社説

■平成30年8月16日(木) 第18195号

原爆投下とアメリカ空軍

 8月6日の広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式に平成時代最後の式典が行われ、午前8時15分に広島市民はもとより多くの国民が黙祷を行い、原爆死没者慰霊碑の石室に、5393名が追加された31万4118名の広島市原爆死没者名簿(名簿冊数115冊)が奉納された。
 世界で始めて広島市に対し原爆を実戦使用し、その大儀は「戦争の早期終結だ」との意見もあるが、一瞬にして十数万人の一般市民である非戦闘員の命を奪うことが終戦への正義だったのかは未だに疑問が残る。
 第二次世界大戦時にアメリカには独立した空軍がなく、陸軍の下に陸軍航空部航空隊が設置されて、軍需施設などの爆撃作戦を行っていた。
 日本本土を空爆する為に長距離戦略爆撃機B―29を開発し、日本陸軍機が到達できない高度1万mを飛行し軍需施設に対して精密爆撃を行ったが、日本上空を高速で流れる偏西風のため精密爆撃はほとんど命中せず、航空隊はその戦力が疑問視された。
 精密爆撃が不可能と判断した航空隊は、住宅も軍需施設も焼き尽くす焼夷弾による無差別爆撃に踏み切り、東京大空襲を行い死亡・行方不明者10万人以上、被災者100万人以上と非戦闘員である日本国民を惨殺した。
 焼夷弾爆撃は次々と全国の都市を襲い日本は焦土と化し、日本の敗戦が決定的となった時期に広島と長崎に原爆を投下した。戦後、航空隊は陸軍から独立してアメリカ空軍が誕生した。
 米空軍誕生と原爆投下の因果関係はないだろうが、原爆投下は人体実験としか思えない。



■平成30年8月14日(火) 第18193号

小中学生の医療費を無料化

 近江八幡市に小西理市長が誕生したが、選挙公約の一つに「小中学生の医療費を無料化」があり、その改正条例案を市議会6月定例会に提案した。
 条例案を審査した教育厚生委員会から市の財政状況や財源確保の裏づけなどが不明確で閉会中の継続審議の申し出があり、本会議で継続審議とした。
 小西市長がその財源として目論んだ「市役所新庁舎の計画見直しや規模の縮小によって確保」に対して議会が疑問視したために継続審議となり、小西市長の出鼻はくじかれた格好となり、今後の議会との対決姿勢が続くものと思われる。
 小中学生の医療費については県内市町によって条例がまちまちであり、東近江市は小1から中3までを「子ども医療費助成」として入院・通院にかかる医療費の一部を助成、大津市は小1から小6までを一部の医療費助成など多くの市町が一部の助成だが、甲良町は小中学生の医療費負担がなく無料化している。
 小中学生の医療費助成には各市町の財政状況によるが、首長や議員選挙の公約によるものや地域住民の強い要望がその背景にあり、財源を明確にして首長と議会が歩みより実現していると思われる。
 地域住民にとって「小中学生の医療費が無料」はありがたいもので、住みやすく子育てしやすい市町の要因の一つだが、医療の高度化が進み医療費が高額になると市町の財政状況を悪化させる要因にもなる。
 市民に財源を明らかにして継続できるかなどを充分精査していないと、最後にその付けは市民に回ってくる。


■平成30年8月9日(木) 第18189号

公職者が飲食の接待を受けることはご法度だ

 文部科学省による私立大学の支援事業に「私立大学研究ブランディング事業」があり事業が選定されることにより、大学のステータスは対外的に大きな評価を受ける。
 東京地検特捜部は先月4日、その事業が選定されるために便宜を図り見返りとして大学入試を受験した自らの子弟を不正に合格させてもらったとして、受託収賄容疑で文科省科学技術・学術政策局長の佐野太容疑者を逮捕し、同ほう助容疑で会社役員谷口浩司容疑者を逮捕した。
 この汚職事件には東京医科大学の臼井正彦前理事長も関わり、佐野容疑者と臼井前理事長の会食の場に谷口容疑者も同席しており、佐野容疑者はこの時点で既に飲食の接待を受けており、飲食を共にした場では具体的な話があったと誰しも思うだろう。
 更に、東京地検特捜部は7月26日、文科省国際統括官の川端和明容疑者を宇宙航空研究開発機構(JAXA)に出向中に医療コンサルタント会社に便宜を図った見返りに飲食の接待を受けていたとして逮捕した。
 相次いで発覚する文科省官僚が関わった事件だが、事件には必ず飲食などの接待の場が度々設けられており、酒席とも言える飲食の場では具体的な話もスムーズに進んだに違いない。
 文科省官僚の事件を聞くたびに、安倍首相の加計学園理事長との笑顔での酒席の写真を思い出す。
 安倍首相は「接待は受けていない」と言い切っているが神のみぞ知るか。
 公職の身にある方々、金額に関わらず飲食の接待を受けることはご法度ですぞ。


■平成30年8月7日(火) 第18187号

赤字路線廃止後はバスが代替交通機関

 JR北海道が全路線の営業距離の約1割に当たる、赤字の5路線5区間(合計311・5kmを廃止する方針だ。
 JR北海道は国鉄民営化の1987年に発足したが、多くの赤字ローカル線を抱えており経営は厳しく、線路と車両の修理や更新を先送りして経営を続けてきたが、安全に対する対策をないがしろにしたために鉄道事故が相次ぎ経営を圧迫した。
 更に2020年以降に国からの財政支援が切れる為に、列車の運行を続ける苦肉の策として赤字路線を廃止し、鉄道の廃止後は沿線自治体の同意を得てバスに転換し経営再建を進める。
 JR北海道と同様に地元の近江鉄道も赤字が慢性化しており今後の鉄道のあり方を沿線5市5町の副市町長と県の部長とで検討会議を設置した。
 鉄道の「公有民営」方式、「第3セクター」へ鉄道事業の移管、LRT(次世代型路面電車)や線路跡を活用したBRT(バス高速輸送システム)などの代替交通機関を検討するが、八日市商工会議所の部会では既に代替交通機関としてのBRTを検討しており、近くBRTの見学も計画して部会の政策提言作りをしている。
 JR北海道が赤字路線の廃止に踏み切った様に既存の鉄道経営では赤字の解消は難しく、何時までも行政からの補助金に頼らざるを得ないこと、鉄道車両、線路、架線などの維持に多額な費用がかかり続けるなど将来の鉄道経営の難しさがある。
 バスを使うBRTにすれば車両の維持費が安く済み、安価な運賃設定で利用者増も見込めるのではないだろうか。


■平成30年8月2日(木) 第18183号

最高裁への上告

 関電大飯原子力発電所3・4号機の運転差し止めを周辺住民が求めた訴訟の控訴審判決で、7月4日、名古屋高裁金沢支部は運転差し止めを命じた福井地裁の1審の判決を取り消した。
 関電は2012年3月に大飯原発3・4号機のストレステストを実施し、原子力安全委員会は審査書の判断を妥当とし、時の野田政権は4月に再稼動の判断をして、7月に3・4号機は送電を開始し福島原発事故以来初めての再稼動となった。
 その後、大飯原発3・4号機は定期検査で停止し、2013年7月に新規制基準施行日に原子力規制委員会に審査を申請したが、2014年5月に福井地裁が運転差し止めを命じる判決を言い渡し、今回、名古屋高裁で逆転判決となり運転差し止めの判決は取り消された。
 判決後、住民側の運転差し止めを求めた原告団は高裁の判断を厳しく批判したが、最高裁への上告を行わず判決が確定した。
 全国各地で原発の運転差し止め訴訟が起こっており、直ちに運転を差し止める仮処分を下級審である地裁に求めるなど、原発の運転に関しては原子力規制委員会の審査に判断を委ねているにもかかわらず、訴訟が後を絶たず国のエネルギー基本計画の明確な決定や長期にわたる訴訟に電力事業者は膨大な費用と時間を要するなどその影響も大きい。
 最高裁での判断を仰ぎ原子力発電に対しての法的目処を明らかにして、脱原発か卒原発かベース電源として使い続けるのかを国民に対して明確にすべきだろう。


■平成30年7月31日(火) 第18181号

東近江市こども未来夢基金でAED設置

 東近江市には「次代を担うこどもたちが夢と希望をもち、豊かな心をはぐくむ事業を実施するために、みなさんからの善意(寄附金)をもとに、市が同額を支出して善意を2倍にして積み立てる基金」として「東近江市こども未来夢基金」があり、平成28年度末残高は約1760万円、その間約3580万円の寄付金があった。
 基金は保育園・幼稚園・小中学校の図書の充実にほとんど使われているが、平成27年度に「学童保育所へのAED設置」として基金から455万6800円が支出され、自治振興交付金80万円を加えて総額535万7000円で20台設置されている。
 このAED設置だが、東近江市子ども政策課からの設置要求に対して、基金の管理をしている同市企画部が妥当として基金からの支出を認めているが、「こども未来夢基金」の主旨に合っているのか疑問がある。
 AEDは本来ならば、健康福祉などを担当する部局が一般予算から捻出すべきではないだろうか。
 因みにお隣の近江八幡市では18カ所ある「市内放課後児童クラブ(学童保育所)」には設置されておらず、担当者の話では「放課後児童クラブは小学校の敷地内やコミュニティセンターなどに隣接しており、その施設に設置されているAEDを使います」とのこと。
 確かに、小学校から学童保育所まで行く間の事故のリスクをなくす為に、小学校敷地内や小学校の空き教室を使う例が多い。
 市民の目の届きにくい基金の使途が主旨に合っているのか疑問だ。


■平成30年7月26日(木) 第18177号

水道法改正案は継続審議か

 西日本を襲った豪雨で河川氾濫や浸水害、土砂災害が発生し、家屋被害が2万6千棟を越え、死者数が200人を越えるなど未だ全容の把握には至っていない。
 安倍首相は11日、被災地を視察し「暮らしのことはきちんと手配します」と生活支援の取り組みを伝えて被災者を激励した。
 連日の猛暑、被災者からは水道の早期復旧を求める声が多く、災害の報道を通じて全国民は「水」の大切さを痛感したに違いない。
 その現状とは裏腹に13日、自民党の関口参院国対委員長は国民民主党の舟山国対委員長に水道法改正案の今国会での成立を見送る方針を伝え、同法案は継続審議となるカジノ法案は審議を強行して今国会で成立させた。
 水道法改正案は人口減少社会の到来、管路等の老朽化の進行・更新の遅れ、自然災害による水道被害の多発、水道事業に携わる職員数の減少・高齢化など水道事業が抱える課題を官民一体となって解決の糸口を見出そうとするもので、将来の水道事業のあり方を決定する国民にとっては身近な法案であり、折しも西日本豪雨で多くの国民が苦労している状況でカジノ法案を優先するという政府の愚行が露見し、様々な問題を力でねじ伏せる安倍政権の正体見たりだ。
 猛暑で水を求め、風呂、洗濯、トイレなどに窮する被災者に言った「きちんと手配します」は何だったのか。
 更に、避難指示が出ていた夜の自民党の懇親会「赤坂自民亭」の写真を西村官房副長官が国民に見せ付けるとは、政権が驕り高ぶっているとしか思えない。


■平成30年7月24日(火) 第18175号

建部神社(五個荘伊野部町)の「癌封じの欅」

 受動喫煙被害を防ぐ「健康増進法改正案」が可決し成立したが、衆院厚生労働委員会での審議時に、がん患者の長谷川一男氏に参考人として出席をお願いして審議を進めている時、長谷川氏の訴えの最中に穴見陽一衆院議員(自民党)が「いいかげんにしろ」と暴言を浴びせた。
 憲法第62条に両議院の国政調査権が謳ってあり、広く国民に耳を傾ける制度で参考人に対して暴言を吐くとは即ち国民に対して暴言を吐いているのと同じで、穴見議員に対して多くの国民は「あんたこそ、いいかげんしろ、議員の資格なし」と思ったに違いない。
 がん患者さんはがんに対する様々な診断や治療などに対応しなければならず、健常者にはわからない不安、苦悩、苦痛などとの背中合わせで、進歩する医学への期待や自分自身の体力との戦いの日々だろうと察します。
 ところで、東近江市五個荘伊野部町に建部神社があり、箕作山東麓の産土(うぶすな)として崇拝され建部祭りの中心的な役割を果たす神社である。
 境内にある鎮守林は水はけの良い土地を好む欅(けやき)を中心とした巨木が多く見られ、本殿左側の欅2本は幹まわりが4・75mと5・5mもあり、樹齢は300年を越えているが、滑らかな木肌を持つ欅と木肌が大きな瘤(こぶ)に埋め尽くされている欅と対照的だが2本とも力強く大きく育っている。
 地元では「癌封じの欅」と言って大切に守られてきており、訪れる人も多く「人生、力強く生きよ」と語りかけているようだ。
 暴言議員よ、無言の欅を見習え。


■平成30年7月19日(木) 第18171号

1票の格差是正論争はいつまで続くのか

 参院選挙制度改革の自民党案では1票の格差を是正するために、議員1人当たりの有権者が最多の埼玉県選挙区の定数を2増して8人として3年ごとの改選数は4人、比例代表の定数を96人から4増して100人として3年ごとの改選数は50人として最大格差は3倍未満となる。
 更に、比例代表では現行の非拘束名簿方式の一部に拘束名簿方式を導入して、拘束名簿への記載者を当選圏内に優遇する「特定枠」を設けるとしている。
 わかり易く言えば拘束名簿の上位の候補者は記載された時点で戦わずして当選確実となるわけで、今回不評であった2県の合区選挙区から1人を特定枠に記載すれば、合区選挙区では選挙区から1人、比例代表から1人の計2人の当選が見込めるわけだ。
 この秘策ともいえる参院選挙制度改革は現職若しくは現職であった議員を当選しやすくする制度で、議員を忖度(そんたく)するような改革でアンケート調査によると約70%以上の反対があり、民意を反映していない。
 この自民党案に対して公明党は現在の定数を変えずに、比例代表と選挙区を廃止し、全国を11の選挙区(1選挙区の定数は8人から40人)に分ける「大選挙区制」を提案していた。
 大選挙区制は1票の格差もなくなり、死票も少なく有権者の意思を反映しやすいメリットもあるが、議員と有権者の距離が遠くなり選挙費用も多額になるなどのデメリットもある。
 選挙の度に「1票の格差是正」を求められる現行の選挙制度は、根本から見直す必要がある。


■平成30年7月17日(火) 第18169号

近江ガチャコンの出番ですよ

 大阪府北部地震の影響で近畿一円の交通機関が運休し、数多くの利用者が通勤や通学の足を奪われ、JRの在来線は全線で復旧までに丸一日を要した。
 駅間に緊急停止した列車に乗客が閉じ込められたり、運行再開が遅れて帰宅困難者が続出した問題で、国交省は6月29日に三大都市圏の鉄道事業者を集めて会議を開き、冒頭で石井啓一国交相は「検証して改善策を検討することは重要だ」と事業者に苦言を呈した。
 7月上旬、梅雨前線に向かって湿った空気が流れ込み、西日本から中部地方に大雨が襲った。
 その被害は刻々と大きくなり7月6日頃には歴史的大雨となり、一部地域には大雨特別警報が発令されるなど異常な気象が続いた。
 土砂崩れなどの影響でまたもや近畿地方の各地でJR在来線は運休や一部間引き運転するなど出勤困難者や帰宅困難者を生み、先の地震での国交相の檄がむなしく思えると共に自然災害の恐ろしさを目の当たりにした。
 JR近江八幡駅で旅行者がみどりの窓口で「電車は動いているの、米原で新幹線に乗りたい」と問いかけると担当者からは「本日は運休しています、新幹線は動いています」との一言で「ご迷惑をおかけします」の一言もなかった。
 見るに見かねた市民が「近江鉄道が動いていますから米原に行けますよ」とアドバイス、本来ならば交通事業者の仕事だろう。
 旅行者は「近江鉄道?」と言いながら近江鉄道へ。
 「運賃が高い、本数が少ない不便だ」と言われるが、今回は近江ガチャコンの出番です。