市民がボランティア改修
◇東近江・近江八幡市
明治時代に建てられた築百二十年あまりの空き町家が、市民ボランティアらの手によって改修され、新たな市民まちづくり活動の拠点として生まれ変わろうとしている。
近江商人の屋敷などが続く近江八幡市の旧市街地の出町通、仲屋町元にある、三―四年前までうどん屋「千鳥食堂」として市民に親しまれた建物。店を切り盛りしていたおばあさんが亡くなり、家族も市外に住んでいるため、空家となっていた。
ここへ、近くの酒蔵の一部を借りて、八幡山から切り出された竹を使ったリサイクル竹工芸や陶芸などの創作活動と市民の環境保全・景観づくり活動との融合をめざした活動に取り組んでいる「八幡酒蔵工房」が移転することになった。
建物は老朽化が著しく、シロアリの被害や床のきしみ、建材の傷みもひどい上に、強引な増築の繰り返しによる危険か所も多かった。
改修工事には大工や左官の本職の人たちや退職男性らの市民活動グループのメンバーらが手弁当でボランティア参加し、昨年十一月から壁土や庭土の搬出の作業や、家屋の修復、下水道設備の設置、新工房の建設などに、連日汗を流している。
解体家屋からの建材の活用や、搬出土砂を八幡堀の植栽に利用するなど、リサイクル・省コストに徹している。
また、トイレのデザインを新進若手作家が協力したり、空き町家を活用したまちづくりを研究する学生らの協力もあり、年代を超えた連携も見られる。
完成後は、工房での創作体験だけでなく、建物内を通り抜けできる通路や、町並みを散策する人たちから中が見えるよう通りに面した部分の壁を一部ガラス張りにするほか、見学や休憩に気軽に立ち寄ってもらえるようカフェの開設、研修や宿泊にも利用できるようにして、観光客や市民活動グループの利用を図る。
また、環境・景観づくりグループの活動や作家の作品を紹介したり、西の湖の島状の田んぼ「権座」で取り組んでいる幻の酒米からの地酒づくりプロジェクトや手づくりの竹製楽器で演奏するバンブーオーケストラなどとも連携した活動を繰り広げる。
今月中にも工事完了、ものづくりやエコ体験の出来る滞在型の工房を目指し、三月ごろのオープンを予定している。
同工房の小関皆乎さんは、「関わってくれた人たちそれぞれの思いが詰まった施設になる」と、ボランティアの労をねぎらう。
八幡酒蔵工房は、近江八幡市仲屋町元一(TEL0748―32―6421)。









