平成20年1月5日(土)第14922号

◆全県◆
琵琶湖を世界遺産に
=県が庁内プロジェクト設置へ =


◆甲賀・甲賀市◆
今春開通の新名神へ熱い視線
最大沿線自治体である甲賀市
市内にインターチェンジ3カ所整備
=「地の利」活かした企業誘致、早くも好調=

◆東近江・東近江市◆
森林再生プロジェクト
地域の里山「猪子山」
環境学習からまちづくりへ
=能登川南小=


◆東近江・東近江市◆
水域の “共生ゾーン”
伊庭内湖再生計画
=全国に発信する「里湖」づくり=


◆東近江・東近江市◆
地域医療の現場から
人を愛し 人に愛され
=東近江市永源寺診療所長 花戸貴司=


◆東近江・東近江市◆
長編ドキュメンタリー映画
六ヶ所村ラプソディー上映会
今の私たちに何が出来る?
=14日・あかね文化ホール=


◆東近江・東近江市◆
箕作山城合戦から四四〇年
六角・織田の命運を分けたものは何か
=中島 伸男=


◆東近江・近江八幡市◆
生の教材で技能習得
=日本造園修景協会滋賀支部の有志=


今春開通の新名神へ熱い視線

最大沿線自治体である甲賀市

市内にインターチェンジ3カ所整備
=「地の利」活かした企業誘致、早くも好調=


▲亀山JCTから大津方面を眺めた風景
◆甲賀・甲賀市◆

 名古屋ー大阪間を最短距離で結ぶ新名神高速道路が、二月二十三日にいよいよ開通する。名神高速道路の慢性的な交通混雑状況を解消しようと、西日本高速道路(大阪市)と中日本高速道路(名古屋市)が着工して十五年、名神高速とともに東西を結ぶダブルネットワーク時代の到来だ。

 新名神高速のルートは、三重県の亀山ジャンクション(JCT、名古屋市からの東名阪自動車道と接続)を起点に鈴鹿峠を越え、甲賀市を経由し、草津田上インターチェンジ(IC)で名神高速に合流するもので、総延長距離は約五十キロである。

 開通効果は、▽名古屋ー大阪間の所要時間の短縮(豊田JCTー草津JCTで約二十分、三十四キロの短縮)▽交通渋滞の解消▽悪天候時の代替機能(名神関ヶ原付近の突発的な大雪への対応)▽企業立地の促進▽救急医療体制の支援ーなど。

 また、地域活性化に向けた沿線自治体の期待も大きい。甲賀市内のルートは、行程の五割近い約二十二キロを占め、市内には甲賀土山IC、甲南PA・IC、信楽ICが整備される。

 とりわけ地元要望で建設される甲南ICは、地域発展に大きく貢献するとされ、来春の供用開始が待たれる。PA(パーキングエリア)は新名神と同時開業で、甲子園球場(約四万平方メートル)よりひとまわり小さい約三万平方メートルで、特産物販売や観光を紹介する。

 産業面の効果はすでに著しい。平成十八年の市内工場立件数をみると、十四年と比べて四倍増の二十件で、同年の県内立地件数の五割を占めるほど好調だ。

 分譲開始してわずか五年の工業団地「甲南フロンティアパーク」でさえ、残りの区画あとわずかで、同市企業立地課は「景気動向の関係もあるが、ここ数年でかなり誘致件数は伸びている」とほくほく顔だ。


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森林再生プロジェクト

地域の里山「猪子山」

環境学習からまちづくりへ
=能登川南小=


▲生い茂った竹林を間伐し、豊かな里山づくりを目指す子どもたち
◆東近江・東近江市◆

 東近江市立能登川南小学校(市川純代校長、六百四十八人)では、近くの里山を舞台に自然観察や水生生物調査などを実施し、県からエコスクールの認定を受ける独自の環境体験学習を行っているが、この活動をさらに発展させ、里山に広がってしまった竹林を本来の豊かな森林に甦らせる「猪子山森林再生プロジェクト」に取り組んでいる。

 地球に優しいエコ活動や自然の保護・再生に携わることによって、子どもたち自らがよりよい環境づくりの実践力を身につけることを目的に、学校や各家庭、地域から循環型社会を築いていく環境保全学習「エコスクール」に取り組み、スタートした十三年から全国や県内のモデル校として活動している。

▲高校生や地域住民と協働。異年齢交流にもなっている再生プロジェクト
 再生プロジェクトは、その舞台を地域全体へと広げたもので、その第一弾となる「猪子山活動」が昨年六月、地元の猪子町自治会の協力を得て実現し、地域住民と全校児童が参加する再生活動がスタート。学校近くの里山・猪子山に生えている落葉樹(ドングリのできるコナラ、クヌギなど)の幼木を採取して学校で育て、再び猪子山に植樹しようと水やりに励んでいる。

 また、生い茂った竹の間伐にも力を入れている。芽を出してから二・三カ月で成竹になる竹は「切ることが植えること」と言われるほど間伐が必要な自然素材だが、竹林が広がるこの地域では、竹製品の需要低下で伐採の機会がなく、繁り過ぎによる人工林(スギ、ヒノキ)への食い込みが問題になっているという。

 このため、八日市南高校緑地デザイン科の生徒たちと能登川地区まちづくり協議会のメンバーたちが、子どもたちと協働する「連携事業」が行われ、多様な植物や動物が生息できる里山づくりを目指して、竹林の間伐や下草刈りを展開し、光が届く竹林整備に汗を流した。また、伐採後の有効活用に向けて、竹炭加工や竹垣作成などのアイデアを考案中で、環境学習とともに異校種や異年齢交流の場ともなっている。

 また現在、同学区を中心に地域啓発を兼ねた保全運動が展開され、住民協力の「エコスクール支援委員会」も形成されている。今後は、まちの緑地化や体験教室を通して身近なプロジェクトにしたい―と意気込んでおり、子どもたちが大切に育てている広葉樹の幼木を今春、猪子山に戻す予定だ。


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水域の “共生ゾーン”

伊庭内湖再生計画

=全国に発信する「里湖」づくり=


▲豊かな里湖を目指し、伊庭内湖のヨシ群落を守るボランティアら
◆東近江・東近江市◆

 ヨシが茂り、さざ波ゆらぐ湖面には水鳥たちの姿。豊かな自然と生き物たちを守る伊庭内湖(東近江市伊庭町)は県有数の湿地であり、県民共通の財産。この内湖を未来に引き継ごうと、東近江市から全国に発信する「里湖づくり」が始まった。

 伊庭内湖は、戦後の食糧難の時代に干拓された大中の湖の名残の内湖で、干拓以前は淡水真珠の養殖など多くの機能を有し、人々の生活と共に生きる「里湖」として親しまれていた。また、ニゴロブナ、ホンモロコなどの産卵場として生態系の維持や水質浄化の役割を果たしてきた。

 現在も、ヨシ群落の保全地域に指定されるなど貴重な水生植物が確認される内湖だが、水質汚濁や琵琶湖と内湖、水田をつなぐ生物たちの移動経路の遮断、外来魚の繁殖による生態系の乱れなど、その水環境には大きな影響が及んでいる。

 こうした状況を見かねた地域住民が、平成十六年に「伊庭内湖の自然を守る会」を立ち上げ、不法投棄ごみの回収や水鳥観察会等のボランティア活動を続け、最近では、河川愛護意識の高まりから徐々にではあるが水質が改善され、魚の種類も増えつつある。

 スタートした「里湖づくり」は、単に形状を復元するのではなく、かつての内湖が果たしていた多様な機能を再生することで流域圏の生態保全や漁業、農業を振興させようと、地域住民らと共に進める市の内湖再生計画であり、全国に誇れる里山「河辺いきものの森」の湖バージョンとして憩い親しめる場を目指している。

 里湖とは、生活に必要な物資を手にするため、人々が定期的に管理をしてきた里山と同様、水域における自然との“共生ゾーン”で、農業や生活用水の供給だけでなく海上輸送や食料供給などに活用され、周辺地域による独自の里湖文化が育まれてきた。

 しかし、サポート制度のある里山に対して、里湖は明確な定義が確立されず、清掃活動や外来魚駆除の啓発が官製主導あるいは一部の有志によってのみ行われているのが現状だ。

 「里湖づくり」は、里山と並んで持続可能な共生社会をつくるモデルとして、日本の原風景を取り戻し、未来に生かす活動で、定年後の第二ステージや生きがいづくり、子どもたちの環境学習、異世代交流の場を目指す。

 その第一弾として始まったのが、伊庭内湖を観察する『伊庭のうみ』。キャラクター・びわモロちゃんと一緒に船に乗り、親子や友だち同士で水辺の環境を考える観察会が昨年八月から計六回開かれ、約二百人の参加者が気付きの「内湖発見シート」を作成した。

 この一月には、内湖の周辺住民と漁業・環境・観光関係者、まちづく協議会による委員会を結成し、キックオフ宣言となる「里湖フォーラム」を四月に開く予定で、半年間にわたるワークショップ構想が練られている。

 そのキーワードになるのが、ノスタルジーだけで終わらない未来づくりの「里湖からなつかしい明日へ」。鈴鹿から琵琶湖まで広がる東近江市にしか出来ない自然循環(山・里・湖)を整え、物見遊山でない滞在型のグリーンツーリズム、ワーキングホリデーを展開し、生活や教育の場、観光・産業の均衡を図りながら、人が関わってこそ守られる生物の多様性を築いていく。


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地域医療の現場から

人を愛し 人に愛され

=東近江市永源寺診療所長 花戸貴司=


◆東近江・東近江市◆

プロフィール
【はなと・たかし】さん

 1970年6月生まれ。長浜市出身。虎姫高校から自治医科大学医学部卒。滋賀医科大学、湖北総合病院に勤務後、2000年4月より現在の診療所に勤務。主な役職・日本小児科学会専門医、滋賀医科大学臨床教授(プライマリケア医学教育)、滋賀医科大学総合診療部専門診療科指導医、日本医師会認定産業医、学童野球「永源寺ファイターズ」チームドクター


 東近江市永源寺地区は、人口約六千五百人の「まち」です。平成十二年四月、この「まち」にある診療所に赴任し、そこから私のここでの地域医療が始まりました。近年、病院の医師不足などにより地域医療の崩壊などと言われるのを耳にしますが、地域医療とは何でしょうか?

 私が考える地域医療とは
 ◎その地域を愛し誇りを持つこと
 ◎医療者のための医療ではなく、地域の
  方に喜ばれ評価される医療であること
 ◎地域包括医療を展開すること
 このことをいつも念頭に置いています。

地域の医師の役割


 例えば、うちの診療所で長年診てきたおじいちゃんが風邪をこじらせて肺炎で入院したとします。その病院へ訪問すると、おじいちゃんがあまり幸せそうな表情ではない。肺炎なのだから元気がないのは仕方ないと思いますが、病気以上に弱っているように見えてしまいます。自宅では大切な家族の一員であるはずのおじいちゃんが、病院では一人の患者でしかない。

 しかも、食事の時間や生活の空間など病院での画一的な生活リズムに合わせなければいけない。これでは心も身体も窮屈になってしまいます。おじいちゃんは言葉にはしませんが、本当に望んでいることは何でしょうか?

 病気の急性期といわれる不安定な時期を過ぎ、症状がある程度落ち着いた時期になれば、できるだけ早く住み慣れた家に帰り、大好きな家族と一緒に生活したいと思うのは、ごくごく当然のことではないでしょうか。そして、その希望を叶えてあげることこそが、地域の医師の役割ではないかと思います。

患者さん中心の医療


 現在、当診療所では約四十人の方の訪問診療を行っています。家で生活できるという安心感からか、皆さんとてもいきいきと生活されています。しかし、在宅医療は医師一人ですべてをカバーすることはできません。このため、多くの人たちとチームになって家で生活される患者さんを支えています。

 看護師が訪問看護に行き血圧や血糖値を測る、床ずれがないかをみる、また必要であればすぐに医師に連絡をとり処置を行います。介護保険を利用されている方なら、定期的にヘルパーさんやケアマネージャーさんと連絡をとり、患者さんの状態や、家族が困っていることなど情報を共有します。時には行政に仲間に入ってもらい、在宅療養に必要な制度を教えてもらったりもします。そして、最後に医師の出番ですが、私は訪問先で患者さんやその家族と一緒にのんびりと話をするだけです。このように、患者さんが我々の都合に合わせるのではなく、我々が患者さん中心の医療(あるいは介護)を行う。この互いを思いやる気持ちが、家で生活する人たちの安心感につながっているのだと思います。

看取りは命の教育


 在宅では元気に生活しておられる患者さんばかりではありません。訪問診療を行っている患者さんも年間十人前後の方が、家で最期を迎えられます。ほとんどの患者さんが奥さんや息子さん、お嫁さん、お孫さん、そして近所の方などたくさんの方々に看取られて静かにお亡くなりになります。非常に落ち着いた、穏やかな最期であるとともに、看取られた家族の心に深く刻み込まれる時間でもあります。私自身、中学生の時に父を亡くしましたが、身近な人の死を経験することは、命の大切さを学ぶことのできるすばらしい教育だと思います。

 近年、いじめや殺人など人の命を軽んじるような事件が多くなっています。その背景には、人間の命もゲームのようにリセットできると思っている、家族や友達がいなくなった時の悲しみや寂しさがわからない、といった子どもたちがいることも事実です。でも、このような家族の絆や命の大切さを経験した子どもは、将来きっと思いやりを持てる大人に育ってくれると信じています。

人に支えられ


 今、行っているような在宅医療活動も最初から自分一人でできたわけではありません。やはりそこに至るには、自分を必要としてくれる地域の方々との出会いがありました。診療所に赴任して半年が過ぎた頃の出来事です。医師住宅の裏庭に、朝、畑でとれたばかりの野菜が置いてありました。患者さんからの届け物らしいのですが、誰が置いたのかわかりません。見返りを求めない贈り物に、本当の感謝の気持ちが伝わってきました。地域の人に、自分の存在を認めてもらえた、という嬉しさがこみあげてきたことを今でもはっきりと覚えています。

地域に役立ちたい


 このように地域医療というものは、医療を通じておこなう「まち」づくりだと考えています。たとえ医師が少なくても、大病院ではできないことでも、地域ならできることがあると信じています。この永源寺という「まち」には自分を必要としてくれる人たちがいます。せっかくその地域で仕事ができる機会をいただいたからには、自分ができることをその地域に還元したい。そして地域の人たちの笑顔をもっと見てみたいと思います。

 何十年か後に、この永源寺に住んでいてよかったと思えるような「まち」にできるよう、腰を据えた地域医療を行っていきたいと考えています。


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長編ドキュメンタリー映画

六ヶ所村ラプソディー上映会

今の私たちに何が出来る?
=14日・あかね文化ホール=


▲六ヶ所村ラプソディー上映会のパンフ
◆東近江・東近江市◆

 「この映画を見たとき、こんな大変なことを知らなかったことにショックを覚えました。これは六カ所村だけのことではない、まずは現状を知ることが大切だと思いました。」

 ぜひ湖東地域でもこの上映会をと、昨年八月に上映実行委員会が立ち上がり、十四日あかね文化ホールで自主上映会が開かれる。

 この映画は、2004年に使用済核燃料再生処理施設が建設されて以来、核と向き合って生きていく環境に置かれた六ヶ所村の人々をとらえた長編ドキュメンタリーで、反対、賛成の双方の村人が登場し、共に生きる暮らしの中から原子力の本質を浮き彫りにした鎌仲ひとみ監督の作品。

 青森県六カ所村では、完成した使用済み核燃料の再処理工場がまもなく本格稼動する予定で、国内に五十五基ある原発施設から必然的に出る核のゴミを集め、プルトニウムとウランを取り出す。

 プルトニウムはたった耳かき一杯で数百万人を殺害することができる地球上最も毒性の高い物質であることが知られている。それを原爆千個分にも当たる毎年八トンのプルトニウムを再生する計画で、これによって海や大気が汚染され、人間をはじめあらゆる生物の生態系を崩す大きな脅威として受け止められている。

▲14日の上映会に向けて議論を重ねてきた実行委員会
 今回の自主上映会は「毎日の生活になくてはならない電気がどのように作られ、日本の原子力産業がどこへ向かおうとしているのか。そして核と共に生きる六カ所村の現状。それを知ることは、私たち自身の足元を見つめ直すことにほかならない。今、私たちにできることは何なのだろうか」という命題をこの映画を通して多くの人々に考えてもらうことが目的。

 映画を観た人からは「電気という原子エネルギーを使っている私たちの生活は、六カ所村の人々にプルトニウムと共に暮らすことを余儀なくさせ、苦しめている。その現実を見なければいけないと思いました。私たちも加害者の一人として」との感想を寄せている。

 上映会当日は、午前十時からの第一回上映会の後、午後一時から監督の鎌仲ひとみさんを招いた講演会を開き、続いて午後二時半から第二回上映会を行う。

 会場では、無農薬、低農薬の新鮮な農産物や天然酵母のパンなど安全、安心の食品をそろえたこだわりフリーマーケットやエコ活動の展示を行う。

 上映会場では、母子席を設けるほか、託児も受け付ける。映画の入場チケットは、一般八○○円(当日千円)、中・高校生三○○円。小学生以下は無料。

 入場チケットは、八日市図書館二階の「ぶっくる」、あかね文化ホール等で発売中。六ヶ所村ラプソディーのオフィシャルサイト http://www.rokkasho-rhapsody.com

 


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生の教材で技能習得

=日本造園修景協会滋賀支部の有志=


▲日本造園修景協会滋賀支部有志のみなさん
◆東近江・近江八幡市◆

 近江八幡市馬渕町の岩倉山中腹にある「巖藏山・福壽寺」で、日本造園修景協会滋賀支部のメンバーが、造園技術の研修を兼ねて、境内の雑木手入れや修景の修復に取り組んでいる。同支部では、造園技術の習得や継承、後継者育成に向け、身近にある社寺などの手入れの行き届いていない名園などを再発見し、場所を提供してもらって、研修を兼ねての環境整備奉仕作業を行うことにした。

 一昨年十一月に県内視察を行い、数カ所の候補地から検討した結果、湖国名園四十三庭にも選ばれ、県指定名勝の石庭をもつ福寿寺を、「風景がいいのでなんとかしよう」と研修の場に選んだ。二十七代目の多々良文夫住職からも了解を得ることができた。

 メンバーは守山市、草津市、近江八幡市、甲賀市、安土町などの造園業者ら約十五人。昨年六月から毎月一回のペースで作業を行っている。

 繁茂するサツキに隠れていた石庭がそのみごとな姿を現し、生い茂る雑木で参道から見ることもできなかった本堂や開山堂なども、見る見るうちに伐採や間伐の手が入り、カエデの大木やサクラなどの木々の間から見通せるようになった。そして、蒲生野、湖南方面の山々が眼前に広がって行く。随所に手際のよいプロの技が光る。

▲よみがえった県指定名勝の石庭に喜ぶ多々良住職
 創建は平安時代、石工職人や石材を周辺各地に搬出、織田信長の焼き討ち、江戸時代の近江商人・伴家などの寄進による再興など、古い歴史と由緒ある寺だけに、「姿を見せた石垣に刻まれている寺の歴史や職人の技を見ることができ、おおいに学ばせてもらっている」という。

 守山市の造園企業に勤務する最年少、樋口修平さん(27)は「庭園の設計の仕事で外の仕事は経験がないが、見るだけでも勉強になります」と、汗を拭う。また他のメンバーからも「先人のつくった庭や仕事に触れることができ勉強になる。また、先輩から技術的な指導も受けられ、貴重な体験です」と、充実感に満ちた笑顔が返ってくる。

 有志呼びかけ人の小西新次さんは、「若い人にどんどん参加してもらい、知識や技術を高めてもらいたい。これほどすばらしい“生の教材”はない」と、強調する。

 参加者同士で「ああしよう」「こうしよう」と意見を出し合いながらの作業が続くが、今後は、植栽や修景づくりにも取り掛かる予定で、四季に応じた全体の修景を検討しながら、年間を通じた手入れ作業を続ける。


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琵琶湖を世界遺産に

=県が庁内プロジェクト設置へ =

▲万葉集にちなんだ紬の着物姿で年頭の会見に臨む嘉田知事

◆全県◆

 嘉田由紀子滋賀県知事は四日、県職員七百人を前にして「これからの県政は、県民のみなさんに活躍の舞台を用意するコーディーネーター的役割が一層求められる。地域には、知識と経験、意欲を持った人がたくさんおられる。県行政と県民のみなさんとの協働の仕組みづくりをより一層進め、『自助』、『共助』、『公助』のバランスがとれた滋賀らしい共生社会を目指そう」と仕事始めのあいさつを行った。これに対し、職員代表として、武村智司・商工政策課副参事は「これまでの成長優先から生活主義への転換を進める」と決意を述べた。

 また、その後に行われた定例記者会見では「琵琶湖には水にちなんだ数々の文化、固有種からなる生態系など、国際的な価値があり、自然や文化の世界遺産の登録を任期中に実現したい。登録に当たってのハードルは高いと覚悟しているが、改めて琵琶湖の持つ自然的、文化的価値を再発見し、その普遍的な意味づけを庁内外で行っていきたい」とし、近く庁内に世界遺産の準備プロジェクトチームを編成するとともに、学識経験者など外部の協力も得ていく意向を示した。


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