処分場下流で基準280倍検出 栗東市 RD関連主張、県 否定
ダイオキシンなど有害物が流出するRD産廃最終処分場(栗東市小野)問題(注)は、県の行政代執行に向けて、ようやく対策工法を絞り込む段階に入ろうとしているが、下流二百五十ー四百メートル地点の地下水から国基準を大幅に超過して検出された総水銀については、処分場から流出したものかどうか分からないままだ。同市は飲み水の七割を地下水に依存するだけに、周辺住民から「このままだと将来に禍根を残しかねない」と懸念する声が上がっている。
処分場外で国基準(一リットル当たり〇・〇〇〇五ミリグラム)を超過する総水銀が検出されているのは、同市が設置した処分場下流二百五十メートルの観測井戸「市No7」、下流四百メートルの「市No3」の二か所=地図参照。
「市No7」は、平成十六年五月からモニタリングを実施。不検出だった一時期(十六年十月~十九年一月)を除き、およそ国基準値の五倍前後で推移し、十九年三月には二百八十倍(同〇・一四ミリグラム)もの総水銀が見つかった。
また「市No3」は、平成十四年一月からモニタリングが行われ、基準値の五倍前後で推移し、最高で国基準の五十六倍(同〇・〇二八ミリグラム)の総水銀を検出した。
一方、上流の処分場内でも、県の観測井戸D―2で十九年八月から基準値の五・二倍(同〇・〇〇〇二六ミリグラム)―二十倍(同〇・〇一ミリグラム)の総水銀を検出している。
このため地元栗東市は「地下水の流動方向は、処分場から場外の高濃度総水銀の検出地点へ流れている。場内でも総水銀が検出されていることを考えれば、場外の総水銀は処分場から流れてきた可能性が高い」と主張する。
これに対して県最終処分場特別対策室の上田正博室長は「県の検討委員会では、総水銀が処分場からのものかどうか答えが出なかった」と反論し、「処分場から流出しているのであれば、対策工事(遮水壁)で止まるだろう。しかし、工事で止まらなければ、処分場由来ではないということ。RD処分場以外の問題になれば、県としては対策の青写真を出すのは難しいし、別議論になる」と慎重だ。
栗東市RD調査委員会(今年二月末で任期満了)で委員を務めた畑明郎氏(大阪市立大学特任教授)「県は、処分場内と場外の水銀の関連を否定する根拠として、上流である場内の濃度が低いことを挙げているが、場内をもっと調査すれば濃度の高い地点は必ずあるはず。というのも、RD社は滋賀、京都の多くの病院から医療廃棄物を引き受けてきた。病院では血圧計や体温計などに多くの水銀が使われているので、場内には相当の濃度の水銀が埋まっている。また、総水銀は処分場の底から漏れているので、遮水壁では十分に流出は止まらないだろう」。
(注)RD社(破産)の産廃処分場は廃プラなどを対象にした安定型処分場だったが、油系の産廃を詰めたドラム缶などが違法に埋められた上、許可容量(四十万立方メートル)を超える七十二万立方メートルもの産廃が埋められた。平成十一年十月に有害ガスである硫化水素が噴出して問題が表面化。県命令による是正工事が行われたものの、現在も地下水汚染が続く。






