新春講演会に約400人 蒲生地区
◇東近江・蒲生
蒲生地区自治会連合会(高岡壽一郎会長)と蒲生地区まちづくり協議会(向井隆会長)主催の新春講演会「みんなで考えよう!地域医療の現状を…」が二十四日、あかね文化ホール大ホールで開かれ、自治体病院を取り巻く厳しい現状を参加者約四百人が共有した。
冒頭、蒲生地区まちづくり協議会の向井会長が「能登川・蒲生の両市立病院を存続させるために、私たち住民も医療従事者らとともに考え、最大限の努力をしていかなければならない」とあいさつし、当事者意識を持って現状を正しく理解する必要性を訴えた。
続く講演では、東近江市病院事業管理者で能登川病院院長の中條忍氏が「医療の品格~地域医療の現場から~」と題して、財政危機と当直医体制の維持すら危うくなるほどの医師不足という二重苦に悩み、何とか打破しようと知恵を絞る自治体病院の取り組みに触れた。
参加者にとって最も身近な蒲生病院院長の加藤正人氏は、「医師不足の原因と蒲生病院の取り組み」をテーマに、新医師臨床研修制度の弊害や膨大な仕事量に疲弊する勤務医の実態、一方的な感情論に偏重したマスコミの医療関係者バッシング報道の圧力、モンスターペイシェントの存在など、日本の医療を取り巻く負の要因を深く分析しながら、国の早急な政策転換なくして破たんスパイラルの抑制は難しい現状にあると強調。
また、救急医療といった不採算部門から切り捨てる市場経済と連動した民営化傾向に疑問を呈した上で、「地域医療の中核として住民の健康を守ってきたのは自治体病院。大学病院となんら遜色(そんしょく)のない医療水準で医療を提供している」と言明し、蒲生病院の特徴として地域と住民生活に入り込んだ運営を挙げた。
一方、数年間で産科の常勤医二人体制から週一回の検診のみとなるなど「常勤医不足で当直が回らなくなる可能性も否めず、非常にピンチな状態」を明かし、明けない夜はないことを信じて「やれることはコツコツ取り組んでいきたい」と語った。
メモを取りながら熱心に聞き入っていた参加者らは、存続に向けた医療従事者の努力を知り、「近くて便利だから」と気軽に受診できる市立病院の存在意義を見つめ直した。







