滋賀報知新聞(ニュース)平成17年11月29日(火)第14272号

◆湖東・日野◆
「裁判をやり直し無実晴らして」
日野町豊田の酒屋女店主殺害事件
弁護団新証拠で自白の信用性揺るがす
=再審請求 来年3月めどに大津地裁が結論=

◆湖東・蒲生◆
内閣府の善行青少年表彰
朝桜中学校福祉会が受賞
=29日 東京で表彰式=


◆湖東・東近江◆
細井さん 思い出の品を寄贈
八日市飛行場最後の特攻隊員
建設計画の「平和祈念館へ」と
=血染めの鉢巻き「必勝」など20点=


◆湖東・能登川◆
人と火のかかわり紹介
能登川埋文の企画展
=国内最古級の土器など70点=


◆湖東・能登川◆
モノやお金の大切さ学ぶ
各学年の公開授業
=能登川北小 2年間の成果発表=


「裁判をやり直し無実晴らして」

日野町豊田の酒屋女店主殺害事件

弁護団新証拠で自白の信用性揺るがす
=再審請求 来年3月めどに大津地裁が結論=

▲新証拠として提出したひもの結び方を再現する弁護団ら
◆湖東・日野◆
 「私は殺していない。警察から暴力を受け認めたら早く出られると言われ、うその自白をした。裁判をやり直して私の無実を晴らし、家族と暮らせるようにしてください」。日野町豊田で昭和五十九年、酒類販売店主・池元はつさん(当時69)を殺害し現金約五万円と手提金庫などを強取したとして、強盗殺人罪で無期懲役が確定し、広島県の尾道刑務支所に収監されている阪原弘受刑者(70)が獄中からえん罪を訴え続けている。今月十七日には、大津地方裁判所で再審請求審(非公開)が行われ、進行協議の中で裁判官が来年三月をめどに結論を出す意向を示したという。開かずの扉の行方に注目が集まる。

 再審請求審の進行協議後に会見した弁護団によると、最も重要な論点である殺害方法について、弁護団の依頼を受け鑑定した大阪府監察医事務所監察医・河野朗久医師の再尋問が実施されたという。

 河野医師は、平成十三年十一月に「被害者の死因はやく殺(手で首を絞め殺す)ではなく絞殺(ひも状のもので絞め殺す)」とする鑑定結果をまとめ、弁護団はその鑑定書を新証拠の一つとして大津地裁に提出し再審請求を行った。

 その後、大津地裁選定の鑑定人・池田典昭九州大学大学院教授が、自白調書にある「被害者が座っているところを右斜め後方から中腰で、両手で首を絞め殺した」との殺害方法と自らの鑑定結果が整合しない考えを示した。河野・池田両鑑定ともに自白調書と遺体から推認できる殺害方法との矛盾を指摘している。

 また、昨年十一月には、有罪判決を確定付けた唯一の物証で、物色行為を裏付ける指紋鑑定結果の誤りを当時の指紋鑑定官が認めた。店内の座り机の引き出しに入れてあった丸鏡に付着していた指紋が阪原受刑者の指紋と合致したとし、一審で証人として出廷した県警職員が、弁護団の提出した鑑定書を見て「当時の判断は誤りだった」と証言、有罪判決の根拠の一つが大きく揺らいだ。

 自白と客観的事実との食い違いを新証拠で立証しようとしている弁護団。今回、遺体の両手首に巻かれていたひもの結び方に関して、実況見聞と阪原受刑者の自白に基づく再現いずれの方法でも保管されている証拠のような状態にはならないことを、実験結果報告書にまとめ新証拠として提出した。

 一審では、結び目がなく折り返しがあるという点だけに着目し、阪原受刑者が肉屋に務めていた経験を踏まえ「肉屋の結び方によく似ている」との判断が下されたという。しかし、弁護団は、実験結果を基に「誰でもできる結び方で、肉屋の結び方に特定するには無理がある」と、犯行を裏付ける証拠の矛盾を突く。

 さらに、当時阪原受刑者の精神鑑定を行った大学教授の一審判決は鑑定書を正しく理解していないとする旨の意見書と、公判時のやり取りから供述能力を判定する供述心理学者による意見書の二つを提出し、自白の信用性を否定した。

 平成十三年の再審請求から四年が経過し、犯行動機の不合理性やテレビ取材に対して知人が阪原受刑者のアリバイを認めたこと、金庫の部品・通帳など所在不明のままである現実など、弁護団は「確定判決は弱く矛盾をはらんでいる」とし、「殺害方法や鏡の指紋、ひもといったように物証について解明を済ませ、自白調書と大きく異なることを立証できた。これだけの新証拠があれば、再審決定へ到達するはずだ。より確実なものにするため全力をあげる」と語った。

 来月十一日には、日野町豊田地区で支援活動を行う予定だという。


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内閣府の善行青少年表彰

朝桜中学校福祉会が受賞

=29日 東京で表彰式=

◆湖東・蒲生◆
 内閣府による「平成十七年度善行青少年及び青少年健全育成功労者表彰」の善行青少年表彰団体の部でこのほど、蒲生町立朝桜中学校生徒会福祉会が選ばれた。

 これは、善行を行った青少年でその行為が特に賞すべきであると認められるものまた青少年の健全育成に貢献し顕著な功績のあったものを、内閣府特命担当大臣が表彰するというもの。善行青少年表彰については、全国の中から個人二十二人と十五団体が選出された。

 善行青少年表彰を受賞した朝桜中学校生徒会福祉会(田中沙織会長、約八十人)は、蒲生町青少年育成町民会議とともに、町内四個所の無人駅の落書き消しや地域の公園といった公共の場のゴミ拾い=写真=、草刈りなどの清掃活動を年二回実施している。同福祉会が参加者を募り、毎回クラブ単位や個人有志ら二百人を超す生徒が自主的に参加を申し出ているという。

 また、回収したアルミ缶で車椅子を購入し町内施設へ寄付するアルミ缶回収活動や障害児体験活動、障害者作業所との交流活動を十年以上にわたり継続している。

 この二十九日には、東京都千代田区にある東海大学校友会館で表彰式が行われる予定で、朝桜中学校福祉会の田中会長と顧問の二人が出席する。


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細井さん 思い出の品を寄贈

八日市飛行場最後の特攻隊員

建設計画の「平和祈念館へ」と
=血染めの鉢巻き「必勝」など20点=

▲細井 巌さん(右)
◆湖東・東近江◆
 六十年前、特攻隊員として旧陸軍八日市飛行場で終戦を迎えた細井巌さん(82)=東京・渋谷=は、寄宿先だった八紘荘(八日市東本町)の松浦友一夫妻と共に、このほど東近江市役所を訪ね、県が布引丘陵に建設計画する「平和祈念館に役立てて下さい」と、当時の思い出の品二十点を中村功一市長に寄贈を託した。中村市長は、八日市へ「お帰りなさい」との気持ちを表わし、細井さんの苦労をねぎらうとともに、寄贈品を前に「今後の平和に生かしたい」と感謝した。

 細井さんが寄贈を申し出たのは、女学生から贈られた血染めの鉢巻き「必勝」、特攻隊員用の鉢巻き「必中」、血染めのハンカチ、飛行用の帽子・メガネ・手袋・腹帯ほか、冬のコート、日の丸の寄せ書き、出生祝い幟(のぼり)など約二十点で、ほとんど傷みも無く「私の宝物として保管していた」との言葉が物語る。

女学生「秀」の鉢巻き「必勝」
 中でも、特攻訓練を励ます女学生が八紘荘を訪れ、自分の血で「必勝」と書いた鉢巻きを細井さんに手渡した。鉢巻きには自分の名前と思われる「秀」という字が書かれている。六十年前の彼女に出会って「お礼が言いたい」としながらも、自分としては「大切に保管していたことを分かっていただければ」との心境を語る。

 昭和十八年十二月、中央大学在学中に学徒動員で陸軍に入隊後、各地の飛行場で操縦技術の腕を磨いた。同二十年六月に岐阜県各務原で編成された陸軍特別攻撃隊「と二一九隊(殉皇隊)」で副隊長(少尉)に就任した。まもなく沖縄での特攻作戦が終了し、駐留していた八日市飛行場で本土決戦特別攻撃隊の教官として特攻訓練に乗り出した。

▲若き日の細井さん(前列右側)
 終戦(八月十五日)の翌日、飛行機の乗り納めとして飛び立った十二機のうち「と二二〇(醸成隊)」の河西督郎少尉が愛機と共に竹生島付近の琵琶湖に突っ込み自爆している。細井さんは「こういう時代があったことを認識してもらい、今があることを伝えられれば」と、平和祈念館への寄贈を申し出た。

 中村市長は、子供たちに歴史を正しく理解してもらい、「兵隊さんのお陰で現在の幸せがある」ことを伝えて
いきたい。細井さんの気持ちを大切にして、寄贈を受けた品々を「これからの平和に生かさなければ」との思いを伝えた。


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人と火のかかわり紹介

能登川埋文の企画展

=国内最古級の土器など70点=東

▲火と人間の関係を町内出土の土器で紹介する企画展
◆湖東・能登川◆
 「火」を得ることによって劇的に進化した人類の暮らしを、能登川町で出土した土器や遺跡などを通じて紹介する同町埋蔵文化財センターの第十一回企画展「火と人間―古代の暮らしとまつり」が、二十六日から町立博物館(同町山路)で開かれている。十二月十八日まで。

 人類が最初に火を利用したのは、落雷や山火事などで焼けた獣の肉を食べたことによると言われ、やがて人工的に火を起こす火切り臼や火種を保存するカマドなどが作られるようになった。

 同展では、国内最古級とされる四世紀後半のカマド(西ノ辻遺跡)や、銅を溶かす時に空気を送る「フイゴ」の羽口(石田遺跡)、首飾りに使われたガラス玉(猪子山古墳)など、火を利用し発展していった古代の暮らしを約七十点の遺物を通して紹介している。

 また、神に捧げる「聖火」としての側面もあり、祭祀に使ったとされる手焙型土器(殿衛遺跡)や、現在も守り続けられている火を使ったまつり(猪子の上山天満天神社、山路の上山神社など)の写真パネルも展示されている。

 入場無料。月・火曜日休館。問い合わせは町埋蔵文化財センター(0748―42―5011)または、同博物館(42―6761)へ。


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モノやお金の大切さ学ぶ

各学年の公開授業

=能登川北小 2年間の成果発表=

▲全体会
◆湖東・能登川◆
 児童、保護者、学校、地域が共育しながら取り組んだ能登川北小学校の『金銭教育研究発表会』がこのほど同校で開かれ、公開授業と全体会が行われた。

 金銭教育は、体験授業や社会活動を通じて健全な金銭感覚と人格形成を育む教育で、大量消費の風潮の強まりを背景に昭和四十八年に始まった。

 同校では、自己責任・自己決定が求められる時代に、生きていくうえでの知識やルールを身に付け、賢い消費者になってほしい―と、県金融広報委員会の金銭教育研究校の委嘱を受け、昨年度からモノやお金の大切さ、価値を正しく知る体験授業に取り組んでおり、農作物の栽培や販売を通して環境、産業、地域社会の連携を学んだほか、資源回収等で得たお金の活用を児童自らが考案し、地域福祉に役立ててもらおうと車イスを購入した。

 公開授業は、二年間の取り組みと成果を知ってもらおうと、各学年ごとに開かれ、一・二年生は「再利用」をテーマに自分たちで作ったリメイク小物やおもちゃを売る店を開店。モノの大切さや労働の大変さを学び、家族への感謝の気持ちを育んだ。

 この後、全体会が開かれ、指導講評にあたった県教委学校教育課の脇淳子指導主事は「活動の成果が表れた素晴らしい公開授業。学校や家庭、地域が一体となった生きた教育で、子どもたちの今後に大きな役割を果たすでしょう」と評価し、参加した保護者らも感銘を受けていた。

 小川脩哲町教育長は「豊かな物に囲まれ、お金を手にする苦労を知らない今の子どもたち。学校での落し物が増えている背景には『またすぐに買ってもらえる』という思いがあるのでしょう。そんな時代だからこそ、金銭教育の果たす役割は大きく、お金の価値だけでなく、豊かな人間性と生きる力、働く家族や地域へ感謝する『心の教育』となるのです。この二年間の学習は、この子たちの大きな財産になるはず」と話し、活き活きと授業に取り組む児童たちを温かく見守った。

 


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