平成19年9月13日(木)第14826号

◆全県◆
把握できない正確な漁業被害
カワウ駆除問題を検証する<下>
効果上がらないカワウ駆除
=目標の4千羽の根拠もぜい弱?=

◆大津・大津市◆
仏教美術展、空前の規模で開催
「円仁とその名宝展」
=県近美=


◆湖南・栗東市◆
知事、地権者と話し合い
聞き取りの回答示す
=新駅問題=


◆東近江・東近江市◆
食の大切さ「田んぼの学校」
収穫の秋 子どもたちが稲刈り
=来月 みんなでおにぎりパーティー!=


◆東近江・竜王町◆
竜王町議選 中盤戦へ
新人に勢い現職劣勢
=争点なく票田の大小響く!?=


◆東近江・近江八幡市◆
医師・看護師の確保求め
若者らも積極署名
=近江八幡市で市民団体=


把握できない正確な漁業被害

カワウ駆除問題を検証する<下>

効果上がらないカワウ駆除
=目標の4千羽の根拠もぜい弱?=


▲島の3分の2の樹木に影響が出ている竹生島
◆全県◆

 「神社や仏閣周辺にも、カワウが営巣し始めている。店の前にも羽毛が落ち、カワウのふんの臭気も発生している。県が七月の事故以来、銃器駆除をストップしたため、カワウは我が物顔だ。一刻も早く銃器駆除を再開してほしい」と竹生島(長浜市)の売店店主は訴えた。

 同島では、カワウのふんの付着や営巣のため、樹木が枯死するなど、島の三分の二の樹木に被害が出ている。観光客の出入りの多い神社仏閣周辺の樹木だけがかろうじて以前の姿を保っている状態だ。

 県は、平成十六年度から営巣地の竹生島と伊崎半島(近江八幡市)で銃器駆除を実施している。事業主体は、十六〜十七年度が県、十八年〜十九度が県漁業協同組合連合会(県漁連)と長浜市(県が補助)。カワウの銃器駆除は、十六年度一万六千二十二羽、十七年度一万二千四百九十三羽、十八年度一万七千八百十羽(七月九日現在)にのぼる。県は、十九年度のカワウ対策事業費として約五千七百万円を計上している。

 しかし、県の十九年度春期カワウ生息調査では、竹生島二万三千百五十八羽(前年同期比三千六百四羽減)、伊崎半島一万一千四十七羽(同三千二百四十三羽増)の計三万四千二百五羽(同三百六十一羽減)と昨年同期に比べ横ばいにとどまった。

 県自然環境保全課は、この理由として<1>カワウの繁殖による自然増加が銃器駆除を上回っている<2>県外からのカワウの流入----を挙げている。

 もともと銃器駆除は、カワウによる漁業被害を食い止めるために始まった。県水産課はカワウ一羽当たり一日の補食量(三百五十グラム)を県内のカワウ生息数(推計)三万五千羽と滞在日数に掛けて、カワウの年間補食(魚)量を二千六百二十二トンと試算した。ちなみに十七年の琵琶湖の年間漁獲量は二千三十三トンであり、カワウの年間補食量を下回ることになる。県漁連が県水産課にカワウ駆除を強く求めるゆえんだが、実は補食量イコール漁獲量被害ではない。

 自然環境保全課は「確かにカワウの年間補食量だけでは、漁業被害の正確な実態がわからない。とにかく(水産課や県漁連の意向もあり)銃器駆除を急がざるを得なかった」という。県がカワウ対策の目標とした生息数四千羽も、カワウ飛来数が激増する以前(平成六年ごろ)を想定したにすぎず、その科学的根拠はぜい弱といえる。

 松尾隆・県猟友会東浅井支部長は「カワウは全国からやってくるだけに、国がカワウの適正数値を定めて、広域的に取り組んでいかないと、滋賀県だけの駆除事業には限界がある」と話した。

 県琵琶湖博物館の亀田佳代子専門学芸員も「ここらでカワウは、なにが問題なのかを整理する必要がある。例えば漁業被害なら、どの魚種の、どこが困っているのかをきちんと把握し、被害を食い止める手を打たねばならない」と指摘する。

【石川政実】


 記者メモ 

 「何が知りたいのや。県が散弾粒は靴等に付着して持ち込まれたとしているならそれでいい」と顔面は蒼白だった。「本当のことを知りたいんです」。「船からは、あの二個(散弾粒)以外にもその後、三個は見つかってる」と吐き捨てた「うみのこ」乗務員の言葉が今も脳裏を離れない。


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仏教美術展、空前の規模で開催

「円仁とその名宝展」

=県近美=


▲金銅宝相華唐草文経箱(国宝・延暦寺)
◆大津・大津市◆

 企画展「慈覚大師 円仁とその名宝-仏教美術の名品から-」が、県立近代美術館(大津市瀬田南大萱町)で開催されている。同展では、円仁の実像を探るとともに、造形美術の関わりにも焦点をあてる。会場には国宝十九件、重要文化財五十件を含む百四十件が展示され、同館では空前の規模となる仏教美術の名宝展といえる。期間は二十四日まで。

 天台宗・延暦寺を開いた最澄に隠れがちなのが、興隆の基礎をつくった円仁(七九四-八六四)だ。下野国(現在の栃木県)の生まれで、比叡山に入山し最澄の弟子となった。

 当時国内では、加持祈祷を重視した密教が流行しており、これをいち早く取り入れた空海の真言宗が圧倒的な力を持っていた。そんな中で円仁は、天台宗の発展を目指して承和五年(八三八年)に入唐し、廃仏令吹き荒れる同地で苦労しながら新しい知識を吸収した。

 十年滞在した後、、多くの経典や仏画などを持ち帰った円仁は、天台宗に密教を積極的に取り込み、同宗の地位を押し上げ、興隆の基礎をつくった。このほか多くの著作を残し、日本仏教にも大きな影響を与えている。斉衡元年(八五四年)、第三世天台座主に就任し、貞観六年(八六四年)の没。

 入場は一般千円、高大生八百円、小中生六百円。毎週月曜休館。ただし、十七、二十四日は開館し、十八日は休館する。問い合わせは同美術館(077-543-2111)へ。


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知事、地権者と話し合い

聞き取りの回答示す

=新駅問題=


▲県方針を説明する嘉田知事
◆湖南・栗東市◆

 新幹線新駅問題で嘉田由紀子知事は十一日夜、これに関連する区画整理事業の地権者集落(下鈎、上鈎、蜂屋、手原)との話し合いを、下鈎甲公民館で行った。新駅計画の是非決定の期限は十月末となっており、中止となった場合、区画整理事業の方向性が焦点となる。

 このなかで嘉田知事は、先月、地権者集落を回って聞き取った要望について回答した。「区画整理事業が進まなくなったことで生活設計が壊れた」という声については、「生活設計ができるだけ狂わないよう、栗東市と協議して県として支援したい」と理解を求めた。

 また、「市街化区域に編入されたことで固定資産税が上がった」との苦情には、「栗東市と相談して対応したい」と前向きな姿勢を示した。

 このほか、「計画凍結の引き延ばしを、JR東海へ依頼してほしい」との要望が出たが、知事はこれまでの同社とのやりとりの経過から「難しいのでは」と述べ、回答を避けた。

 この日、傍聴に訪れていた国松正一栗東市長は、今後の県との協議の見通しについて「難しい。話し合ってみないと分からない」と語った。


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食の大切さ「田んぼの学校」

収穫の秋 子どもたちが稲刈り

=来月 みんなでおにぎりパーティー!=


▲植えた稲の成長を喜びながら一株ずつ刈り取る児童たち
◆東近江・東近江市◆

 食卓に並ぶまでの人々のつながりを知ってほしいと、生産現場を体験学習する「田んぼの学校」が十日、東近江市五個荘竜田町の田んぼで開かれ、市内小学校のトップを切って五個荘小学校の五年生百二十九人が稲刈りをした。

 農業や家畜、自然とふれあう機会の減少に伴って、命の源である「食」への関心や「頂いた命」への感謝が薄れつつあるなか、一年間の農業体験を通して子どもたちに食べ物の大切さや収穫の喜び、苦労を感じてもらおうと、ものづくりの一連を学ぶ体験型教育が「田んぼの学校」。

 また、田んぼや水路を学び・遊びの場としながら、農業が持つ多面的な機能(生態系保全、洪水防止機能、やすらぎ等)を感じ取り、豊かな感性や共感力の育成もねらいとしており、市内にある全二十三の小学校で取り組んでいる。

 五個荘地区では五年前から、教育関係者や農業協同組合、保護者、市職員らが連携しながら子どもたちの農業体験を応援しており、五年生の総合学習の時間に田植えや生き物調査を行ってきた。

 今年は、学校近くにある河村幸俊さん(65)の田んぼ四アールを借りて、同学校を開校し、米作りのベテラン・五個荘教育分室長の河村栄一さんを学校長に、早生品種のキヌヒカリを育ててきた。

 さっそく、カマを片手に田んぼに入った児童たちは、約五〇センチにまで育った稲を刈り取り、たわわに実った黄金色の穂を観察したほか、逃げ出すバッタやカエル、小さなネズミを捕まえるなど大はしゃぎで、生産者や農業委員、JA職員らと一緒にコンバインによる脱穀作業も体験した。

 夏休み中も田んぼを訪れ、稲の花を観察したという女子児童は「初めての稲刈りで、カマの力の入れ具合が難しかったけど、自分が植えた稲が成長していてうれしかった。はやく自分たちのお米を食べたい」と話していた。

 お米は現在乾燥中だが、収穫量は約二百四十キロになる見込みで、田んぼの学校メンバーによる収穫祭を来月中旬に計画しており、お世話になった人々と一緒に「おにぎりパーティー」を楽しみたいという。


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竜王町議選 中盤戦へ

新人に勢い現職劣勢

=争点なく票田の大小響く!?=


◆東近江・竜王町◆

 竜王町議会議員一般選挙が十一日に告示され、定数十二に対して現職九人、新人七人の計十六人が立候補した。中盤に差し掛かった選挙戦は、集落のつながりを重んじる旧来の村型選挙を死守する動きと、それを打ち破ろうとする動きとがぶつかり合い、混迷している。候補者がいない橋本・鵜川地区といった空白地や浮動票の多い新興住宅地などでの票取り合戦も過熱しており、各陣営の動きを探った。有権者数(十日現在)は一万二百八十六人。                      (届け出順、文中敬称略)

 【圖司重夫】鏡と松陽台の両地区から推薦を取り付けたものの、新人の攻勢を受け、地元票の流出に危機感を強め死守に躍起だ。

 【川嶋哲也】前々回の選挙で支援を受けた弓削・川上地区が推す新人に地盤を食い込まれ、地元・林地区以外での集票がカギ。

 【若井敏子】共産の基礎票(約四百五十票)を土台に、街頭演説で四期の実績と暮らしを守る町政実現を繰り返し訴え、票の上積みに必死。

 【竹山兵司】各集落の締め付けが厳しく、自立での立候補に苦戦を強いられており、山之上地区の票を掘り起こしつつ空白地に乗り込む。

 【村田通男】山中・岡屋地区の支援体制は強力で、選挙事務所も両地区を日替わりで移動。地盤引き締めにより当確ラインをうかがう。

 【山添勝之】選挙活動の出遅れを取り戻すべく、推薦を受けた薬師・小口・松が丘・希望が丘地区の票固めに専念し、上位当選を目指す。

 【貴多正幸】若さと行動力を全面に打ち出し、松陽台・美松台地区にも攻め込み、全町的な支持層拡大を図る。現職を脅かす今選挙の台風の目。

 【菱田三男】票田は小さいものの駕輿丁地区の熱い支援を源に、周辺の綾戸・島・橋本地区での個人演説会を予定、空白地の票吸収に全力を注ぐ。

 【中島正己】新人の立候補で地盤が分裂。厳しい戦いを強いられており、議長経験の実績を武器に新興住宅地や空白地での票獲得に乗り出す。

 【大橋弘】西川・須恵地区の両地区が一致団結。隣接地域の七里・鵜川地区や血縁者がいる山之上地区への支持浸透にも余念がない。

 【山田義明】西出地区と山之上連合区の推薦、東出地区の協力を受け、好調な滑り出し。他候補の攻勢をけん制しつつ地盤死守で再選を狙う。

 【岡山富男】民主党・ダイハツ労組・連合滋賀・美松台地区を後ろ盾に、票の上滑りを警戒しながらミニ集会を重ねて着実に支持層をつかむ。

 【勝見幸弘】田中・綾戸・島・駕輿丁地区の協力体制が崩壊し、情勢一変。新人の勢いに押され気味で、綾戸・島地区との再結束に奔走する。

 【蔵口嘉寿男】川守・岩井地区の統一候補で、両地区が総力をあげてバックアップ。五百五十票以上を目標に立候補者不在の地域へも攻め入る。

 【小森重剛】弓削・川上地区の老若男女を起動力に、信濃・庄地区へと支持拡大。小さい票田のため他地域での集票で上昇気流をつかみたいところ。

 【寺島健一】新村・西山地区と山之上連合区が全面支援しているものの、他候補の切り崩しが不安要素。再選に向けて地元票固めに心血を注ぐ。


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医師・看護師の確保求め

若者らも積極署名

=近江八幡市で市民団体=


▲医師不足の問題を訴える島田代表(左)と、署名する市民ら――JR近江八幡駅前で――
◆東近江・近江八幡市◆

 相次ぐ産婦人科・整形外科医師の退職に伴い医療体制に支障が生じている近江八幡市立総合医療センターについて、住民らでつくる「地域医療の充実を求める近江八幡市民の会」は、市に早急の対応を求める「医師確保と地域医療を守る」請願署名の街頭活動を、このほどJR近江八幡駅前で行った。

 署名の呼びかけは駅南口から駅前ショッピングセンターに続く二階通路で行われ、現役看護師でもある島田美紀子代表が、総合医療センターで起きている医師や看護師の人員不足の問題、医療現場の過酷な勤務実態、里帰り出産や地元出産を希望しても受け入れてもらえない状況、出産を控えた母子を守るため湖東地域の高次医療機関としての周産期医療センターの役割を担えなくなる不安などを訴えた。

 奈良県橿原市の妊婦が医療機関に相次いで受け入れを拒否され、死産したニュースが報じられた直後だったこともあってか、大勢の市民や他府県からの観光客までが署名に応じていた。特に、学生や若者など若い世代がすすんで署名する姿が多く見られ、問題への関心の高さを物語っていた。

 請願は、住民の生命と健康を守れるよう、「緊急に、産婦人科・整形外科医の確保」「不足する診療科医の確保、看護師不足の解消」を求める。

 同会では、今後も市内の拠点施設などで署名活動を行うことにしている。


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