滋賀報知新聞(ニュース)平成17年1月6日(木)13994号


ビジターからリピーターの時代へ

東近江・観光まちづくり

=地域のホスピタリティー 住民参加で「おもてなし」=



 (湖東・広域)
 今年二月、一市四町が合併し「東近江市」が誕生するが、個々の観光地が広域化の中に埋没してしまうのではないかという懸念を抱かせる。八日市・永源寺・五個荘・愛東・湖東の個性を失わないためにも、それぞれの観光地の将来像、つまり住民意思のコンセンサスづくりが重要になる。行政主導では自ずと限られた観光地にとどまり、地域の熱意を結集したコミュニティーの確立こそ、観光まちづくりの成功を導き出す。その仕掛けを行政が担い、息の長い取り組みが欠かせない。

魅力が いっぱい
 一般に馴染みの少ない「観光まちづくり」は、これまでの都市基盤や商店街、福祉、健康など、住民だけを見据えたまちづくりにとどまらず、交流人口や観光客、来訪者などを想定したまちづくりといえる。観光によるまちづくりは今や、まちづくりの新潮流と化した。

 まちづくりを担う国土交通省でさえ、十五年度に「観光まちづくり支援」を打ち出し、プログラム策定に推進補助を予算化した。観光に対する新しい分野の発掘に取り組み、ようやく地域への浸透とともに、少しずつ市民から理解を得る段階に差し掛かっている。

 観光まちづくりは、これまで観光地とはいえなかった地域に、観光客や交流人口を迎え入れることによって、地域振興・活性化が図れる。地域経済や産業振興からの視点だけでなく、観光客との交流や触れ合いによる心理的な効果も見逃せない。

 従来からの観光振興は、もはや観光事業者だけでは解決できず、地域としての“おもてなし”、つまり「地域のホスピタリティー(親切にもてなすこと)」にかかる。一般住民を含む取り組みこそ、観光まちづくりに求められている。

 東近江市の観光に欠かせないのは、住民参加と情報発信であろう。まちづくりに燃える人が出てくればくるほど、冷めている人も出てくる。その温度差を埋めるのが情報発信であり、地域を誇る住民主体の「組織づくり」にかかる。

 観光ルートの入口は、近江鉄道八日市駅、JR能登川駅、名神八日市インターに絞られ、これらに東近江観光を集約した拠点施設も必要になろう。各観光地の競い合いでは地域性が失われ、点を線で結ぶ観光ルート整備が不可欠だ。

 鈴鹿国定公園に端を発し琵琶湖まで、愛知川流域に包まれた東近江市には、豊富な観光資源が点在している。旧街道にみられる商店街の活性化だけでなく、新たに環境や福祉施設、先端技術を持つ工場視察など、地域ぐるみの観光まちづくりの時代に突入した。


メインメニュー|全 県| 湖東・湖北| 湖南・湖西| 中央政界特報| 社説
今週の運勢| お誕生・他| 今日の首長| 取締情報| リンク| E-Mail

TOP インデックスへ

人通り復活は「交流」から
八日市市の商店街・空き店鋪活用

ターゲットは高齢者・子ども・若者

=まもなく 拠点が相次いでオープン=


(湖東・八日市市)
 “市のまち”の顔でもある商店街に、行き交う人々の姿をとりもどそうと、八日市市内の商店街では、年明け早々、新しいプロジェクトが始まる。
 消費社会の急激な変化の中で、一軒、二軒とシャッターの下ろされた店が増え、しだいに活気を失ってきた商店街。かつての人通りを取り戻そうとあの手この手の対策が施されてきた。

 人を呼ぼうと開くイベントには、確かに人出はあり、ある程度のにぎわいもあるが、それは一過性のもので恒常性のものにはならないし、それなりの出費が必要となり、抜本的な解決策にはなっていないのが実情。  
人が行き交う商店街をめざし新事業がスタートする八日市大通り商店街

 市の「中心市街地商業等活性化基本計画」や市商工会議所の「中小小売商業高度化事業構想」に基づいて、各商店街振興会などと協議を重ね、空き店鋪対策のウェルカムショップ支援やまちかど博物館開設支援などが進められ、県や市の補助を受けながら、本町商店街ではアーケードやカラー舗装など、八日市大通り商店街では風物時代館など、ハード面での整備事業が行われてきた。

 今年度からは、それらのハードを生かしたソフト面での取り組みをスタートさせる。そのターゲットは、高齢者、子ども、若者。

 商店街に「ちょっといっぷくできる場所」を提供し、気軽に来てもらえる環境を整備するとともに、商店街自体が高齢者や障害者の福祉をはじめ、育児、教育の実践の場となることで、歩きながら対面型の買い物ができる商店街の利点を再認識し、人が集まり、それらの相乗効果により、滞留・回遊性のある、活気ある商店街の復活(まちづくり)へつなげようというもの。
本町商店街でのイベントでボランティアとして活躍した滋賀文化短大の学生(右の二人)

 その拠点となる施設が、両商店街でそれぞれ空き店鋪を活用して改修工事が進められ、近々オープンする。
 本町商店街は「高齢者・若者がふれあう交流サロン」を開設。高齢者の趣味の教室などが開かれるほか、滋賀文化短大ともタイアップして、高齢者や子どもたちと学生のふれあいの場にしてもらう。また、商店街内にある障害者が働く店やまちかど情報館とも連携することで、交流の機会や範囲を広げて行く。

 八日市大通り商店街の「高齢者・子供たちがふれあう交流サロン」は、託老・託児所を備え、住み慣れた地域の中で高齢者と子どもたちが活き活きと生活できる交流の場をめざす。高齢者介護NPOや介護保険事業所、建設中の文化交流施設「八日市大通り商店街風物時代館」とも連携を図りながら、地域づくりをすすめる。

 それぞれの商店街の取り組みが連動すれば、八日市駅から本町商店街、八日市大通り商店街を抜けて世界凧博物館八日市大凧会館までの人の流れができ、商店街の活性化が、地域の商業、福祉、教育の活性化、さらに観光ルート構想の現実化にもつながる。

 商店街に人が増えれば、そこに来る人たちのニーズも増える。そうなれば商店街にも新たなアクションが求められる。大きなイベントよりも、毎日のにぎわいや活気のある、魅力ある商店街の復活を、消費者や市民も期待している。


メインメニュー|全 県| 湖東・湖北| 湖南・湖西| 中央政界特報| 社説
今週の運勢| お誕生・他| 今日の首長| 取締情報| リンク| E-Mail

TOP インデックスへ

アンニョンハセヨから始めよう!

1300年前から続く交流

=今年は「日韓友情年」=

約3000人が参加して開催される韓国三大祭の一つ「百済文化祭」メインイベントの歴史文化行列。蒲生町は毎年、日野町は隔年で使節団を派遣している(大韓民国忠清南道扶餘郡で)

(湖東・蒲生郡)
 社会現象とまでなった韓流(ハンリュウ)ブーム。第一生命経済研究所がまとめたレポートによると、韓国ドラマ「冬のソナタ」の撮影地などへの旅行客が増え、昨年四月から十月までの七カ月間で、韓国の観光収入は二百九十九億円増加し、大きな経済波及効果をもたらしたという。今年は、日韓国交正常化四十周年にあたり、「日韓友情年二〇〇五〜進もう未来へ、一緒に世界へ〜」と位置付けられている。ブームに終わることなく新たな歴史の一歩を踏み出すためにも、日韓友情年を契機に、「アンニョンハセヨ(こんにちは)」から韓国との交流を始め、先人たちのように真の意味で心通わす時期にきているのではないだろうか。

 「日本書紀」には、天智天皇八年(六六九年)に百済国の男女七百人あまりを蒲生郡に遷居するという記載がある。

●姉妹都市提携15周年「日野町で韓国語教室」

昨年好評を博した日野町国際親善協会による「韓国語教室」
 日野町には、渡来してきた百済人の一人で、高い学識をかわれ大友皇子に学問を教えた鬼室集斯(キシツシュウシ)を祀る「鬼室神社」があり、百済復興運動を起こした百済の将軍で父・福信を祀る「恩山別神堂」のある韓国の恩山面(ウンザンメン)と平成二年に姉妹都市提携を結んだ。以来、中学生使節団の交流などが続けられており、恩山面を訪れた日野町民は子どもと大人合わせて二百八十人にのぼる。

 今年は、妹都市提携調印から十五年と節目の年を迎えることから、三月十三日に開催される日野町の「町村合併五十周年記念式典」に、恩山面から使節団を招き十五周年記念式典を催す予定。
 また、同町国際親善協会は、昨年に引き続き、初心者向け「韓国語教室」を十三日から五回連続講座として開く。参加費(五講座分)は二千円。定員は先着三十五人で、町外在住者の受講可。詳しくは、同役場町長公室(TEL52―6550)へ。

 さらに、NPO法人蒲生野考現倶楽部は、八月中旬に韓国の京畿道からやってくる市民環境グループの子ども たちと、同町鎌掛のしゃくなげ學校で交流する。

●蒲生町 石塔が結ぶ縁「国際交流公園」完成へ


三重石塔前で蒲生町と韓国の中学生が交流の思い出に記念撮影
 一方、蒲生町には、百済様式を顕著に表す日本最大最古の三重石塔「阿育王塔」(国指定重要文化財)がそびえ立つ石塔寺がある。

 この三重石塔を縁に、同じような形をした長蝦里(チャンハリ)三層石塔がある韓国の場岩面(チャンアムミョン)と、平成四年に姉妹都市提携を結んだ。

 その後、昭和初期で途切れていた「万塔祭」の復活や韓国との交流をテーマにチマチョゴリを着た女性のパレードもある「石塔フェスティバル」、中学生や一般住民を派遣する交流事業などを展開し、昨年までに同町の中学生・一般住民計三百人以上が韓国を訪れ、交流を深めた。

 同町では、地域に眠る歴史的遺産を少しでも多くの人に知ってもらい、観光振興と国際交流の拠点にと、平成十五年度から三カ年計画で「国際交流公園」を石塔寺周辺に整備している。総事業費は約一億六千万円。

 今年八月には完成予定で、屋根付きステージと観覧席が設けられた“おまつり広場”では、コインタイマーで照明・電気が使えるシステムが導入され、簡単な屋外コンサートなどにも活用できる。さらに、今年は韓国語講座の開講も予定している。
 


メインメニュー|全 県| 湖東・湖北| 湖南・湖西| 中央政界特報| 社説
今週の運勢| お誕生・他| 今日の首長| 取締情報| リンク| E-Mail

TOP インデックスへ

人がつながる「顔なじみの関係」

民間ボランティア組織の石黒稔さん

=介護や防災 共助し合う仕組みづくり=

母親の介護をきっかけに民間ボランティア組織である外出支援センター「ひの出」を立ち上げた石黒さん(日野町中在寺の事務所前で)
(湖東・日野町)
 介護保険制度の定着で、要介護者を抱える家族の負担は軽減されつつあるが、まだまだ完全支援とまではいかず、一家族で在宅介護を背負い切るには重たく、無理を重ねなくてはいけないのが現状だ。目が離せない介護生活に、介護する側のストレスや不安が増大することもある。そんな介護疲れを経験した日野町中在寺の石黒稔さん(69)は、介助を必要とする障害者や高齢者、また渾身の力を振り絞り介護に携わる家族を支援するボランティアの必要性を痛感し、介護支援だけに留まることなく、地域で人と人とがつながり共助し合う仕組みづくりに奔走している。

 鉄道会社で働いていた石黒さんは、母親の介護と空気のきれいな田舎暮らしに憧れて、早期退職し、十年前に大阪から日野町へ移り住んできた。
 介護に明け暮れ、自分の時間が持てないことへのいら立ち。ストレス発散と息抜き、そして何よりも寝たきりの母親を少しでも外へ連れ出そうと、石黒さんは一念発起して自動車の運転免許を取得。車椅子でしか外出できない母親を抱え込むようにして乗用車に乗せていたが、腰痛が出始めて限界を感じ、車椅子ごと乗車できる専用車を購入した。

 ときには日常生活から離れて外出を楽しみたいと思っているのは、介護する人だけでなく介護される人も同じこと。「近くのスーパーへ買い物に行ったり、外食した時の母の表情は家にいるときと明らかに違う」と感じた石黒さんは、周りを見渡し母親と同じように外出したくてもなかなか気軽に出掛けられない人の存在に気付いた。

 「ただ日野に暮らすのではなく、住んでいる地域の人たちと融和し、いろいろな人と出会いたい」と移住当初から思っていた石黒さんは、地域に溶け込む一手段として車椅子専用車両を生かした送迎ボランティアを始めた。

 平成十二年四月には、公共交通機関などでは移動困難な障害者や高齢者を対象に、目的地まで専用車を使って送迎する純民間ボランティア組織「外出支援センター『ひの出』」を設立、自宅に事務所(<CODE NUM=013E>53―3752)を構えた。

 現在、主に日野町在住の約三十人が会員登録しており、事前に外出時間を予約して病院への通院や買い物などを目的に送迎サービスを利用し、花見や紅葉狩りにも出掛け石黒さん自身も楽しんでいるという。

 「たった一言の『ありがとう』が喜びとなる」とボランティアの醍醐味を語る石黒さんは、会員登録や送迎サービスに対する料金は一切受け取らない。しかし、中には心付てを差し出す利用者もいることから、より気兼ねなく利用してもらおうと、日野商人にあやかり地域通貨「ひのてんびん」を導入した。

 利用者は、会員登録時に目的地や利用頻度に合わせて地域通貨を無料で発行してもらい、町内送迎の場合五ひのてんびん、町外送迎の場合十ひのてんびんといったようにサービスに対して手渡す。

 送迎以外にも、石黒さんが立ち上げたボランティア組織の「日野ささえ愛支援室」(日常生活で困った事を解決)や「パソコンサロンささえ愛」などのサービスと交換できる。

 また、「ケアする人のケアが必要だ」として日野在宅介護家族会「虹の会」を発足し、介護する者同士が集まり毎日の介護で疲れた体と心を癒す場も設けている。

災害弱者の救援
ボランティアのネットワーク化を!!


 石黒さんのボランティア活動の根幹には、母親の介護経験のほかに、阪神淡路大震災で救援活動に加わった経験がある。のちに“ボランティア元年”とも言われた阪神淡路大震災の被災地を目の当りにし、「円滑な救援活動を行うためには、異なる立場の各種ボランティア団体が普段から情報交換し、緩やかなつながりを保っておくことが必要だ」と痛感した。

 送迎サービスを通じて出会った障害者や一人暮らしの高齢者らは、震災時には救援が必要な災害弱者となる。そこで、昨年一月に「近江日野防災・災害時支援ボランティアネットワーク」を発足した。まずは、個々の防災意識の向上を目指して防火や家屋の耐震度チェックリストを作り啓発活動を展開し、災害時の情報交換・連携の拠点機能としての役割が果たせるようにと、ボランティアグループのネットワーク化にも取り組んでいる。

 「顔なじみの関係づくり」をキーワードに掲げる石黒さん。地道なボランティア活動が、地域の福祉力向上や危機管理体制の在り方に一つの解決策を示している。


メインメニュー|全 県| 湖東・湖北| 湖南・湖西| 中央政界特報| 社説
今週の運勢| お誕生・他| 今日の首長| 取締情報| リンク| E-Mail

TOP インデックスへ

完成まで100万時間に

「熱き心」を注ぐ

=新近江八幡市民病院移転工事事務所長・平澤氏が語る=

(湖東・近江八幡市)
 PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)の手法を導入した近江八幡市民病院の新築移転工事が、同市土田町地先で昨年9月から進められている。設計段階から取り組まれた本格的な病院PFI事業で、民間の経営能力や技術、資金を活用した新しい姿の地方自治自治体病院が2年後に姿を現す。その取り組みが全国的にも注目されている現場で陣頭指揮を執る大林組・市民病院工事事務所長・平澤要氏(57)にどんな手法を用いて新病院を建設しようとしているのか聞いた。
平澤 要氏(57)のプロフィール
 神戸大学工学部建築学科卒、1級建築士、'69年大林組入社、本店理事。'96年済生会吹田病院新築工事所長・'97年NHK大阪放送会館・大阪市立博物館建設工事所長など務める



●全国で初の本格的病院PFIによる地方自治体病院になるが、どんな病院建物に仕上げたいか

 これまでの建物は、仕様発注だったのが、PFIによって性能発注に変わりました。今後30年間の管理運営を念頭に置いた特別な設計をされたものになっています。PFIでは、施設とその機能がベストの状態で管理運営できることが大きなテーマになります。設計に当たり、医療スタッフとは150回余りの協議の場を持ち、要求性能の実現をめざして来ました。近江八幡ならではのものを創出し、緑に囲まれた丘の上に建つ医療施設として満足してもらえる一級のものを目指します。

●PFIということでこれまでの工事内容と変わることがあるか

 PFIの案件は、当社でもまだレアケースですが、これからはライフサイクルコストを要求したロングスパンのイメージを描きながらの建設になります。構造自体は、100年建築ですが、医療技術の進歩、社会情勢、医療行政施策等によって進化する設備については、すぐに対応できる設計が当初から組み込まれています。例えば、将来予想される全室個室化や診療室の高機能化、最新医療機器の更新などにも臨機応変に対応する考えなどです。これにはバランスのいい構造計画が重要です。そのため、鉄筋コンクリートの耐久性を従来のものより高め、長寿命化を図っています。施設の大規模改修に備えた構想がすでに用意されています。当社のISO9000シリーズや14000シリーズに適応した施工体系で施工の標準化を図っていきます。
新市民病院完成予想図
(合成写真)

●建設するにあたり、作業的に困難な現場環境や技術的に難しい事があるか

 これまでの経験から見て施工困難な工事ではないが、我が国で初めての設計段階からの本格的なPFIであることから工事に関わる者、全員が学びなから、そして検証を加えながら進めることになります。工事運営、設計、施工の各スタッフが協議を重ねながら完成を目指すことになります。全員、意欲に燃えてます。

●建設の行程や作業を進めるに当たっての工夫や配慮していることはあるか

 着工を前に、工事によって周辺に及ぼす影響を重視して環境影響調査の手法を取り入れました。振動、騒音、悪臭、交通安全、電波障害など考えられる影響について予想評価し、その要因を事前に分析して対策をとる方法です。例えば、今回の工事では、掘削土が約2万6千立米発生しますが、敷地外に持ち出さず、全部敷地内で再利用することや、工区内の仮設道路を舗装し、土埃が立たない防止策などを施しています。

●完成までに延べ何人の作業員が建設作業に関わるのか

 従来と比べて基本的に大きくは変わりませんが、事前調査作業を含めると前段階に十分時間をかけています。現在の作業員は1日50人ほどですが、3月以降は400〜500人に増えます。完成までの延べ労働時間は100万時間を予想しています。1人8時間労働として延べ12万5千人の作業員が必要になります。近江八幡市民のおよそ2倍の人手をかけてできあがるわけです。

●工事完成を予定通りに遂行するためにどんな作業手順や工程の組立て方をしているのか。

 約1万枚の生産設計図を着実に遂行していくために全体工程表をつくっています。例えば、外装タイルの色はいつ頃決めたらいいか、主要設備をいつ発注すればいいか、などです。その決定に当たっては、必要な場合は実物模型をつくって検討を加えることになります。また、病室のモデルルームもつくり、公開もしていきます。こうした前段階の準備を整えて施行計画を作成し、これを現場のハード工程に移していきます。3ヶ月、1ヶ月、週間の各工程表を基にした日割り工程に沿って現場作業を進めています。日割り工程には、翌日の作業計画も加え、確認と検証を進めていきます。この作業に沿って、日々修練を重ね、資材の調達、専門会社への工事依頼などを遅滞なく進めていきます。場合によっては、横断的に作業を前倒しする場合もありますから作業の進捗状況を分析するハイレベルのノウハウや豊富な経験が必要になります。

●現場の最高責任者として何が重要か

 これは、非常に重要なウェイトを占めます。30年間責任持って管理運営する性能発注の性質をよく見極め、責任と権限を明確にし、熱意を持って前向きに取り組んでいく姿勢が最も大事です。当初の目標をゴールとせず、通過点としてとらえ、さらに高い目標を目指せるリーダーシップが求められます。病院建設は、業界の中でも難しい分野です。現場のスタッフのほとんどは病院建設の経験者です。豊富な知識、高い能力の人材を集めました。全国的にも注目される中で、PFI事業の1つの回答を出す責任あるプロジェクトでもあります。PFIに理解が得られるモデルとなる成果が生み出せるよう、熱き心を持って取り組みたい。

(聞き手・畑 多喜男)


メインメニュー|全 県| 湖東・湖北| 湖南・湖西| 中央政界特報| 社説
今週の運勢| お誕生・他| 今日の首長| 取締情報| リンク| E-Mail

TOP インデックスへ