平成19年1月1日(月)第号

◆年頭に誓う
=代表主幹 冨田正敏=

◆飛び出せ!団塊の世代
=嘉田劇場の開演とともに=


◆2007年 首長行政展望
=まちづくりへの政策方針と事業計画=


◆2007年近江八幡市政展望
「元気なまち」へ基礎固め
=冨士谷市長新春インタビュー=


◆「2007年、あなたの運勢」


年頭に誓う=代表主幹 冨田正敏=

民意が地方自治に反映されるように
「滋賀報知新聞」は誓う


 新年あけましておめでとうございます。

 政府は二○○二年に始まった景気拡大は継続しており、過去の「いざなぎ景気」の四年九か月を追い抜き、個人消費がマイナスに転じたが回復基調に大きな変化はなく、景気の先行きを楽観視している。

 しかし、大企業は大幅な利益を上げているが国民の間では、それが給与水準等に反映されず社会保障の切り下げやその負担増、市町村合併による公共料金や社会保障料金などの高揃えで、むしろ個人では大きな負担のみが感じられる。

 さらに今年から「団塊の世代」が大量に定年を迎え大きな社会問題化する嫌いがある。

 社会環境が大きく変革し、物の価値観に大きな差異が生じている今、大切なことは政治に民意を充分に反映させることではないだろうか。

 日本経済が大きく成長する中で「物のない時代」から「物の余る時代」を経験してきた「団塊の世代」に暫しの間、日本の、滋賀県の舵取りを託してみたい。

 自己欲ばかりが先走り「思いやりの心」が消滅しかけている今こそ、日本人の起源は集団生活をしていた農耕民族であったことを忘れてはならない。

 「日本人の心」を蘇らせるために、滋賀報知新聞は創刊五十年の紙齢を数えた湖国唯一の日刊地方紙としての役割を果たすことを誓う。
一、我等は常に真実と公正に生き、自由と正義を貫く。
一、我等は常に正しい世論を啓発喚起する。
一、我等は常に社会の善を助長し、悪を粉砕する。
一、我等は常に文化にさきがけ、郷土を愛する。
一、我等は常に主権在民の成果を力の限り希求する。

以上、「滋賀報知信条」の五箇条を常に胸に携え「日本人の心」を蘇らせるために、正義をもって真実を報道する事を滋賀報知新聞社と系列各社は全県民に全国民に誓う。

滋賀報知新聞社 報知写真新聞社 
滋賀市民新聞社 滋賀報知通信社 
       
代表主幹 冨田正敏


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飛び出せ!団塊の世代

=嘉田劇場の開演とともに=

▲向かって右から、里山保全ボランティア団体「遊林会」代表世話人の武藤精蔵さん、NPO法人「ほっとはうす」理事長の松村義弘さん、エッセイストの残間里江子さん、滋賀県知事の嘉田さん、滋賀報知新聞社長の冨田正敏、近江八幡市高齢・障がい生活支援センター専門員の森村敬子さん。=滋賀県公館=

 吉田拓郎(60)とかぐや姫の3人の野外コンサートが昨年9月23日、静岡県掛川市のリゾート施設「つま恋」で31年ぶりに行なわれた。彼らの歌とともに生きてきた団塊(だんかい)の世代を中心に3万5千人が駆けつけて、再会を祝った。

 「私は今日まで生きてみました そして今私は思っています 明日からもこうして生きて行くだろうと…」肺がんの手術を乗り越えた拓郎が名曲『今日までそして明日から』を万感の思いで歌い上げた。それはまた、団塊の世代に向けたメッセージでもあった。

 団塊の世代は、名づけ親の堺屋太一さんによれば、昭和22(1947)年から昭和24年の3年間に生まれた世代とされており、厚生労働省の統計では約8百万人(出生数)にのぼる。「戦後」とともに生きてきたこの世代が今年から一斉に定年退職し、職場から地域に戻ってくるのだ。そこで滋賀報知新聞社では、嘉田由紀子知事を囲んで新春座談会「地域に飛び出せ!団塊の世代」を開き、彼らに熱いエールを送ってみた。
 

団塊世代

「恋愛、青春、友情」だけは
一生・手放さないでいようぜ


 団塊(だんかい)の世代が大量に定年退職することで、企業や地域に大きな影響を与えるとされる「二〇〇七年問題」。平成十七年十月一日現在の国勢調査によれば、滋賀県における団塊の世代は、約七万人にのぼると見られている。同世代が今年から三年間、一斉に企業から地域社会に戻ってくる。この時に大きな問題になるのが、シャイな男性たちの地域デビューである。そこで、エッセイ『それでいいのか 蕎麦打ち男』で同世代にげきを飛ばす残間里江子さんを始め、県知事の嘉田由紀子さん、退職男性の地域デビュー事業に取り組んでいる近江八幡市の森村敬子さん、東近江市の武藤精蔵さん、退職後に見事、地域デビューを果した松村義弘さんらにお集り願い、新春に語り合ってもらった。

(司会・文責=石川政実)

冨田正敏(とみた・まさとし) 平成14年、滋賀報知新聞社長に就任後、毎週木曜日に辛口の社説を執筆中。17年8月からは、コミュニティーFM「FMひがしおうみ」の社長も兼務。東近江市観光協会の理事として、商店街の活性化に取り組んでいる。(社)日本地方新聞協会副会長、(社)滋賀県新聞連盟代表理事。57歳。
団塊世代の特徴


 ----団塊の世代に活を入れる辛口エッセイ「それでいいのか 蕎麦打ち男」を書かれた残間さんは、早生まれで学年から言えば同じ世代に当る団塊の特徴をどう見ておられますか。

 残間 一つは、自分たちのことを若いと思っているのが一番の特色で、決して終わったとは思っていない。彼らは、現職から退く気などまったくなくて、新たな流行化現象を創ることができるぐらいに思っている。周りを気にする世代でもあるから、「カッコイイ」というのが殺し文句です。この本で彼らが死ぬまで手放さないキーワードとして、「恋愛、青春、友情」を挙げましたが、これは死ぬまで現役でいたいということですよ。学生時代に全共闘運動(注)などの洗礼を受けているので、社会問題にも関心が高く、これからの地域の政治や行政のキーを握っているのも確かです。ただ本人が思っているほど時間はなくて、たぶん今年から二年間のうちに、動かなかったら、ただの社会的粗大ゴミとして朽ち果てることになるでしょうね。

 ----昭和二十五(一九五〇)年五月生まれの嘉田さんは、厳密に言えば団塊の世代とは違うのかも知れませんが、まあほぼその世代ですよね。

松村義弘(まつむら・よしひろ)さん 退職後の一年間は自宅から外へ積極的に出れなかったのに、近江八幡市の健康講座に参加したことで豹変。そこでの仲間たちと平成15年にNPO法人「ほっとはうす」を立ち上げて、高齢者のための“ふれあいサロン”をつくり、さらに17年には小規模デイサービスセンター「為心」も開設。「ほっとはうす」「為心」の理事長。63歳。
 嘉田 私や私のちょっと上の世代の女性たちは、大学に入っても、就職試験を受けさせてもらえるチャンスがほとんどなかった。だから、その女性たちは専業主婦にならざるを得ない場合も多かったと思います。大学で教えていた時、学生にヒヤリングをしたのですが、お母さんが職業を持っている学生よりも、お母さんが専業主婦の学生の方が、過度な期待などで苦しんでいる傾向にありました。とくに高学歴であっても就職できなかった母親の中には、自分が果たせなかった夢を子どもに向ける人もいるわけです。それを受け止めきれず、社会適応ができなくなる子どももいる。少子化の根っこの一つには、これまでの社会が、団塊世代を始めとした女性の生きる選択肢を狭めてきたことがあると思います。

 松村 私は五十八歳で早期退職しましたが、同じように会社を卒業した男性たちと、近江八幡市の料理教室(健康講座)を通じて知り合いになりました。この仲間たちと好きなことをする中で、地域に貢献したいという思いが強くなってきて、高齢者のための取り組みを始めたわけです。市内にはいま、このようなグループがいっぱいできています。ぜひとも団塊の世代と、一緒にやっていきたいですね。われわれはいま地域コーディネーターとして、退職男性を対象に毎週月曜日に相談会を開いていますので、お役に立てればと思います。 

 武藤 私も嘉田知事と同じように昭和二十五年生まれで、厳密な意味での団塊の世代とは、少し外れています。団塊の世代は人数も多かったし、われわれの世代は、いつも後塵(こうじん)を拝してきたわけです。もっと正直に言えば、ずいぶんと迷惑を被ってきました(笑)。例えば、彼
武藤精蔵(むとう・せいぞう)さん 愛知川沿いの河辺林を保全しようと、平成10年に旧八日市市(現・東近江市)の市民ボランティア団体「遊林会」を発足させ、市と協働して「河辺いきものの森」を整備していく。同会の代表世話人を務める。自身も病気からの再生を果たし、いきものの森とともに生き続けている。現在は同市水道部次長。56歳。
らの学生運動の影響で、一部の大学では入試が取り止めになったのもそうです。今後、この人たちが社会的コストになってしまうと、われわれにツケが回ってきます。その時には、社会保障制度の見直しも行なわれるでしょう。この意味でも団塊の世代のみなさんには、きちんと社会参加をして、還元してもらわないと困りますよ。

 森村 団塊の世代は、単に数が多いだけでなく、個々に力をお持ちです。でも会社という大きな組織では、十分に力を発揮できなかったのではと感じることもあります。しかし誠実でバイタリティーにあふれた方がすごく多い。この世代のみなさんが行政の新しいパートナーとなって、地域のクオリティー(質)を高めてもらえればと期待しています。

 残間 森村さんのように優しく言ってもらうと、お調子者の団塊の世代は気持ちよくおだてに乗って、もう木どころか、タワーだって登るわよ(笑)。

 冨田 その通りです(笑)。私も団塊の世代ですが、この世代は、紛れもなく戦後民主主義の申し子なんですよ。いつも懐かしく思い出すのは、昭和三十年代の光景です。私は小学生の時に松山市(愛媛県)から広島市(広島県)に移り住んだのですが、そのころは、まだ被爆の傷跡がなまなましく残っていました。最近は改憲論がすっかり主流になり、核武装論まで出始めていますが、団塊の世代は、アジアを侵略したことへの反省に立った平和憲法とともに「戦後」を歩んできた誇りだけは、まだ手放していません。ただこの世代が反省するとしたら、日米同盟を基軸にした経済至上主義と私生活主義に陥って、アジア的な大事なものを見失い、深刻な格差社会を招いたことですね。
 

いざ地域デビュー


  ----今年から団塊の世代が一斉に企業から地域社会へ戻ってくると、彼らの地域デビューが問題になってきます。近江八幡市では早くから、定年退職を迎えた男性の地域デビューの仕組みづくりを進めておられますが、現場の最前線におられる森村さんからお話しをうかがえますか。

 森村 六年前から退職男性の地域デビュー施策に取り組んできましたが、その当時の六十歳前後の方と、いまの団塊の世代の方とでは、意識がまったく違います。当時の方は、どちらかというと行政に従う意識が強かったのですが、団塊のみなさんになると「自分たちは行政の下働きではない。自分たちのスタンスでやる」とはっきり自己主張されますね。

嘉田 少子化には団塊女性らの選択肢を狭めたことも
松村 退職後はいつも独りで寂しい思いをしました
森村 仲間ができると地域の課題が見えてきますよ


 ----退職後の男性の様子はどうですか。 

嘉田由紀子(かだ・ゆきこ)さん 新幹線新駅の「凍結」を掲げて昨年7月の知事選で現職を破り初当選。県内初の女性知事として、県民との対話を重視した“もったいない県政”を進めている。県立琵琶湖博物館総括学芸員などを経て、平成12年から18年まで京都精華大学教授として教壇に立つ。市民派知事として全国から注目を集める。56歳。
 森村 退職直後は「パソコンでも習おうかな」とか、意気揚々とおっしゃるのですが、でもしばらくすると、お昼になってもパジャマ姿のままで、お酒も飲んでおられる光景をお見受けするようになります。近江八幡市には多くの新興住宅地がありますが、そこでは京阪神にお勤めの人が多く、市内に地縁、血縁のない方がほとんどです。とくに男性の方は、家へ寝に帰られるだけですから、地域のことがわからない。そこで、これから地域でどのような生活をするかを考えてみませんかと、中高年男性を対象にした健康講座のダイレクトメールを送ってみたんです。そうすると、「行政からの通知というより、ラブレターが来たように新鮮だった」とおっしゃる方もおられたました。 松村 実は、私の生みの親は森村さんです。健康講座の二期生に当ります。講座に参加したのは、やはりダイレクトメールがきっかけでした。退職直後は毎日が日曜日で、とても楽しかった。でも図書館に行ってもいつも一人で、誰とも話ができず、だんだん寂しくなっていきました。そんな折、妻が母親の看病で実家に戻ったことで、私が洗濯から料理まで、みんなやらなあかんようになってしまった。しかし料理は全然できませんでしたから、コンビニ弁当などで済ます日々が続いたわけです。このような時に、健康講座のダイレクトメールが来ました。そこに料理教室が載っており、すぐに飛びついたのです。この教室には、男性ばかり約二十人が集まりましたが、初めのうちは会ってもあいさつをする程度でした。それが料理を作り、お互いの料理を食べ合ううちに、すっかり打ち解けて仲間になっていきました。そして講座の終わりごろには、おやじ会まで発足させるわけです。いまも毎月、料理やハイキング、福祉の勉強などを行なっていますが、やはり一番楽しいのは飲み会ですね(笑)。

 森村 同年代の男性が仲間をつくられると、後は一緒に地域を探索されるようになります。そうすると地域の課題が見えてくる。この課題解決が、ある意味で格好の遊びにもなっているようですね。

すっかりエプロン姿も板についてきた“おやじ仲間”「健康推進15会」のメンメン (平成15年に近江八幡市の料理教室を卒業した松村さんらのグループ)
 残間 だから最初の一歩がすごく大事なんです。ダイレクトメールがラブレターに感じたという森村さんのお話のように、やっぱり恋のようなときめきを呼び起こすものが行政の施策にも感じ取れないと、団塊の世代は動きません。五十代、六十代にアンケートをしたら、「恋をしたい」という人は、なんと七三%なんです(笑)。でも彼らの言う恋は、本当の恋じゃなくて、現役度を測る手がかりのようなものだと思います。

 武藤 九年前に“河辺いきものの森”で里山の保全活動を始めた時は、これが退職男性のための活動だという認識は全くありませんでした。しかし気がついてみると、参加者はいまや定年後の男性が主力になっています。これまで行政が関わるとどうしても、自治会とか、老人会とか、いろんな組織を使った動員になりがちで、(自分の意志でなく)所属する組織の意志で参加する人がほとんどでした。それに対し、私たちは、自分の意志で参加する、本来の目的のためにエネルギーを使ってもらうようにしたのです。このため「活動日は毎月、何曜日と何曜日ですよ」と決めて、その日が来れば、だれでも参加できるようになっています。ところで、参加されている退職男性を見ると、核家族、あるいは単身所帯の方がほとんどです。きっと自分の道は自分で切り開くという意識をお持ちだからなのでしょう。また参加者の男女別内訳ですが、女性が二、三割を占めており、しかも若い女性の大学生たちが来てくれるので、シニア世代は心ときめかすわけです(笑)。

残間 舞台だけでなく、どんな役を用意するかです
武藤 若者の雇用を創ることにも手を貸してほしい
冨田 団塊の世代や若者たちの力で商店街の復活を

コミュニティーの再生


 ----団塊世代が地域デビューする時に、村落共同体というか、地域コミュニティーの在り方が一つの問題になってきますね。

“河辺いきものの森”で竹林伐採に汗を流す中高年の参加者からは、会社勤めの時には見せたこともない子どもっぽい笑みがこぼれる
 嘉田 江戸時代に完成する村落共同体は、相互扶助組織になっていて、それが犯罪や災害などを防いできました。村落共同体の伝統をいまに受け継ぐ自治会や町内会、それらがいくつか集まった小学校区ぐらいが、二つの意味で、行政の最小ユニットだろうと思います。一つは、コストが安いことですね。例えば、大雨の時に川の堤防を見回るのを、県が全部やるのは無理です。自治会などに見回ってもらえれば、行政コストが抑えられます。もう一つは、地域に関わる満足度を育むことができることです。言わば、ご近所の底力ですね。これからの行政は、コミュニティーの力を借りざるを得ないし、そこへ団塊のみなさんにも関わってもらおうと、来年度から市町に呼びかけて退職シニアの地域デビュー支援事業を展開していきます。

 冨田 作家の堺屋太一さんは文芸春秋(昨年十一月号)で「戦後の日本は、伝統的な大家族を中心とする血縁社会も、村落ごとの地縁社会も崩壊した。日本人が帰属意識を持てるのは、職場だけになった。今では地域のつながりが残っているのは、選挙と子どもの小中学校ぐらい。(団塊の世代が)定年後は地域でボランティアというのは絵空事」と指摘されていますが、私の住んでいる東近江市も、確かに平成の大合併でまちは大きくなったけれども、逆に住んでいる人の思いはバラバラです。この意味でも、団塊世代には、従来の地縁組織の自治会ばかりでなく、まちづくり協議会など、もっと民主的で新しい地域コミュニティーづくりにも取り組んでほしいと思います。

定年後の仕事


 ----団塊の世代は、退職しても、NPO活動なり、起業なりをして、仕事を手放さないと見られていますが、どうでしょうか。

残間里江子(ざんま・りえこ)さん アナウンサー、女性誌記者、編集長などを経て、出版、映像、文化イベントなどを企画・制作する敏腕プロデューサー。山口百恵の自叙伝「蒼い時」もプロデュースしている。平成17年7月、シニアに向けた新しいライフスタイルを提案する(株)クリエイティブ・シニアも設立し、代表取締役社長に。56歳。
 残間 たぶん団塊の世代の人たちは、なんらかの形で仕事をしていくと思います。急速に辞めてもらっては困るという企業側の事情や、昨年四月から施行された国の「改正高年齢者雇用安定法」などで、定年制も延長されていくでしょう。それと、この世代は、割合に器用な人が多いから、「一人コンサルタント」といったものが、いっぱい出てくるような気がします。要は間に入ってくるインターフェース(操作する装置)、それが行政なのかNPOなのかわかりませんが、これがどの方向に向かうかで、彼らの居場所が決まるはずです。

 嘉田 団塊の世代を政策的に考える時に、三つの側面が必要だと思います。いまのような就労の部分、二つ目が社会貢献、三つ目は生き甲斐とか生涯学習ですね。滋賀県は、その舞台を提供できます。自然がいっぱいある。そこに新興住宅もあれば、ビル街もある。団塊の世代にとっては、この多様な地域資源こそが、いろんなビジネスチャンスを生むわけです。単に企業を誘致するだけが、地域の活力ではありません。元気でさまざまなノウハウを持った団塊世代に引っ越して来てもらえれば、それが活力になるわけです。このための舞台を準備しておく必要があると思います。

いまや団塊おやじのバイブルにもなっている残間里江子さん著『それでいいのか 蕎麦打ち男」(新潮社 定価1400円=税別)
 残間 例えば、いま北海道など、いろんな自治体が移住に熱心ですけれど、ラベンダーがきれいというようなことだけでは、団塊の世代は絶対に行きません。だけど、「週に一回、マーケティングの講義をして下さい」と言うと、喜んで移住する。大事なことは、舞台だけでなく、彼らにどんな役を用意するかです。

 松村 仲間たちと地域の課題を発見する中で、高齢者のためのNPO法人「ほっとはうす」を平成十五年に立ち上げました。元気なお年寄りのための「ふれあいサロン」をボランティアで始めたのです。でも、来ていただいているお年寄りの方々の面倒をずっと見ていこうとしたら、ボランティアでは限界があります。このため介護保険事業としてデイサービスセンター「為心(いしん)」を十七年に開設しました。しかし介護保険の改正などもあり、正直、いまは大変です。でも利用者のみなさんから励ましを受けると、やらなあかんとまた頑張れるわけです。

森村敬子(もりむら・けいこ)さん 近江八幡市高齢・障がい生活支援センターの専門員として、平成13年度から退職男性の地域デビューの仕組みづくりに取り組む。また介護保険の相談・マネジメントをする中で、昨年2月には、志を同じくする人たちとと、在宅介護などを行なうNPO法人「木もれび」を立ち上げる。介護支援専門員。社会福祉士。45歳。
 森村 きっと団塊の世代は、退職後も自分で仕事を見つけ出していかれると思います。また、この世代の地域参加の仕方は、今後、いろんな部分に影響を及ぼしてくるはずです。そういう方々と一緒に地域をつくっていく時に、行政職員も変わっていかねばなりません。団塊の世代といい関係性を築くことが、まちづくりにもつながるからです。地域を再認識して、近江八幡市で生きることに自信と誇りをもつ団塊世代の方が増えていけば、必然的に仕事として生まれる部分やボランティアとしてかかわる部分が出てくるはずです。

 武藤 子どもたちが自然に触れる場として、河辺いきものの森を利用していく中で、それに携わりたいという若者がいっぱい出ています。しかし、残念ながら、それが職としてなりたたない。私のもう一つの活動は、このように仕事に従事したいという若者たちに仕事と給与を提供することでもあります。厳しい言い方ですが、いま、定年退職される方々は、年金の支給率も支給開始年齢も団塊の世代以降の方々から比べれば恵まれた人たちですから、どうぞボランティアとして社会参加をし、生き甲斐を見い出して、社会的資源たる人材として、若者の雇用を創ることに手を貸してくださいと言いたい。

 冨田 広島市から旧八日市市(東近江市)に移り住んで三十年余りがたちます。初めは知人もなく心細かったのですが、子どもが進学していく中で、PTA活動を通じて知り合った団塊世代の仲間たちが私を支えてくれました。それだけに、地域にお返しがしたいとずっと思ってきました。話は変わりますが、私は、毎月二十一日が縁日の京都・東寺の“弘法さん”が大好きなんですよ。いろんな露店が出て、昭和三十年代の匂いが残っているからです。弘法さんを見て回っているうちに、かっての八日市も弘法さんのように“市(いち)”で賑わっていたことに気がつきました。いま私は東近江市観光協会の理事を務めていますので、団塊の世代や若者たちに呼びかけて、観光を絡めながら、八日市の商店街を“市”として復活させようと計画を練っているところです。まだまだ団塊の世代は、現役でがんばれますよ。

 (注)全共闘運動 全共闘とは、昭和四十三(一九六八)年〜昭和四十四年の大学紛争で、既成の学生自治会組織とは別個に、新左翼諸党派やノンセクトの学生が諸大学に作った闘争組織。大学解体闘争やベトナム反戦運動などを繰り広げた。


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2007年 首長行政展望

=まちづくりへの政策方針と事業計画=


 合併による新たな地図が創り出されるなか、経営能力を問う分権の第二ステージ「税財源」の確保が求められている。このハードルに対し、小規模自治体と言われる町はどのように乗り越えていくのか―、独自の「地域力」を試す日野町・竜王町・安土町・愛荘町の各首長に、「まちづくりの政策方針と事業計画」と題し、年頭の思いを語ってもらった。

藤澤直広日野町長


 新年あけましておめでとうございます。今年が町民の皆さんにとって素晴らしい年となることを心よりお祈り申し上げます。

 さて、景気の拡大は「いざなぎ景気」を超えたと言われていますが、今年こそ暮らしの中にも景気回復が実感できる年としたいものです。そして、格差社会といわれる現状を是正し、人と人との絆が大切にされる温かい地域社会を築くことが求められています。

 私たちの町には、人と人とが支えあってきた歴史と文化が今も息づいています。笑顔があふれる活気あるまちづくりを町民の皆さんとの協働によって進めたいと思います。

山口喜代治竜王町長


 皆様におかれましては、平成19年の輝かしい新春をご家族お揃いでお迎えのことと心よりお慶び申し上げます。

 本町では、厳しい財政事情に加え、深刻な少子高齢化や地方分権が進展する中、個性溢れるたくましいまちづくりをめざして鋭意努力しております。

 今年度におきましても、町総合計画を基軸に自律推進のまちづくり計画をはじめ、「都市核づくり」「若者定住」「インターチェンジ活用」の3つを柱を重点施策にその実現に向け鋭意取り組みたいと考えており、また行政運営にあたりましては、町民のみなさまと行政との絆を一層深め、信頼と協働による開かれた行政運営を図ってまいります。

津村孝司安土町長


 輝かしい新春のお慶びを申し上げます。
 さて、本町では昨年より、地域力の強化を目指して、新たに2つの取り組みを始めました。

 1つは、「地域未来(ゆめ)づくり事業」。これは、区・自治会が主体となって自らの住む地域をより良くしようとする活動を行政が支援する事業です。

 もう1つは、各分野からの代表者や公募による委員が町内の様々な課題を検討しあう「まちづくり協議会」です。

 本年からはいよいよこれらの事業をより具体化させ、活気と魅力が満ち溢れたまちづくりを実現したいと思います。

 最後に、読者の皆様のご健勝とご多幸をお祈りし、新年のごあいさつといたします。

村西俊雄愛荘町長


 新年明けましておめでとうございます。

 愛荘町は、昨年、合併を実現し、新しい歴史の扉を開けました。地方分権時代にふさわしい、自立した自治体づくりを目指すため、不断の行財政改革に取り組み、今後の新しいまちづくりの指針となる「愛荘町総合計画」を策定します。また、(仮称)湖東三山インターチェンジ建設推進、学校教育施設整備、企業誘致の促進、農業・商業の振興を図り、住民のくらし、安全・安心を守ります。

 住民の皆さんとともに「合併して良かった。これからも住み続けたい」と思えるまちづくりを進めます。


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年頭の抱負を語る冨士谷市長

――近江八幡市役所市長室で――



 近江八幡市の新市長として新年を迎えた冨士谷英正市長。平成十九年は亥年で、ちょうど回り年の年男。新たな冨士谷市政のスタートにふさわしい年明けとなった。そこで、市長就任一年目の抱負を、たくさんあるキーワードから、語ってもらった。

●冨士谷市政へ旋回

 人は急激な変化を求めないもの。環境や景観面などこれまでの市政の良い面は継承しながら、さらに「元気なまち」の創成に向けて、市民や議会の理解を得ながら、無理のない旋回をしていかなければならない。

 そのために今年一年は、まず市職員のモチベーションのアップ、基礎体力をつけることに取り組む。

●市職員の提案制度

 提案制度もその一つ。企業人になったつもりで数値目標として「一人百万円ずつの金もうけ」を設定し、何ができるかを提案してもらう。例えば、五人でしている仕事を四人でやることで一人分の人件費が浮く、担当課の合併・統合によるムダな部署の解消、税金や市営住宅家賃の滞納などの徴収率の向上など。

 また、助役人事を開会中の今議会に提出したい。先を見通して実現するのにふさわしい人を考えている。

●東京に職員常駐

 県の許認可・権限が市に移されることも見据えて、これからは国との直接の接触の場が重要になってくる。そこで四月から、県東京事務所に市職員を派遣する。また、国との人事交流も図りたい。

●財源の確保

 「元気なまち」には財源の確保が必要。財政力指数(行政活動に必要な財源をどれくらい自力で調達できるか、数値が高いほど財源に余裕があるとされる)を「一」以上(平成十七年度 近江八幡市〇・六五六、竜王町一・一〇六)にもっていき、無借金財政にすることが究極の目的。

 財源の確保の観点から、企業誘致は欠かせない。それも国際優良企業の誘致に努力している。

●新総合発展計画

 今ある「第三次総合発展計画」を補強する意味で、「新総合発展計画」を六月議会に提案できるようにする。新年早々にも審議会を設置して、諮問する。

 大地震に備え、市役所、金田小学校の耐震化は即行に取り組む。

●観光行政

 年間二百五十万人の観光客の経済波及効果を、商業の発展に結びつけたい。駐車場を郊外に作り、商店街から観光エリアに向かって歩いてもらうことで、商店街の復興が期待できる。集客施設の充実も図っていきたい。

●攻めの農政

 水稲・野菜・畜産・養鶏・養豚・水産と、近江八幡市は「日本の農業の縮小版」といえる。これらの環境を生かした「攻めの農政」を進めなければならない。

 世界を相手に近江のブランド「近江米」「近江牛」の輸出を実現したい。アメリカには近江牛を国内の倍の値段で売ることができる。そのためには米国農務省の認証が必要で、近く市内に完成する滋賀食肉センターや市内の畜産農家で、厳しい衛生基準をクリアさせなければならない。近江米は、竜王町にある世界最先端のトレーサビリティー(生産履歴管理)を導入したカントリーエレベーターで処理した「作り手の見える生産物」としての安全・安心の近江米を、ぜひ輸出したい。

●市民の病院

 今後の不安材料として一番頭が痛いのは、総合医療センターの問題。まず、予約、紹介状による診察制度が市民の病院となっているか精査しなければならないこと。そして何よりも、診療報酬の低下、老人医療費の有料化による患者数の低下に伴う医療収入の減少、医師・看護師不足による人件費増などが病院収益を圧迫することが心配され、一般会計からの持ち出し分が増えるようなら(それだけの余裕はない)、抜本的見直しも必要になってくるかもしれない。

●市町合併

 悠長なことを言ってられない。合併は、少子高齢化社会ヘの対応、広域化による行政の一体化といった、財政状況を見据えた対策と、もうひとつは地域の特性を生かすためのもの。

 県の構想にある程度沿った一市二町で、竜王町は企業誘致が進み働く地域、安土町は安土城再建を含めた観光、近江八幡市は商人のまち・環境・観光と、それぞれの特性をもたせ、広域で合併した方が、連携は密になる。財政の硬直化する前に実現しなければならない。

●市民と「対話の日

 「市民の智慧を活かせる市政」を実現するために、行政が知りえた情報を市民に公開し、市民と行政が共通の認識で「元気なまち」づくりに取り組みたい。そこで、市民からの提案型の対話を進めるために、月に一回程度、土曜日や日曜日の市民が参加しやすい日に「対話の日」を設け、公民館などに出向いて、全市民と市政について気軽に会話できる機会を作りたい。

 ◇   ◇   ◇


 市民と共に智慧(ちえ)を出し合い、「元気なまち」づくりへ、その熱い思いを語っていただきました。少子高齢化対策、空き店舗対策、市民活動、地場産業、地産地消など、紙面で紹介できなかった施策もまだまだたくさんありす。

 最後に市長は、「すべてにおいてバランスのとれた発展」を強調。市長として第一歩を踏み出した平成十九年、「元気なまち」冨士谷新近江八幡市政の新たな歴史が始まった。


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「2007年、あなたの運勢」


「ねずみ年」
 大器晩成。実を結ぶのが他の樹より少しだけ遅い。思わぬ障害があらわれても、やけを起こしてはいけない。焦ったり、軽々しいことをせず、じっと待っていれば幸運の女神が微笑んでくれる。

「うし年」
 人の上に立つほど力を発揮する。それだけにねたみも受けやすいので気配りを忘れないように。人にも祝福され、天にも祝福されている。調子がよくてもいい気になってはいけない。

「とら年」
 仕事の面などで落ち込むこともあるが、心配することはない。全体運は誰かが手をさしのべてくれ、必ず盛り返す運を持っている。焦りは禁物。財産運に恵まれている。気が強いところがあるので、自らを律していくことを忘れないように。

「うさぎ年」
 人付き合いがよく、仕事では着実に地位を固めていく。おだやかで柔和な性格だが、内心ではそこから変身したい願望を持っている。だが、あまり冒険はしないほうがいい。欲張らずにいくことがなにより。現在の生活を守ったほうが幸せ。

「たつ年」
 積極性があり、はつらつとした強い心を持っている。しかし、それがともすると周囲の人にけむたがられて、思わぬ所で反発を買うことがある。努力をすることでどこまでも伸びていける。それも年をとるにつれて花開いてくる。

「へび年」
 財産運に恵まれている。内面では義理人情にあつく、あたたかい心の持ち主だが、人に誤解されやすい。心に感じたことを口に出してしまい、無用の誤解を招くことがあるので用心。運気は強いので焦ることはない。

「うま年」
 才能があり、それが表にあらわれる。人を使い、人の上に立ち、そういう立場に立つことで本領が発揮できる。男女を問わずお天気屋でわがままなところがある。あまり調子づいてしまうと、人の輪からはみだすことがあるので注意。

「ひつじ年」
 どんなに苦境に陥っても、へこたれずに目的をとげる持続力を持っている。ギャンブル的な要素のある決断は避けたほうが賢明。堅実な歩調を崩さなければ能力を発揮することができる。一見するとおとなしそうだが、芯はしっかりしている。

「さる年」
 身軽な行動力があり、前途はバラ色。しかし、人からの反感を買うことも多い。それだけに対人関係には注意をはらっていくことが大事。反感を買う原因は自分の性格からきていることをゆめゆめ忘れないように。

「とり年」
 頭の回転が早い。先見の明もある。このことから失敗をするということはあまり考えられない。しかし、必要以上に周囲の目を気にするところがある。もっと大らかになるほうがいい。それによって目的も達成しやすいというもの。

「いぬ年」
 性格的にも誰からも好かれる。そのことによって平穏な生活が送れる。結婚運も財産運に恵まれている。気になるのは争いごとに弱いこと。強力なライバルがあらわれたとき、どこまで踏ん張ることができるか。対人関係には気を配ること。

「いのしし年」
 今年の干支。とにかく行動力はある。人を使う力があり、独立しても成功までもっていける。運気は強く、落ち込むということはない。気を付けなくてはいけないのは鼻が高くなりすぎること。これがマイナスになる。

「イノシシ生まれが大集合、年男、年女は」


 猪突猛進。走り出したらもう止まらない。それも曲がることをせず一直線に。

 そんなイノシシ年。政界では民主党鳩山由紀夫幹事長がそうだ。
 政界きっての「名門」の出で、生まれたときから政治家になることが運命づけられていた。これは本人が言っている。
 今年夏の参院選を民主党は「政権奪取へのホップ、ステップ」と位置付けている。
 幹事長として選挙を統括。その手腕のほどが注目される。
 民主党最高顧問である羽田孜元首相もイノシシ年。
 安倍内閣で閣外になったが小泉内閣では金融担当相として辣腕をふるった柳沢伯夫氏もそうだ。

 作家ではノーベル文学賞を受賞している大江健三郎氏。評論家としても活躍している堺屋太一氏。今年は「団塊の世代」が大量に定年退職をする。「団塊の世代」の言葉を生み出したのは堺屋氏。ほかでは立松和平氏、北方謙三氏、大藪春彦氏。

 世界を舞台にして活躍している指揮者の小沢征爾氏。日本が世界に誇る第一人者である。昨年は体調を崩したが、いまやすっかり回復。今年も精力的な活動が期待される。映画監督の鈴木清順氏は大正一二年生まれだが、元気も元気。

 キャスターには大物が二人。筑紫哲也氏と小倉智昭氏だ。司会者では押阪忍氏。

 経済界ではオリックスの宮内義彦氏。将棋の中原誠氏。イノシシ生まれそのもので、攻めだしたら止まらない。

 ムツゴロウ動物王国でおなじみの畑正憲氏は昭和一〇年生まれ。

 プロ野球界ではまず楽天の野村克也監督。
 「今年は注目してくれていいぞ」と強気。最下位脱出ばかりか、優勝争いにからむ気でいる。
 プロ野球界のイノシシはほかにロッテ今江敏晃、日本ハム八木智哉、中日井上一樹、横浜種田仁、広島前田智徳、巨人豊田清、小久保裕紀、仁志敏久の各氏。
 阪神シニアディレクター星野仙一氏もそうだ。

 プロゴルフでは「ジャンボ」こと尾崎将司氏。

 芸能界はまさに多士済々。
 三国連太郎、川津祐介、渡辺謙、小林桂樹、西田敏行、高橋幸司、鈴木ヒロミツ、井上順、ビートたけし、小田和正、千昌夫、森進一、根津甚八、カールスモーキー石井、布施明、池上季実子、梶芽衣子、榊原郁恵、古手川祐子、渡辺絵美、大島智子、田中美佐子、細川ふみえ、工藤夕貴、島津亜矢、高田万由子、泉ピン子の各氏。
 ミュージシャンの加藤和彦氏、細野晴臣氏も。


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