平成19年1月3日(水)第14609号

◆全県◆
今春の県議選
=合併後初=

◆大津・大津市◆
「滋賀会館シネマホール」
「フラガール」
〜願いは手の中に〜


◆湖西・高島市◆
酒で棚田景観守る
高島の蔵元が棚田米で吟醸酒
=酒オーナー 農業の担い手不足解消=


◆東近江・東近江市◆
近江商人屋敷蘇生プロジェクト
まちへの愛着が大きな力
=自治会組織からNPO法人へ=


◆東近江・東近江市◆
うまい!本場仕込みの味
県内産の小麦粉使用
=井下さんの讃岐うどん=


◆東近江・日野町◆
うまさの秘密は自家製飼料
極上ブランド豚「藏尾ポーク」
=愛情を一緒に食べて!=


今春の県議選

=合併後初=


◆全県◆

 任期満了に伴う滋賀県議会議員一般選挙(定数四十七)は、三月三十日告示、四月八日の投票に向け、水面下での動きが活発化してきた。市町村合併で、愛知郡を含めた東近江地域の定数は、東近江市四議席、近江八幡市二議席、蒲生郡二議席、愛知郡一議席と、全体で従来通りの九議席となったが、中でも変則合併で誕生した東近江市選挙区での激戦が予想される。各選挙区の動向を探る。敬称略。

旧市町の色合い強く手探り状態
混戦模様 東近江市選挙区に8人立つ


 【東近江市(定数四)】 旧八日市市から小寺裕雄(46)=自民=、山田実(54)=民主=の現職二人が再選を狙い、自民元職の中島敏(58)=無所属=が四期に挑戦する。旧五個荘町の小杉武志(65)=自民=、旧能登川町の宇賀武(58)=自民=もそれぞれ再選を期し、旧湖東町の上野幸夫(66)=自民=は六期に挑む。

 新人では、共産の谷本善弘(67)=旧能登川町=と、無所属の木沢成人(34)=旧蒲生町=の二人が立つ。共産が全市的な戦いを目指す一方で、民主は二議席確保へ旧五個荘・能登川を中心に人選を進めている。

 【近江八幡市(定数二)】 冨士谷英正が市長選に出馬して初当選し、徳永久志が夏の参議院選挙の滋賀県選挙区に民主党から出馬するため、現職二人が居なくなり、新人対決となる。

 冨士谷の後継者として市議二期の中谷哲夫(64)が出馬するほか、民主党、共産党でも年越し前後で対抗馬を擁立。また、冨士谷の自民党籍停止や市長選の結果を受けて、自民党からもう一人、元市議、現市議、元県議の間で出馬の可能性もあり得る。

 【蒲生郡(定数二)】 現職の山田尚夫(59)は自民党から二期への出馬を決め、着々と選挙準備を進めている。一方、同じく自民現職の杼木捨蔵(64)は、三期務め上げたことから勇退の意向を後援者に伝え、竜王町から新人擁立の可能性も。

 三十六年間にわたり県議を輩出していない安土町からは、前県議選で涙をのんだ元町議の片岡好夫(59)が名乗りを上げた。自民系候補に対抗すべく、民主・共産両党ともに候補者擁立に向け検討に入っている。

 【愛知郡(定数一)】 合併により、これまで四町だった選挙区が旧二町になったことにより、選挙区地図が大きく塗り変わる可能性が大きい。小さくなった選挙区の中での有権者の関心と票の流れが注目される。

 現在のところ、元職の有村国宏(72)と元旧愛知川町議の塚本精一(53)の二氏が出馬に向けて準備を本格化させているが、二人とも旧愛知川町からの候補者となるため、旧秦荘町から対立候補を擁立する動きがあり、元職と新人が争う三つ巴戦の可能性が出てきている。


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滋賀会館シネマホール

「フラガール」

〜願いは手の中に〜



◆大津・大津市◆

 新年おめでとうございます。全国でもまれな公設民営方式で再生し、4回目のお正月を迎えた滋賀県唯一のミニシアター「滋賀会館シネマホール」を、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 さて、昨年のお正月には、マイナス40℃の南極から『皇帝ペンギン』をご紹介したこのコーナー。うって変わって本年は、北の炭鉱町に「常夏のハワイ」を実現した少女たちの物語『フラガール』をご紹介します。(一方で同時に、マイナス50℃の北極を描いた『ホワイト・プラネット』も公開。同時に「ハワイ」も「北極」も体験できる?という、この多彩さがシネマホールの命です)

 「常磐ハワイアンセンター」って、関西人の私でも、昔から行ったことはなくても知っている有名なリゾート施設ですが、なぜ東北の地に「ハワイ」なのか、そこにはこんな隠された物語があったのです。舞台は昭和40年、石炭から石油へと変わるエネルギー革命を背景に、かつて隆盛を誇った炭鉱町も斜陽化。そこで会社は起死回生策として、従来は石炭採掘の妨げであった温泉を利用し、レジャー産業に進出。選ばれたのが「ハワイ」であり、地元の少女たちを採用した「フラ(ダンス)」だったのです。

 請われて東京からやってきたフラの教師と盆踊りしか知らない炭鉱娘たちが織り成す人生と地域の再生の物語。奇跡の実話をじっくりとお楽しみください。
(シネファンク 中川 学)

「フラガール」

2006年/日本/120分
製作:李鳳宇/監督・脚本:李相日
出演:松雪泰子/豊川悦司/蒼井優/山崎静代(南海キャンディーズ)/富司純子/岸部一徳
音楽:ジェイク・シマブクロ


4日(木)から上映(3日まで休館)。4・5日(金)は13:50より、6日(土)から8日(祝)までは15:45より、それぞれ1日1回の上映。
10日(水)から12日(金)は14:40と18:45より、13(土)・14日(日)は15:30と19:20よりのそれぞれ1日2回上映。
16日(火)から21日(日)までも10:10と16:40より1日2回の上映となります。
(以降の予定はお問い合わせを。毎週月曜日は休館日。月曜が祝日の週は火曜日が休館です)

当日一般:1700円、学生:1400円、小・中・高校生、シニア(60歳以上
、障害者の方も1000円(4日は本年最初のファーストデーで1000円均一。水曜日も1000円均一。火曜日は会員サービスデー、毎週木金の朝初回と16:00以降の上映は1200円。夫婦50割引2000円も継続中)
滋賀会館シネマホールは、JR大津駅北口より徒歩5分、県庁前の滋賀会館5階。お問合せは077-522-6232へ。


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酒で棚田景観守る

高島の蔵元が棚田米で吟醸酒
=酒オーナー 農業の担い手不足解消=


▲静かな山里が賑やかになる秋の「収穫まつり」
◆湖西・高島市◆

 高島市高島地域の最西端、比良山地の奥深い懐にすっぽり包まれた畑地区(四十戸)は、標高差百メートルの山間地。天に届けとばかりにすりばち状に広がる三百五十九枚の棚田は、平成十一年に県内で唯一、その美しさから「日本の棚田百選」に選ばれた。ところが、舞台裏では、高齢化が進み後継者不足で休耕田が毎年増える現状が…。地域が景観保全に奮闘する中、日本酒を通じて棚田を保全しようと、同地の米を原料に純米吟醸酒「里山」が四年前に誕生した。

苦心の末 良質の味わい


▲吟醸酒「里山」を手にする福井毅さん
 純米吟醸酒「里山」の醸造元は、清酒「萩乃露」で知られる(株)福井弥平商店(高島市勝野)。専務取締役の福井毅さん(34)が「地元で商売するからには、地域が元気になってもらわないといけない」と挑戦したのがきっかけ。

 もともと自然環境には関心はなかったが、七年前に取引先を通じて、「里山」をライフワークにする写真家・今森光彦氏に出会い、棚田の危機を知った。

 畑の棚田が「日本の棚田百選」に選ばれて以降、都会からカメラを携えた観光客がどっと小さな集落に押し寄せた。

 「棚田は担い手の高齢化で維持は先細りで、休耕田が増えている。写真を撮って帰るだけでは根本的な解決に結びつかない。」と嘆いた。

 そこで平成十五年、旧高島町の棚田オーナー制度に続いて、後継者不足の解消と棚田の現状をPRするのを兼ねて、全国的に珍しい酒オーナー制度を始めた。年間費二万円で農作業のほか、収穫した米による酒造りを見学し、翌年春に出来上がった酒を受け取る仕組みだ。

 日本酒の原料米は通常、山田錦だが、畑の棚田では獣害などの関係でコシヒカリしかつくれない。このため吟醸酒「里山」には、コシヒカリを使っている。当初は思い通りの味わいができなかったが、一昨年産から良質の酒が造れるようになった。販売は地元の酒販店、県内の有志店で扱っている。 

 「酒オーナーの人に棚田の現状を知ってもらったり、棚田米の酒を販売することで、消費者に関心を持ってもらえれば」と意欲を燃やしている。


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近江商人屋敷蘇生プロジェクト

まちへの愛着が大きな力

=自治会組織からNPO法人へ=



▲改修中の旧中江家住宅
◆東近江・東近江市◆

 レトロな時代村ではなく、生活の音や匂いを感じる生きた文化遺産として親しまれている近江商人のまち・五個荘金堂町―、日本経済の基礎を築いた商人宅が建ち並び、「もてなし」の心は、まち全体を美術館・博物館に見立てる形で一般公開されている。そんなまちへの愛着が大きな力となり、自治会組織の金堂町並保存会が、国の重要伝統的建造物群保存地区としては先駆的なNPO法人化を目指し、空き家を保存活用する『近江商人屋敷蘇生プロジェクト―旧中江家住宅を(仮称)金堂まちなみ保存交流館に』を始めた。

 五個荘地区は、外与(現・総合繊維商社外与株式会社)の外村与左衛門、紅屋(繊維商社ツカモト)の塚本定右衛門、京呉服卸問屋丸桝市田(市田株式会社)の市田弥市郎、スキー毛糸の藤井彦四郎など、幕末明治の産業界をリードした近江商人の発祥地。富豪に上り詰めた後も奢ることなく、「利真於勤」に代表される倫理・訓戒で格調高い農村集落を築いた。

 この美しい町並みを守ろうと、金堂町の住民らが「金堂町並保存会」をつくり、清掃活動や錦鯉放流などを展開し、町並みそのものを美術館・博物館にする「ぶらりまちかど」では保全&活用の町づくりを繰り広げてきた。こうした活動が実り、平成十年十二月には国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。

 そのようなか、空き家になっていた「旧中江富十郎家住宅」が処分される―という話しが届いた。中江家は、大陸の百貨店王と称され、戦前の朝鮮・中国に二十店舗もの三中井百貨店を築いた創業者の一人、中江冨十郎が住んでいた屋敷。

 家人(孫)も思い悩んでの決断だったが、住民にとって思い出深い屋敷であり、「なんとか残してほしい」と当時の五個荘町に保存を要望したところ、建物は寄付、土地は町が購入することになり、合併後、伝建事業として東近江市に引き継がれた。

 ところが、財政事情から市の管理運営は厳しく、外装工事は行うものの、内装修理、設備工事、運営を地元でお願いできないか―と相談が寄せられ、保存会にとって大きな課題がのしかかった。

 当時を振り返る西村實会長は「これは正直、大変だと思いました。保存会は町内の各世帯が会員となり、収益はほんの少しです。しかし、他の伝建地区に行かれた方はお気づきと思いますが、金堂には町並み保存の紹介や湯茶のもてなし施設がない。こうした活動拠点を持つことは発足当初からの夢だったんです」と話し、協議を重ねたところ「よし、やろう!」と、画期的とも言える『近江商人屋敷蘇生プロジェクト』がスタート。仮称・町並保存交流館設立準備委員会が立ち上がり、十二人の委員が集まった。

 さっそく、伝建審議会委員で木造建物を基盤にしたまちづくり研究の工学博士・鈴木有さんをアドバイザーに迎え、様々なアイデアを出し合った結果、目指す交流館を▽住民にとって「生きがい」の場▽近江商人の心髄「おもてなし」の場▽老若男女にとっての「学び」の場―とした。

 そのための実践活動として、旧中江家を初公開して今昔写真展を開いたほか、事業化の可能性を探ろうと、周辺の家庭でしか知らない中江家伝承の「朝鮮漬け」販売も行い、地元や観光客らから反響を呼んだ。

▲大陸の百貨店王と称され、戦前の朝鮮・中国に三中井百貨店を築いた中江4兄弟(後列右が冨十郎)
 中江家は戦前、大陸で百貨店を経営した近江商人。ここでの製法を地元に伝え、いまでもお正月料理には欠かせない一品となっており、商人の食事や郷土料理、地場産物を含めた「その地ならでは」の物産・体験ゾーンも計画に上る。

 こうした取り組みに併せて、現在、必死に学んでいるのが管理運営と地元学。屋敷を管理するには組織強化が必須、また、第三者的な再発見も必要であり、自治会内の一組織から社会的組織に向けた「NPO法人化計画」が進行、膨大な申請書類も自らの手でまとめ上げた。

 その甲斐あって、今年二月ごろに認可される吉報が届き、地元の意欲も絶好調。全国に八十カ所ある伝建地区の地元保存会としては一、二例しかなく、全国の関係から注目を集めている。

 だが、経済的な不安があることも否めない。これについて委員らが話した言葉が頼もしい。
 「ここは近江商人発祥地。比較的に商才がある。どの時代も苦労した時期があり、頑張れば結果はついてくるはず。まずは手弁当でも楽しめる『生きがい館』にしよう―」


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うまい!本場仕込みの味

県内産の小麦粉使用

=井下さんの讃岐うどん=



▲人気集める井下さんの讃岐うどんづくり教室
◆東近江・東近江市◆

 今から二十年前、会社勤めの傍ら子どもの頃に食べ親しんだ本場の讃岐うどんの味を多くの人に知ってもらおうとはじめたうどんづくり教室が、静かなブームとなっている。

 その仕掛け人は、東近江市建部堺町の井下正さん(69)。讃岐うどん発祥の地、香川県生まれで、子どもの頃には祭りや祝う事がある度にうどんが食卓に並び、各家族で食べる習慣があったという。麺は自家製で、母親が打つのをいつも横で見ていて作り方を覚えた。

 三十五年前、勤務していた家電メーカーの工場があった東近江市(旧八日市市)に移住、退職後は建部公民館長を務めている。

四季を通した うまさの秘訣

 当初、うどんづくりは、趣味で楽しむ程度だったが、プリンプリンの麺の食味を知る人たちが増え、ぜひ本場の讃岐うどんの作り方を教えてほしいと各地の講習会に呼ばれるようになった。

 井下さんが、讃岐うどんづくりに本格的に取り組み出したのは三年前。それまで国内産の小麦粉は、麺の腰がやや弱く長い麺を作ることが難しいかったため、製麺に適した外国産の粉を使っていたが、農林61号に代わって製麺に適した「フクサヤカ」という品種が県内で栽培され始めたのをきっかけに、試作を繰り返し、本場の讃岐うどんと変わらぬ高い品質の麺が作れることが分かった。

▲手打ちのコツを伝授する井下さん
 香川県では、讃岐うどんの材料として開発された「さぬきの夢二○○○」という品種の小麦粉が使われているが、井下さんは地元の滋賀県産にこだわり、女性でも子どもでも作れるレシピを作った。

 手打ちうどんは、小麦粉、塩、水の配合を季節の気候に合わせて調整することがおいしい麺に仕上げるポイントだと、井下さんはいう。

 そのレシピをよると、四人前の小麦粉四百グラムを用意した場合、春と秋は食塩十六グラム、水一八四グラムにするが、夏は食塩二十グラム、水一八○グラムに割合を変え、冬は食塩十二グラム、水一八八グラムにして混ぜ合わせると四季を通しておいしい麺が出来あがる。季節によつて変化するのは食塩と水の割合で、四季を通じて食塩と水は合計二百グラムにすることがポイント。

 井下さんは、「フクサヤカを原料にすることで地産地消につながる」と滋賀県産の讃岐うどんづくりに意欲を燃やしている。

 


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うまさの秘密は自家製飼料

極上ブランド豚「藏尾ポーク」

=愛情を一緒に食べて!=



▲誕生から出荷まで約8カ月間にわたって愛情をたっぷり注ぐ蔵尾さん夫妻(日野町音羽の農場で)
◆東近江・日野町◆

 全国各地でブランド豚が誕生し、その種類は二百以上にのぼるという。生産者は、他の産地の豚との差別化を図るため、こだわりの肥育方法や飼育環境を全面に打ち出す。おいしさに加えて安心・安全を求める消費者の要求にこたえようとする努力の積み重ねが、ブランド化を押し進めている。明治初期から養豚業を営み、自家製飼料と愛情で極上と称されるまでになった「藏尾ポーク」。日野町音羽にある農場を訪ねた。

 明治初期から三代にわたって養豚業を営む有限会社藏尾ポーク。現在、四代目となる藏尾忠さん(48)と妻・裕美さん(47)、後継者の長男・誠さん(20)、従業員ら計六人が、豚舎五棟で常時二千三百頭の豚を飼育している。

 藏尾ポークの豚肉は、牛肉のようにサシ(霜降り)が入り、柔らかい肉質と甘い脂身が特徴で、かめばかむほどうま味が口いっぱいに広がる。その秘密は、小麦を主原料とした自家製の飼料に隠されている。

 クラブハリエのバームクーヘンや大手菓子メーカーの菓子くずなど製造過程で発生した商品にならない食品残さを仕入れ、グループ会社の藏尾ファーム(大阪枚方市)でブレンドし、熱処理して飼料へと加工している。

 「この子たちには人間がおいしいと感じる物しか与えない」と、藏尾さん夫妻は必ず自家製飼料を食べ、味・においなどを確認する。そのこだわりが消費者の安心感につながる。

▲母豚からたっぷり栄養をもらう子豚たち
 さらにうまさを引き立てるのが、藏尾さん一家と従業員の愛情。「大切な命を生かすためにも、自分たちのできることを尽くしてやりたい」との思いで、早朝から夜間まで豚の毛艶やえさの減り具合に気を配り、体調チェックと徹底した衛生管理に手間を惜しまない。

 約四年前からは、裕美さんの「子どもが産まれるところが見たい」との一言で、分娩から出荷まで一貫して行う経営法を導入。身を削って子育てする母豚や産まれたての光り輝く子豚に触れ「感動をもらっている」と目を細める裕美さんは、出荷までの約八カ月間に心血を注ぐ。

 手の平ほどの子豚が体重百十〜百二十キロまで成長すると、感謝の気持ちを込めて送り出す。自慢の藏尾ポークを多くの人に味わってほしいと、平成十五年には直売店(大阪府枚方市)を構え、ネット販売(http://www.kuraopork.com/)も始めた。「豚肉がこんなにおいしいとは知らなかった」という消費者の声が寄せられ、今では行列ができる繁盛ぶりで、ネット販売も品薄状態が続く人気の高さ。

 忠さんは「今は年間約四千頭を出荷しているが、もう少し採算のとれるように頭数を増やしたい。その前に若い人を養成していきたい」と語り、養豚業の魅力と責任を実感し始めた誠さんに期待を寄せる。

 「私たちの愛情も一緒に食べてほしい」。消費者の信頼を裏切らない生産者の努力と熱い思いが、極上と称される藏尾ポークのゆえんでもある。

 


全県大津湖南・甲賀東近江・湖東湖北・湖西中央政界社説

今週の運勢おくやみ・お誕生・ご結婚今日の首長交通取締リンク
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