元旦午前0時 新春の野々宮神社で奉納
◇東近江・八日市
江戸時代から元旦の獅子舞奉納が伝統的に続けられている東近江市立八日市図書館前の野々宮神社(中島伸男宮司)で年明け早々、除夜の鐘とともに伊勢大神楽・加藤菊太夫組による「女形の道中」(おやまのどうちゅう)が奉納された。
あいにく雨まじりの雪に見舞われ、拝殿の中で獅子三頭による「神来舞(しぐるま)」と「四方(よも)の舞」ほか、奉納された伊勢太神楽の神髄ともいうべき女形の道中は、獅子舞の曲芸のうちで最も華麗で難しい技とされ、地方によっては「花魁(おいらん)道中」とも呼ばれている。
大かがり火や万灯に映し出された獅子の舞う姿は、幽玄そのものの世界を醸し出し、初もうでに訪れた参拝客ら約三百人の目を奪うと同時に、今年一年の家内安全と隆昌、健康を祈願した。
獅子舞の奉納が終わって見物客らは、われ先に自分の頭を獅子の歯でかんでもらい、一年の無病息災を願い、新春一番の野々宮神社は大いににぎわった。
県下では、一月一日午前零時の年明けに獅子が舞うのは野々宮神社だけで、毎年、伊勢大神楽(国指定無形民俗文化財)の加藤菊太夫講社による獅子舞が奉納され、氏子や初もうで客らの隆昌と家内安全を祈願している。
同神社では、江戸時代から元旦の獅子舞奉納が伝統的に続けられてきた。また、明治から大正にかけては、氏子から奉納された古い獅子頭二体が伝えられているなど、獅子舞とは特に縁の深い神社として知られる。
伊勢太神楽の舞曲は「舞」と「曲芸」に大別され、女形の道中は獅子の舞と曲芸とを組み合わせた高度な芸で、近年、演じることのできる講社(組)は限られ、公演される機会も少なくなっている。







