社説

■平成29年12月12日(火) 第17986号

通常価格、特別価格、価格破壊

 大手通販店が「利益を還元します」と様々な家電製品などを特売している。
 例えば、サイクロン掃除機が通常価格49800円から46%値引きして26800円、スチームIH炊飯器が通常価格49800円から40%値引きして29800円など、大幅な値引きのオンパレードで通常価格は一体どのように設定されているのかと価格の設定を疑いたくなる。
 通常価格で一定期間の販売実績があるのならともかく、一般量販店でも同等品が同じ金額で販売されているために、通常価格は無きに等しく消費者に激安だと錯覚を起こさせる要因ともなる。
 いわゆる「価格破壊」だが徹底的にコストダウンを図りながら利益を生み出そうとする為に、低価格競争を招くものづくりには何処かに無理が生じても不思議ではないだろう。
 結局、人件費の安い海外へ製造現場を移してコストダウンを図り国内産業の空洞化が生じている現状や企業がコンプライアンスを忘れ去り、「ばれなきゃいい」などと上場企業と思えない稚拙なごまかしが次々と発覚している。
 この結果、低価格販売、価格破壊は企業のコンプライアンスまでも破壊し、日本が長年かけて築き上げてきた「メイド・イン・ジャパン」の信頼をも破壊しようとしている。
 神戸製鋼所、三菱マテリアル、東レ、三菱アルミニウムなど次から次へと信頼を裏切る企業が明らかになるが、政府は日本国民の財産である「メイド・イン・ジャパン」を守る為に、違反企業には厳しい行政指導が必要だろう。


■平成29年12月7日(木) 第17982号

運転手がいなければバスは動かない

 先月10日に東近江防火保安協会(岩崎繁会長)が県防災危機管理局原子力防災室から講師を招き、「原子力災害について」と題して講演会を行い、「原子力災害が発生したらあなたはどうしますか」と講座前アンケートを記入し、パワーポイントを使って「放射能と放射線」、「放射線のリスク」、「災害時にはどうすればよいのか」などを初心者にも分かりやすい説明があった。
 講演会の後に滋賀県民の関心が高い避難対策についての質問があり、「避難」には放射線量により「屋内退避継続」、「一週間以内に一時移転」、「数時間以内に避難」があるが、「数時間以内」は高レベルな放射線にさらされる為に直ちに避難する必要があり、交通手段としてはバスを利用するとあるが、「バス会社から指示がない」との質問。
 講師は「滋賀県バス協会と協定して年2回研修を行っている」との回答だが、質問者からは「バス会社と協定してもバスは出ない、運転手には一切情報が伝わっておらず緊急時といえども汚染の恐れのある地域には誰も行かない、一歩間違えば人権問題になる」と厳しい現状の声。
 原子力災害が発生すれば誰しもあえて汚染地域には出向きにくいのが人情だろう。
 机上の研修会や想定した訓練も良いが、緊急避難には一般民間人が救出に向かう必要があるために、運転手さんなどに放射線のリスクについて充分理解を求めて、その防御方法などを徹底する必要がある。
 運転手がいなければバスは動かず、速やかな避難は不可能だ。


■平成29年12月5日(火) 第17980号

市内でも4日かかる文書発信

 市役所市民課の窓口では各種証明書が発行されるが、円滑にその作業が進むかどうかは各市町担当課の力量に負うところだろう。
 証明書の内容に関して変更の申請がある場合、証明事項によっては居住確認を求める場合があり、パスポートを申請したときに必ず葉書で居住確認を行うことと同じである。
 この居住確認は市町の担当課が郵便で行い、同一市町ならば投函してから翌日に居住者に届くが、申請を受け付けた時間によっては数日かかることもある。
 例えば、金曜日の午後3時過ぎに居住確認を必要とする申請をした場合、翌日(土曜日)の郵便配達ではなく火曜日に配達される郵便となり、実に4日間もかかることになる。
 東近江市の場合、郵便による文書発信は市民課での受付締め切りは午後3時、その後総務課に送られて郵便物の数量確認や書留など重要な書類は文書内容や送付先の発信履歴を記録し、午後4時に郵便局員が市役所に来て郵便物を預りその日の消印が押されるが、市民課の受付が金曜日の午後3時以降なら郵便物は月曜日の朝まで庁内に滞留することになり、月曜日の午後4時の発信となるわけだ。
 すべての申請に居住を確認する必要はないだろうが、4日間も庁内で滞留させておくとはまさしく役人仕事といえる。
 民間会社ならば勤務時間内に受け付け郵送を必要とする文書や書類はその日のうちに発信するだろう。
 定時の午後5時15分までは文書発信の努力をするのが当然の住民サービスだろう。


■平成29年11月30日(木) 第17976号

ジュネーブ軍縮会議の高校生平和大使

 毎年8月に開催されるジュネーブ軍縮会議で、2014年から3年間続いた核兵器廃絶を訴えた日本の高校生平和大使の演説が、核保有国である一部の加盟国の圧力により今年は見送られたと、一部新聞が報じた。
 圧力をかけたと思われる加盟国は「高校生に議場から出て行くように求めることが出来る」と日本の軍縮大使に迫り、日本側は反発したが見送ることになったことが、岸田文雄外務大臣(当時)に報告された外電で明らかになった。
 基本的には軍縮会議本会場での高校生平和大使のスピーチは日本だけに認められていたが、一部の加盟国から「高校生が政府代表団の一員になることを認めていない」と指摘され続けており、日本政府が「若い世代を通じた核兵器の廃絶」をと反論したが認められなかった。
 人類は世界平和を誰しもが願っているはずで、未来を託す若人には核兵器を廃絶した世界平和を願い叶えてほしいものだ。
 唯一の被爆国である日本が核兵器の怖さを伝えなければ、一体どこの国がその恐ろしさを伝えるのか。
 どんな手段を使ってもいい、全世界の人々に戦争被爆国である日本の広島、長崎の悲惨さを伝えるべきで、政府はこの世に生存する人類の一人として全世界に伝える責務がある。
 日本は国連総会が7月に採択した「核兵器禁止条約」に反対し、先月27日に国連総会第1委員会に日本が提案した「核兵器廃絶決議」は賛成多数で採択されている。
 核兵器保有国、非保有国、核の傘の下など核軍縮の道は険しい。


■平成29年11月28日(火) 第17974号

偏った教育を許すな

 東近江市立Y小学校の生徒とその親との会話で耳を疑うような話が伝わってきた。
 事の発端は昨年の平和学習の後、子供さんが学習内容に疑問を持ち、帰宅して父親に「先生が日本はアホやったから最後の一人になるまで戦うと言って戦争を止めなかった。原子爆弾のお陰で戦争が終われたといったけどホンマなん」と思いもよらない疑問を投げかけられ、親はあわてて「それは違う」と説明をした。
 今年になって歴史の授業について親のほうから尋ねると子供さんは「戦争の話になると絶対に1時間に1回は『日本はアホやったから』と言わはる。なんか嫌じゃない?」とどうも同じ先生だったようだが、小学教育の一部にこの様な偏った教育があり親御さんは「今すぐにこんな授業はやめてほしい」と話した。
 政府は明日を託す子供達の教育環境を改善する為に、幼児教育を無償化する、高校の授業料を無償化する、大学に入学を希望すれば誰でも進学できるように返済を免除する奨学金制度など、教育を受けるところまではほとんど無償化することを政策とし、消費増税を一部流用するなどの予算措置を講じる計画である。
 しかし、幾ら教育を受けることを無償化しても、その教育について小学生が疑問を持つ程度の教育なら無償化した意味が全くない。
 教育の無償化はお金で解決できるが、真実の教育はお金では解決できない。
 特に平和学習や日本の歴史学習は未来の子供達の歴史観に大きく影響するだけに、一部の教師の偏った教育は許せない。


■平成29年11月23日(木) 第17970号

完全自動運転車は地方から

 公道を使って自動運転車両走行の実証実験が各地で行われている。
 神戸市北区筑紫が丘ではNTTドコモや群馬大学などが共同で地域住民の自宅からスーパーなどの近距離交通手段としての検証を、福井県永平寺町ではパナソニックが京福電鉄永平寺線の廃線跡を遊歩道として町が整備した「永平寺参ろーど」の一部を活用しての検証を、東近江市では「道の駅・奥永源寺渓流の里」を拠点として公道では初めての小型バスでの検証が始まっている。
 米国では各地で実証実験を行う為の公道使用許可も出ており、既にトラックが190kmほど完全自動運転に成功している。
 完全自動運転車の効果は人間が車の運転に拘束されない為に運転手の休憩時間などの考慮が必要なく大幅な人件費削減につながる、物流量が大幅に増えてトラック運転手不足の解消や人間が引き起こす交通事故などが大幅に減少することや交通違反が激減することなどが考えられる。
 地方において、例えば東近江市の「ちょこっとバス」などのように、一定区間を走行する小型バスなどは運転手が不要となる為に人件費の大幅な削減や市民サービスの一つとして運賃無料とすれば高齢化が進む地域の人々の利便性に大いに役立つと考えられる。
 更に路線上の任意の位置でスマホでコールすれば乗車できるなど交通手段が少ない地方においては自動運転のバスが有効な交通手段になるだろう。
 東近江市の八日市地区と能登川地区を24時間連絡する自動運転バスも期待できる。


■平成29年11月21日(火) 第17968号

議長さん、目立ってたよ

 任期満了で引退をされる議員さんが挨拶回りをされたり、挨拶状を送ったり、ご丁寧に引退挨拶の新聞広告を出されたり、「立つ鳥跡を濁さず」とはこのことだろう、後輩議員諸君には見習ってほしいものだ。
 先月22日に25人の東近江市議が選出されたが、翌日の23日に早くも他の会派室に「会議をしようか」と、まるで他人の家に土足で踏み入るような行動を取った再選議員もいたが、31日が議員任期満了で新議員は11月1日からが新たな議員活動となる。
 1日に臨時議会を開催して議長に市木徹氏、副議長に大橋保治氏が選出されたが、それぞれ最大会派である「東近江市民クラブ」に属している。
 同会派は過半数を占めている為に会派内で事前に調整が付けば議長、副議長がすんなり決まるが、会派内での決定過程は密室の為に市民には伝わってこず、民主主義のルールに基づいていたかは疑問が残るところだ。
 市木徹新議長の初仕事は3日に行われた「東近江市2017年度市政功労者表彰式・教育委員会表彰式」の来賓としての登壇で、市民に対しては「初舞台」だった。
 表彰式終了後、壇上の出席者のみならず会場の出席者からも「議長さん、白いスポーツソックスやったね」との声、表彰式だからと言って特に靴下の指定はないだろうが、冠婚葬祭、式典などは黒い靴下が一般常識ではないだろうか。
 議長は議会の代表で市民の目が常にあることをお忘れなく。
 栄えある71人の受賞者よりも議長さん目立ってたよ。


■平成29年11月16日(木) 第17964号

衆院の質疑時間

 衆院予算委員会での質疑時間は与党2割、野党8割と野党に多くの質疑時間が配分されているが、国会法には時間配分の規定はなく与野党が協議して決めてきた。
 麻生政権時代は与党4割、野党6割であったが、政権が交代して民主党政権時代に野党に対して手厚くして与党2割、野党8割となりその後も引き継がれている。
 今回の衆院選後に一部の当選3回有志が質疑時間の配分を見直し、与党の持ち時間を増やすように森山国会対策委員長に申し入れして安倍首相は配分の見直しを指示した。
 更に菅義偉官房長官は「議席数に応じた質疑時間の配分は国民から見ればもっともな意見だ」と見直しを肯定した。
 民主党政権時代に予算委員会で当時野党であった自公の意見を多く聞こうと野党に対する時間配分を6割から8割へ増やしたとした経緯があり、単純に議席で時間配分すべきものではないだろう。
 小選挙区制度では一選挙区当り一人しか当選出来ないために、当落が僅差の場合は落選者に投じられた票はすべて死票となり、死票の声は国政に一切反映されないことになり小選挙区制度の弱点といえる。
 質疑時間を議席数よりも得票数で見直すとすれば、今回の衆院選比例区での得票数では自民3割、公明1割、立憲2割、希望2割、共産1割、日本維新1割となるが、小選挙区と比例区を加えて質疑時間の配分を考慮し、その割合を与党は切り捨て、野党は切り上げをすれば有権者の理解は得られるのではないだろうか。


■平成29年11月14日(火) 第17962号

7歳も若返った東近江市議会と正副議長

 東近江市議会の臨時会が開会されて東近江市議会議長に市木徹氏(57)、同副議長に大橋保治氏(50)が選出された。
 両名共に東近江市議会の最大会派である「東近江市民クラブ」に所属しており、市木徹氏は2009年に初当選し議員経験は2期で今期から3期目、大橋保治氏は五個荘町議から合併で東近江市議となり2009年に再選されて今期から4期目である。
 市議14人が所属する最大会派の推薦する議員が議長や副議長になる為に会派内では今回の市議選で高齢の議員の方々が引退された為に、議長の選出に慎重を期し、年功序列やしがらみのない人選が行われたと思われる。
 改選前の東近江市議会議員の平均年齢は64歳、新市議の平均年齢は57・3歳とずいぶん若返っており、年齢構成も40代が5人、50代が10人、60代が9人、70代が1人と40・50代が過半数を占めている。
 正副議長が若返った為に行政全体が若返る可能性も考えられ、旧態依然といわれる過去の慣例に倣った行動や古い慣習やしがらみは捨て去るべきである。
 議会を若返らせた要因の一つには18、19歳の若き有権者の声もあったに違いない。
 市議が10年後、20年後の東近江市を語り変革した未来に生きて検証することは若き議員の責務かもしれない。
 因みにちょっと複雑だが平均余命の計算式があるので、計算してみれば未来を検証できる年齢か分かるはずだ。
 若者の可能性を信ずることが、未来を信ずることだ。


■平成29年11月9日(木) 第17958号

野党第1党は立憲民主党

 衆院の解散総選挙後30日以内に召集しなければならない特別国会(憲法第54条1項によって定められている特別会)が1日召集され、首相指名で安倍晋三自民党総裁が312票と衆院の3分の2以上の票を集め首相に選出された。
 立憲民主党の枝野幸男氏は60票、希望の党の渡辺周氏は51票、民進党の大塚耕平代表は16票だった。
 衆院の与党は自公の313議席、野党第1党になった結党間もない立憲民主党は55議席である。
 国会の予算委員会や議院運営委員会などは、野党第1党が筆頭理事を務めて野党の理事を取りまとめ与党と日程や法案審議などの交渉を行うことが慣例であり、野党第1党は重要な立場にあるといえる。
 立憲民主党は「安保法を前提とした憲法9条の改憲に徹底的に戦う」、「直ちに消費税率10%に引き上げない」、「原発再稼動は現状では認められない」など政府与党と間逆な公約を掲げ国民の支持を得て野党第1党になっただけに、国会運営など与野党の合意は困難をきたすだろう。
 1955年頃の与党第1党が自民党、野党第1党が社会党、いわゆる「55年体制」を彷彿させる政局が今後幾度となく現れ、政局が一向に進まず最後は与党が多数決で押し切る場面もあるだろう。
 政府与党にとれば憲法改正など与党に近いスタンスを持っている「希望の党が野党第1党であれば」との声も聞こえた。
 立憲民主党の結党理由に「安倍政権をストップさせる」とあり、今後は世論の動向に注目したい。