滋賀報知新聞(ニュース)平成17年1月20日(木)第14006号


県、来年度は暫定予算!?

累積債務1000億円の造林公社

火花散る下流府県との協議
=近く農林公庫にもアプローチ=

▲琵琶湖にとって重要な役割を果たしている森林整備
(全 県)
 国の三位一体改革に伴って、県は来年度から三年間で総額千三百四十億円の財源不足が予想され、十四日に発表された県の来年度当初予算の見積もり要求額も、一般会計が総額五千百二十四億九千二百万円(今年度当初比五・九%減)と過去最高の減額率になった。こんな中、県の外郭団体の財団法人びわ湖造林公社(西堀末治理事長)と県や下流府県が経営している社団法人県造林公社(国松善次理事長)の累積債務は、平成十五年度決算で約一千億円に上っている。また、この利息がばかにならず、毎年二十億円が累積債務として上乗せされているのだ。 【石川政実】

 「大阪府は、滋賀県造林公社向け貸付金を執行せず」と報じた七日の経済紙を目にした県職員は、凍りついていた。そして国松知事が十七日の定例記者会見で「そのようなことは正式には聞いていない」と否定する事態にまで発展した。

 県造林公社は、設立された昭和四十年から四十七年度まで、七千ヘクタールを植栽している。同公社は、滋賀県を始め、大阪府、大阪市、兵庫県と同県内四市町村、阪神水道企業団が社員として経営に参画。滋賀県や下流府県が人件費などの管理費、事業費、償還資金のために、毎年、貸し付けを行っている。一方、びわ湖造林公社は、琵琶湖総合開発の関係で、同四十八年に設立され、平成元年までに一万二千ヘクタールを植栽。事業費などは、滋賀県、農林漁業金融公庫からの貸付金で全額まかなわれている。

 両公社の十五年度累積債務(一千億円)の内訳は、県造林公社が▽農林公庫百八億円▽県五十八億円▽大阪府三十五億円▽大阪市三十五億円▽兵庫県など六団体十七億円▽未払い利息八十五億円(県二十二億円、大阪府二十五億二千万円、大阪市二十五億二千万円、兵庫県など六団体十二億三千万円)ーの計三百三十八億円。びわ湖造林公社が▽農林公庫三百三十八億円▽県二百八十七億円▽滋賀県に対する未払い利息三十九億円ーの計六百六十四億円。滋賀県への累積債務は、約四百七億円にのぼる。

 両公社の当初計画では、借入金返済は植林伐採による販売収入を見込んでいた。しかし木材価格の下落や、七十〜八十年生の木材が主流で今後三十年間は伐採できないなどの理由から、返済は手つかずのままだ。下流府県では、返済のメドが立つまで、今年度の貸付金の執行を止めている。

 このため両公社と県は、貸付金の利息の引き下げや元金償還時期の延期など、“新しい償還方法”について、昨年十一月から大阪府など下流府県の担当者(課長クラス)と協議を重ね、今月七日、十三日にも大津市内で話し合いを行っている。しかし調整に時間がかかれば、下流府県は今年度の貸付金の執行を当分ストップする最悪の事態も予想される。この場合、両公社は銀行などから短期のつなぎ資金を借りて、当面、乗り切るより手はなさそうだ。さらに県も、来年度当初予算見積もり要求に公社分を見込んでいない。

 国松知事は「現在、下流府県と検討中であり、解決策が出てから具体的に予算を組みたい」としており、来年度予算には公社の管理費や事業費(約四億円見当)だけを暫定予算として計上する可能性も。また両公社や県では、近く農林公庫と協議に入るものと見られ、正念場を迎えそうだ。


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遅れる旧甲西、進む旧石部

学校の耐震化に地域差

=湖南市=

(湖南・湖南市)
 琵琶湖西岸断層帯地震や東南海・南海地震の発生の可能性が指摘されるなか、湖南市の旧甲西町域では公立学校施設の耐震化が、財政的な理由で遅れている。
全国的にみて高い確率で発生するとされる琵琶湖西岸断層帯地震では、同市は震度7(県調査)が予測されている。児童・生徒の安全確保だけでなく、災害時には住民の避難所となる学校の優先的な耐震対策が求められている。

財政難でめど立たず


 補強や改築などで耐震化が必要な施設は、国の耐震基準が強化される昭和五十六年以前のもの。同市教育委員会によると、旧甲西町域で旧基準で建てられたのは市内一園十校のうち、▽甲西中▽岩根小▽下田小▽三雲小▽水戸小▽菩提寺小▽菩提寺幼稚園│の一園六校。

 このなかで新基準なみに耐震化されたのは、岩根小南棟、三雲小の特別教室棟と南棟にとどまっている。耐震診断を実施したが、工事の着工時期が決まっていないのは、甲西中南棟と下田小北棟。このほかの学校施設については、財政的な理由で計画は今だ策定されていない。

 一方、旧石部町域で旧基準で建設された学校は、二園三校のうち▽石部中▽石部南小▽石部小▽石部幼稚園│の一園三校。このうち、石部幼稚園は平成十年に改築、石部中は三月中には耐震工事が終わり、石部南小は新年度中には耐震診断の結果が出る。石部小については耐震診断の計画は未定としている。

 同市の旧甲西町域の学校施設の耐震化が、旧石部町域と比べて遅れているのは、校舎数が多いうえ、校舎一棟の耐震診断だけでも数百万円、補強・改築となると数千万〜数億円の工事費がかかるのが、財政的に大きな負担になっているためだ。

 同市は、今春から策定を進めるまちづくりの総合計画のなかで、学校の耐震化を優先的に盛り込みたいとしている。


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近畿の市民が栗東に結集

「RD処分場の有害物から飲み水を守る会」設立

=22日、中央公民館でつどい=

(湖南・栗東町)
 「RD処分場の有害物から飲み水を守る会」の設立会が、二十二日午後一時半から栗東市中央公民館で開催される。同会は地下水汚染から飲み水を守ろうと、県内だけでなく、京阪神地域の市民も参加する広域的な市民団体。

 RDエンジニアリング社の産廃処分場(栗東市小野)からは、発ガン性や胎児への影響が懸念されている環境基準十四倍のダイオキシン、六倍の水銀が検出されている。現地では昨年十一月から改善工事が実施されているものの、市民の不安はぬぐいきれない。

 栗東市の飲み水の七割は地下水で、同時に琵琶湖に有害物が流入すれば近畿一円の飲み水の汚染にもつながる。

 同会は要望として、栗東市に対して「水道浄化処理を応急処置として早急に有害物をできるだけ除去できる高度な浄化処理にする」、県には「RD処分場の有害物の除去または無害化処理を図ること」│を挙げる。

 設立の集いでは、子どもから大人まで楽しめる演奏会のあと、村上廣造代表(近畿水問題合同研究会事務局長)が「栗東の地下水汚染は、日本一!飲み水の浄化処理は、これで大丈夫か?」をテーマに講演する。

 問い合わせは設立準備会の高谷順子氏(電話077-552-9192)へ。


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無形文化財に鋳金の西澤さん

父に次いで2人目、継承と復元活動

文化財指定は萬松園など3件
=五個荘町=

▲五個荘町の町無形文化財となった西澤吉太郎さん
(湖東・五個荘町)
 五個荘町は、同町三俣の梵鐘鋳金技術保持者・西澤吉太郎さん(74)を町無形文化財に指定したほか、明治初期に建てられた同町北町屋の萬松園(旧市田庄兵衛家住宅)と、江戸時代中期の龍田神社拝殿および五箇神社本殿を町文化財に指定した。これで、町無形文化財指定は二人目、文化財指定は計三十件となった。

 西澤さんは昭和五年生まれ。江戸後期から代々鋳金業を営む西澤家には、鋳物師職の継承を承認した慶応二年の「真継家文書」が保管されており、父の二代目吉太郎氏も昭和五十六年に県の無形文化財に指定された。二代目没後に吉太郎を襲名し、伝統的な三俣梵鐘鋳金技術を保持するとともに、古代の梵鐘を調査して「古代型」「平安型」を復元。鋳造した梵鐘は、奈良の元興寺や四国霊場寺院など全国の名刹・古刹寺院に納められ、国内はもとより海外にも広がる。これら鋳金技術の継承と向上に努めていることなどが評価された。

 萬松園は、旧中山道に沿う宿間の北町屋にあり、江戸時代中期から京都、大阪で呉服商を営んでいた近江商人・市田庄兵衛の本宅で、現存する主家、蔵、庭の建設・造園は十二代市田伴松(文政八年〜明治三十六年)が行った。

 明治十一年に築かれた母屋は京町家風の木造二階建て、広がる回遊式庭園(百八十三平方メートル)の素晴らしさから、地元では庭園名の「萬松園」と呼び親しまれており、外観の美しさや伝統的な間取り・構造・意匠を保持するほか、街道沿いの町屋の典型例として価値が高い、と評価した。

 五箇神社は、八幡神のほかに二社殿があったと伝えられるが、天正年間(一五七三〜九二)に兵火で焼失し、文禄四年(一五九五)に本殿を一棟として合祀された。現存する本殿・拝殿はいずれも天保十年(一八三九)の建物で、軒唐破風を付けた前室付き三間社流造は躍動感にあふれ、妻飾りや腰組など装飾の多い外観となっている。棟梁は宮荘の北村総兵衛、脇棟梁は名古屋を拠点とした伊藤平左衛門の名があり、本殿の華やかさは、名古屋での様式と伊藤家代々の作風を取り入れた結果と見られ、江戸時代末期を代表する建物として指定した。

 龍田神社は、明治十二年(一八七九)に市田村と位田村が合併した際に、市田村の大郡神社を位田村の六正神社に合祀し、龍田神社としたもので、あっさりとした入母屋造りだが、蟇股を配して支輪を立ち上げるなど仏堂の手法をふんだんに取り入れており、建立は、絵様・意匠から江戸時代末期のものと見られる。さらに、江戸中期の拝殿は手の込んだ格調高い本格的な建物で、各柱には唐獅子の木鼻、四方の縁には縁飾りを配するなど、近江商人の経済的な豊かさを示し、同地域における江戸時代中期から末期の建物として保存していく。


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元気な女性たち 夢をかたちに!

蒲生町商工会館に「特産品開発室」完成

=地域活性化の一翼担う特産品づくり=

▲薄いピンク色を基調に広々とした「特産品開発室」で今年初のあかねちゃんあられ作りにてきぱきとした動きで取り組む女性部員ら
(湖東・蒲生町)
 昭和四十九年の竣工以来、三十年近くが経過し老朽化による建物の損傷が進んでいたことから、改修に取り掛かっていた蒲生町商工会館の工事が昨年末に終了した。この改修工事の目玉は、一階の役員会議室を改装し、新たに設けた「特産品開発室」。蒲生町商工会女性部(大澤洋子部長、約百六十人)待望の特産品を生み出す菓子製造拠点が整った。

●オーブン付き調理台や
 業務用もちつき機設置

 重量鉄骨ALC板二階建の同町商工会館(建物延べ床面積六百三十平方メートル)では、玄関ドアやトイレ、会議室の改修のほか、事務室の内装工事などを、平成十四年度から取り掛かった。総事業費は約四千五百万円。

 中でも、新たに設けられた「特産品開発室」には、オーブン付き調理台や業務用のもちつき機七台、回転釜がすでに取り付けられており、冷蔵庫も配置される。
 薄いピンク色を基調に清潔感あふれる真新しい特産品開発室で、十三日から特産品の一つ「あかねちゃんあられ」の製造を女性部員が始めた。

●地域の特性生かした
 「あかねちゃんあられ」

 同町商工会女性部は、平成九年頃から米の生産が活発な地域性を生かし、もち米を使ったあられの特産品づくりをスタート。幾度の失敗と試行錯誤を重ね、ようやくあられの商品化にこぎつける段階まで到達し、平成十五年四月に女性部の中にあられ製造を中心に担う「あかねの会」を立ち上げた。

 大澤部長は、「公の場に女性部が考えた特産品を出すという機会が与えられたのをきっかけに、女性部員たちの間で『やってみよう』と思い切って一歩を踏み出し、ここまで続けてきた。ちょっとしたきっかけでやる気は湧いてくる」と歩んできた約八年間を振り返る。

▲素材の色や味、香りを十分に引き出すよう湯気立つもち米を混ぜる女性部員ら
 これまで女性部員は、既存の商工会館に調理室が無かったため、会議室の一室を活用して、あられ作りを行ってきた。流し台もなく部屋を出たり入ったりしながら作業を進め、あられの生地を寝かすにも近隣の精肉店の冷蔵庫を借りるなど、苦労の連続だったという。また、冷蔵庫付きの調理室が整っていないことで、保健所の許可を得ることができず、販売も町内で開催されるイベントなどに限定されていた。

 「特産品作りの拠点となる場所ができればとの夢を持っていた。女性部員が積み重ねてきたことが認められ、飛び上がるほど嬉しい。みんなでがんばってきてよかったとつくづく感じている」。大澤部長をはじめ女性部員らは、特産品開発室の設置に力を尽くした関係者への感謝の気持ちも忘れてはいない。
 ピンク色のそろいのエプロンを付けた女性部員らは、「わざわざ外にいかなくてもいいねんな」と特産品開発室での今年初の作業に目を輝かせた。広くて使い勝手が良くなったことで、女性部員らは互いに声を掛け合い役割分担しながら、より一層てきぱきとした動きであられ作りに没頭していた。

 女性部員が材料の配分と手順を独自に編み出し生まれた「あかねちゃんあられ」(一袋二百五十円)は、ユズやヨモギ、ミョウガ、エビ、ショウガ、シソ、ゴマの七種類の味が一袋に詰まっており、地元でとれた食材の自然な色や味、香りがそのままに残っている。サクッとした軽い歯触りで、手作りの素朴な味はどこか懐かしさをも感じさせ、子どもから高齢者まで幅広い年代層に人気がある。

●今年度中に保健所の許可を
 販路の開拓に乗り出す

 昨年は、一年間で約二千袋を生産し、蒲生町の特産品としての定着化を図ってきた。今年は、定期的に生産できるため、無理なく続けられるよう一千袋多い三千袋を生産目標に掲げる。さらに、今年度中には、冷蔵庫を取り付けて保健所の許可申請を行う予定で、個々の商店やインターネットでの販売なども含め販路の開拓に乗り出す。

 チームワーク抜群の女性部員らは、あられ販売で収益を上げることを第一目標にしているわけではない。休憩時のおしゃべりしながらのお茶も楽しみの一つに、特産品づくりを通して知恵を出し、互いにつながり合いながら夢を現実のものにしていく過程にいきがいを感じている。

 「あられ作りを通して、メンバー間の個々の商売でもつながっていきたい」と語る大澤部長。蒲生町の大地で育まれた素材を使ったユズケーキやサツマイモパイなど、開発意欲が増しどんどんと溢れ出るアイデアを女性部員らは、新たな特産品として形にしていく。 

 


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