社説

■平成30年2月20日(火) 第18043号

中野幼稚園跡地は住宅地になるのか

 中野幼稚園とみつくり保育園を移転統合して、旧八日市南小学校跡地に平成30年度から幼保連携型認定こども園「中野むくのき幼児園(入所定員285名)」が開園する。
 それに伴い両園が廃園となりその跡地利用について地域の人々と話し合いの場が持たれている。
 中野幼稚園跡地については、県下の労働組合が出資し勤労者に安くて良い住宅や宅地を供給する目的で設立した「滋賀県勤労者住宅生活協同組合」が一戸建て住宅用地として開発する計画が進んでいる。
 東近江市の土地を一民間企業が入札行為もなく開発できるにはからくりがあった。
 中野コミュニティセンター隣地の関西電力所有地が売却されることになり、中野地区自治連合会・中野地区まちづくり協議会が同センターに駐車スペースなどがないために、センター隣地の関西電力所有の土地取得の要望を東近江市に出した。
 関電が公募した結果、民間企業である「滋賀県勤労者住宅生活協同組合」が取得した。
 その結果、東近江市は同協同組合と交渉することになり、近くの中野幼稚園跡地と交換することで交渉が進められている。
 同幼稚園前の道路が狭く住宅地として開発が困難な為に、東近江市は同幼稚園南側を市が拡幅するなどして、協同組合が取得した土地との等価交換を目論むものである。
 法人税の軽減措置を受けている協同組合という一民間企業との取引で、住宅地として開発できるように優遇した取引の経緯が果たして市民目線に公平だとうつるか疑問だ。



■平成30年2月15日(木) 第18039号

農地中間管理機構(農地バンク)の活用を

 安心して農地の貸し借りができるように農水省は平成26年度に全都道府県に「農地中間管理機構(農地バンク)」を設置して信頼できる農地の中間的受け皿とし、農地を貸したいとき、新たに農業を始めるので農地を借りたいときなどに活用できるとした。
 更に、各市町村の農業委員会が整備している農地台帳に基づき農地情報を電子化・地図化して公開する全国一元的なクラウドシステムとして「全国農地ナビ」が整備されており、希望する地域の農地や農地バンクの情報がインターネットを利用して無料で閲覧出来るようになっている。
 現在、農地バンクで借りた農地の貸出期間が5年間と短く、農地の大規模化や意欲のある農家への農地集約を促す為に20年間に引き延ばす改正法案を本国会に提出するが、相続時に名義変更されていない農地が93万4千haと農地全体の20%を占めており、貸出期間の延長など今回の改正で一部は是正される。
 所有者不明で荒れた農地に対する取扱は抜本的に見直す必要があり、例えば農地バンクに一時的に占有させることにより20年後には時効取得が成立するが、時効前に所有者判明すれば所有者に返却するなど、所有権にまで踏み込んだ改正を行わなければ所有者不明の荒廃農地は解消しないだろう。
 更に農地以外の所有者不明の土地や放棄家屋に対しても同様な法的措置を取り、国の特定機関に占有させて地域開発や危険家屋解消を促進し、時効取得により国の財産とすることも出来る。


■平成30年2月13日(火) 第18037号

迷惑電話は業務妨害罪

 勤務時間中に電話機についてのお尋ねの電話が良くかかってくる。
 「今お使いの電話機の型式は何ですか。電話機を裏返せばシールが張ってあり書いてあります。事務用の電話には主装置がありますがその型式は何ですか。主装置と外部の電話回線がうまくマッチしているか調べる必要があります」などと「担当者がいない」と返答しても、後日しつこく電話がかかってくる。
 業務に支障をきたす為にフリーダイヤルでかけてくる相手を問いただすと「株式会社通信システムサポートセンターの野田です」、どこからの依頼かと問うと「電話機メーカーからの依頼です」、依頼先のメーカーと担当者を問うと「12社あり、例えばSAXA(サクサホールディングス)で電話番号は○○○」と平然と話す。
 案内のあったSAXAは田村電機製作所と大興電機製作所が経営統合した会社で実存しており、電話をするとお客様相談担当者から「当社はその様な依頼はしていません。当社も困っています」との答え、直ちに通信システムサポートセンターへかければ「こちらはスーパーです。同じ電話がよくかかってきて迷惑しています」とのことで繋がらず。
 結局、何が目的かとNTTの関係者に問い合わせると「会社の電話機の情報収集で後日、電話機が使えなくなるとセールスが回ってくる」とのこと。
 この様な電話には「電話回数が多いと業務に支障が出て困る」と告げておき、その後電話がかかるようならば業務妨害罪の構成要件に該当し告訴できる。



■平成30年2月8日(木) 第18033号

東近江市・日野町・愛荘町選挙区は歪(いびつ)だ

 滋賀県議会議員定数は昭和22年に42人、その後幾度となく改正され昭和62年に最大の48人となったが、平成19年に滋賀郡が大津市と合併、長浜市と東浅井郡を合区、野洲市、栗東市、甲賀市、湖南市、高島市、米原市、東近江市が新選挙区となり47人、平成23年に東浅井郡と伊香郡が長浜市と合併し47人、平成27年に彦根市と犬上郡を合区、近江八幡市と蒲生郡竜王町を合区、東近江市と蒲生郡日野町と愛知郡を合区し44人となり現在に至っている。
 今夏の滋賀県知事選にあわせて大津市選挙区と東近江市・日野町・愛荘町選挙区で県議の補欠選挙が執行されるが、東近江市・日野町・愛荘町選挙区では衆院選挙区と一部異なる地域があり歪な選挙戦が予想される。
 東近江市の一部と日野町は衆院第4選挙区に含まれ、愛荘町と東近江市の旧湖東町と旧愛東町は衆院第2選挙区に含まれ、第4選挙区では小寺裕雄衆院議員(自民)、第2選挙区では上野賢一郎衆院議員(自民)が選出されている。
 その結果、東近江市・日野町・愛荘町選挙区の県議は両衆院議員に付くわけだが、所属政党が異なれば歪な関係となり、その反対で衆院議員は各選挙区での住民対応が優先するだろう。
 東近江市・日野町・愛荘町選挙区で県議補選の人選が進められているが、衆院の選挙区割りと選挙区が異なる為に人選は難航していると思われる。
 そこで、東近江市の旧湖東町と旧愛東町を衆院第4選挙区に見直し、愛荘町は従来の衆院第2選挙区とすれば歪さは解消されるだろう。


■平成30年2月6日(火) 第18031号

臨時職員、嘱託職員の反復採用

 読者から東近江市の臨時職員や嘱託職員の採用について投書があった。
 「私は昨年、募集要項に準じて受験しました。面接と作文でした。スーツを着てドキドキしながら受けました。しかし、私の次に入ってきた人はすでにそこで働いている人でラフなセーター姿でした。試験官ともなれなれしく話しとても違和感を覚えました。その方は毎年採用されて何年もいます。」
 東近江市に問うと「臨時職員の任用期間は6ヶ月、1回は更新できるのでほとんどの方が更新されて1年になります。嘱託職員の任用期間は1年です。しかし、再度受験して合格すれば何度でも反復して採用になります。」との説明があった。
 問題点は臨時職員も嘱託職員も反復しての採用が可能なために、一度採用されれば長期に採用されている例が多いこと、採用する試験官にとっては東近江市での実務の担当経験があるために、新人を採用するよりも即戦力として使い易いために、採点が甘くなる恐れがあること、無制限に反復採用が出来る為に公平性に欠けることなどが考えられる。
 再任用を目指す受験者が「ラフなスタイルで、試験官ともなれなれしい」と市民から見られることは、既に市民感情から乖離(かいり)しているといえる。
 臨時・嘱託職員採用について再任用は2年まで等と同一人物の任用期間を限定し、受験希望者に機会均等であるべきであり、更に東近江市民の採用を促したい。
 退廃的ともいえる人事関係を改善すべきで、若い職員の士気にも影響しているといえる。



■平成30年2月1日(木) 第18027号

ブレーキ役を失った今、三権分立を再確認せよ

 戦争経験者の一人として平和の尊さを訴え続けた元衆院議員の野中広務氏が1月26日に亡くなり、安倍政権の憲法改正を戒めていた重鎮の一人を失った。
 安倍政権が憲法を拡大解釈して「集団的自衛権」の行使容認を閣議決定したことに苦言を呈し、圧倒的多数である与党の暴挙で「議会制民主主義が危険な状態にある」と批判し、多数と言う数の論理で押し切る政権にブレーキをかけていたがそのブレーキ役も失ったことになる。
 時同じくして、25日の衆院本会議で共産党の志井和夫委員長が米軍機の事故を取り上げて代表質問をしているときに、松本文明内閣副大臣は議員席から「それで何人死んだんだ」とヤジを飛ばし、26日に副大臣を辞任した。
 沖縄県民を愚弄するような発言で、たとえヤジといえども内閣副大臣から出るとは、このヤジ発言は議員辞職に値するのではないだろうか。
 松本文明氏は自民党から東京都議選に立候補して都議を4期務め、都議会自民党幹事長などを歴任して、2005年の衆院総選挙東京7区で立候補し当選したが、2009年に落選、2012年、14年、17年ともに比例復活当選しているが、自民党の比例復活の議席枠を預けられる資質があるのか疑問だ。
 多数の議席に威を借るような議員諸君には、日本の政治の仕組みは国会(立法府)、内閣(行政府)、最高裁(司法府)の三権が互いにチェックしあう三権分立であり、権利の濫用を抑制して国民の権利や自由を保障していることを再認識してもらいたい。



■平成30年1月30日(火) 第18025号

日本一を目指します

 新年1月には様々な経済団体や会社関係などの新年会が開催されるが、東近江市商工会も1月19日に八日市ロイヤルホテルで「新年賀詞交歓会」を開き、100人を超える来賓や関係者が集まった。
 交歓会は東近江市商工会職員の森野直子さんの司会で始まり、冒頭で司会者の自己紹介があった。
 その締めくくりの言葉で「日本一の商工会を目指します、よろしくお願いします」と久しぶりに「日本一」の声を聞いたが、参加者一同から「素晴らしい、すごいね」などとどよめきが起こった。
 近年、若者たちなどから聞くことが少なくなった「日本一を目指す」の声を交歓会で聞いたことで、一気に会の緊張感が和んだ。
 過去には様々な仕事や事業などを行うときには必ずと言って良いほど「日本一を目指します」など意気込んだ元気良い声が聞かれたが、最近はその声が少なく司会者の一声は参加者の感動を呼んだ。
 司会者のたった一言から交歓会はスムーズに進行して参加者の笑顔で幕を閉じ、新年早々気持ちの良い「新年賀詞交歓会」となった。
 以前は「日本一」は即ち世界一位、二位につながる言葉だったが、日本経済がデフレスパイラルに落ち込み抜け出せなくなり、国民が日本経済に自信を失い「日本一」の声は小さくなったようだが、日銀が日本株式を大量に買い支えるなど、政府が経済回復政策を強行したために再び「日本一」の声が復活したようで、今年こそは「日本一」の声が真の声になることを願いたい。


■平成30年1月25日(木) 第18021号

小泉氏の「原発ゼロ・自然エネルギー基本法」

 今月10日に小泉純一郎元首相が原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟の会員と共に国会内で小泉氏の持論である「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」を本国会に提出することを与野党に呼びかけることを発表し、「安倍政権では原発ゼロが進められない、原発ゼロの声を受け止めてくれる首相が現れるまで国民運動を続けていく」とポスト安倍を見据えた安倍政権を見切った発言でもある。
 2016年の電源構成は原子力約2%、再生可能エネルギー約8%、天然ガスなどのその他90%だが、経産省は2030年の電源構成を原子力20%、再生可能エネルギー24%、天然ガスなどのその他56%と見込んでいる。
 小泉氏の原発ゼロ法案では原発をゼロとし、自然(再生可能)エネルギーを電源とするわけだから、2030年の再生可能エネルギーの比率は約44%と見込まれ、2016年の企業や一般家庭の再生可能エネルギー発電促進賦課金負担も6倍に膨れ上がると予想される。
 2016年の一般家庭が一方的に負担させられている賦課金は1ヶ月当り平均675円だが、2030年では単純計算で1ヶ月当り約4000円、年間5万円にもなる。
 日本がお手本にしたドイツの再生可能エネルギー転換への賦課金は2016年ですでに国民一人当たり月額約4800円となり破綻した例もあり、原発ゼロ法案にあわせて制度設計のミスが指摘されている再生可能エネルギー買取法の破棄など、電力消費者への強制的な賦課金制度も廃止すべきだろう。


■平成30年1月23日(火) 第18019号

自動ブレーキ限定免許

 現代生活の必需品の一つに「運転免許証」があり、本人確認の証明書としても利用されている。
 「運転免許証」は一度取得すれば免許取り消しなどの重大な交通違反を犯さない限り生涯運転は許されるが、近年高齢者によるブレーキ操作ミスなどによる重大な交通事故が多発している。
 「運転免許証」には有効期限があるために3年若しくは5年で更新手続きが必要で、5年以上の無事故・無違反である優良運転者の場合は更新時30分の講習、その他の場合は1〜2時間の講習が課せられるが、更新期間満了の日の年齢が70歳以上の方の更新時には高齢者講習、シニア運転者講習、チャレンジ講習などを受ける必要があり、75歳以上の方は講習予備検査(認知機能検査)を受験する必要がある。
 高齢者の事故防止に講習の実施や実車運転と運転指導を行っているが高齢者の事故は減少していない。
 国交省は2018年度から自動車の自動ブレーキ機能を評価する新たな基準を導入することを決め、一定の基準をクリアした車に国が「お墨付き」を与えて事故を未然に防ぐ「予防安全性能」の向上を目論むが、単に車にお墨付きを与えても実車として使用されなかったら無意味な対策となる。
 今や軽自動車をはじめ多くの車に自動ブレーキ機能が充実されてきており、オートマ限定運転免許があるように高齢者の免許には数年間の猶予期間を設けながら自動ブレーキ機能搭載車限定とすれば操作ミスによる交通事故は減少するだろう。


■平成30年1月18日(木) 第18015号

医学部の定員は適正なのか

 政府は国公立大学と私立大学の入学定員を通じて医師数をコントロールしている。
 医学部の入学定員は1982年と1997年の閣議決定により7625名まで抑制されたが、2006年に医師不足が深刻な青森、岩手、秋田、山形、福島、新潟、山梨、長野、岐阜、三重の10県で「新医師確保総合対策」として各10名、2007年には「緊急医師確保対策」で各都道府県に原則5名の入学定員が増員され、「地域の医師確保の為の定員増」、「研究医養成のための定員増」などで2008年度から2017年度までの10年間で、新設による増員を除いて1554名の増員が行われ、2018年度は定員が9419名となった。
 2019年度に316名の地域枠での増員期間が終了するが、厚労省の調査によると地域枠の卒業生の89%が地元の医療機関に従事しており、一般枠の54%より高く地方の医師不足解消に効果があるといえる。
 厚労省は国が学費や生活費を支援してアジアの学生が日本の医学部に入学する仕組みを作る計画だが、限られた医学部の入学定員に外国人枠を設けることは解消しつつある地方の医師不足政策に逆行する恐れがあり、医学部に外国人枠を設けるならば地方枠を残しつつ、外国人枠は新たな定員増とすべきだろう。
 高齢化が進んでいく日本での医師不足問題は諸外国よりも深刻な状態になりつつあり、2015年の東北医科薬科大、16年の国際医療福祉大に続く新たな医学部の設置が望まれるのではないだろうか。