社説

■平成30年9月25日(火) 第18229号

にぎわい創出事業

 東近江市は平成30年度の重点施策として、「東近江市の創生」をテーマに掲げて様々な取り組みを行っている。
 その一つに「働き住み続けたい活力ある東近江市の創生」があり、企業立地の促進と雇用の創出、中心市街地のにぎわい創出と商工業の活気の増進などを謳っている。
 昨年度は中心市街地におけるイベント及び情報発信に対する支援を行う「にぎわい創出事業」として、ひがしおうみバル、さくらまつり、八日市街コン、ひがしおうみの地酒&うまいもん市に対して、総額35万8千円の補助金を支出している。
 事業の内訳は、ひがしおうみバルと八日市街コンに対して、県が53万1千円、市が20万8千円、八日市商工会議所が32万3千円と総額106万2千円の事業で、27・28・29年と3年連続した事業であった。
 さくらまつりは市が10万円、会議所が15万円と総額25万円の事業、うまいもん市は県が11万円、市が5万円、会議所が5万円と総額21万円の事業であった。
 結局、東近江市は「にぎわい創出」に対して29年度に35万8千円の補助金を支出したが、果たしてこの程度の補助金で中心市街地に「にぎわい創出」が出来たのか疑問で、県や会議所の補助に頼ることなく東近江市独自の事業を作り出すべきだろう。
 本年11月には約1千万円を掛けて東京で「まるごと東近江」事業を行うが、地元で30万円足らず、東京では1千万円、果たして「にぎわい」は何処で創出できるのか。



■平成30年9月20日(木) 第18225号

発電所のブラックアウトと出力制御

 北海道胆振(いぶり)東部地震で震源近くの北海道最大の苫東厚真発電所が停止して電力供給が偏り、その影響で道内の発電所がブラックアウトし北海道のほぼ全域の約295万戸が停電した。
 北海道電力の発電に使用する燃料は石炭や重油が多く、緯度が高く日照条件が良くなく太陽光発電などの再生可能エネルギーでの発電は極端に少ない。
 逆に、日照条件が良い九州地方にはメガソーラー発電所が多く建設され、昼間に太陽光発電のピークを迎えて電力供給過剰に陥り、電力供給が激減した北電と同様に周波数が安定せずに大規模停電が起きる。
 供給過剰が想定される秋には九州電力では太陽光・風力の発電事業者に稼動停止を求める「出力制御」を実施する計画だ。
 発電事業者に稼動停止を求める「出力制御」は太陽光発電などからの電力供給を抑制することになり、電力の買い取り抑制に繋がる。
 稼動停止はバイオマス、太陽光・風力の順で既に国で決められており、再生可能エネルギー固定価格買取制度が導入されたときに、供給過剰になれば「出力制御」を行うことにより買取を停止できる措置が含まれていたことになる。
 再生可能エネルギー固定価格買取制度が導入され、太陽光発電の場合1kW当り42円と市場価格の5倍以上での購入が20年間約束されると、「出力制御」を明確にせずビジネスチャンスを煽(あお)った当時の政府には責任がある。
 地域での電力融通が進めば「出力制御」が日常的に行われるかもしれない。


■平成30年9月18日(火) 第18223号

災害での水道管破断は人災だ

 6月18日、大阪北部を震源とした「大阪府北部地震」が発生し、大阪市北区・高槻市・枚方市・茨木市・箕面市の5市区で最大震度6弱を観測した。
 ブロック塀倒壊による死亡事故や大阪府内の約18万戸の停電や水道管が破断し水が噴出した災害も発生したが、その原因は老朽化であった。
 6日、北海道南西部の胆振地方中東部を震源とするM6・7の地震があり、北海道厚真町で震度7の揺れを観測し、北海道各地で家屋倒壊、土砂崩れ、道路陥没などの災害が発生し、震源地に近く北海道の電力の約2分の1を賄っていた苫東厚真発電所が被害を受け、同発電所が停止すると道内のすべての発電所がブラックアウト(電力制限)して道内全戸が停電となり、更に水道管が各地で破裂して思わぬ水害が起こるなどライフラインの事故が相次いだ。
 東近江市には全国の自治体や企業のデータベースを保管する企業があるが、地震などの災害リスクが全国でも最も低いと判断して旧八日市に進出したと聞く。
 「安心安全な街・東近江市」を謳って企業誘致や住宅誘致を行うことには納得できるが、行政が想定する災害予想に対して「自分達の地域は自分達で守れ」、「自分の命は自分で守れ」と「東近江市安全神話」が前提となっており、防災対策事業も担当者が完全には理解できていないのが現状だ。
 震災で老朽化した水道管の破断事故が全国各地で見受けられ、災害情報の告知よりも優先的に水道管の老朽化対策も重要な防災対策事業ではないだろうか。


■平成30年9月13日(木) 第18219号

国の行政機関に信頼は無いのか

 太平洋戦争の激戦地であったフィリピンでの遺骨収集事業で、2010年に現地住民の遺骨が含まれている疑いがあり、旧日本兵のものとされた遺骨を山梨大学と山形大学にDNA解析を委託し、2012年10月に「DNA鑑定で日本人と推定されるものは一つもない」という調査結果の報告を受けながら、厚生労働省は調査結果を6年経った2018年に公表した。
 遺骨収集事業は厚労省が推し進める戦没者慰霊事業の一つで、海外に放置されている太平洋戦争の戦没者の遺骨を捜索収容して日本へ送還する事業であり、海外でふるさと日本への思いを胸に抱きながら無念な死を遂げた旧日本軍人、軍属、民間人の遺骨を日本へ持ち帰ることは国民の責務であることは言うまでもない。
 遺骨収集は様々な民間団体や日本政府・厚労省が協力や独自で捜索・収容活動が続けられているが、2009年に厚労省から委託を受けたNPO法人が現地の住民に金銭を支払って収集した遺骨の中に、女性や子供、死後20年を経た骨が相当数含まれていたことが判明し厚労省の監督のずさんさが発覚している。
 6年前の調査結果を今になって公表するなど過去の反省は全く無いのか、厚労省の組織自体が腐りきっているとしか言いようが無い。
 国の行政機関の隠ぺい体質は全く変わっておらず、これでは役人の信頼度が根本から崩れ去り国家の危機ともいえる。
 国民の血税を使った遺骨収集の委託を受けたNPO法人などのずさんな収容結果はなぜ詐欺罪等の罪に問えないのか。


■平成30年9月11日(火) 第18217号

民には厳しく、官(身内)にはいい加減か

 昭和35年7月に身体障害者、知的障害者、精神障害者を一定割合以上雇用することを義務づけた「障害者の雇用の促進等に関する法律」が制定され、職業リハビリや在宅就業の支援など障害者の雇用促進が定められた。
 当初、障害者の雇用は事業主の努力目標であったが、昭和42年に法的義務となり障害者雇用の法的根拠となっている。
 本年4月から障害者の法定雇用率が民間企業は2.0%から2.2%、国・地方公共団体は2.3%から2.5%、都道府県等の教育委員会は2.2%から2.4%に引き上げられ、民間では従業員45.5人以上の企業が対象となり、障害者雇用の門戸が大きく開放されたといえる。
 しかし、先月28日に厚労省は国の27の行政機関で3460人の障害者手帳などの証明書類を確認していない職員を障害者雇用率に算入していたことを公表した。
 民間企業に対しては雇用率が達成できなければ1カ月当り4〜5万円の納付金を科し、社名の公表までして障害者雇用を厳しく徹底してきたが、行政機関での大量の水増しは誰が取り締まるのか、民には厳しく官(身内)にはいい加減なのか、3460人の障害者雇用の枠がありながら、雇用されなかった障害者の悔しさの声を聞け。
 官僚達の身内に甘いずさんな体質は管理する立場である政府のずさんな体質の表れだ。
 東近江市の職員が酒気帯び運転で停職6カ月の懲戒処分を受けたが、過去にも同様の事例があり、ずさんな管理をする立場の責任も問いたい。


■平成30年9月6日(木) 第18213号

自民党総裁選と小選挙区制

 先月26日、安倍首相が自民党総裁選への立候補を表明したが、正式表明をする前に既に立候補を表明している石破茂元幹事長などに対して、「現職がいるのに総裁選に出るというのは、現職に辞めろと迫るのと同じだ」と恫喝とも取れる発言をした。
 現行の選挙制度では衆院選で最大議席を得た政党から首班指名を受けた国会議員が首相になる為、最大議席を得た政党の代表者が民意に関係なく首相になり、自民党総裁選は事実上の首相選びともいえる。
 自民党党則で党総裁任期は「連続2期6年」と定められていたが、2017年の党大会で「連続3期9年」に党則を改正して延長したために、安倍首相に立候補する権利が生まれた。
 自民党会派の多数が安倍氏支持の現状では安倍氏の圧勝が既に見えているが、更に安倍首相は対立候補を敵と見なして敗者を徹底的に冷遇することを示唆している。
 中国共産党中央委員会は国家主席の任期を「2期10年まで」とする憲法の条文を削除する改正案を示し、今年3月、国会にあたる全人代で可決された。国家主席の任期は無期限となり、その背景には強大な権力構造が見え隠れするが、自民党総裁選にも同じ事が言えるのではないだろうか。
 安倍首相は先の衆院選で絶対的多数の議席を取り、国民の支持を受けていると話すが、前回の衆院小選挙区の過半数を超える約2700万票は議席数に反映されず死票となっており、必ずしも自民党が圧倒的支持を得ているとはいえない。
 首班指名にも繋がる衆院選の小選挙区制は見直すべきではないだろうか。



■平成30年9月4日(火) 第18211号

真実を正直に公表すること

 米国テキサス州ダラスの州地裁陪審団は2016年に起きた02年型レクサスES300の追突事故でダラス在住の夫婦の幼児2人が重傷を負った原因が車両の前部座席の不具合にあるとしてトヨタ自動車に対して2億4200万ドル(約267億円)の支払いを命じる評決を下した。
 アメリカの裁判所は合衆国憲法下で組織された連邦裁判所と各州の法律下で設置された州裁判所に分かれており、テキサス州の裁判所は一審裁判所として「地方裁判所」、中間上訴裁判所として「控訴裁判所」、最上級裁判所として民事事件は「最高裁判所」、刑事事件は「刑事上訴裁判所」と連邦裁判所と同様に三審制を取っている。
 評決は医療費や身体障害、精神的苦痛などの損害賠償金に加えて、懲罰的損害賠償金として1億4400万ドルが認定されて2億4200万ドルと日本では考えられない高額となっている。
 トヨタのスポークスマンは「この負傷が02年型レクサスES300のデザインや製造過程の不具合ではない」として上訴を検討することを明らかにした。
 新型車両を発売する場合、幾度と無く実車を使って衝突実験などの試験を行って、安全性を充分確認して車両の型式認定を受けている。
 交通事故と車両の不具合の因果関係は無いだろうが、トヨタは02年型レクサスについて徹底的に不具合が無いか検証し事実関係を世論に公表すべきで、民事事件、刑事事件を問わず何事も真実を正直に公表することにより信頼関係は生まれてくる。



■平成30年8月30日(木) 第18207号

マイクロプラスチック汚染

 日本に限らず各国の海岸線にたくさんのごみが打ち上げられている光景をよく見かけ、流木や海藻に混じるプラスチックのごみは海洋汚染の原因である。
 流木や海藻などは微生物などによって二酸化炭素や水などに分解されるが、プラスチックのごみは太陽光の紫外線などでもろくはなるが分解はされず、大きなごみから小さなごみへと形を変えるだけで、直径5ミリメートル以下の小さなプラスチックは「マイクロプラスチック」と呼ばれ、魚などの海洋生物がえさと間違えて食べてしまい体内に蓄積されている例が数多く報告されている。
 大きな形あるプラスチックは浮き上がり海岸に打ち上げられる為に回収処理できるが、微小なマイクロプラスチックは浮き上がりにくく波の影響を受けにくい為に海洋に蓄積され、回収はほとんど不可能だ。
 海洋生物の食物連鎖の始まりは植物プランクトンを動物プランクトンがえさとし、更に魚などが動物プランクトンをえさとしているために、動物プランクトンと似かよったマイクロプラスチックをえさと間違えて食べれば魚などに蓄積されていく。
 人類が利便性を求めて作り出したプラスチックが回収処理できずに、マイクロプラスチックとして様々な生き物に蓄積されていき、海洋汚染のみならず自然界のバランスも失われつつある。
 マイクロプラスチック汚染は海洋に限らず、「びわ湖の魚介類にも影響が無いのか」と県議会でもこの問題を追及すべきだろう。


■平成30年8月28日(火) 第18205号

日の丸に敬意を

 第98代滋賀県議会議長川島隆二氏(47)の就任祝賀会が、地元のホテル&リゾーツ長浜(旧長浜ロイヤルホテル)で盛大に開催された。
 発起人には上野賢一郎衆院議員、藤井勇治長浜市長などが名を連ね、三日月大造滋賀県知事、衆参国会議員、県議会議員、市町長など約500人余りが祝賀会に駆けつけた。
 三日月県知事は挨拶で「私と同年代で滋賀県議会史上最年少の議長さんが誕生しました。共に力を合わせて滋賀県民の為に頑張りましょう」と激励し、祝賀会は更に盛り上がり若き新議長誕生に相応しい会となった。
 只、残念だったことは壇上に掲げられた日の丸(日章旗)に、旗をたたむときに出来る折り筋がそのまま残っており、折り筋の入った日の丸は見るに耐えず、折り筋やしわの無い日本国の旗である日の丸を壇上に掲げるべきだろう。
 日の丸に対する国民感情が希薄になったのは、政(まつりごと)に民意が反映されず国民性が失われてきているのだろうか。
 アジア大会でバスケットボール男子日本代表の4選手が日の丸の入った公式ウエアを着たまま深夜のジャカルタの歓楽街に立ち入り買春行為に及び、日本オリンピック委員会は佐藤卓磨(滋賀レイクスターズ)を含むBリーグ所属4選手の日本選手団認定を取り消す事件が起こった。
 戦争という悲劇の中で数多くの若者達が日の丸を胸に散っていった史実を忘れたのか、戦死者の無念の思いは日の丸に伝えられているはずだ。
 日本国民ならば日の丸に敬意を払うべきだ。



■平成30年8月23日(木) 第18201号

生存権は憲法で保障されている

 憲法第25条【生存権、国の社会的使命】に、(1)すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する、(2)国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない、とある。
 都市計画法第8条に都市計画区域内の土地は21種類の用途に規定されており、その一つに「用途地域」があり、土地の用途の混在を防ぐことを目的として、13種類に分けられている。
 その中の「第1種低層住居専用地域」は一戸建てを中心とする低層住宅の良好な住環境を守るための地域で、床面積が50Fまでの住居を兼ねた一定条件の店舗や小中学校、診療所などは建てられるが、コンビニの出店は不可能だ。
 2年前に「規制改革実施計画」が閣議決定されて、ようやく住環境を害さない、公益上やむを得ないなどの条件をクリアすれば、コンビニの出店が許可される見通しで、買い物弱者といわれる高齢者にとっては朗報に違いない。
 更に、最近のコンビニには生鮮食品などが品数多くそろえられている、ATMが設置してあり金融機関の役割を果たしているなど、コンビニの形態が変わってきており、ドラッグストアとの競合も激化してきたことなども要因であろう。
 国民が生活する環境が激しく変革するなか、5年に一度しか用途地域の見直しがされないことに問題があり、都市計画区域と合わせて住民の要望があれば臨機応変に見直すべきで、生存権は憲法で保障されているはずだ。