夢実現へ 夫婦で大きな一歩
◇東近江・日野町
「思い続けていたら、きっとできるはず」。そう信じて、日野町在住の木元秀子さん(34)が、夫の仁さん(46)とともに同町大窪でカフェ“REN―ROU(リン・ロウ)”を開いた。旧東近江地域振興局と東近江管内二市三町が主催した「女性によるマーケティング戦略チャレンジ事業」の講座受講者でもあり、自らが思い描く店づくりへ大きな一歩を踏み出した秀子さんに迫った。
もともと紅茶やお菓子作りが好きだった秀子さんは、近江八幡市にある紅茶専門店と出会い、カフェ経営に興味を持ち始めたという。
「一人で通える雰囲気が大好きで、私も『一人でも気軽に寄れて、くつろいでもらえるような店をしたい』と思った」。金融関係の仕事に就きながら、少しずつカップを集めたり、茶葉を取り寄せて夢を膨らませた。
次のステップとして、ケーキ屋で働いた。憧れの喫茶店でも短期ながらアルバイト経験を積み、店主の「自分が(カフェで)したいことは何か。自分の中ではっきりと見つけてから実行した方がいいのではないか」とのアドバイスで目が覚める。
漠然とした思いだけではかなえられない現実―。その後、結婚を機にカフェ経営は、調理の職に携わっていた夫との共通目標となり、茶葉やコーヒー豆に関する知識を深めていった。両親の老後や廃業したときの年齢も考え「今がチャンスだ」と決断し、昨年、女性によるマーケティング戦略チャレンジ事業に飛び込んだ。
講座でコミュニティカフェ開設の企画案づくりや現地調査を重ねる中、地元に目を向ける大切さを学んだ。「子どものいる母親や主婦らが空き時間に立ち寄り、ティータイムを楽しめる場所が町内には少なすぎる」と、集客力よりも地元での開業を優先した。
店名は“琳琅(リンロウ=玉などがあふれ触れ合い美しい音を立てるさま)”に由来し、幸福があふれるような店にしたいという気持ちが込められている。座席数は、カウンターも含めて十四席。
茶とクリーム系で統一した店内はオリエンタルな落ち着いた雰囲気で、通りに面していないため人目も気にならず、ついつい長居してしまうほど心地よい。
「コーヒーも紅茶も一つの出会い。それぞれの違いを楽しんでほしい」と、味と香りが引き立つポット出しの紅茶七種類、豆から厳選したこだわりのコーヒー九種類を用意。飲み慣れている味に固執せず、少し冒険してみると新たな出会いが待っており、自家製ケーキとも相性抜群。パスタやオムライスランチ後の一杯も、至福のときが味わえる。
昨年十二月二十九日のオープンから、もうすぐ四カ月。ターゲットにしていた三十、四十歳代以外に、中高年へも客層が広がっている。
一方で「まだまだ理想と現実はほど遠く、生活の収入源として経営を続けていく難しさ」を痛感。講師の「開業自体は一歩踏み出せばできるが、続けていくことが難しい。けれど、自分たちで勉強や研究を重ね、初心の気持ちを持ち続ければ発想も浮かんでくる」との言葉を思い出しながら、地元で愛される店づくりを目指して夢を追い続ける。







