、ありふれた日常、特別でない等身大のもてなしのあるまちなど、あえて目立った新しいことに取り組まず、日頃を大事にする田舎志向の姿勢も必要との共通認識でまとまった。

 何でもある都市部より、何もない田舎、近くて便利で歴史・自然に恵まれたやすらぎのある田舎街、そして昔見慣れた懐かしい街の景観、物、雰囲気を共通のキーワードとして、物の豊かさから心の豊かさへ欲求の変化に切り替え、誰もが故郷に寄せる懐かしさを安土流にアレンジする。そして都市部の中高年世代のストレスを癒す仕掛けをつくることで来町客を呼び込み、安土の暮らし・人づくり・コミュニティーを推進するシナリオまでの結論を導き出した。

 町で推進中の行政改革・新エネルギービジョン策定等と連携しながら、今後、そのシナリオをどのように具体化していくか、さらに議論を深め、実践していく場を求めていく。


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