滋賀報知新聞(ニュース)平成17年10月20日(木)第14238号


録音データ消去で深まる疑惑

県教委の教科書採択会議録

ずさんな管理浮き彫り
=委員は“名無しの権兵衛”=

▲8月22日の会議録
(全 県)
 来年度から県立河瀬(彦根市)、守山(守山市)、水口東(甲賀市)の中高一貫の三中学校でどの教科書を採択するかを協議した県教育委員会の会議録の録音テープが早々と消去されており、会議録も発言者名が記されていないため、決定に至った経緯が読み取れないことが分かった。県教育委員会学校教育課の河原恵参事は「会議録についてはこの方法をずっと続けており、どこが悪い」と開き直るが、情報公開を行った市民団体の市民運動ネットワーク滋賀事務局長の池田進氏は「教科書採択が注目を集めているのに、録音テープ(データ)が消去されたのは信じられない」とし、県に対し近く情報公開の不服申し立てをする意向を明らかにした。

 ●「学校の特色」のレトリック
 教科書の採択について、県教育委員会は八月二日、九日、二十二日に委員六人で協議し、二十六日に教員や学識経験者でつくる教科用図書選定審議会に諮問。答申を受けた教育委員会が三十一日に最終決定した。

 会議録によると、八月二日の教育委員会で河瀬中校長が東京書籍、九日の教育委員会で守山中校長も東京書籍を推したが、複数の委員が「新しい歴史教科書をつくる会」が中心になって編集した扶桑社版を薦めた。二十二日の臨時委員会では、同二校については扶桑社と東京書籍に絞って協議したが、委員の意見は二分され、議論はこう着した。このため高橋啓子委員長が、採択の観点を「各校の特色に絞って議論を」と提案した結果、社会学習を実践する守山中は東京書籍、地域学習の河瀬中は扶桑社が選ばれた。

 ●慣例と開き直り
 池田氏は九月二十一日、会議録およびテープなどの情報公開請求を行ったところ、議事録の作成を担当した教育委員会総務課・菱田敏一主任主事は「教育委員会が四回開かれたが、備忘のため自らの判断によりICレコーダーで録音した。テープ起こしが終わるとただちにデータを消去し、次の委員会の録音に用いた。もはや録音したものは残っていない。このようなやり方は、教育委員会の慣例だ」と弁明するばかり。

 さらに議事録は、だれがしゃべったかが明らかにされず、ただ委員とだけ記されており、河瀬中に関して本当に高橋委員長の提案で、全委員が合意に達したのか、発言録からはうかがい知れない。

 池田氏は「高橋委員長がどのような形で、決定をまとめたかについての発言記録がなく(ただ扶桑社と確認したと記しているだけであり)ICレコーダーも消去されたという。その上、委員会は非公開。これでは事実の裏づけなど、できるはずがない」と憤り、近く情報公開の不服申し立てをするとしている。 

  《取材メモ》
 「議事録のどこがおかしい。こんなにきちんと記録してあるのに。委員名がなくても読めばわかるはずだ!」とおっしゃるのは、学校教育課の河原参事。でも教育委員会の“常識”は、世間の“非常識”になることもありますよ。歴史家の司馬遷がどのように記録の正確さにこだわって「史記」を書いたのか、教育委員会の皆さんなら、ご存知のはずでしょうに。

【石川政実】


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國松知事が新刊出版

「対論 自治改革」

=地域主権への挑戦=

(全 県)
國松善次知事の新刊図書が発刊された。「対論 自治改革」(時事通信社・発売)で、政治家の評伝など多数の著作がある作家、塩田潮氏との共著。「地域主権への挑戦と実験」とサブタイトルの付いたこの本は三部構成となっている。

 第一部は塩田氏が知事にインタビューする「滋賀県政の現在と未来」。財政構造改革や公共事業のあり方、減災の取組やNPOとの協働の必要性などを語っている。

 第二部は知事と塩田氏が議論を交わす「対論・地域主権と地方分権」で、三位一体改革や地域主権、県庁改革など幅広い議論が展開されている。

 第三部は「わたしのあゆみ」。戦争遺児としての生い立ちから知事に就任するまでの歩みが、知事自身の筆で描かれている。

 発刊にあたって國松知事は「戦後六十年という節目に地方自治の形が大きく変わろうとしている中で、地域経営に責任を持つ立場にある者として、現場の視点からの考えをまとめた。幅広い議論の材料になることを期待している」と述べている。


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県立近代美術館で開催中

企画展「山岡コレクション」

=ペア10組に入場券プレゼント=

▲青木繁「二人の少女」
(湖西・大津市)
 県立近代美術館(大津市瀬田南大萱町)の企画展「近代日本洋画への道−山岡コレクションを中心に−」が、十一月十三日まで開催されている。同展は、笠間日動美術館(茨城県笠間市)所蔵の山岡コレクションを中心に、黎明期の日本洋画を回顧するもの。

 山岡コレクションは、高月町出身で山岡発動機工作所(現・ヤンマーディーゼル)を創業した故山岡孫吉氏(明治二十一年│昭和三十七年)が収集した日本洋画の一大コレクション。同氏は、とくに明治時代の洋画に強い関心を持ち、優れたコレクションを形成した。

 展覧会では、日本の近代美術を考えるのに最も重要な、江戸後期の洋風画や洋風版画、さらに山岡コレクション中で最も注目される明治時代の日本洋画の名作百二十点を展示し公開する。

 なかでも、高橋由一の「本牧海岸」「鮭図」をはじめ、百武兼行「ブルガリアの女」、五姓田義松の「人形の着物」、岡精一「捜索」から、小山正太郎・和田英作そして青木繁などの作品が注目されている。

 観覧料は一般九百円、高大生六百五十円、小中生四百五十円。問い合わせは同美術館(077−543−2111)へ。

 なお、滋賀報知新聞社は、ペア十組に入場券をプレゼントします。希望者は、下記メールフォームに郵便番号、住所、氏名、本紙への批評を記入し、10月27日までに。ハガキか(〒520-0051大津市梅林一丁目三-二五、滋賀報知新聞社大津本社)ファックス(077-527-1113)でも可。なお、当選発表は入場券の発送をもって代えさせていただきます。

読者プレゼント用メールフォームへ

 締め切りは平成17年10月27日到着分まで。


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チャリティーコンサート

「紙ふうせん」公演

=きらら作業所の充実へ=

(湖南・草津市)
 フォークデュオ「紙ふうせん」のチャリティーコンサート(滋賀報知新聞社後援)が、三十日午後二時から草津文芸会館で開催される。代表曲「翼をください」など披露する。収益は、きらら共同作業所(草津市)の施設充実に役立てられる。

 入場は大人三千五百円(当日四千円)、中学生以下・障害者二千五百円(当日三千円)。チケット購入は、同作業所の青地グループ(電話077-565-8480)、西矢倉グループ(電話077-565-6505)へ。


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住民・児童の参画による協働事業で

セミナリヨ風の木造体育館が完成

=安土小 30日には記念イベントも=

▲木の香が広がる体育館内部
(湖東・近江八幡市)
 住民参画による改築工事が進められてきた安土町立安土小学校(常楽寺、全校児童五百一人)の体育館がこのほど完成し、児童、教諭、PTA、行政、地域、工事関係者らが、完成を祝った。隣接のプールも今夏すでに完成しており、併せてしゅん工式を開いた。

 完成した体育館は、木造平屋建ての延床面積一千二百八十一平方メートル。日本初の神学校として安土に建てられたセミナリヨのイメージに、和風の要素も取り入れ、潤いと温もりと安らぎを感じられる木造にこだわった。柱など接合部にサミットHR工法を採用することで、従来の木造体育館よりも重圧感のない、開放感に満ちた明るい施設に仕上がった。総事業費四億二千六十五万円。

 前体育館が昭和四十六年建築で老朽化し、耐震性も確保するため、移転を含めた激しい論議を経て、平成十五年十一月に改築を決定。翌年一月に行政、学校、保護者、地域住民、工事関係者、専門家による整備委員会が立ち上げられ、「一緒に考え協働で創りあげる」という認識のもとで、設計から完成まで延べ七十回を超える協議が続けられ、整備が進められた。
▲セミナリヨの面影を残す外観

 その結果、プールとの一体構造、市民の活用に配慮した交流ホール、広い軒とウッドデッキが敷き詰められた回廊、災害時の避難および防災・復旧拠点、太陽光発電によるエネルギー確保など、単なる体育館としての機能だけにとどまらない、数々のアイデアが盛り込まれた。

 さらに、ステージ壁面のステンドグラス、外壁の粘土板モニュメント、子どもたちが取り組んだ手すきのヨシ紙に教諭の筆による室名札、プールサイドのデザイン画、トイレの手洗い場のタイルデザインなど、随所に児童の作品が盛り込まれている。

 しゅん工式では出席者から、協働事業の成果、工事期間中の授業や行事の苦労などについても触れられ、「しゅん工は新たな出発」と、活用方法など、みんなで“創る”体育館への期待が、また、児童代表の六年生の田井中杏奈さんから「たくさんの人たちの思いが込められている体育館を、大切に使っていきます」とお礼のことばが、それぞれ述べられた。

 工事の様子を教室から見守り、完成を待ちに待っていた児童は、体育館に一歩足を踏み入れた途端に「うわー」と歓声を上げ、目を大きくして体育館中を見回し、大喜び。式典後には、体育館やプールに関する○×クイズで、喜びを実感した。

 同校では、アテネオリンピック柔道六十六キロ級金メダリストの内柴正人選手を招いて、しゅん工記念イベントを三十日午後一時から新体育館で開催する。

 


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