江戸時代の名物田楽を再現
◇湖南・栗東市
さながら滑稽本「東海道中膝栗毛」の弥次喜多のように、中高年層で街道歩きのブームが静かに広がる中、かつて旅人が休憩する「立場(たてば)」があった栗東市岡では、名物の豆腐田楽を提供する茶屋が再現された。まちおこしに一役買う元気な女性たちを訪ねた。
草津宿から旧東海道を歩いて約三十分。純和風木造の茶屋は、街道沿いの一角にたたずんでいた。 のれんをくぐると、作務衣(さむえ)を着た女性たちが笑顔で迎えてくれた。
店内は白壁が映え、高い天井が開放的。木材は全て地元産。自治会が総工費一千万円を負担し、昨秋、オープンした。
運営する田楽保存会(地元有志三十八人)は、食事の提供だけでなく、要望に応じて史跡も案内し、時代背景も感じながら食事を味わってもらう。
江戸時代中頃、地元の茶屋が考案した「めがわ田楽」は菜飯と地酒の三点セットで売られ、「安く、おいしく、腹持ちがよい」とたちまち評判を呼び、同じ田楽を商う店が相次ぎ、京・大坂・江戸にも広がった。
「立場は明治に入るまでにぎわい、砂ぼこりがすごかったそうです」と同会代表の山本己代子さん(71)は、まるで昨日のことのように話す。
名物めがわ田楽は、地元の元茶屋に伝わる調理法をもとに再現したが、運動量の多い江戸人の好みは辛く、現代人には合わなかった。このため試行錯誤の結果、やや甘めに仕上げた。
素朴な味わいは、お年寄りには「懐かしい」と喜ばれ、小学校での試食会では児童から「甘くておいしい」と好評だ。
これに菜飯をつけて三百円。さらに煮物、みそ汁、つけものをつければ七百円。地酒「菊の水」は隣接する酒屋で購入すれば、店内で食事と一緒に楽しめる。
山本さんは「郷土史を含めて昔の味を楽しんで」とPRしている。
予約は一週間前までに代表の山本さん(077-552-3882)へ。







