琵琶湖博物館のスミス主任学芸員
◇湖南・草津
琵琶湖博物館は、同館のロビン・スミス主任学芸員とドイツのホルスト・ヤンツ博士が、琵琶湖の湖底に生息するカイミジンコで十一種類の新種を発見した、と発表した。調査結果は十二月刊行の学術雑誌「Journal of Natural History」に掲載された。
カイミジンコは、二枚貝に似た形の殼に包まれた小さな甲殼類で、多くは体長一ミリメートル以下であり、淡水や海水に生息し、このうち淡水カイミジンコの全体の二五%は、琵琶湖のような古代湖において知られている。
淡水種の多くは、水草の間や泥の上などで底生生活をおくり、水深などの環境に合わせてすみ分けをしていることから、環境指標の目安にも使われる。
カイミジンコのカンドナ科は二番目に多くの種を含む科で、古代湖で種分化していることが知られているが、琵琶湖に生息するカンドナ科については、わずかなことしか分かっていなかった。このためスミス主任学芸員らは、同科に対象を絞り琵琶湖に生息する種を調査した。
平成九年から十年間かけて、琵琶湖九十七か所から採集された湖底堆積物に含まれているカイミジンコのうち、カンドナ科の種について電子顕微鏡で観察したところ、十八種のうちの十一種が新種であることが分かった。
属ごとの内訳は、マメガタカンドナ属九種、ニセカンドナ属一種、オヨギカイミジンコ属一種だった。なお、北湖の水深七十メートルから採取された新種は、採集に協力した県琵琶湖環境科学研究センターの西野麻知子・総合解析部門長にちなんで「ニシノマメガタカンドナ」と命名された。
発見された淡水カイミジンコは固有種の可能性があり、古代湖・琵琶湖の生物多様性や環境特性を明らかにするための手がかりとして注目される。なお、この調査研究で発見・採集された標本は、同博物館で登録・保管されている。






