東近江市の2病院は不参加
◇東近江・近江八幡市
医師不足など地域医療が直面する課題解決に向けて、東近江地域にある公的病院による連携、協力、再編ネットワーク化をめざす「東近江地域医療圏域における公的病院検討会議」の第一回会合が、近江八幡市立総合医療センターで九日開かれた。
会議は、元総務省の公立病院改革懇談会座長の長隆氏と全国病院事業管理者会会長で長崎県病院事業管理者の矢野右人氏の外部委員二人と、近江八幡市総合医療センターの槙系院長、独立行政法人国立病院機構滋賀病院の井上修平院長、近江八幡市蒲生郡医師会の久我正文会長、東近江医師会の小鳥輝男会長、滋賀医大の馬場忠雄学長、京都府立医大の山岸久一学長の委員六人に、アドバイザーとして県健康福祉部医務薬務課の八田敬次参事が加わり、計九人で構成。
この日は矢野氏が長崎県議会出席、小鳥氏が所用のため欠席した。また、東近江市の能登川病院中條忍院長と蒲生病院加藤正人院長は一旦参加を内諾したが、市で内容を把握できていないとして参加しなかった。会議としては、今後も二病院に参加を呼びかけることにしている。会長に長氏、副会長に矢野氏が就いた。会議は公開で行われ、近江八幡市議や医師ら多数が傍聴した。
発起人でもある槙院長は、「勤務医の疲弊による医師不足、支援要請に医師を送りたくても送れない大学の事情の中で、東近江医療圏の医療提供体制をいかに構築、維持していくか」と、会議開催の趣旨を説明した。
井上院長から「平成十五年には三十八人の常勤医が、現在、十六人。四月からは十五人、七月からは十四人に減る」、槙院長も「地域完結型医療体制の構築も、相次ぐ医師の撤退で二次救急の輪番制も困難になりつつあり、当院にかなりの負担がかかっている。効率の良い医療提供には病院間の連携が不可欠」と、病院側の現状を訴えた。
山岸・馬場両学長は、「地域医療への責任もあり、できる限り医師を外へ出したい気持ちはあるが、大学の中もギリギリの状態。」「定員増が認められ、滋賀医大でも百人から百十人に増えた。十人は地域枠として、将来県内の病院に勤務することを条件に県から五人に奨学金が給付され、残りの五人についても県内に残るような制度を検討している。入学者のうち県内高校出身者を二十人以上にしたい」など、大学の抱える現実に理解を求めた。
久我会長は、「医師不足の中で質の高い地域医療には効率の良い医療が求められる。地域完結型医療には住民にも(利用方法など)理解を求めなければならない。昨年十一月に『地域から医療福祉を考える東近江懇話会』を立ち上げ、検討を進めている」などと、地域全体の協力と理解を求めた。
自由討議では、▽地域完結型について今まで通りのやり方では難しい。機能的にどうやって持っていくかを検討いただきたい▽入学定員が増えたが、現場に出られるのには十年かかる▽地域と県で人(医師)を育てるシステムを作ってほしい▽機能分化していくのか、地域完結型をしていくのか、医師の集中と選択をしないと実現できない▽地域内で総合病院的な役割を担うことができればいい。行政の線引き超えたところで協議が必要▽医師の激務状況を市民に知ってもらうことも必要▽女性医師受け入れのための環境づくりが必要で、早急に解決しうる問題の一つ▽団塊の世代の後期高齢者化に備えた対応――などの意見や提案が行われた。
会議は四月と五月にも開催し、提言をまとめて、近江八幡市や東近江市、県に提出することにしている。






